【職員名】式守洋介(シキモリヨウスケ)
【階級】修業生
【性別】男
【能力】修復・固有能力(負の感情の抑制、それによって結びついたものを解く)
【出身】一般家庭
【経歴】
10歳の時、管理課に特殊勧誘を受ける形で所属した。現年齢は19歳。
実家は九州地方の酪農家で、彼は三男である。九年前、特に名や力のある土地でもないその町に、暴走状態に陥り危険と判断され管理課が追っていたイザナミの神子が侵入し、当時10歳だった彼を異界へ拉致する。この神子の鎮静と少年の救出のため調査部と討伐部が異界に入った際、拉致された本人である少年が神子を抱擁するだけで眠るような死を与える姿を確認した。異界は消滅するも、少年に特異な能力が存在するとみて、少年を保護。
調査の結果、彼に七属性の一つ・修復が発現しているほか、彼の固有能力として「聖域」の発生が見られた。
その後、本人の同意を得て、三善導が彼の実家へ管理課の詳しい職務内容は伏せたうえで勧誘を行い、管理課への所属が決定。その能力上、管理課の敷地内に居ることの有用性が高いため、学生寮への移動が決まった。
現在、彼の存在が無ければ不安定になる子供もいることから、通信制大学を選択。基本的に寮に居ながら学位を取ろうとしている。特に専門的に学んでいるのは心理カウンセリングに関してである。成人後も学生寮に居続ける予定である。
【評価】
修復の才能は中の上といったところで、それなりに優秀ではあるが、彼の能力的価値はむしろ彼の固有能力にある。
彼の固有能力は一種の聖域の発生である。彼の周囲に居る者は負の感情を抑制され、心身ともに落ち着き、場合によっては眠気に誘われる。その範囲は意識していなければ彼が居る部屋一室分だが、問題行動の実行を抑制する程度の「リラックス効果」は彼が居る建物全体に及ぶ模様。さらに本人が意識して使うことで効果や範囲は広がり、儀式を経ていない神々の感情で付随した呪いや執着による封印の解呪、負の感情で構築された神子の殺害などが可能である。一種の魅了とも言え、彼に対して悪意を抱くことはほぼ不可能と言えるだろう。神性が高いものに特に効果的なようである。
普段はこれによって保護されたばかりで不安定な学生のカウンセリングを行っている。ただ、あくまで負の感情の抑制であって永遠の消失ではなく、根本的解決を行わなければ彼への依存を招く結果になるため、並行で対処が必要である。
またこの能力を使用し、彼は医療部や交渉部、時に調査部に派遣される。負の感情により暴走した怪異や神には良い形で作用するが、神とは人とは異なる次元の精神性を持っていることが多いため、運用には対象物の性質を吟味したうえで行う必要がある。
この固有能力は生誕時から発現していたとみられている。そうでありながら10歳まで目立った事件に巻き込まれなかったのは生まれが霊的な力の薄い僻地であったからだろう。しかし年齢とともに能力の出力が上がり、見つかるに至った。現在も出力の向上は続いており、観察が求められる。
固有能力が本人に作用しているかは定かでないが、本人の性格は非常に怠惰的で、「学生寮の主」と呼ばれるほど一日の多くを学生寮の自室で寝て過ごしている。とはいえ、自身の能力を知り、一般家庭出身で一般人として平和に生きていく道もありながらその力で救える者のために管理課への所属を選んだ、優しい性格でもある。彼が人に好かれ、心に傷を負った者の精神を癒しているのは、固有能力だけのためではないだろう。
怠惰すぎる面はあれど、問題行動を起こす人物ではない。しかし、その能力によって神などに狙われることは多い。現場に出すときは護衛を付ける必要がある。
また、式神を保有し、形態は綿のように軽い羊である。主人に似ず活動的で、よく管理課の敷地内を浮遊している。修復と主人より軽度の聖域効果を放ち、抱えることで心地良い眠りを与えられる。本羊もそれを理解しており、眠りを求める者に引き寄せられるように浮遊しているようだ。眠る必要がある者にも、眠ってはいけない者にも近寄ってくるため、後者は各々対処する事。
【余談】
生家との仲は良好で、定期的に学生寮に牛乳と芋が届いている。
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