登録日:2021/06/26 Sat 13:28:13
更新日:2024/05/27 Mon 13:51:48NEW!
所要時間:約 13 分で読めます
▽タグ一覧
漫画 五等分の花嫁 主人公 週刊少年マガジン 松岡禎丞 ガリ勉 元ヤン 家庭教師 貧乏 上杉風太郎 旭高校 高校生 田村睦心 ヤリチン 中二病 変人 変態 キンタロー
上杉風太郎とは、漫画「五等分の花嫁」の主人公である。
アニメ版CV:松岡禎丞 田村睦心(小6時代)
概要
本作の主人公。作品開始時では高校2年生。
貧乏な学生だが、成績優秀さを見込まれ、家庭教師のアルバイト…それも五つ子姉妹相手にすることになったことから物語は始まる。
原作冒頭で、彼女たちのうち誰か一人と結婚することが明言されている。
この作品は、結婚式を迎えた彼の過去の回想という形式で進行していく。
人物
「勉強オバケ」と言われるほどの大変な勉強家。
そのため成績は非常に高く、小テストでは毎回のように100点、3年生時の全国学力テストでは全国3位を取るほどの秀才である。
本人もこれに関しては自信があり、他人にテストの答案を見られそうになると「見るな!」と恥ずかしがり、相手が100点の答案を見て驚いたところに「あーめっちゃ恥ずかしい(棒)」と付け加えるのが持ちネタ。
反面運動はからっきしで、五つ子の中で一番の運動音痴の三玖といい勝負。
時折行き倒れのように寝ている事があり、その時は目が開いたまま寝ている描写が多い。
また「勉強以外のすべてを捨てている」と言われ、友人はおらず、ファッションには無頓着。恋愛に至っては「もっとも愚かな行為」とまで断言するほど。人づきあいが致命的に苦手で、そのせいで序盤では五つ子(特に二乃や五月)に強い反感を持たれていた。
そりゃ初対面の、しかも勉強を教えてほしいと言ってきた女の子をガン無視した挙句、「そんなに食うと太るぞ」とか言ってくる人間に好意を持つのは…ねえ?
ただ、本質的には他人へのやさしさと面倒見の良さを持った人物であり、徐々に彼女らとの関係は改善していく。
当初「金のため」と断言していた家庭教師業も、彼女らと触れるうちに「夢を支えてやりたい」という方向性になっていく。
林間学校などのイベントにも興味がないそぶりをしていたが、実はそういったイベントはむしろ好きなほう。
林間学校の時は事前にしおりにびっちりとメモや感想を書いていた。
母はすでに他界し、小学生の妹らいは、カメラマンの父勇也とともに暮らしている。
家が貧乏な為ものすごい節約家。学食で食べるメニューは「焼肉定食 焼肉抜き」。
ライス単品の値段で味噌汁とたくわんがついてくるためお得なんだとか。
さすがに高校生の彼にはこの分量は少なすぎるようで、空腹音が鳴っていたこともあったが…。
また、アルバイトの経験も豊富。本編中ではケーキ屋でアルバイトしていた。ただし料理の腕は初期の三玖といい勝負なので厨房には入れていない。
なお、食事が出る飲食系の店ばかりで働いていた模様。
くわえて、宅配のアルバイトのために原付免許を持っている。
実は5年前、小学生のころは、父の影響を受けてか、髪を金に染めてイヤーカフを付けたヤンキー風の姿であった。
加えて勉強に関しても不真面目で「いらないものは捨てていけ!」がポリシーの少年。
しかし、京都の子(らいは曰く『初恋の人』)なる同い年の少女と出会ったころから、今のような勉強熱心になった。
理想の女性のタイプは「いつも元気」「料理上手」「お兄ちゃん想い」…
二乃「てかそれあんたの妹ちゃん!」
三玖「真逆…」
人間関係
中野家の五つ子
「」内のセリフはある人物に対し、彼が語った印象。
[[一花>中野一花]]
「夢追い馬鹿」。
常にからかってくる彼女を平常心で返していた。嫌う様子はなかったが勉強には当初は非協力的。
最初のうちは面白がっていた彼女だが、花火大会でのおせっかいや、崇拝の対象になることすらある自分に対しても素で接してくれる風太郎に対し徐々に好意を抱いていく。
