【名称】ある少女(アルショウジョ)
【種別】呪物あるいは能力者であるとされる
【概要】
この怪異は、十代後半の黒髪赤目の少女の姿をしている。その姿の特徴の通り、遺伝的には大宮本家の血筋の一人であると確認されている。実年齢などは不明。言葉は発さず、殆どの場合で収容場所のベットで眠っている。対話は可能で、時折、おにぎりと甘いものを欲する。
能力として強大な破壊の能力を持つが、自ら使うことは出来ない。多くの場合で、外部の構築による呪具への破壊付与の素として扱われる。
本人に危害を加える意思が無い事、今までに暴走の危険が無かった。しかし、彼女が危険な状況に陥った場合、共に収容されている「動かぬ守手」の暴走が確認される為、収容場所には頑丈な外壁と戦闘に長ける監視官を必要とし、対話の際も細心の注意が必要である。
【記録】
この怪異の記録は明治終わり頃または大正時代から始まる。大宮本家の屋敷がある黒稲荷神社の神域で、動かぬ守手(当時は住所不定の男として記録)と共に見つかったのが最初の記録である。当時は大宮家の子女であるとされ、大宮本家に引き渡される予定であった。しかし、当時、大宮本家は当主の一人息子であった大宮想夜以外が惨殺される事件の直後であり、分家・豊宮家などを巻き込んだ相続戦争の真っ最中であった。そのため、管理課はこの少女を共に見つかった男と共に保護し、医療処置を施した。
保護後、ただ息をして目を瞑っているだけであった男(動かぬ守手)から少女を引き離したところ、少女が強くこれを拒否したため、親子または主人と守護者として管理課が彼女らを記録した。
少女は当時から姿は十代後半であった。しかし、精神は一回り幼く、何処か現実感の無い言葉をよく喋った。動かぬ守手について「私の守手」「シマタニ」と呼び、花を持たせたり、米を食わせるなど、慕う様子が見られた。
後に少女に異常な程、破壊の能力が内包されていることがわかり、博士たちによる教育が始まった。しかし当時の教育は、一部で陰陽師以外の者に対して洗脳や過激な懲罰がしばしば行われていた。このことから、少女には度々、一部の陰陽師によって激しい懲罰が行われるようになった。また、少女は内包する破壊の能力を外に出すことが出来ず、全く能力が使えない状態であった。
ある日、いつも通りある陰陽師が能力の発動の為の教育で、保護室で彼女に折檻を始めた。この日の懲罰はいつにも増して過激で、それまで泣かなかった少女が、泣いて助けをこうた。すると、少女の傍にただ座っているだけだった男が、当該の陰陽師を殴り、そのまま数度の殴打で撲殺した。少女は泣いて止めたが、男は相手の陰陽師の息が無くなるまで周囲で制止する他の陰陽師を床に叩きつけるなどして気絶させ、暴走を止めなかった。周囲から危険が無くなると、男は少女を抱いて、唄のようなものを口ずさみ、少女を寝かせ、静止した。このことから、少女を教育することは断念され、守手である男と共に怪異として収容することが決まった。
現在も彼女達は収容部屋で穏やかに過ごしている。
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