ロボット長官

ページ名:ロボット長官

登録日:2014/12/09 Tue 14:10:59
更新日:2023/12/21 Thu 13:46:41NEW!
所要時間:約 4 分で読めます



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ウルトラセブン ロボット ウルトラ怪獣 成瀬昌彦 実相寺昭雄 長官 署長 フランケンシュタイン・コンプレックス シンギュラリティ みんなのトラウマ ホラー回 ヒーロー戦記 ロボット長官 第四惑星の悪夢 第四惑星 ロボット署長 森塚敏 風刺回 違いの分かるロボット




どうも人間は物覚えが悪くていかん。コーヒーの味が毎日違うんだからな



ロボット長官とは『ウルトラセブン』の第43話「第四惑星の悪夢」に登場した人物もといロボット
身長:1.65メートル
体重:160キログラム
演:成瀬昌彦



概要

地球から120億万キロ(子供か)離れた場所*1に位置し、ロボットが人間を支配している「第四惑星」の中心人物。
外見上は人間と変わらないが、メンテナンス用に顔や後頭部に取り外し可能な部分が存在し、
そこからねじ回しで内部の機械を整備したり、油を挿したりと妙にアナログな方法で定期的にメンテナンスしている様子。


ロボットであるが故に融通が利かず、また、後述するが第四惑星では人間の立場が異常に悪いことも相まって、
秘書をさせている人間のアリーが淹れたコーヒーが、彼の記憶している温度や味と僅かでも差異があれば彼女に暴力を振るうほど怒る。
ちなみにこの後のシーンで「コンピューターは間違いをしない。そしていつも冷静だ」と言っており、話の流れ的に「どの口が言うのか」と突っ込みたくなるが、
自分のことを棚に上げるタイプなのか、普段の冷静さをかなぐり捨てるくらいにコーヒーに拘りがあるのかは不明。後者ならそれこそ人間に淹れさせなければ良さそうなものだが


人間のことはただの労働力と見なしており、彼に限らず第四惑星ではドラマのリアリティ追及のために銃殺されるシーンで本当に人間を銃殺するなど、その扱いは消耗品のごとくぞんざい。
そして、そのようにぞんざいに扱ってきた結果として第四惑星人は向こう500年のうちに絶滅すると予測されるほどその数を減らしており、
彼らに代わる新たな労働力として地球人に目を付けている。


なお、彼が中心人物として治めている第四惑星は基本的に地球にそっくりだが、月が四つあるなど明確な違いがある。
前述の通り第四惑星人はロボットたちに支配されており、彼らの中には「人間もロボットらしく生きるべきだ」と主張する一派もいるが、
そのような主張をする人間は反乱分子とみなされ、A級政治犯として銃殺刑にされている。
そして、命がけででもそんな主張をする人間が出てくる辺り、彼らに所謂「人権」や「自由」などは一切ないと思われ、
大半の第四惑星人はロボットに怯えながら生きている。



劇中での様相

「第四惑星の悪夢」は、そんな第四惑星にダンとソガ隊員の乗った長距離用宇宙ロケット「スコーピオン号」が誘導されるところから始まり、
彼らと面会したロボット長官は、二人に地球人をエネルギー源とするため地球を植民地にする目的を語る。
目の前で起きている事態が理解できない二人だったが、ロボット長官の秘書を務めるアリーからメモという形で彼らの命と地球に危機が迫っていることを伝えられ、
隙を見て脱走。
アリーは恋人と共にダンたちを人間居住区に匿おうとするも軍人に逮捕されてしまい、二人は処刑を言い渡されるが、その寸前でダンとソガが彼らの救助に現れた。
しかし、ロボット署長に銃撃されたソガが負傷してしまい、一転してダンは窮地に陥るが、そこでウルトラセブンに変身。
セブンはエネルギー消費が激しいワイドショットを初めとする光線技でロボットの街や地球侵略部隊を徹底的に攻撃し、
ロボットたちの地球侵略は未然に防がれることとなった。
ロボット長官がどうなったのかは不明だが、おそらくセブンに破壊された建物等と運命を共にしたものと思われる。


その後、ダンとソガはスコーピオン号で第四惑星を脱出して地球に帰還し、地球で自分たちが見聞きしたことを訴えるが信じてもらえず、
何故かソガがロボット署長に負わされた怪我も治っていたため、 宇宙航行時の人工冬眠中に夢でも見ていたのだろうと言われてしまう。