だが、彼女の愛情は徐々に危険な方向に…
[[二乃>中野二乃]]
「身内馬鹿」。
姉妹思いで「異物」が入ることを好まない彼女との関係は険悪そのもの。
しかし、盗撮裁判(?)や花火大会、彼女の家出の時の経験から「サシでなら意外と話せる」ことに気づく。
素直じゃないけど二人とも家族思いだし。
二乃のほうは過去の風太郎の写真を偶然見かけたことで写真内の金髪風太郎に興味を持つ。この時風太郎はとっさに「従兄弟の『金太郎』」とごまかしたが、これが原因で林間学校、そして期末試験の際にひと騒動起きることに。
その後、不器用ながら自分たちのことを考えてくれている彼に対し恋愛感情を抱く。
これまでの経緯のせいか、告白のシーンで風太郎はかなり困惑していた。
その後は「愛の暴走機関車(by一花)」と言われるほど積極的に彼にアタックしていく。
[[三玖>中野三玖]]
「卑屈馬鹿」。
1~2話目こそうまくいっていなかったが、数日で図書館中の戦国関連本を読破して自分に対応しようとする風太郎の熱意、そして、「」という言葉に惹かれて関係改善…どころか陥落した。チョロイン
風太郎に自分の思いを伝えるため、弱気で自信のない彼女は変わり始める。
ただ奥手な為、風太郎になかなか思いは届いていない…と三玖本人は思っていたが、さすがの風太郎もそこまで鈍感ではなかったと修学旅行にて判明する。
[[四葉>中野四葉]]
「脳筋馬鹿」。
出会った当初から風太郎に対して協力的。風太郎の塩対応も気にしてない。
風太郎も彼女に怒るときには悪目立ちリボンをつかみながらしており、関係はかなり良好。
特に「勤労感謝ツアー」のブランコの一件は、当時の風太郎が珍しく全力で笑っていた。
[[五月>中野五月]]
「真面目馬鹿」。
五つ子の中で最初に出会った。しかし風太郎の舌禍でその出会いは最悪の形となった。
しかし、中間試験や林間学校を通し、彼との関係は良好なものになっていく。
なお、1話で二乃の作戦で眠らされた風太郎を彼の家まで連れて行った経緯から、五つ子の中で唯一上杉家の場所を知っている。
そのため、二乃との喧嘩で家出した際は上杉家に居候していた。上杉家の家計壊れる
なお、鈍感さにおいては風太郎といい勝負である。
縁が深い人物
らいは
最愛の妹。家庭教師を引き受けた理由の一つが「彼女に楽な暮らしをさせてやりたい」というもの。
一方、彼女のほうは風太郎の性格をよく知っているのでかなり毒舌気味。
勇也
父親。昔のヤンキー風の姿はワイルドな彼の影響が大きい。
現在は年頃の親子相応といった感じ。
風太郎の母
上杉家の母親で作中では既に故人。料理が得意だったらしく、三玖との触れ合いで母のことを思い出したことも。
アニメ公式設定資料集での容姿を見るとらいはと似ている。
中野マルオ
五つ子の父親であり、一応のクライアント。
風太郎が無意識に彼を「お父さん」と呼び、「君にお父さんと呼ばれる筋合いはないよ」と返されるのはお約束。
基本的に親バカな彼からの印象はよくない。加えて期末試験の時彼の思いをくみ取ることなく啖呵切っちゃったし…。
「京都の子」
風太郎の前に現れた謎の少女。五つ子の母親と同名である「零奈」と名乗っている。
期末試験の時に意気消沈する風太郎の前に現れ、多少の会話を交わした後に別れを告げていったが、修学旅行直前に再登場。
風太郎はすでに彼女が五つ子の一人のうちの誰かであることを知っていたが、誰か、ということには興味を示さなかった。
その他の関連人物
竹林
小6時代の風太郎と修学旅行で同じ班だったヘアピンを付けた女子生徒。
風太郎は「京都の子」に会うまでは彼女に想いを寄せていたようで写真を撮影していたが、同時に彼女と幼なじみの真田との仲睦まじい様子を見て疎外感も感じていた。
第100話では現在の姿で登場。旭高校の学園祭で風太郎の前に現れて彼と五つ子をからかうも、かつて荒れていた小6時代から精神的に成長した風太郎の姿を見て竹林は安堵して彼のこれからの人生を激励した。
