笑顔を咲かせて

ページ名:笑顔を咲かせて

登録日:2019/01/20 Sun 18:41:38
更新日:2024/03/28 Thu 13:36:26NEW!
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最後に愛は勝つ 純愛 涙腺崩壊 エロ漫画 鬱展開 陵辱 強姦 ハッピーエンド 笑顔 末永く爆発しろ 18禁 レイプ 所要時間30分以上の項目 因果応報 自業自得 comic x-eros ntr←ではない(作者談) あきのそら 新テニスの王子様rising beat←とは関係ない 笑顔を咲かせて



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また、内容のネタバレが含まれますので、閲覧は自己責任でお願いします。





彼女のウソを僕は知らない……




単行本「笑顔を咲かせて」の煽り文より引用。




『笑顔を咲かせて』は2015~2016年にワニマガジン発行の『COMIC X-EROS』に連載されたエロ漫画
作者は「あきのそら」。全5話。この作品は2016年11月30日*1に表題作として単行本化。


【概要】


COMIC X-EROSをメインに活動するあきのそら氏は純愛モノに定評のある作家であるが、この『笑顔を咲かせて』は純愛と陵辱という要素が織り交ざった異色作。
それ故に愛する彼氏との和姦とは別に、体目当ての婚約者による陵辱が描かれ、第2話では仲睦まじいカップルの仲が下衆な婚約者の手で引き裂かれる重い展開が描かれる。


だが、この作品の根底に有るのは二人の純愛で苦難を乗り越える展開であり、最終話からラストにかけての展開は正しくタイトル通りのモノになっている。
そういった展開上、各種宣伝や紹介記事等で寝取られ要素が強調されているのだが、氏はTwitter上でこの作品を寝取られモノではないと明言している。作者が作者なので。


あとがきによると、作者はデビュー前から長編モノを書きたいという思いと目標があり、氏にとって初めての長編モノである『笑顔を咲かせて』はとても大切な作品の一つと語っている。
前々担当から「女の子の台詞の『大好き』が軽い」と指摘されたことで続きもので「『大好き』を重く」してやろうと意気込んでいたのが、本作を執筆するきっかけの一つである。


1話完結もののエロ漫画『ブーゲンビリア』も収録されているが、こちらはいつもどおりの作風である。
内容は恋人として付き合ってるお嬢様とのイチャラブものであるが、そのお嬢様は変態なので尚更ギャップを感じてしまう。


とらのあな特典は『Making of 笑顔を咲かせて』*2が、メロンブックス特典は4話と5話の間を描く『EXTRA STORY』*3が収録されている。現在は入手困難となっている。


【あらすじ】


早崎かなえ如月匠相思相愛の学生。だが、かなえには匠には言えない秘密がある。
父親の会社を救うために融資元の御曹司・九条と婚約することになったが、それと引き換えに九条に体を弄り回され、一方的な性行為に強いられる日々を送っている。


それに疲れきった中、匠の一途な人間性に惹かれ、恋人同士としてつきあっているが、その事実に気づいた九条はかなえを独占するべく、彼女の心の支えとなっている匠との仲を引き裂こうとする。
かなえを心から笑顔にしたい匠の「純愛」かなえを自分のものにしようとする九条の「欲望」かなえの選ぶ恋路は何処へ向かうのか―――



【登場人物】



  • 早崎かなえ

本作のヒロイン兼主人公を務める女子高生。名前の由来は「願いよ叶え」から来ている。
黒髪セミロングであり、グラマラスな体型をしている。


父親の会社を救うために融資者である九条と婚約を結ぶが、「それと引き換えに」身体を開発され続け、望まない性行為を強要された*4
そんな日々に疲弊を感じた彼女であったが、ふと見せた「心からの笑顔を見て好意を抱いた匠から告白され、彼と恋人同士となる*5
匠と一緒にいる時間を愛おしく感じる一方、九条と会うだけで苦痛に感じてしまう、対照的と言える場面が描かれている*6
しかし相思相愛である匠に、九条の存在を打ち明けることができずに苦悩し、その九条によって匠と付き合っていることを知られてしまう。


