ウルトラマン物語(映画)

ページ名:ウルトラマン物語_映画_

登録日:2019/03/21 Thu 23:40:58
更新日:2024/04/04 Thu 11:15:53NEW!
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父が勇気を教えた、母が愛を与えた


戦え!タロウ 正義のために!!




『ウルトラマン物語ストーリー』は、1984年7月14日に公開されたウルトラシリーズの映画作品。



【概要】

それまで過去の映像作品をそのまま上映するか、再編集ものが主流だったウルトラシリーズの劇場版では初となるオリジナルストーリー*1であり、半分以上が新規映像となっている。
この新規映像と、昭和ウルトラシリーズ本編映像の流用を交えつつ、ウルトラ兄弟6番目の戦士・[[ウルトラマンタロウ>ウルトラマンタロウ]]を主役に据えて少年時代から戦士として成長していく姿を描いている。
CMなどにもたびたび出てきていたちっこいタロウの着ぐるみはこの映画に登場するものである。


本作は『ウルトラマンタロウ』の前日譚として作られているが、

  • 『タロウ』本編第1話におけるタロウの誕生シークエンスと辻褄が合わない
  • 後の時系列である『ウルトラマンレオ』と『ウルトラマン80』の映像も収録されており、加えてこの2人がタロウより先に地球に赴いていたという設定になっている。
  • ウルトラマン』に登場したメフィラス星人、『タロウ』に登場したメフィラス星人が本映画では同一人物扱い

……など、TV本編と照らし合わせると矛盾している点も多い。


また、タロウの声に石丸博也氏・ウルトラの母の声に池田昌子氏を起用、複数のウルトラマンの力を1人に収束させたスーパーウルトラマンの登場といった本作の要素は後年の作品にも受け継がれているので、ウルトラシリーズファンなら是非とも鑑賞しておきたい作品である。


なお、ニュージェネレーションヒーローズでは更に踏み込んで、ジュダやコスモミラクル光線、少年時代のタロウといった本作の映像や設定が積極的に使われるようになった。
ニュージェネレーションヒーローズでのタロウは明らかにM78ワールド正史の本人であるため*2、本作がそっくりそのままニュージェネレーションシリーズでの正史扱いかというと微妙なところだが、
映像化されていないだけで、本作と似たような出来事がM78ワールド正史でもかつて起こったとすれば矛盾はしない。
また、同シリーズで派生種が多く登場した強敵怪獣・グランドキングもこの作品が初出。


ちなみに本作にはウルトラ戦士の人間態や地球人の類のキャラクターは登場せず、その関係でウルトラ戦士及び宇宙人が喋りまくる。
???「最近のウルトラマンはベラベラ喋りすぎだ。神秘性がなくなる!」


次回作としてウルトラ戦士と『アンドロメロス』が共演する映画が製作される予定だったが、実現しなかった。
後年の『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』において、共演自体は実現している。



【あらすじ】

M78星雲・光の国に1人の少年がいた。宇宙の平和を守るウルトラ戦士を目指す彼の名はウルトラマンタロウ。
時には失敗をしながらも両親であるウルトラの父とウルトラの母に支えられながら成長していった。


そんな中、かつてウルトラの父によって封印された宇宙の帝王ジュダが復活の兆しを見せる。


大宇宙の破壊を目論むジュダが生み出した超合体怪獣グランドキングにウルトラ5兄弟、そしてタロウが立ち向かう!



【登場キャラクター】

ウルトラ戦士

声:石丸博也野沢雅子(少年時代)
主人公。
少年時代にドックンを怒らせてしまったり、訓練中に慢心からミスを犯したり、中々地球防衛を任せられない事に不満を抱くといった未熟な姿も描かれているが、父の教えと母の愛を通じて戦士として成長していく。
本作ではウルトラホーンが物語における大きな役割を持っている。
演じる石丸氏は後に『ウルトラマンメビウス』『ウルトラマンギンガ』などでもタロウを演じており、2000年代以降はタロウの声と言えばこの人というファンも多いかもしれない。


声:石田太郎
タロウの実父。息子に対して時に厳格な態度を示すが、それは一人前の戦士になることを願うからこそ。
(流用映像による)本作におけるヒッポリト星人との戦いでは「タロウとの特訓中に5兄弟が全滅した報告を受け、万全でない状態で向かわざるを得なかった」というフォローがされ、敗れた事に説得力を持たせた描写になっている。
また、本編ではカラータイマーを剥いでウルトラマンエースにエネルギーを分け与えた後に死亡したが、本作では命を取り留め、ラストには全快している。
不死身の親父。


