登録日:2016/01/25 Mon 17:20:53
更新日:2024/01/18 Thu 13:50:29NEW!
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おまえたちがさわいだから
小鳥たちが逃げてしまった
人造人間16号とは、ドラゴンボールの登場人物の一人。
CV:緑川光
人物
レッドリボン軍残党のドクター・ゲロが、孫悟空への復讐を果たすために0から作り出された人造人間の試作型。
従って17・18号姉弟やゲロ自身の成れの果てである20号とは違い、人間としての生体部分は無い。
大柄な体格をしたモヒカン男性の姿をしていて、黄緑色のプロテクターを付けている。
17号、18号と同じく永久エネルギー炉を搭載しているが、彼らと違ってパワーレーダー(スカウターのようなもの)を内蔵しており、それで相手の強さや位置も特定できる。
悟空を殺す事のみを目的として行動しており、ゲロが死亡した後もその命令を忠実に遂行しようとしていた。
Z戦士の味方となった後もその意志は揺らぐ事は無く、標的である悟空に冷たい態度を取った時は「暗いやつだな」と言われていた。
しかし基本は争いごとを好まず、地球の自然や動物に興味を持ち、無関係な者の命を奪う事を嫌う穏やかな性格であったため、ゲロからは失敗作と見なされていた。
そのため、本編で目覚めた当初はベジータと18号の戦闘そっちのけで、近くの森にいた小鳥達の様子を静かにじっと見ていた(アニメ版ではその小鳥達と戯れていた)。
悟空以外の人間には割と優しく、セルが第2形態になり始めた時には敵であるはずの天津飯へ逃げるよう促したり、セルゲームのリングが吹っ飛ばされた時は他の戦士達からほとんど無視されていたミスター・サタン一行を見捨てずに助け出している。
目の前に抹殺対象が居るにもかかわらず、セルという脅威への対処を優先してみせる分別や柔軟性も持ち合わせる。
また必要以上に口を開こうとしない寡黙な性格でもある。
セルを除く人造人間シリーズの中では(少なくとも原作内において)最高の強さを誇る。
その強さは、18号が勝手に起動しようとした際にゲロが「この世界そのものを滅ぼしたいのか!!」と警告し必死で止めようとするほど強大なものだった。
後にその強さが明らかになった時は、「最強の人造人間」を自負していた17号も「こ…こんなに強かったのか…」と呆然としていた。
それでも失敗作と見なされていたのは前述のとおりの優しい性格となってしまったからで、廃棄せずに大事に取っていたのは「そのうち造りなおすつもりだった」かららしい。
なお、17号が「無から作り出せる手段を持っていたにもかかわらず、17号・18号が人間ベースに作られているのは何故か」と疑問を口にする場面があったが、
無から作り出す人造人間は制御が難しかったから…なんて話はなくむしろ人間ベースの17号・18号の方が制御に苦労してるし、19号はゲロに忠実だし、別の人造人間の追加パッチだからであった。
なお、青年トランクスがいた未来世界には存在しておらず、16号の存在を知ったトランクスは「し…知らない……見たこともないぞあんなヤツ…」と動揺していた。
原作での活躍
- 人造人間、セル編
ゲロの研究所で長い間眠りについていたが、18号の手によって再び目覚める。
あくまで悟空の抹殺が目的であったため、ベジータ達と17号達の戦闘に加わろうとせず、一人離れたところから森の小鳥達を観察していた。
その後は17号の提案に乗り、道中で車を奪ってそれで悟空の家へと向かう。
数日後、悟空の家に着くが誰もいなかったので、潜伏先の候補としてカプセルコーポレーションとカメハウスを挙げる。
カメハウスが現在地から近かったため今度はそこへ向かうが、そこにも悟空の姿はなかった。
そこで17号がピッコロから悟空の居場所を力ずくで聞き出そうと、離れた無人島で戦闘を開始。