前述の通り、かなえは匠のことを一途に想うが、全て九条に開発されたかなえの体は陵辱されるたびに激しく感じてしまう事実はかなえにとって受け入れがたいものであった*7
開発されてはいるものの、九条との性行為には終始嫌悪する形で描かれ、逆に匠との性行為に対して包み隠さず淫れては激しく求める描かれ方をしている。




  • 如月匠

この物語のもう一人の主人公である、かなえの恋人。短めのやや色の薄い黒髪で眼鏡をかけている。
凄く辛そうに笑っているように見えたかなえの姿が気になって目で追った所、一度だけ見たかなえの「心からの笑顔」に惚れ込み、八回もの告白の末にかなえと恋人同士になった。


かなえと性行為を行ったり、かなえの下着に見とれてしまい怒られたり、かなえをおんぶするも太ももと胸が当たって興奮し、図書館の中でエッチするなど*8、エロ漫画らしく性欲は人並み。


作中ではかなえを心から大事にしており、時折彼女が辛そうな顔をするたびに心配して気にかけていたが、そのかなえが九条と婚約・肉体関係にあることを知らないという蚊帳の外であった。
そして九条の手でなし崩しにかなえの隠された秘密を知った際は一度くじけたが、何故彼女を好きになったのかを知ったときは諦めずに立ち上がり……。




  • 九条

今作の悪役で竿役で、ある意味婚約者を取られる側の人。
かなえの父の会社に融資している大財閥の御曹司で*9、それと引き換えにかなえとは許嫁の関係を結んでいる*10


表向きは紳士的だが、発言の各所や行動を見ればわかるように、その本質は独善的かつ傲慢であり、かなえに自分との性行為を押し付けている真性の下衆
当然ながら一方的な性行為は彼女の心を疲弊させているが、かなえの意思を無視して自分の言うことを聞かせようとする。


そのかなえが匠と相思相愛の関係である*11ことを知ると、悪辣な手段を平然と用いて匠を徹底的に排除させ、終盤では人として最悪としか言いようがない行動を取る
総括すればこの男はかなえの婚約者でありながら、彼女を顧みないくせに彼女を自分のものにして苦しめ続けた「極度のエゴイスト」と言える。


調教は金持ちボンボン故のズレた彼なりの愛情表現であったのかもしれないが、調教しながらも最後までかなえに終始否定され続け、その肝心の成果も作中では匠との行為に活かされるハメになっている。
開始以前からの関係でありながら最後までかなえから匠の存在をかき消す事が出来なったのは自業自得とはいえ、切なく哀れかもしれない(作中でもそれに対して苛立ちを見せていた)。




【内容】


第1話


学校の帰り道、どこか浮かない顔をするかなえは恋人である匠に来週の日曜日に一緒に図書館で勉強することを約束して帰った。
匠はかなえの笑顔が好きだと言ってくれる。かなえをかなえとしてみてくれるのが本当に嬉しく、そんな匠のことがかなえも大好きである。


その匠に隠している秘密、かなえの許嫁という関係である九条の元に向かう事になる。憂鬱な面持ちのまま学生服からナイトドレスに着替え、言いつけ通り下着を履かないまま。
ホテルの一室で九条との望まない性行為を行っている最中、匠からの着信が来た。もし通話プレイを我慢できたら今日はこれで終わりにするとかなえに口約束をした九条。


電話に出るが、後ろから激しく突かれるたびに喘ぎ声を上げるかなえ。このままでは匠に知られてしまう。
匠はかなえが元気でないことに心配したから電話にかけたのだが、その事を気に留めずに突き上げる九条。
匠の前で絶頂したくない。それでは自分の手で匠との愛が否定されてしまう。だからどうしても我慢しなければならない。


なんとか終われたのだが、九条は我慢したご褒美と称してかなえへの性行為を続ける。かなえは約束を反故にしていることを指摘するも、九条はあくまでもご褒美だとして無視している。
約束を平然と破った九条に性行為を強制されたかなえは一層苦痛を覚えてしまうが、それに反して体が感じてしまう。かなえはそれが嫌で仕方なかった。


性行為を終えたものの、かなえはまるで生気が感じられない虚ろな目つきをしながら涙を流していた。
電車の帰り際に匠から電話がかかるが、彼女は涙をこらえながら匠に秘密を隠すしかない。



