フランケンシュタイン対地底怪獣

ページ名:フランケンシュタイン対地底怪獣

登録日:2011/06/13(月) 00:57:40
更新日:2023/08/10 Thu 12:08:58NEW!
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『フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン』は1965年8月8日に公開された東宝の怪獣映画。地底怪獣はバラゴンと読む。




【あらすじ】

第二次世界大戦末期、ある物がドイツからUボートによって日本の広島へ持ち込まれる。それは「フランケンシュタイン博士の作った心臓」と呼ばれる不死身の兵士の開発研究の成果だった。しかし、原爆投下により心臓は研究所ごと焼き払われた。はずだった……


その後広島の放射線医学研究所にて、放射能に耐性のある不思議な浮浪児が保護される。
その頃、秋田では石油採掘施設が謎の崩壊をする。


保護された少年は異常な発育を続け、次第に凶暴な巨人と化していく。その少年こそ、かつて広島に持ち込まれた心臓が原爆にも耐えて生き延び、成長したものだった。



【概要】

本作はアメリカでフランケンシュタイン博士の怪物を使った新作企画が日本に渡り、紆余曲折の末製作された経緯を持ち、フランケンシュタインの怪物の対戦相手としてはガス人間ゴジラの名が挙がっていた。結局は新怪獣を出すことになり製作がスタートした。


ホラーテイストも入った非常にシリアスな作品であり、明るい作風にシフトしていた同時期のゴジラ作品とギャップを感じられる内容となっている。


本作の怪獣は20m代と従来の作品よりサイズダウンされ、それにより人間との距離が近付いた。またミニチュアの縮尺が大きくなり、より精巧なミニチュアが製作された。
本作はまずまずの成績を上げたようで、次年には姉妹作と言える『サンダ対ガイラ』が作られた。アダルトでシリアスな怪獣映画のラインはその後も『キングコングの逆襲』まで計3作作られ、ゴジラ作品と共に年2作の体制で怪獣ブームを引っ張った。


また、海外のプロダクションと合同で製作され、当初から海外公開を前提に製作された。


本作はラストが2通りあり、1つは唐突に大ダコが登場するものである。このラストが上述の海外公開版に使われたとする説が主流だったが、実際は海外でも使われず国内でテレビ放送された際に初めて付けられたとのことである。



【登場人物】

◆ジェームズ・ボーエン(演:ニック・アダムス 声:納谷悟朗)
広島の放射線医学研究所に勤めている科学者。フランケンシュタインに対しては保護をしつつ調査をしていく考えであり、彼は人間であると認識している。
戸上とは男女の感情がある模様。
演じたニック・アダムスはこの年怪獣大戦争にも主演し、東宝特撮ファンにおなじみの外国人俳優となった。


◆戸上季子(演:水野久美)
ボーエン博士の同僚。ボーエン博士と特に親しい。フランケンシュタインとは世話をする内に情が移り、坊やと呼び母親のように接する。フランケンシュタインも戸上には心を開いていた。


◆川地堅一郎(演:高島忠夫)
ボーエン博士の同僚。ボーエン博士や戸上よりは現実主義者で、フランケンシュタインをいち早く人間ではあっても人間でないと発言したり、保護に対して見切りをつけようとした。
また、フランケンシュタインかどうかの証明のために手首を切り落とそうとした。しかし、切り落とそうする前に酒を飲んで無理に気を落ち着けようとしており、冷酷な人間ではない。


◆河井(演:土屋嘉男)
戦時中に広島へフランケンシュタインの心臓を届け、部外者で心臓のことを知った数少ない人物。
また、戦後は秋田で石油採掘施設で勤めていたがバラゴンに遭遇する。
作中ではフランケンシュタインやバラゴンの情報をボーエン博士に伝えるために、度々博士達と会う。



【登場怪獣】

◆フランケンシュタイン(演:古畑弘二)
フランケンシュタインの心臓が原爆投下後の広島で生き延び、成長した姿。最初は浮浪児として学校のうさぎ等を襲っていた。


放射線医療研究所に保護されたが体が巨大になっていき脱走、山奥へ逃走し最後は富士の裾野まで行き着いた。驚異的な再生力を持ち、脱走時に手首が切れるが再生する。その頃には身長20mまで成長していた。