自分たちが経験した第四惑星での出来事は本当にあったことだったのか、それとも夢だったのか。
そう悩みながら、ダンたちはロケットの無人制御化に乗り出す地球防衛軍の姿に「いずれ地球もあの第四惑星のようになるのではないか」という不安を覚えるのであった――


という形で『第四惑星の悪夢』は幕を下ろすため、第四惑星が本当に存在するのか、それとも夢だったのかは謎のままで終わる。
実相時昭雄監督作品にはよくある展開である。
尤も、こののちには『ウルトラマンレオ』のサーリン星人や『ウルトラマン80』のファンタス星人のように
本当に自分たちの作った機械に滅ぼされてしまった宇宙人も登場するので、単なる夢だったとは言い難い後味の悪さもある。


ちなみに、同話のシナリオ決定稿では武装した人間達の反逆に遭い、ロボット署長と一緒に乗っていた車ごと襲撃され、
その際に頭の蓋が外れて部品が飛び出すという、破壊されたことを示唆する場面があった。
さらに決定稿2では処刑場に出現したウルトラセブンに驚き、署長ともどもジープに乗って逃走を図るもセブンに踏み潰されたという結末を迎えている。



関連キャラクター

◆ロボット署長
演:森塚敏


ロボット長官の部下で、勲章のついた軍服を着たロボット。護身用に拳銃を所持している。
まるで硬めのガムでも噛んでいるかのごとく、ほぼ常に口から「ゴリッ、ゴリッ」という音を立てているという特徴がある。
平時は街の治安維持にあたっているらしく、人間には容赦がなく子供でも平気で乗馬用ので殴りつける。
最後は恐らく長官共々破壊されたと思われる。
ちなみにロボット署長とは後でつけられた名前で、書籍によっては別の名前で記載されていることもある。



余談

ロボット長官の演者である成瀬昌彦氏は、プロテ星人の人間体や『帰ってきたウルトラマン』のナックル星人長官の人間体も演じている。


ダンとソガが搭乗した宇宙ロケット・スコーピオン号が第四惑星に漂着した際、現在日付を示すカウンターが2000年8月30日と表示されており、
セブンの時代設定が1987年だとすると13年間も地球から時を超えて来たことになるが、
セブンの時代設定はたまに放送当時の1967-1968年が描かれていたりするので本話限定の可能性も高い。


本作は予算の都合で巨大な怪獣も宇宙人も登場しない、いわゆる「怪獣の出ない3部作」の3本目である。
怪獣は登場しないが実相寺昭雄監督の演出によって見ごたえのあるSF作品に仕上がっている。
だからと言ってロボット長官や署長を怪獣図鑑で「怪獣」として扱うのはどうかと思うが。
アンドロイドゼロワン、君もだ。


脚本の上原正三氏は「ウルトラセブンでは共同脚本を含めて相当数書くことになった。中でも第四十三話『第四惑星の悪夢』は忘れがたい。」と語り、
実相寺監督について上原氏は

「『新型宇宙ロケットのテストパイロットとしてダン隊員とソガ隊員が乗り込む。ロケットは順調に飛行。だが着いた所は地球そっくりの惑星。
 そこはロボットが支配する第四惑星だった。』そんなストーリーであった。実相寺は天才演出家と噂される男だ。


 私は天才が苦手なのでよけい緊張した。
 『なまげん(生原稿)は読みにくい。印刷にしてよ』
 原稿をぺらぺらと読んだ実相寺は、そう言い残してどこかへ行ってしまった。
 それもいきなり決定稿でよいという。何となげやりな男だと思った。
 組むんじゃなかったと後悔した。しかも多少の手直しで決定稿になった。


 ところが試写を見て驚いた。凄い映像世界。シナリオの不足部分を、ト書きの行間を演出することで見事に補っている。
 不可思議で不気味なSF作品に仕上って面白いのだ。演出家の才能をあらためて認識させられる作品になった。」

と語っている。


ゲーム『ヒーロー戦記 プロジェクトオリュンポス』にはこのエピソードをもとにしたシナリオが存在し、
そちらではロボット長官たちはモビルスーツに乗り込んでセブンを強襲するという展開になっている。