第2話


図書館にいるかなえは九条から「いつもの場所で待っている。すぐにくるんだ」という呼び出しを憂鬱な表情で見るが、匠が来たことで画面を打ち切った。
一転して匠に心からの笑顔を見せるかなえだが、九条の存在を明かすわけにはいかず、呼び出しもただの間違い電話だと隠していた。


約束した時間より遅刻した匠に読みたい本を探すように手伝うようにお願いするかなえ。これには匠も断るわけにはいかないだろう。
その肝心の読みたい本が高いところにあるためどうしても届かないかなえだが、匠でも届きそうにない。
かなえはいいこと考えた。それは匠がかなえをおんぶするが、体勢が体勢なので図書館の中で情事を行っていた。


誰かが来ることに気づいたかなえだが、気持ちよすぎて性行為を続行する匠。見つかったら大変なことになる。
そしてあまりの気持ちよさに声が出てしまうかなえだが、匠に唇で口を塞ぐ形で声だしを抑えた。
いつにもまして匠に対して積極的に求めるかなえ。性行為を終えた二人が互いに愛を確かめ合おうとしたその時……


大好きだよかなえさん


ありがとう匠君…私も匠君の事大好―――




こんなところにいたのかかなえ君



不意に現れた九条に恐怖のあまり動けずにいたかなえ。どうやら自分の呼び出しを無視したことに業を煮やした九条が仕込んだGPSで出向いたようだ。
九条はかなえに対し「よほど嫌がることを要求されたみたいだね」と述べ、匠に対して「嫌がるのを無理やりは感心しないな」とのたまう。


そして九条は「かなえの許嫁」と名乗り、「乱暴なことをされては困る」と匠の目の前でかなえの体を弄り回すのであった。
かなえの事情を知らない匠は今起きている状況を飲み込めずにいたが、かなえが嫌がっているにもかかわらず無理矢理辱めている九条に怒りを募らせて止めようとする。


しかし九条は「恥ずかしがってるだけで別に嫌がってるわけじゃない」と正当化し、自分の手でかなえが愛液を垂れ流している様子を匠に見せつける。
乳首を摘まれ、尻の穴を入れられて喘ぎ声をあげるかなえ。全て九条に開発されたかなえの体は陵辱されるたびに激しく感じてしまう。心は受け入れたくないというのに……。
九条の手で激しく感じるかなえの姿を目の当たりにした匠は茫然自失に陥り、かなえはそんな姿を晒してしまった匠にただ謝るしかない。そして嘲笑うかのように九条は告げた。


ごめんなさい。匠君ッ。ごめんなさいッ


これでかなえ君が俺のだってわかっただろう?


これからはもう手を出すんじゃないぞ


そうか…なんであんなに激しく僕を求めたのかようやくわかった…でも今は…


かなえさん…ごめん…また学校で…



匠はかなえが九条と許嫁の関係である事知ってしまい、かなえの痴態を目の当たりにした匠は失意のままその場を後にする。
かなえは自分が心から愛してくれる匠に知られたくないことを九条の手で知らされ、自分の元から去ってしまったことに絶望してしまう。


どうせ遊びだったんだ。気にする事じゃないさ


それに、これで君は俺だけのものになった。わかるな?


…はい…私は九条様のものです…



取り残されたかなえに対して九条は「遊びだった」と匠との相思相愛の関係を否定しながら陰茎を露出して、改めて自分の「モノ」になるように突きつけた。
自分を人間として愛してくれる匠がいなくなったかなえは、自分の体しか見ない九条だけのものになるしかない。
九条の悪辣な手によって二人の仲は最悪な形で引き裂かれてしまった。かなえと匠の恋路はこのまま終わってしまうのか……。



第3話


自分の呼び出しを無視して匠と交わした罰として、九条に目隠しされ、ポールギャグで口を塞がれ、乳首や秘部にローターをつけられておもらししてしまうかなえ。
九条はホテルでかなえの父に電話をかけるが、かなえを放置させた上でバレないように部屋の外で電話をして部屋に戻り、さらにかなえを徹底的に調教させようとする。


父さんから君に伝言だよ。くれぐれも粗相もないように…だってさ


はははもう粗相しまくりだね


僕の呼び出しを無視してあんな男と一緒にいたかなえ君が悪いんだよ。反省したかい?