なお、風太郎は竹林の事を最初は忘れていたが小6時代の彼女は気が強かったようで再会した時は以前よりお淑やかになった事に雰囲気が変わったと評している。当然ながら竹林は自分よりよっぽど雰囲気が変わった風太郎にツッコミを入れている。
真田
CV:真野あゆみ(小6時代)
小6時代の風太郎と修学旅行で同じ班だったメガネをかけた男子生徒。
竹林とは幼なじみでもあり家族ぐるみで旅行するほどの仲で彼女と同じ学級委員なのもあって他の生徒からお似合いと言われていた。
第100話では終盤に現在の姿で登場。小6の修学旅行以降から竹林と交際するようになったかは不明だが、彼女とは現在も交流を続けている模様。
本編にて
家族のため家庭教師のバイトを引き受けたが、「同級生」「五つ子」「向こうからの印象もよくない」そして「全員赤点スレスレ」という状況。それでも生来の責任感からか、賃金分の仕事は果たそうと奮闘する。
夏祭りでの一件などでどうにか信頼を築けてはきたものの、やはり完全にはうまくいかず、中間は全員赤点に。幸い二乃のとりなしで家庭教師引退だけは回避できた。
林間学校では、最初こそ興味を示していなかったものの、本質的なイベント好きの血が騒いだのか、かなり楽しそうだった。
まあ水にぬれたり寒冷地にいたりで風邪を引き、その後しばらく入院することになってしまったが…
その後の期末試験では、五つ子の成長ペースから計算し、「何もなければギリ行ける!」と全力でフラグを踏む。
最終的に二乃と五月が家出してしまい、二乃を説得しようとするも、「あんたなんか来なければよかった」と拒絶されてしまう。
しかも四葉が部活動の助っ人で振り回されるし…
失意の中、自分を「京都の子」だという少女、零奈と出会うが、それは彼女からの別れの言葉だった。
いろいろあって二人は返ってきたものの、最終的に期末でも五つ子は赤点に。
責任を感じて家庭教師を退職し、彼女らとのかかわりを断とうとする。
この際、カンニングぺーパーに偽装して別れの手紙を送っている。
しかし、自分たちで家を借りてまで教えてもらいに来た彼女たちに根負け。「出世払い」ということで再び彼女たちの家庭教師になり、2学年末のテストでは全員赤点を回避、見事全員進級させた。
このころ二乃に告白されて大胆なアプローチを受けたり、温泉旅館にて三玖に抱き着かれたり、姉妹のうち誰か一人と(事故で)キスしたことにより、彼女たちを「教え子」としてではなく「異性」として認識し始める。
3年生、マルオの策略で五つ子全員と同じクラスに。そして四葉の推薦で学級委員長になった。
彼と娘を切り離そうとするマルオに対し、家庭教師を続けるための条件として、「全国統一模試で五つ子の赤点を回避し、自身も全国10位以内に入る」と宣言、見事達成してマルオから認められた。まあ関係に関してはクギを刺されたが…
なお、この際対決した自称ライバルの武田とは友人と言える仲になった。本人は意識してないが。
修学旅行後、恋愛ガイドブックに手を出したり、クラスメイトと海を楽しんだり、五つ子をプールに誘ったりと、五つ子との交流の中で自身も成長したのか、2年生のころには想像もできなかった姿に変化していた。
そして文化祭1日目終了後、五つ子たちとのささやかな打ち上げ中、ついに…。
「俺は お前たち五人が好きだ」
「この六人でずっと この関係でいられたらと願ってる」
「だが答えを出さなければいけないと思う」
まさかの言葉に五つ子は緊張…
だが、風太郎本人も心の整理がついていなかったため、結局最終日終了後まで答えは保留となった。
文化祭中は、学級委員長としてクラスの出店の事故に対処する、悩む五月の背中を押すなどしつつ、五つ子たちとのかけがえのない時間を過ごした。
そして五月除く全員からキスされていた。「天然キス魔!」
一方、だれを選ぶつもりなのか尋ねてきた一花に対し、「誰も選ばない」と発言。その真意は?
