起伏が少なく、山野の恵みを収穫できるテオルッカは西方海の中でも豊かな実りを期待できる土地であり、麦や葡萄など、この地で消費される食料品の多くを産出する土地である。
また、この地は東に豊富な森林資源を有するセウォン島を持つこともあり、木工業も発達している。
特にテオルッカは加工師だけでなく家具職人の街としても有名で、耐水性の高い海色杉を使って作られる家具はマーフォークにも愛用されている。
また、そこで使われている海色杉は造船業でも重宝され、オーレミカの海軍工廠でも使われる他、西方諸島にも輸出されている。
このように、自然に恵まれたテオルッカだが、セウォン島の森林地帯は恵みだけでなく、脅威もこの街にもたらしている。
セウォン島の西側は森ゴブリンの棲み処となっており、島に渡った伐採業者を襲ったり、船を出して漁師を襲ったりと、被害が絶えない。
また、海沿いの農場は収穫期になるとゴブリンの集団の襲撃を受けることもある。
そのため、テオルッカの冒険者同業者組合にはゴブリン討伐や収穫の手伝い兼護衛のような仕事が頻繁に求められる。
しかし、護衛はともかく討伐は他の地域よりも危険度が高い。
というのも、セウォン島の東側の森は獣の森と呼ばれ、ゴブリンはこの森に棲んでいる魔獣を飼育している場合があるためだ。
特に獣の森の山岳部は獅鷲や鵺、飛竜種の竜が生息しており、それらはゴブリンの集団よりも脅威である。
テオルッカの街としてはそれらの魔獣にも頭を悩ませているのだが、ゴブリンの生息する森を越えて獣の森深くまで遠征できる冒険者の団は少なく、実現には至っていない。
一方で街の自警団は時折街に飛来する獅鷲を捕らえ、飼い慣らすことで街の守りとしている。
ここで飼われている獅鷲の素材は加工師たちからも珍重されていて、これを使った魔導具は街の特産でもある。
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