は…い…申し訳ッ…ありませんでした……ッ



だがかなえは匠の目の前で九条に陵辱され、仲を裂かれたショックからか屈辱的なことをされても抵抗もせずにただ従うだけとなってしまった。
イマラチオで喉に負荷をかけるような行為をされたあと、九条の陰茎を自分の秘部を入れるように懇願するかなえ。まるで九条の操り人形になったかのように。


そういえばこの前の彼氏君、あの時は最高に笑える顔をしていたね


あの信じられないって顔、傑作だったよなぁ


かなえ君も相当楽しめたんじゃないかな?



性行為をする際、悪辣な手で引き離した匠の事を残酷なまでに虚仮にし、それで心を打ちのめされたかなえがあの光景を楽しめたのだと思っている。
あれだけやった以上、匠はかなえの事は諦めるだろうと確信し、もしストーカーになったとしても「僕が守るから安心するといい」と懐柔しようとする。


そのかなえが未だに匠のことを考えていた事を見透かした九条は、かなえから匠を徹底的に忘却させようと、そこにある酒をかなえの秘部に挿入した。
九条からすれば匠との性行為で汚れた秘部を消毒させ、「あんな価値のない男を心配するなんて、気にする程でもない」とかなえを手中に置こうとする。
かなえは酩酊状態に陥ってまともな思考ができないのか九条を匠だと思い込んでしまう。互いに知らぬまま九条とかなえは性行為に及んでしまう。


かなえは、また匠と一緒にいられて性行為できるが、それは九条であって匠ではない。九条もかなえが匠のことを忘れて悦に入るが、逆に自分が匠と思い込まれているだけである。
その最中、ふとかなえが匠の名前を言った際、九条は自分が見下した相手である匠と思い込まれた事に逆上し、かなえの髪を乱暴に掴んでドアに叩きつける


かなえは酩酊状態に陥った事で状況を飲み込めておらず、「何故匠が怒っているのか」と考えた瞬間ここで匠でなく九条であることに気づいて青ざめてしまう。
一転して悲鳴を上げるかなえはその場にいない匠を思いながら膣内射精されてしまうが、機嫌を損ねた九条に乱暴な形で部屋から放り出されてしまう。


まったく気分が悪い。今日はもうさっさと僕の前から消えてくれ


そうそうお父さんには君から伝えるんだ。大変な粗相をしてしまった…とね



「かなえに乱暴なことをされては困る」と言い放って匠を引き離しながら、自分ではなく匠を選んだ事による苛立ちでかなえを乱暴に扱った九条は部屋に戻ってしまう。
今のかなえにはどうすることもできず、ただただ無造作に投げられた制服を抱きながら体を小さくするしかなかった…


あの一件から一週間が経ったが心ここにあらずと教室で立ちすくんでいる匠。あの時、かなえが九条によって感じてしまう光景が理解できず、立ち直れないでいたのだ。
それを思い出すだけで悔しさと怒りが湧き上がり、しかし彼女が辛そうな顔をしていた事を目の当たりにした彼はどうするのかを迷っていた。
だが、心からの笑顔を見せるかなえを思い出した彼は何をすべきかと気づき……


一方かなえは屋上から地面を見つめている。ここから飛び降りれば楽になれると思ったが、既のところで匠の姿が浮かんだことで思いとどまった。
その直後に現れた匠の姿を見たかなえは彼に駆け寄ろうとするも、口元が笑っていない事に気づいた。
匠が自分にはっきりと別れを告げに来たのではないかと思い込み、彼を拒絶しようとしたが、匠はそんなことはなく、かなえが辛そうに見えたからと彼女を励ましに来たのだ。


あ…貴方とは遊びだったの。貴方の事なんかこれっぽっちも…想ってなかったわ…


かなえさん…


私は…九条様の事が…ッ。貴方の事…なんか…



かなえは自分が追い詰められていることを否定し、自分から匠を突き放して九条を選ぼうとする。今にも泣きそうな「強がりの笑顔」を浮かべて。


僕が見たいのはそんな顔じゃない 僕が見たいのは


あんな事があったけど…やっぱり僕はかなえさんが好きなんだ


何があってもこの気持ちは変わらないと思う



匠はそんなかなえの悲しい姿を見るために来たのではないと諭すかのように口付けを交わした。
許嫁を名乗る九条に陵辱された光景を見ても、そして何があってもかなえを「好きでいる」この気持ちは変わらないと、匠はかなえに告白する。


どうして…


どうしてあなたは私を好きと言ってくれるの。


欲しい言葉をかけてくれるの


匠君…私も貴方のことが好きッ 大好きなのッ!