最終日の夜、決断を目前にして、武田たちの前で、五つ子への感謝を述べていた。
「学生の本分は学業 それ以外は不要だと信じて生きてきた だが…」
「それ以外を捨てる必要なんてなかったんだ」
「勉強も友情も 仕事も娯楽も恋愛も あいつらは常に全力投球だった 凝り固まった俺にそれを教えてくれたのはあいつらだ」
「きっと昔のままの俺なら 今この瞬間も一人だったろうな」
そして、五つ子は校内の部屋で一人ずつ風太郎が来るのを待つ。
彼が向かった先は…
以下ネタバレ
風太郎が向かったのは四葉の元だった。
まさかの展開に困惑して逃亡する彼女にどうにか追いつき(というか転倒したところに四葉が寄ってきただけ)、こう語った。
「おまえの姉妹はみんないい奴ですげー奴で 大好きなやつらだ あいつらの家庭教師をやれたことを誇りに思う」
「だが お前がいなければ 俺はとっくにつまづいていた」
「俺は弱い人間だからこの先何度もつまづき続けるだろう
「こんなだせえ俺の勝手な願いなんだが」
「その時には四葉 隣にお前がいてくれるとうれしいんだ」
彼なりの精一杯の告白は…
「好きです」
「私…上杉さんには嘘をつけません…」
「ずっと前から好きでした」
確かに届いたのだった。
その後の四葉との初デートでは、経験不足かこっそり尾行していたほかの姉妹にやや手厳しい評価を受けつつも、最終的に勤労感謝の日の思い出のブランコにたどり着く。
そこでのブランコジャンプ。鎖がちぎれたため目標だった四葉の距離を跳び越すことができた。
そして彼は、彼なりの最大級の賛辞、しかし少々先走り過ぎな愛の言葉を四葉に言う。
「好きです 結婚してください」
さすがの5年前からの風太郎ガチ勢四葉もやや引き気味ではあったが、それでも受け入れてくれたのだった。
その後は東京の大学に進学するため、彼女たちとはしばらくお別れに。
5年後、結婚式に臨み、五つ子の義父のマルオに「一人の女性を一生かけて愛する」決意を伝えた。
マルオもまた、余命いくばくもない零奈と結婚し、今もなお結婚指輪をはめ続ける所は風太郎のそれと同じである。さすがファンクラブ会長だっただけの事はある
態度には出さないが、結婚式では祝い事でしか飲まないワインを飲んでいる辺り、それなりの共感は得られたようだ。
披露宴前、五つ子のささやかないたずらで、五つ子ゲーム(誰が誰かを当てる)に遭遇。
昔と変わらない問題児たちに苦笑しつつも、難なくクリア。そして彼女たちにこれまでの道のりを振り返るような言葉を贈った。
五月とはいつも通り口論してただけだがな!