声:池田昌子
タロウの実母。
子供のタロウにドックンを怒らせた事を戒めたり、全ての怪獣が悪の存在ではない事を説いた。
また、グランドキングと戦うウルトラ兄弟にウルトラサインと助言を送り、勝利の糸口を作った。
池田氏は後の『メビウス』や『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』でも母の声を担当した。


声:津田喬

声:堀内賢雄

声:松田重治*3

声:小室正幸

声:佐藤弘
ウルトラ5兄弟と呼ばれる戦士達。中盤までは流用映像での活躍が中心。
クライマックスではタロウと共にグランドキングとの戦いに挑む。


声:佐藤弘

声:小室正幸
流用映像のみでの登場。本作ではタロウより先に実戦に出ていたという設定になっている。



怪獣・宇宙人

  • 宇宙の帝王 ジュダ

身長:60m
体重:3万2千t
出身地:不明
声:和田啓
強大な力を持つ、宇宙の歪みから誕生した悪魔として恐れられている存在。
5万年前に緑の惑星だったフェラントを死の星に変えてしまうが、ウルトラの父により封印される。
実体を持たず、更に出現の大元である「宇宙の歪み」は完全に消す事が出来ないため、数万年ごとに復活してくるというタチの悪い存在。
そのため、ウルトラ戦士達は何世代にもわたってジュダが復活しては封印してきたという。
大宇宙の破壊のため、そして自分を封印したウルトラ戦士への復讐のため宇宙に散らばる悪意を集め、超合体怪獣グランドキングを誕生させる。


元々は映画と同時期に展開されていた『アンドロメロス』のキャラクターで、実質的なゲスト登場に近い。


身長:78m
体重:21万5千t
出身地:宇宙
ジュダが集めた怪獣達の怨念に自身のエネルギーを注ぎ込んで誕生した超合体怪獣
ジャンボキングやタイラントといった他の合体怪獣と違い、メカメカしい容姿をしている他、身体のパーツもどの怪獣のものなのか特定しづらい形状となっている(一応頭の角がゴモラ、腕のハサミがバルタン星人、尻尾がツインテールに似ていると言われることもあるが)。
攻撃力・耐久力共に桁外れの強さを持ち、惑星フェラントでの戦いにてウルトラ6兄弟をまとめて余裕で相手取った。


  • 小型怪獣 ドックン

身長:27m
体重:1万t
出身地:M78星雲・ウルトラの国
ウルトラの星に住む大人しい小型(といっても数十メートル級だが)の怪獣。
ところどころ毛が生えた緑色の身体に眠そうな目と出っ歯が特徴。
少年時代のタロウが特訓で失敗しているところを見て笑ったため、タロウに怪獣退治の練習台にされてしまう。
それに怒ってタロウを追いかけ回すが、様子を見ていた母に戒められたタロウが謝ったため、最終的には仲直りできた。


映像作品での再登場は今のところないが、2010年エイプリルフール企画の円谷ッターにて「今はビジネスマンとして活動している」と母が言及しており、円谷プロの公式Twitterで展開された「円谷プロ大怪獣カード」でもその件について触れられた。



※以下、流用映像で登場した怪獣や宇宙人達(一部)

ジュダの配下。初代と2代目の映像が流用されているが、本作ではなんと同一人物である。
そのためか前者のほうも余計に小物臭い印象を受ける*4造形のことは言うな。


初代と再生版の流用映像にて登場。
本作では一度セブンに倒された後、メフィラス星人によって強化改造させられたという設定。
造形のこt(ry


流用映像にて登場。初代ではなく『80』の流用なのでブタ鼻のほう。
ジュダの配下。断末魔が妙に印象深い。
「ジュダ様~、ジュダ様ぁぁぁ~!」
理由は不明だが、劇場公開版とVHS版*5、DVD版以降の映像ソフト&配信では声のエフェクトが異なっている(キャスト自体が変更されているかは不明)。