かなえは九条に婚約を結ばされて処女を奪われ、汚されてしまった自分を匠に知りたくないと隠した。
それは自分を見てくれた匠が好きだから。九条によって匠が自分から去ったときは絶望し、しかし匠を想い続けた。
匠を突き放すばかりか今までのことを遊びだと否定することが彼女にとって望ましいものではなかった。そんな自分を何があっても愛してくれる匠に対し、匠への想いを沸き上がらせた。
屋上で互いに身も心も結び会った。時間が止まっていればずっと匠といられる。それができなくとも、匠と愛のある交わりをかわしたかなえは「心からの笑顔」を取り戻すことができた。


ありがとう… 大好き♡



そしてあの時言えなかった「大好き」の言葉を今度こそ言えたかなえは匠に感謝しつつもその場を後にし、同時にかなえはある決意を固めた。
場面は変わって社内にいる九条。手にしたスマホで「いつもの所に来るんだ」と誰かにメールをしていた。



第4話


自分に対して酷い仕打ちをし続けた九条との関係を断ち、自分を笑顔にしようとする匠といっしょに過ごすことを決めたかなえ。
縁談をなかったことにしようと父親に電話をしている。彼女は今になって匠と初めて会ったことを思い出す。
最初は匠から自分に告白されるも、九条と同じく自分の身体目当てではないかと思って断ったが、八回も渡って告白した匠に折れる形で「なぜ諦めないのか」と呆れ気味に質問する。


彼女が学食でいつも陽の当たるところで食事したこと、野良猫にご飯をあげる時は笑うの我慢し、スマホの操作に慣れていないことを気にしていた。
恥ずかしさのあまりかなえは途中で遮るが、匠はそんなかなえを見ていたらいつの間にか好きになってたと。
彼からの告白を聞いたかなえはちゃんと自分を人間として愛してくれることに涙を流し、匠の恋人になることを決めた。


父親に許しをもらえた彼女は電話を終えると、学校の校門を塞ぐように待ち構えていたリムジンがある。九条が自分からかなえを迎えに来たのだ。
かなえは九条との縁談を取り消そうと話を持ちかけてきたが、九条は「こんな素晴らしい体をしている」かなえを手放すわけにはいかないと下劣な本性を顕にした。
そもそも九条が迎えに来たのはホテルでいつものように性行為に及ぶためだが、ここに来て車内で刊行しようとする。無論、九条と別れようとするかなえはそんな事を望むわけがない。


カバンの中にあるスマホで事の一部始終を録画すれば九条を不利に立たせられる……のだが見抜かれてしまい、動画を消されてしまう。
別れるための切り札が呆気なく水泡に帰してしまったかなえに対し、九条は二度と自分に反抗出来ないようにするべくかなえを陵辱する。


抵抗できないことをいいことに九条はアナルセックスで尻穴に中出ししていき、間髪入れずに膣内に陰茎を入れて激しく犯していく。
ただ匠と一緒にいたい、その為に九条と別れに来たというのに、犯されるたびに想い人である匠の存在が薄れ、快楽に埋められつつあるかなえ。
もはや万事休すかと思われたその時、かなえは泣きながら九条の胸を叩いて来る。まるでかなえが「心から九条を拒絶している」かのように。


やめろと…言ってるだろうがッ!


こんなに相手してやってるのにお前はッ!


そんなにアイツがいいのか! どうして俺の言うことを聞かない!?


どうしてだッ!どうしてなんだッ!!



九条は幾度も辱めてもなお、泣きながら自分を拒んでいるかなえに冷静さと余裕をかなぐり捨てて逆上し、醜いエゴと激情をかなえにひたすらぶちまけた
九条はあの時、匠に対して「嫌がるのを無理やりは感心しない」と言い放ちながら、かなえをモノにしようと明確に嫌がっているにもかかわらず、無理矢理性行為に及んでいた
そもそも一貫して彼女を顧みないうえに自分の言うことを聞かそうとする時点で信頼を築けなかった、と思慮に至ることはなく、さらに悍ましい事を言い放つ。


そうか…


君をずっと閉じ込めておけば、俺だけを見ていられるじゃないか


君も、そのほうがいいだろう?



