古くは煙草といえば麻の花を乾燥させたものを指した時代があり、煙管などの細工品も発達したが、王国律令によって大麻が規制されてからは大麻を用いた煙草は表向き姿を消した。
それと前後して入ってきたのが南域で栽培された葉巻であり、煙管用の刻み煙草であった。
南域では古くから煙草といえば大麻煙草ではなくこちらの煙草を指し、大麻を吸引する文化は馴染みがなかったのである。
現在では南域産の煙草は世界中に輸出されており、それと共に南域の木材を使った煙管も広まっていった。
また、東域では砂漠に暮らすノームやドワーフの間では煙草に香料や香草を混ぜて喫う文化が早くから広まっており、煙管にも東域産の金属を用いた物が作られたほか、水煙草のような形態も一般的である。
王国では紙の産地であるという強みを生かして紙巻なども作られているがまだまだ高価であり、葉巻や刻み煙草の方が主流である。
だが、持ち運べる物資に限りのある冒険者や行商人には人気が高い。
ツリーフォークに喫煙の風習は根付かなかったのは、やはり火を忌避する文化から仕方のないところであろう。
サンドフォークは茶と同様、乾燥させて刻んだ古柯を吸引し、狩りの前や氏族の祭り・儀式などの際に精神を高揚させる風習が根強く残っている。
半分は水中で生活するマーフォークにとっては湿気を嫌う煙草は高級品で、主に上流階級のものが庭舞台で吹かしているのみで、一般人は冒険者の持っている紙巻にありつければ幸運、というところである。
エルフには煙管を作る職人が喫う程度で、全体で見れば喫煙を好むのは少数である。
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