『ウルトラ怪獣散歩』では3シーズン第6回では終盤ケットル星人とペロリンガ星人が知名度の問題で論争になり、
ケットル星人が「知名度が超低いペロリンガさんに言われたくない」と言うと
ペロリンガ星人は「はあ!?ほぼほぼ人間なあいつより知名度低いってどういうことだよ!?」とロボット長官の静止画が使われた。


アニメ『SSSS.GRIDMAN』では放送第9話にて、新条アカネが所持する怪獣コレクションの一つとして
ロボット長官のソフビ(造形からして恐らくサンガッツの円谷怪獣総進撃シリーズ)が登場している。



追記・修正は正確に行え。


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  • 項目見てたらドラえもん鉄人兵団のメカトピアを連想してしまった -- 名無しさん (2014-12-09 15:28:33)
  • ロボット長官が顔取り外す場面がフィギュア化されてて吹いたww -- 名無しさん (2014-12-09 17:42:37)
  • これエピソード項目のがよかったんじゃない? -- 名無しさん (2014-12-09 17:43:10)
  • 後半で巨大化したセブンがロケット基地を破壊するが、どう見ても悪の怪獣っぽく見えてしまう。 -- 名無しさん (2014-12-09 18:26:12)
  • 怪獣図鑑では武器・特徴欄に書くことに困ったのか、「コーヒーにうるさい」とだけ書かれていた。 -- 名無しさん (2014-12-09 19:31:52)
  • まあ、怪獣ではないもんな。同じ括りで書けと言うのは無理があり過ぎる -- 名無しさん (2014-12-09 20:26:40)
  • そういや、ダン=セブンって事は知ってたのかな・・・・・・ -- 名無しさん (2014-12-09 21:19:46)
  • 第4惑星はセブン以降どうなったんだろう。地球の技術は時代と共に上がっていくし侵略を諦めたのかな -- 名無しさん (2014-12-09 21:21:50)
  • ヒーロー戦記にこいつが出たのには驚いた。「第4都市(惑星にあらず)の悪夢」って… -- 名無しさん (2014-12-09 21:24:09)
  • つーか夢オチだろ、これ。 -- 名無しさん (2014-12-09 21:37:32)
  • 秘書の人メンテナンスの時にぶっ壊してしまおうとは考えつかなかったのか。 -- 名無しさん (2014-12-09 23:46:06)
  • ↑壊してもロボット署長などの部下にとっつかまって、死刑にされちゃうだろう。 -- 名無しさん (2014-12-09 23:56:13)
  • そういえばセブンがロボットの町を壊したとなると人間も巻き添えになっているはずだよね -- 名無しさん (2014-12-10 00:13:02)
  • ロケットの撃墜程度でワイドショット撃つセブンって・・・・・・こういう無駄遣いが最終回に響いてた? -- 名無しさん (2014-12-10 00:30:12)
  • 人間サイズのユートム倒すのにも使ってたぐらいだし。 -- 名無しさん (2014-12-10 07:57:00)
  • マックスの「第三番惑星の奇跡」のタイトルの元ネタだっけ。内容はまったく別方向だけど。 -- 名無しさん (2014-12-10 18:41:28)
  • 長官がロボットである事を目の当たりにしても「ここは精神病院じゃないのか?」「地球じゃないのか?」とほざくソガはどうにかならんのかね。 -- 名無しさん (2014-12-10 19:12:26)
  • コミック版では人間の反乱の最中にダンたちが脱出するからどっちが勝ったのかはわからず終いなんだよな。TVと違ってアンヌもいるしセブンも一度負けるしで、けっこう見ごたえはあるけど -- 名無しさん (2014-12-10 19:24:54)
  • ↑2ウルトラ警備隊としてはってのも解るが、とても真っ当な台詞だと思ったよ。あと、物語自体が夢か現実かぼかしてる事のメタファーかと。 -- 名無しさん (2014-12-10 21:55:55)
  • 監督が脚本を見てすぐOKを出したためか、台詞が洗練されてない。「万億キロ」とか。 -- 名無しさん (2014-12-21 19:21:34)
  • 顔外しシーンが寄生獣並みのインパクトだった。 -- 名無しさん (2014-12-23 17:27:53)
  • 人間を見下してる割には「なくてはならない」とか言ってるのね。 -- 名無しさん (2014-12-25 21:32:10)
  • ↑そりゃ我々の世界からパソコンや自販機、工場の機械なんかがなくなったらという感じだろう。 -- 名無しさん (2014-12-25 22:41:29)