なぁ、かなえ君…



九条はかなえを監禁させればよい事を思いつき、醜悪な笑みをかなえに浮かべる。
ソレを聞いたかなえはこんな男に支配されることに悲鳴を上げてしまう。九条はそんな彼女を下卑た欲望のままに後背位で犯し、完全に自分のものにしようと膣内射精を行おうとする。
しかし、九条に幾度も幾度も陵辱され続けるかなえは今回ばかりは必死に抗う。九条にただ辱められ、良いようにされるだけの「道具」ではないのだと。


何故なら、自分を自分として見てくれる人がいてくれたから。一時は自殺を図るまでに絶望した時、その人に救われた。
そしてその人は自分の笑顔で好きになり、[[痴態を見せられてもその気持ちを変えない>純愛]]と決めた。


違うッ!


私は貴方のものなんかじゃない


私は…ッ!



貴方のものになんかならないッッ!!



次の瞬間、リムジンの窓を叩き割られた事に呆気を取られた九条は、窓を割って車内に乱入した匠に本気の一撃を顔面に叩きつけられた。
間一髪で強姦による「望まない妊娠」を免れたかなえの瞳に映ったのは、まるで「ヒーローは遅れて登場する」と言わんばかりに現れた匠であった。
彼は自分が守ると言いながらも結局は九条に辱められてしまった事を悔やむが、それでもかなえは自分を助けてくれた匠を励まし、互いに抱き寄せていた。


九条は最後の最後で自分の邪魔をした匠に激昂するが、その背後の民衆に「九条がかなえを強姦する場面」を撮影されたことで顔を青ざめてしまう。
当然の結果である。かなえが嫌がってることを無理やりやったから、だからこそかなえを大切にしているたくみに殴り飛ばされ、民衆からもその光景を撮影されたのだ。
おびただしい数のスマホで録画されては流石に言い逃れができないと悟った九条は、かなえに縋るように態度を変えるも、現実は非情であった。


九条さん


今まで父の会社へのご融資、ありがとうございました



その言葉は「融資は受けないから、貴方とは別れる」と同意義であることを理解した九条はかなえを必死に引き止めようとするも、彼女は九条に一切目もくれず、「さようなら」という言葉を残して去っていった。
悪因悪果という形でかなえとの婚約を破棄された九条はこれで心が折れたのか、自分から遠ざかっていく彼女をただ見ているしかなかった。


これで悪夢は完全に終わった。自分を縛り、苦しめる九条との婚約を取り消したことで完全に解放されたかなえは涙ながらに想い人である匠に抱き寄せていった―――。



最終話


この日は結婚式当日、新郎となる匠は控え室にいる花嫁であるかなえのもとに来た。花嫁姿であるかなえに見惚れてしまいいい雰囲気になったところをかなえの父がやってきた。
父はかなえを九条から助けてくれた匠に謝辞を述べるが、あくまでもかなえが頑張ったからだけに過ぎないと匠は言う。
それを聞いた父は笑みを浮かべて部屋を後にしたが、かなえは匠がそばにいてくれたから幸せな未来を掴めたのだ。


実を言うとかなえはまだガーターの着用を済ませておらず、匠に穿かせるのを頼んでいた。これは美容師によると左右どちらを先に履かせるかで生まれてくるこの性別が違うのだと。
かなえは匠にどちらの子が欲しいのかと言うが、「かなえさんとの子供だったらどっちだって構わない」とキスをした。


しかしかなえの艶やかな姿を見た匠は性行為に及ぼうとするが、もうすぐ式が始まると静止されてしまう。
口でだけ」なら許しを得たもののそれだけでは収まりがつかず、匠に性行為したいとおねだりされたことで結局最後までしたのであった。