最後は戸上等を守るためにバラゴンと戦い、バラゴンを倒すが地割れに巻き込まれてしまう。もう1つのラストではバラゴンを倒した直後大ダコに襲われ湖に沈んでしまった。


いずれにしろ、不死身の心臓を持つフランケンシュタインは、いつか復活するだろうと予感させて物語は終わる。


フランケンシュタインは役者に特殊メイクを施し表現している。目には当時珍しい緑のカラコンを入れ、足のように造形した靴を履いていたとのこと。


バラゴン
秋田の石油採掘施設を襲った肉食の地底怪獣。その後は白根山の山荘を襲い宿泊客を食べてしまう。その後は家畜を襲いながら富士の裾野へ到達、戸上等を襲うがフランケンシュタインに阻まれ交戦する。


口からの熱線や地中からの奇襲で戦うが最後はフランケンシュタインに首を折られ倒される。
作中ではバラナスドラゴンという恐竜の生き残りと推測されていた。


おそらく日本初の地底怪獣であり、人間を食べた初の怪獣。二足で立つ写真が多いが作中では常に四足歩行である。
サイズは25mと東宝怪獣では小型だが、そのため人間に近付いたカットはかなり怖い。


着ぐるみはその後『ウルトラQ』のパゴス、『ウルトラマン』のマグラー、ネロンガガボラと使い回されたことは特撮ファンにはよく知られている。



大ダコ
ある意味本作最大の蛇足。何故か湖に住んでおり、ある程度なら陸上でも活動出来、フランケンシュタインより強いチートなタコ。本作では生きたタコは使わなかった。本作で作ったタコは次作でも使われる。ちなみに登場時のBGMには『キングコング対ゴジラ』の際の大ダコのテーマが流用されている。



大ダコEDが好きな人は追記を、地割れEDが好きな人は修正をお願いします。


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  • ウルトラマンのモデルの一つだっけ? -- 名無しさん (2014-12-14 13:53:45)
  • らしいよ。巨人vs怪獣だし。さらに遡れば起源はキングコングvsティラノサウルスになるはず。 -- 名無しさん (2014-12-14 13:57:22)
  • じゃあキングコング対ゴジラ、ウルトラマン対ジラースをみればウルトラマン対ゴジラをみたことに…(錯乱) -- 名無しさん (2014-12-14 16:11:43)
  • 海外では有名? -- 名無しさん (2015-01-25 19:17:48)
  • そろそろメアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』の小説の項目はまだか。 -- d (2015-02-25 23:24:26)
  • 例え心優しかろうと、怪物は怪物として死んでいくしかないというラストは物悲しかった -- 名無しさん (2016-01-30 15:52:47)
  • しかしリーゼンドルフ博士自身はなんのつもりで心臓の研究をしてたんだろう。 -- 名無しさん (2016-10-21 16:24:29)
  • DVDで観たら大ダコラストが本当に唐突過ぎて唖然とした -- 名無しさん (2016-12-10 23:33:42)
  • フランケンシュタイン博士とフランケンシュタインの怪物は別だろ!いい加減にしろ!フランケンシュタイン博士と怪獣が戦うみたいじゃないか!w -- 名無しさん (2017-09-07 10:24:06)
  • ↑実は映画「フランケンシュタインの花嫁」終盤で女人造人間誕生の瞬間に悪玉科学者が「ブライド・オブ・フランケンシュタイン!」と口走ってしまうんだよね。それ以後怪物=フランケンシュタインという図式が出来上がってしまった。 -- 昼太郎 (2019-04-03 21:27:14)
  • どうも1826年の『怪物と魔術師』という劇で博士の名前を「ザメティ」としたせいで「フランケン=怪物の名」の図式になったらしい>www.nicovideo.jp/watch/sm30915644 -- 名無しさん (2019-04-03 23:08:03)
  • ↑あ、そうなんだ!凄い知識じゃないですか! -- 昼太郎 (2019-04-09 12:47:13)
  • 序盤の原爆投下シーンでエノラ・ゲイ飛来に合わせて空襲警報が鳴っているのがちょっと引っ掛かる。あれは確か数機のB29をおとりとして飛ばして(当然ここで警報が鳴る)、何もせずに引き上げさせることで広島市民を油断させ、大半が防空壕から出て来たところにエノラ・ゲイが…だったはずでは?おまけに「はだしのゲン」あたりでさんざん非難されたABCCに対する批判的視点も無いからこの映画は素直に楽しめない…いっそのこと原爆問題をからめなければよかったのにね。 -- 昼太郎 (2019-04-09 13:25:45)
  • ↑こういうクッソしょうもない話はどうでもよろしい。問題はなんで唐突にタコなのかということだ。あまりの意味不明な展開に唖然としたわ -- 名無しさん (2020-11-20 17:15:17)
  • ゴジラよりもとんでもない細胞を開発したフランケンシュタイン博士が第一次世界大戦の世代ってのがまたとんでもない -- 名無しさん (2022-07-31 22:04:24)

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