アントン・ゴンサウヴェス

アントン・ゴンサウヴェスはポルトガルの探検家、奴隷商人。黒人奴隷商人から奴隷としてアフリカ人を購入した最初のヨーロッパ人である。なお、16世紀の初めにマダガスカル島の沿岸を航行したアントン・ゴンサウヴェスとは異なる。

1441年　ヌーノ・トリスタン指揮下の遠征で西アフリカ沿岸を探検するために、エンリケ航海王子によって派遣された。しかし彼はトリスタンよりもかなり若かったので探検はさせてもらえず、西アフリカに生息するチチュウカイモンクアザラシを狩るのが任務だった。アザラシの皮を自分の小さな船に積んだ後、彼は新しい試みとしてアフリカ人を購入してポルトガルに戻ることを決めた。乗組員の9人とゴンサウヴェスはアゼネグ*1のベルベル人と黒人奴隷(ベルベル人の奴隷として働いていた)を購入して手に入れた。
この時、同じ場所にトリスタンと2人の乗組員が合流し、そこで新たに10人の奴隷を購入した(そのうちの1人はアゼネグの族長だった)。その後トリスタンは南に向かって探検を続けたが、ゴンサウヴェスはポルトガルに帰還した。

1442年　去年購入したアゼネゲの族長を連れて、別の探検に向けて出港した。彼は、アゼネグの族長と多くの黒人奴隷を交換する予定だったのだ。交換により10人の奴隷、金粉、複数のダチョウの卵を受け取った。しかし、ゴンサウヴェスはリオ・デ・オロ*2を通り過ぎることさえしなかったので、この遠征が西アフリカの探査を進めることはなかった。だが彼は多くの黒人奴隷を連れ帰った名誉により新しい腕章を与えられた。

1501年　亡くなった。

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*1 北アフリカ部族連合の一つで、当時としては最大規模だった
*2 アフォンソ・ゴンサルヴェス・バルダイアが1436年に通過済み