以下は現アマテラスの三善鈴に対して行われた定期カウンセリングのログの一部である。
担当官:お名前と所属をどうぞ。
対象:三善鈴。交渉部陰陽長。座名はアマテラス。
担当官:現在の家族構成をお願いします。
対象:両親共に健在、兄が二人、姉が四人。……義理の娘のようなものが、一人。甥姪まで言うか?
担当官:いえ、ご両親に、ご兄弟までと伴侶、お子さんまで聞くことになっています。それと学生蛍原雛は貴方の娘ではありませんのでご注意を。
対象:あぁ、はい。
担当官:それでは本格的に質問とお話を始めましょう。アマテラス、現在困っていることなどはありませんか。
対象:陰陽師として仕事してることそのものが困り事なんだよなぁ。
担当官:失礼ながら、アマテラスはそう言いつつも、毎年の人事で陰陽師を続ける意思表明をしてらっしゃいます。嘘はおっしゃらないでください。
対象:……まあ、良いや。困ったことと言えば、千里眼の制御がたまに出来てないことだな。
担当官:それは、ご利用の制御器(※眼鏡)が経年劣化してらっしゃるということでしょうか。
対象:いや、そうじゃなくて、眼鏡は別に何とも無いんだ。使うと使わないじゃ大違いだし。ただ、俺自身の千里眼が強くなってきてる。そんな感じがする。
担当官:そうですか。それは寧ろ良い傾向では?
対象:んなわけないだろ。今でも脳が破裂しそうなのに、もっと酷くなるってことだろ。それじゃあ、祖母ちゃん……君影大属と同じように、眠りにつくかもしれないぜ。
担当官:それは管理課としても困りますね。制御器の改良措置と追加の制御器の導入を検討しましょう。研究部と大属に申請を出しておきますね。
対象:よろしく。
担当官:それでは、人間関係でお困りのことはないですか? 人事の方にも関わることなので、出来るだけお願いします。
対象:そうだな。まあ、良い部下ばっかだよ。俺が発狂してても勝手に仕事してくれるし、倒れれば医療部にぶち込んでおいてくれるし。
担当官:同僚の方とはどういった感じでしょうか。
対象:これと言って。気になることと言えば、全員オーバーワーク気味なところか。少しは申請しなくても固定休くれねえかな。
担当官:管理課の信念上、陰陽師に「必要以上」「休み」という概念はありません。この国では日々、国民が宮家やその他の呪術関係者に消費されています。そんな理不尽から民を守るのが貴方達陰陽師の仕事です。休暇は理由と一緒に申請をお願いします。
対象:……労働基準法の適用を進言する。
担当官:私に進言せずに中枢会議にてご進言を。ですが、休暇については貴方の精神状況を元にこちらで申請しておきます。発狂しそうになったら言ってください。その時もこちらで手配できますので。
対象:発狂を防止するために休暇が欲しいんだが……まあ、良いよ。どうせ寮で寝てるだけだし。
担当官:では、次に————
■ログ公開終了(この後、何度か不意に千里眼が発動し、錯乱したため)
追加で有益なカウンセリングを行った場合、追記することを求める。
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