流用映像にて登場。
ジュダの配下。概ね本編通りの動向。


流用映像にて登場。
ジュダの配下で、とある理由でタロウを危険視したジュダにより、タロウを誘き寄せるために地球に送り込まれる。
本編とは違い人語を話す。


この他ミクラスグドンツインテールシルバーブルーメ、3代目レッドキングなどが過去の映像流用で登場している。



【主題歌】

エンディングテーマ「ウルトラマン物語 星の伝説」
作詞:谷のぼる
作・編曲:菊池俊輔
歌:水木一郎、こおろぎ'73


挿入歌「愛の戦士タロウ」
作詞:谷のぼる
作・編曲:菊池俊輔
歌:水木一郎、コロムビアゆりかご会




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  • 石丸さんで「ストーリー」と言ったらポリスストーリーを思い出したけど、こっちが先に上映してたのね。 -- 名無しさん (2019-03-21 23:49:24)
  • 水木一郎の曲がどっちも名曲だと思う -- 名無しさん (2019-03-22 00:02:54)
  • 次はメビウス主役でこういうのやってほしいね。 -- 名無しさん (2019-03-22 00:37:53)
  • タロウの訓練シーンの怪獣達はともかく一応話にかかわっていたエンマーゴは -- 名無しさん (2019-03-22 01:16:55)
  • ジュダが出てるのは続編が出た場合にアンドロメロスとクロスオーバーさせる予定だったから…らしい… -- 名無しさん (2019-03-22 10:31:54)
  • メフィラス以外だと、タイラントがタロウが子どもの時に出現しててゾフィーと戦っている、アントラーが青い石でなくスペシウム光線で倒される、エンマーゴがタロウの首を刎ねずに倒されるなど流用映像でも本編と違うところは結構多い。 -- 名無しさん (2019-03-22 14:23:47)
  • ニュージェネはグランドキング大好きだよね。ギンガ、ファイトビクトリー、オーブ、ルーブの4作品に出てる。うちビクトリーではジュダと関わってる -- 名無しさん (2019-03-22 15:03:08)
  • シルバーブルーメが出るという事はこの世界でもMACは全滅するのか -- 名無しさん (2019-03-22 17:11:53)
  • ポスターにはゴモラもいたね。本編には出なかったけど -- 名無しさん (2019-03-22 18:46:04)
  • ドックンやラピドッグは今のウルトラの星にもいるんだろうか… -- 名無しさん (2019-03-22 21:21:05)
  • ↑内山まもるの漫画版『タロウ』だとラビドッグはテンペラ―星人の罠からタロウを救うために命を落とす展開があった。ドックンは四月馬鹿の円谷ッターでウルトラの母が「今は偉くなってる」みたいなことを言っていた覚えが -- 名無しさん (2019-03-22 21:27:31)
  • ↑「大御所様」の存在を考えるとドックン出世説も説得力あるな -- 名無しさん (2019-03-23 07:48:15)
  • この頃のウルトラマンは喋り過ぎだ!神秘性はとうになくなっている! -- 名無しさん (2019-03-23 08:23:05)
  • ゼミストラーの鳴き声はこっちのが好きだったりする -- 名無しさん (2019-03-23 21:05:34)
  • 因みにDVD版以降はバルタン星人の声のエフェクトが変わってる。 -- 名無しさん (2020-07-30 09:52:49)
  • 少年タロウが青年タロウになるシーン好き -- 名無しさん (2020-09-01 07:50:00)
  • ちなみにタロウのスーツアクターを演じられた城谷さんは同年に仮面ライダーZXも演じられているので、ウルトラとライダー兼任した稀有なアクターさんだったりする -- 名無しさん (2020-09-01 08:25:06)
  • 居村眞二の漫画「決戦!ウルトラ兄弟」はタロウの危機に駆けつけた兄弟の中にレオがいたり、二代目ゼットン戦の後も郷が普通に地球にいたりと色々パラレルなので実はこの映画と同じ世界観なのではないかと睨んでいる -- 名無しさん (2021-02-03 22:13:43)
  • 「パラレルではなく正史」という公式設定があるので、それに沿って修正します。 -- 名無し (2021-03-12 06:08:23)
  • 今見ると新撮部分が少しちゃっちいけど -- 名無しさん (2022-11-09 23:13:39)
  • ミス。今見ると新撮部分が少しちゃっちいけどそれでも大好きな映画。子供の頃は家にあったビデオを何十回と見たもんだ。 -- 名無しさん (2022-11-09 23:14:55)

#comment

*1 一応海外との合作を含めるなら白猿ハヌマーンで有名な『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』が先。
*2 『ウルトラマンギンガ』時点では本作の時空のタロウという解釈もできたが、後のシリーズでのタロウとギンガの面識を考えると正史のタロウでなければ説明がつかない。
*3 実はあの「ポンキッキ」のムックの人。
*4 とはいえ、自分の要求を頑なにつっぱねるサトル少年に苛立ちを隠そうともしないなど、オリジナルの初代も決して大物とは言い切れないのだが。
*5 総集編VHS『ウルトラビッグファイトスペシャル3 ウルトラ戦士VSバルタン星人』ではこちら準拠の場面が収録されている。

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