その様子を18号と見ていた時に、数十万人もの生体エネルギーを吸収してパワーアップを果たしたセルが襲来する。
セルの目的が17号と18号の吸収だと知り、ピッコロがセルに倒されると、悟空を抹殺するための力で仲間を守ろうと決意を固める。
17号達がいたずらに人間や動物の命を奪わなかった事に感銘を受けたらしく、「一緒に旅が出来て楽しかった」と告げて全力でセルの破壊に臨む。
セルを足止めし、17号達に避難するよう促すが、その甲斐なく17号はセルに吸収され、第2形態となったセルに側頭部を破壊され倒れる。
その後18号も吸収されてしまい1人になってしまったが、セルからセルゲームの開催を聞き、それに出場するためにクリリンに「カプセルコーポレーションに自分を連れていって直してほしい」と頼む。
その頼みをトランクスは拒否したがクリリンは16号を信用し、仲間に迎え入れてくれる。
ブルマとブリーフ博士に修理され*1、Z戦士達と共にセルゲームに参加。
自身に気がない事を利用してセルに近づき、道連れ覚悟で自爆を試みる。
体内には高威力を誇る爆弾が備わっていたのだが、カプセルコーポレーションで修理を受けた際に、ブリーフ博士が「物騒だ」という理由で取り除いてしまっていた。
その事をクリリンの口から知って絶望し、セルによって頭部以外をバラバラに破壊されてしまう。
だがそれでもまだ辛うじて生きており、近くにいたサタンに頼んで悟飯の元まで投げてもらう。
そこで悟飯に対し、「正しいことのために戦うことは罪ではない…話し合いなど通用しない相手もいるのだ…精神を怒りのまま自由に解放してやるのだ…」とアドバイスする。
そして「オレの好きだった自然や動物たちを守ってやってくれ…」と地球の未来を悟飯に託し、セルに完全に破壊されてしまった。
この16号の死は、悟飯が超サイヤ人2へと目覚めるきっかけとなり*2、覚醒した悟飯の手によってセルは完全に消滅した。
なお、セルが消滅した後でドラゴンボールによって生き返った描写は無く、その後の話でも一切登場しなかった。そのため神龍から「機械」と認識され復活の対象外とされたと考えられるが、魔人ブウ編でハッチャンが復活している事を根拠に否定するファンも多い。
が、ハッチャンはハッチャンでアニメだと人間ベースの人造人間とされているため微妙な所。
GTだと蘇った悪人達の中に完全機械のはずの人造人間19号が紛れているのも話をややこしくしている。
ゲームでの活躍
昔から17号を差し置いて「超武道伝」を初めとする格闘ゲームでは出番が意外と多く、ファミコンの「烈戦人造人間」では条件次第で心臓病を発症しなかった悟空と戦える隠し要素で夢のタイマン勝負が出来たり、割と優遇気味であった。
『ドラゴンボールZ Sparking! METEOR』のIFストーリー「心優しき人造人間」では、悟空抹殺のために過去へと飛び、ホワイト将軍を倒した直後の少年悟空の前に立ちはだかる。
そこで悟空の他に8号(ハッチャン)とも交戦するが、本来のパワーが出せずに苦戦を強いられる。
戦いの最中に「悟空の力の源は悟空の「心」にあるのではないかとドクターゲロが考えため、16号は悟空の心をモデルに作られた」と語られ、
敗れた後は悟空達と和解し、「もっと修行を積んで今度は1対1で戦いたい」と悟空に告げられると、自分の中にある暖かい「心」を感じつつ再会を望みながら元の時代へと戻っていった。
『ドラゴンボール ゼノバース』シリーズでは歴史のIFや、敵キャラに洗脳されて戦う事になるシチュが多く
16号もその毒牙にかかり、人造人間編などで度々敵対する事になる。
特に未来の悟飯に襲い掛かる姿は、状況が違えば友人になれたかもしれない2人が、お互いをただ敵として認識して戦いあうため、
なんともいえない物悲しさをかもし出している。
主な技
もはや説明不要のパンチ技。単純だがセルをぐらつかせた為、威力は高い。
