海色杉

西方諸島や西方海で産出する樹木で、樹皮の裏側が仄かに青いことからその名がついた。

海色杉は耐水性が非常に高く、塩にも強いため海の近辺でもよく成長し、また育成も早いことから材木として使われることが多い。

特にその耐水性の高さから造船に使われ、西方共働圏の商船や軍船ではこの木材で作られている船が非常に多い。

また、この木の産地でもあるテオルッカでは家具などにも用いられ、海中やその近くに住むマーフォークには高い人気を持つ。

さらにテオルッカは獅鷲の素材の産地でもあるため、海色杉と獅鷲の爪を使った杖は遠く王国からも青の魔術を使う魔導師が買い求めに来るほどで、特に「水流破」や「空圧破」などの水や空気の流れを操る魔術との相性が抜群であると評されている。

しかし近年では西方共働圏の中でも主導的な立場を持つ西方諸島が帝国と政治的な距離を詰めており、王国は仮想敵国として西方海からも魔道具の輸出制限をかけられていて、入手しにくいという状況にある。

一方で地政学的には東域に近い西方海は重要な商売相手として東域を見ており、西方共働圏も一枚岩とは言えない状況になりつつある。