  • 我々はそのパソコンやら自販機やら工場機械やらを意味もなく壊したりするか?この星のロボットは意味もなく殺したり虐待したりしているが。 -- 名無しさん (2015-02-18 00:45:08)
  • ↑5 万億キロは、この話はフィクションですよと暗に視聴者に伝えるためにわざとやった間違い、いわゆる「物語上の嘘」だよ。昔にはそういうの多かった。 -- 名無しさん (2015-11-23 16:50:14)
  • ↑「居なければ困るが、掃いて捨てる程居るから多少殺しても構わない」って認識してたのかもしれない。 -- 名無しさん (2016-03-22 18:17:43)
  • ↑人間のことはティッシュペーパーみたいなもんだと思ってるのかもな。ないと困るが、扱い方は粗末だという。 -- 名無しさん (2016-03-22 18:47:04)
  • 同胞の報復の為にムルチ連れて来たメイツ星人や、宇宙の長旅の果てにメチャクチャ達観した価値観とともに登場した人造生物M1号みたく、ロボ長官with第四惑星のロボの皆様も敵として再登場しないかな…「我々の星をメチャクチャにしたモロボシ・ダンという男に報復しに来た、私も完璧な修理までに数十年かかったのだよ」とか言いながら -- 名無しさん (2016-08-08 12:49:56)
  • なんかのアニメでM1号と結婚させられてた -- 名無しさん (2016-10-19 20:30:51)
  • えい!えい! -- 名無しさん (2016-10-19 22:53:59)
  • マジギレしたセブンがビルを破壊しまくるのが印象的 -- 名無しさん (2017-03-08 23:02:08)
  • 今のAIの進歩とかのニュースを見てると、本気で地球も第四惑星みたいになるんじゃないんかと思う -- 名無しさん (2018-03-23 23:38:16)
  • ↑スカイネット「そうだな」 -- 名無しさん (2018-07-18 20:24:22)
  • あずまんが大王に「ぬるい! 砂糖も多い!」のパロディがあると聞いたんだけど、どのシーン? -- 名無しさん (2018-07-18 20:51:54)
  • 本編のカメラワークやシナリオといい、キューブリックの「2001年宇宙の旅」を連想するけど制作はこっちの方が先っていう。当時の鬼才が想像した未来のコンピュータがこうも上手く重なったのだとしたら面白い。 -- 名無しさん (2018-11-14 12:58:58)
  • まあ第4惑星が実在してたとしたら地球とそっくりでウルトラヒーローが守ってない星ってことで他の侵略者たちがほっとかないだろうな -- 名無しさん (2018-11-14 13:10:37)
  • 他の生物や機械を労働力にしたとして、もしそれが効率悪いだけだと分かったら、それを労働力にするのはやめるのが普通だよね。二千年も人間を支配していて、全ての面でロボットよりも劣る人間を働かせても効率悪いって事が分からないとは思えないし、長官が人間を奴隷にしたがるのって、本当は奴隷にする事で優越感に浸りたいだけなんじゃ… -- 名無しさん (2019-09-20 18:26:29)
  • ある意味仮面ライダーゼロワンのバッドエンドな世界か… -- 名無しさん (2019-09-20 22:05:28)
  • ゼロワン劇場版もそうだけど、人間を下して世界の支配者になっても結局やってることが「人間の生活の真似事」な辺りに限界を感じる -- 名無しさん (2020-09-26 01:22:36)
  • ガメロットといいビートスターといいセブン関係者は機械が支配した文明と戦いがち -- 名無しさん (2020-12-03 12:08:51)
  • 桑田次郎先生版だとソガの代わりにアンヌとフルハシがダンと乗船したり、でかめの戦闘ロボットVSセブンの戦いとか決起する第四惑星人とかかなり内容に手が加えられてる。これはこれで面白いが -- 名無しさん (2023-05-22 08:46:24)
  • ↑3 ドラえもん鉄人兵団でしずかちゃんがリルルに、「人間の歴史の繰り返しみたい。神様(ロボットを作った科学者)もがっかりなさったでしょうね」って言ってたのを思い出すなあ -- 名無しさん (2023-05-22 09:31:56)
  • メカ沢新一「このままじゃオレたち・・・・機械に支配されちまうぜ!!」 -- 名無しさん (2023-06-08 22:33:00)

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*1 地球から冥王星までの距離はおよそ48億kmで、さらに2.5倍も離れていることになる

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