僕はずっと君の本当の笑顔が見たいと思ってたんだ


そんな笑顔がやっと見れた。かなえさん、絶対に幸せにするから



匠はかなえに想いをぶつけた。出会った時からかなえを心から笑顔にさせたい思いがあり、それがようやく叶った。
その笑顔が隣でいつまでも咲き続けられるようにと、匠はかなえを絶対に幸せにすると誓った。
かなえは匠がいつも自分の欲しい言葉を言ってくれることに幸福を感じ、積極的になったかなえはまだ時間があるからと匠と二回も性行為に及び、互いに愛を確かめ合った。


匠君♡ 私、あなたに出会えて本当に良かった


愛してます、匠君♡


僕も愛してるよ、かなえさん



そして始まった結婚式。そこに至るまでの道は決して平坦ではなく、一時は仲が引き裂かれたこともあった。だが二人は決して屈しなかった。


汝 早崎かなえは


健やかなる時も、病める時も


喜びの時も、悲しみの時も


富める時も、貧しい時も


これを愛し、これを敬い


これを慰め、これを助け


その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?



はい……




誓います



かなえはこれ以上にないほどに幸せな笑顔で永遠の愛を誓う。
なぜなら、自分を心から大事にしてくれる匠と一生を添い遂げることが、彼女にとってこんなに愛おしくて、幸せで、うれしい事はないのだから―――



【余談】


  • 最後に愛は勝つ

前述のとおり、イチャラブモノを手がけるあきのそら氏にしては珍しく、本作では純愛と陵辱という要素が織り交ざっている。
しかし本作は九条による悪辣な手段の数々も、二人の揺るぎない純愛で撥ね退けラストでの輝かしい笑顔で締めくくられた*12
そもそも『笑顔を咲かせて』というタイトル自体、タイトル通りかなえの笑顔がいっぱい満ちているという意味であった。
本作を読み終わってから単行本カバーを外すと幸せになる仕様である。どんなものなのかは、是非ともこの物語を最後まで読んだ上で見て欲しい。


  • 第3話でのアルコール摂取

第3話で九条がかなえから匠を忘却させる目的で秘部に酒の入ったボトルを挿入する場面があったが、これは命の危機に関わる行為である
経口摂取による飲酒は時間を置けるのだが、酒などのアルコールを膣や直腸の粘膜などから直接摂取してしまうと、
即座に血中にアルコールが流れて急性アルコール中毒に陥って気絶・心肺停止となり、最悪の場合死に至る危険性がある
しかも、多量のアルコールが取り込まれた血液を洗浄するようなことは不可能であるため、対処することができないからである。
作中ではかなえは酩酊状態に陥っていたものの大事に至らなかったが、一歩間違えれば死に至る行為を平然と行ったあたり、
「かなえを自分のものにするためなら手段を選ばない」九条のスタンスがうかがい知れる。
しかし忘却は失敗に終わり、それどころか匠と勘違いされたと知るやいなや乱暴に扱うなど、婚約者にあるまじき行為を行っていた。


  • 九条の末路

かなえに対して幾度も陵辱を行った末に最終的に天罰覿面の末路を迎えて物語から退場し、最終回では存在すら全く触れられなかった九条。
作者によると「あの後破滅して会社はクビになった上に捕まる等、色々ひどいことあった」が、ページの数不足とエロ漫画的に不要な部分なので端折るしかなかった為である。


九条の末路がどうなったかは不明だが、車内でかなえを強姦した現場を民衆に撮影されたことで社会的に抹殺されただけでなく*13
性犯罪の中で最も重い犯罪である「強制性交等罪」に該当するため、恐らくは犯罪者として法に裁きを受ける身になるなど、九条の未来は明るいものではないと思われる。
少なくとも、「身から出た錆」でかなえに破局され、恋敵どころか「ガキ」と見下していた匠がかなえと結婚する形で報いを受けたのは確かであるが。


ちなみに氏が手がけた長編『姉季折々』では異世界の国の王太子*14は、ヒロインであるプリムラの婚約者でありながら他の女性と不貞を働き、それを目撃した彼女を殺そうとした
この一件で王太子はプリムラの姉たちに恨みを買ったらしく「生まれたことを後悔する」レベルで報復を受け*15、最終的にプリムラもマコトを選ぶ形で見切りをつけられた。
彼もまたヒロインの婚約者でありながら、九条のように自らのエゴのためにヒロインに対して残酷な仕打ちを行ったために破滅を迎えてしまった