五つ子の母親は、「愛があれば見分けられる」と語っていた。
風太郎の五つ子への愛は、確かに本物だった。
結婚式直後、さっそくついてくる気満々で新婚旅行の行き先を話し合う五つ子の面々。
呆れつつ、「前にも同じようなことがあった」と思い出す。
「いつまでも寝ぼけてないでさっさと決めるわよ」「ん?何をだ?」
「卒業旅行 フータローが提案してくれたんでしょ」「そ そうだったな」
「と とりあえず五人で指差ししよっか」「俺の意見は?」
「結果は知れてるけどねー」「俺もやめといたほうがいいと」
「じゃあせーので行きますよ」「お おいっ!」
「せーのっ!」
「五つ子ってめんどくせー…」
そういいつつも、彼の顔には笑みがあった。
考察、あるいは本編の真相
上述のように、ほとんど恋愛アピールをしてこなかった四葉を選んだ風太郎。いったい何が決め手となったのであろうか。
作中では全編通して四葉の事を「写真の子」と気付いた様子は無く、それが切っ掛けで無かったのは間違いないだろう。
実のところ、文化祭で風太郎が悩んでいたのは「誰に告白するか」ではなく「四葉に告白するかどうか」である。
他の姉妹がなかなか信頼を寄せてくれない中、最初から自分についてきてくれた四葉の存在は確かに風太郎の大きな心の支えとなっただろう。
ただ、それ以上に大きかったのは、「自分を『普通』にしてくれた」ことだったと思われる。
上杉風太郎という人物には、5年前の発言を見れば顕著ではあるが、「何かを得るにはほかのすべてを切り捨てないといけない」という考えがある。
そのため、「写真の子」…つまり四葉と出会い、勉強を熱心にするという誓いを立てたのだが、このため(家庭の問題もあるにせよ)娯楽や趣味、そして友人関係といった大事なものを一切切り捨ててしまっていた。
結果として、「勉強ができて必要とされる人間になる」という約束だったのに、「勉強ができるだけでそれほど必要とされない人間」になってしまっていたのである。
一方の「写真の子」本人である四葉は逆に「(助っ人などとして)必要とされるが勉強ができない人間」になっていた。
四葉はそんな風太郎と自分を比較して、勉強出来なかった自分を恥じて正体を明かさなかったが、
風太郎は公園で零奈と会った時に言ったように「(約束を果たしていない)俺はまだお前には会えない」と他者に必要とされる人間になる事が第一目標であったため、
約束を果たすための手段が目的にすり替わり、勉強が出来る事を他者に誇るだけの凡人以下になっていたのだった。
しかし、五つ子との出会いののち、何事にも全力な彼女たちと接していくうち、気が付けば5年前のようにイベントや学校生活を楽しむようになっていた。
その象徴だったのが、林間学校や修学旅行といったイベントで「悔いがないようにしましょうね!」と言い続けてくれた四葉であった。
クラスに押し付けられて本当は辛かった林間学校の肝試し、小学生以来で楽しみにしていた修学旅行、クラスに馴染めてないからと学級長に推薦し、一緒にクラスメイトと仲良くイベントに参加する切っ掛けを作ってくれた学園祭……
自分が「写真の子」との誓いを果たしても得られなかった、本当に欲しかった物を持っていた四葉に苦難の時に支えられ、その笑顔で励まされ続けた風太郎は四葉に対し全幅の信頼と無意識化に仄かな恋心を抱き、四葉が変装しても対面なら何となく見破れるようになった。
四葉が変装を苦手としたのは風太郎に見破られてからであり、風太郎はそんな四葉を大根役者と思い込んでいたがこれは愛の見破りを勘違いしていただけだった。
徐々に抱き始めた彼女への淡い思いを恋として認識したのは、春休みの旅行中での事故によるキスの時だった。
鐘の下に駆け寄り顔を近付ける姿は四葉に見えたのだが、四葉がニ乃や三玖のように好意らしき物を見せない為あまり考えないようにしていた。しかし湧き出る恋愛感情はどんどん抑えられなくなる。
実際、このころの四葉とともにいるコマをよく読んでみると、顔を近付けただけで恥ずかしがる時の癖である前髪いじりをしていたり、四葉が笑顔を向けてくると咄嗟に顔を逸らしているのが分かる。
零奈が姉妹の中に居ると分かった後、真っ先に四葉にだけこの名前を出し、その反応を窺い違うと分かるとすぐに切り替え、「昔の事より大切なのは今だろ」と今の四葉に目を向けた。