しかし、発射後に戻ってくる機能は無い様で、発射した腕をわざわざもう片方の腕で拾っていた。
Sparkingでは「ヘルズインパクト」という名前が与えられている。
- ヘルズフラッシュ
両腕のロケットパンチを外し、そこに仕込まれた放出装置からエネルギー砲を発射する。
持っている技の中で最高の攻撃力を誇る技で、地中に向かって放出した際には地面からエネルギーが噴出し、無人島が穴だらけになった。
一部ゲームでは大陸レベルの破壊範囲を有していたりする。
体内にかなりの威力を誇る爆弾が組み込まれていて、それを使って自爆を行う。
「隠された力」かつ「使ってはいけない最後の力」だったが、セルを巻き添えにしようとした時にそれが取り除かれていた事を知り、不発に終わってしまった。
不発に終わったため爆発の威力や規模がどれほどのものかは不明だが、近くの岩場にいたクリリン達に「お前たちまで巻き込んでしまうことを許してくれ!」と言っており、少なくともクリリン達地球人のレベルでは耐えられない余波があの場まで及ぶ程の威力があったと思われる。*3
ちなみに使えないことを知らされたセルは「自爆できても私を倒せたとは思えんがね」と言っているが
自爆宣言された際にセルは明らかに動揺して狼狽えていたので多分ブラフだろう。*4
余談
実は16号のモデルは、若くして死亡したドクター・ゲロの息子・ゲボ酷い名前であるという裏設定がある。
ゲロの息子はレッドリボン軍の兵士だったらしく、ある任務中に銃弾を受けて死亡してしまった。
そういう経緯があったため、16号の製作をしていた時に無意識に「戦闘で破壊したくない」という思いが働き、強力なパワーを与えると同時に心優しく穏やかな性格となったらしい。
廃棄せず作り直すという予定というのがゲボと同じ外見だったからなのか、それとも戦闘力を見てのことなのか、そしてどのように作り直すのか・・・いずれにせよゲロ本人が死んだ以上その親心は知れないままである。
映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』ではゲボの家系図が登場しており、
ゲーム『ドラゴンボールファイターズ』に登場した人造人間21号のモデルとなった「ボミ*5」が母、
『スーパーヒーロー』に登場するドクター・ヘドが甥(弟の息子)であることが判明した。
悟飯と同じく「自然や動物が好き」という共通の思考を持っており、かつ悟飯が超2になれたのは16号の説得と犠牲があっての事なので生存、あるいは復活していたら悟飯の親友になれたかもしれなかったキャラとして語られる事も多い。
自然を愛し、また地味に皆に放置されたサタンたちを守ったり、サタンに物を頼むときもサタンの能力や人柄を見越した頼み方をしており人格者として人気が高い。
「オ…オレのスキだった項目を……つ……追記・修正してやってくれ…」
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*2 アニメ版では16号がセルに踏みつぶされた後、影山ヒロノブの歌う挿入歌「運命の日~魂VS魂~」と共に大空を舞う小鳥のイメージが悟飯の脳裏に浮かび、やがてそれが無残に撃ち落とされる様に激怒、涙と共に超サイヤ人2に覚醒する演出が追加。より感動的な場面になっている。
*3 16号の性格からして、地球そのものを消してしまう程の爆発は起きないと思われる。それなら悟空の瞬間移動でクリリン達を避難させることが可能であるが、それも16号の持つ使命の故に「孫悟空を殺せる可能性を潰す」ようなことは口に出せなかったと思われる
*4 後々自分も自爆する事になるので多少なりとも通用する手段である事は認識していたと思われる。
*5 フランス語で「嘔吐」の意。ゲロ一家みんなこんな名前だな!?
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