追記・修正をするには、彼女の「笑顔を咲かせて」からお願いします。


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  • これ『NTR』って要素すら無いぞ -- 名無しさん (2019-01-20 20:49:20)
  • 概要見ただけだと悪いやつからNTRってことだと思うけど・・・ -- 名無しさん (2019-01-22 17:58:08)
  • まぁソッチの要素にフォーカスした作品見てるとNTR=下衆に奪われてバッドエンドみたいなバイアスがかかってしまうのはわかる -- 名無しさん (2019-01-22 21:39:59)
  • やっぱりあきのそらは女の子はアヘってるような和姦ものが一番だなあと思いました(成並感) -- 名無しさん (2019-01-24 08:18:05)
  • アソコを酒に摂取する行為が危険だってことを知ってゾッとしたワイ -- 名無しさん (2019-01-29 18:55:42)
  • 寝て、取ってないじゃん!取られてもないじゃん!寝る行為が主体になってないじゃん!! -- 名無しさん (2019-02-02 21:14:59)
  • 文字を半分だけ表示するの見辛くない? -- 名無しさん (2019-03-16 19:41:33)
  • kyuriosさんへ---記事の多重更新で総合相談所に苦情が来ています。プレビューを用いたり、思い着き次第書いて更新するのを自重するなど、落ち着いて更新してください。 -- 名無しさん (2019-04-03 22:34:50)
  • ほぼ一人でやってた人は自重しているはずなのに差分の感じ見てるとメンバー登録し直してやってるのではと邪推してしまう -- 名無しさん (2019-04-07 17:35:49)

#comment

*1 電子書籍版では2017年1月4日に発売。
*2 作品に出ていない設定などがあり、知れば更に深く楽しめるような小冊子。
*3 イチャイチャ学園生活inプールのスク水エッチな内容。4話でのクライマックスで婚約者である九条との関係を切ったので……そういう事である。
*4 九条に「初めては僕がもらった」という事から処女は既に九条に奪われたことが分かる。
*5 それでも九条からの性行為に男性不信に陥ったのか、最初は「自分の体が目的ではないか」と思い込んで幾度も匠からの告白を断っており、八回目の告白の末にようやく受け入れた。
*6 あきのそら氏によると、作中でもかなえの髪の毛の艶が匠の時と九条の時とで若干違う、喘ぎ声の後ろのハートマークも有無がある、等いろんなところに仕込まれている。とりわけ髪の艶はかなえの幸せ指数を表しており、場面によっては髪ツヤが全くなければ、120%輝いてるところもある
*7 あきのそら氏の作品において所謂「イチャラブセックス」を演出するかのように擬音にハートマークが付くことがあるが、九条とかなえの性行為の場合は、九条の独善さとかなえにとって苦痛であるかのように一貫してソレがない。
*8 直前に約束した時間より遅刻した匠に読みたい本を探すように手伝うようにお願いされ、図書館で読みたい本を取ろうとする。
*9 かなえの父が経営する会社を融資できるだけの財力を有しておりかなえと性行為をする際に使われたホテルだけでなく、リムジンとかも有している描写がある。
*10 作中で見る限り他の女性と不倫している描写はない
*11 いずれ自分がかなえと結婚すると確信し、既にかなえの処女を自分に捧げた事もあってか余裕を感じている。
*12 作者もこのラストを描きたいがために4話までのかなえの笑顔度をセーブしたりしていた。
*13 女性に性的暴行並びに強制的に性行為を加えた場面をSNSに拡散されれば炎上は免れず、世間からどれほど白眼視されるのかは容易に想像できる。また、九条が大財閥の御曹司と紹介されており、もしそういった人物が性犯罪を行ったとメディアで明るみになったとなれば財閥のイメージ悪化は避けられない。当然、泥を塗られることになった会社側も九条を切り捨てるだろう。
*14 作中では名前が伏せられているため、便宜上はその名称で呼称する。
*15 直接描写はされていないが、カトレアに拷問を受ける、レインリリーに魔法で不倫現場を国中に晒される、ダイアンサスに一生勃起できなくなる呪いをかけられる、等。特に死ぬまで勃起できなくなる(≒子孫が残せなくなる)というのは王族としては致命的なレベルであり、まず廃太子は避けられないだろう。

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