結果的に四葉の思惑通り過去と決別出来たのだが、大根役者と思い込んでる風太郎からすれば可能性が低いにも関わらず確認したあたり、
心のどこかでは「四葉が零奈だったら良かったのに」と思っていた様子。「零奈がキスしてくる恥ずかしい夢を見た」ってつまりはそういう…
この想いは自分の気持ちに答えを出すと決めた学園祭を迎えて尚強かったらしく、一花に語った「誰も選ばない」という言葉は「(例え四葉に告白せずともほかの)誰も選ばない」という決意だった。
しかし、風太郎は悩んだ。何かを得るには他の物を切り捨てなくてはならない。
ならば、仮に「四葉との関係」を選んでしまったら、「ほかの4人との今の関係」がなくなってしまうのではないか、と。もし自分が四葉に告白してしまったせいで、姉妹の間に亀裂が入ってしまったら…
自分の恋心を押し殺し「誰も選ばない」選択こそが、自分にとって、五つ子にとって、そして姉妹の幸せを願う四葉にとっても最善の選択ではないか、と──
しかし、文化祭での五つ子との出来事が風太郎を変える。
一花には「素直な気持ちを大切に」と背中を押され、
ニ乃には「恋は攻めてこそ」と自分の恋を優先するその姿を見て、
三玖には「例え関係は壊れても修復出来る」事を教えられ、風太郎の考え方に変化が生じた。
「何かを得るために何かを捨てる必要なんてない、全部選んでしまえばいい」と。
五つ子との絆はその程度では壊れることはない。そう信じた。
実際、これは正解だった。
確かに二乃や三玖とややギクシャクする場面もあったし、五月が自分の本心に気づいてもやもやすることもあった。
それでも、全員結果を受け入れ、これまで通りの関係が続いたのである。
5年後、新婚旅行、というかそういう名目の家族旅行の計画を立てる6人は、騒がしくも、とても和やかな姿だった。
なお、本編後半における風太郎のモノローグなどが少ないため、読者によって回答は変わってくるかもしれないことをご留意いただきたい。
(アニメ版では一部異なる描写になっている箇所があるが、この項では原作漫画での描写を優先している)
追記修正はテストで100点を取ってからお願いします。
[#include(name=テンプレ2)]
この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,10)
[#include(name=テンプレ3)]
▷ コメント欄
- 風太郎のモノローグを回想でもいいからもう少し増やして、四葉を好きになった理由をしつこいくらい強調してくれたら、四葉を選んだことに納得感を得られたんだがなぁ -- 名無しさん (2021-06-26 21:51:05)
- 風太郎の身になって考えたらこれ以外ないくらい納得感があったけど。 -- 名無しさん (2021-06-28 22:10:27)
- 「主人公が素のまま接してたけどヒロインは主人公を好きになる」っていうラブコメの法則の逆を行ってたって考察を見てなるほどと思った 確かに逆があってもいいよな -- 名無しさん (2021-07-01 20:46:01)
- 理想のタイプのいつも元気は完全に四葉でお兄ちゃん想いも姉妹を想って4人の恋を応援しようとするのも一応、四葉と一致?料理は…二乃に教わってこれからってところかね。 -- 名無しさん (2021-09-27 20:11:58)
- 五等分に限らず松岡禎丞が演じるヒロイン多数系の主人公作品は、ヒロインレースで炎上してしまう事が多い印象を受ける。 -- 名無しさん (2022-04-04 18:55:15)
- ⬆️なんでや!SAOじゃアスナと夫婦円満やろ! -- 名無しさん (2022-07-02 22:12:50)
- この記事後半を読んで、信頼できない語り手という印象を受けたのだけれども。ラブコメの主人公に抱く印象じゃないな…ミステリの語り手かな -- 名無しさん (2022-08-25 19:54:49)
- 実は風太郎自身の性格をちゃんと把握してから反応を見るとめっちゃ分かりやすい奴。 -- 名無しさん (2023-02-08 02:11:27)
#comment(striction)
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