SCC

ページ名:SCC
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テンプレート:出典の明記SCC(エスシーシー)はコナミが開発した波形メモリ音源兼メモリーバンク制御チップ。テンプレート:試聴

ファイル:Scc01.jpg

MSX版グラディウス2搭載SCC(2212P003)外観

ファイル:Scc02.jpg

MSX2版スナッチャー用音源カートリッジ搭載SCC-I(2312P001)外観

ファイル:VRC VI 03.jpg

ファミコン版 悪魔城伝説のカートリッジ。SCC-I(5P72-J802)と記載がある。

目次

概要[]

ヘクシオンなど、コナミの業務用ゲーム基板で使用されはじめ、後にMSXのゲーム音源として用いられた。これらSCCチップには2212P003と書かれているが、KONAMI051649とも書かれている。これはチップメーカーでの品番とKONAMIでの品番だといわれている。

1990年代以降はアーケードゲーム用基板に、FM音源やPCM音源等と併せて搭載された。なお、グラディウス等で使用されたバブルシステム基板の音源もSCCと思われがちであるが別物である。

名称の詳細は諸説あり、MSXに使われた物は正式資料[1]によれば、SOUND CREATIVE CHIPが正しい。

家庭用ゲームソフトへの搭載は、1987年のMSX用ゲームソフトグラディウス2より採用された。

ファミコン版悪魔城伝説では、カートリッジ内のキャラクターROMにSCC-I(5P72-J802)と記載されており、さらに音源兼メモリバンク制御LSI VRC VI(1105-0039)の搭載もみられるが、VRC VIとSCC-Iの関連性について詳細は不明。なおVRC VIの音源部分は波形メモリではなくパルス+のこぎり波であり、SCCとは大きく異なる。

特徴[]

  • 同時発声数並びにチャンネル数は5音。MSX本体のPSG3音と合わせると8音同時発声が可能。
  • 周波数(12ビット)、振幅(ボリューム)(4ビット)のパラメータはMSXの内蔵音源であるAY-3-8910と互換性がある。周波数の誤差は大きいものの、サウンド制御処理が共用できる利点があったと推測される。
  • ROMゲームに実装されているSCC(2212P003)ではchDとchEは共通の波形という制限がある。
  • スナッチャーおよびSDスナッチャーに搭載されたSCC-I(2312P001、SCC+の名称が俗称として使われることがある。)は若干の仕様変更が行われており、互換モードと、独自のモードを持っている。専用のモードではチャンネル毎に任意の波形を生成できるようになっている。
  • 波形メモリは32バイトと短めのため、「スペイシー」と表現される独特な音色となる。
  • PSGと同様に、音域が高域になるほどピッチの精度が下がる。
  • 音域が低域になるほど「ブーン」というハムノイズが一緒に発音される。これは矩形波を細かくした音構造になっていることによる。
  • エンベロープ(音量の自動減衰)などはないためソフト側で対処する必要があり、SCCを使用しているソフトはその分処理が重くなる。

SCCを使用した主なゲーム(50音順)[]

以下の作品にはSCC-I搭載のSCC音源カートリッジが単独で付属している。

これらのカートリッジには、64KBのRAMと、SCCが搭載されており、双方128KB分のメモリを搭載可能なほぼ同等の回路であるが、チップに対して接続されているRAMが、スナッチャーのカートリッジでは、アドレスの前半。SDスナッチャーでは、後半に実装されており、相互に交換して使うことは出来ない。また、後に発売された「コナミゲームコレクション」ではこの「スナッチャー付属」のカートリッジに対応した形でゲームが収録されており、コナミゲームコレクション内に収録された一部のゲームがSCCを利用して演奏されたが、SDスナッチャーのカートリッジは前述の実装アドレスの都合から認識しない。二つのSCCカートリッジは、基板はおなじであるため、SDスナッチャーの空きパターンにメモリを実装することで、上記のゲームにおいても、認識させることが可能である。また、SCC自体の持つメモリ管理機能によって、コナミ8Kバンク方式のROMイメージを搭載されたRAM上に転送することでソフトウェアを実行することも可能である。

コナミのSCCによる作曲傾向[]

コナミが当時SCCを用いて作曲した際の傾向として『金属的なブラス系の音をメロディーに用いる』ことが多かった。音抜けが良く印象に残りやすいことから多用されたことが見受けられる。

当時、PSG単体による楽曲ではデチューン(2つのチャンネルで僅かにずれた音程を発音しコーラス効果を得る)が主に用いられていた。SCCとPSGによる楽曲においてもグラディウス2などでデチューンが用いられているが、音程だけでなく音色をずらす(各チャンネルにおいて異なる波形で同旋律を発声させる)など多彩な表現が行われていた

アーケード版グラディウスの音源構成(PSG 6ch, SCC相当音源 2ch)に近いため、本体側のPSGとSCCを併用することでその音をMSX上で再現することも理論上は可能であるが、MSX版の発売時にはまだSCCが存在しておらず、『コナミゲームコレクション Vol.3』にネメシスの名称でリメイクされたが、その際には独自の新規アレンジによるBGMデータが収録された。

DTM音源としてのSCC[]

SCCの制御方法の記事はマイコンBASICマガジンに最初に掲載された。MSXでスナッチャー付属のSCC音源カートリッジを制御する解析記事として掲載され、完全ではないものの大部分の内容を解説していた。

1990年にMSXマガジンで発表された音楽ソフトMuSICA(ソフトベンダーTAKERU販売の「MSXディスク通信'90年10月号」に収録)には、MSX版スナッチャー及びSDスナッチャーに付属するSCC音源カートリッジを制御、演奏させる機能があった。のちに同誌で、SCCを制御するためのコナミ提供の公式仕様が掲載され、草の根BBSなどで発表されたMGSDRVなど、フリーソフトでも対応する動きが広がった。

SCC音源カートリッジ単体としては流通しておらず、後にスナッチャー・SDスナッチャー共に中古市場でプレミア扱いされたことにより正規に販売されたカートリッジを入手するのは困難となり、実際の流通量は少なかった。しかし、コナミのSCC搭載のMSX用ゲームはユーザーに広く普及していたため、SCC搭載ゲームカートリッジでゲームが起動しないように改造して用いる方法や、MSX起動後に後からSCC搭載ゲームカートリッジを挿す方法が考案された。そのため、かなり多くのユーザーがSCC音源を自由に利用可能になっていた。なお、MSXが電源オン状態でもカートリッジの抜き差しは物理上可能だが、本体やカートリッジはその動作を想定して作られていないため、後者の方法は抜き差し時の電流や信号によって精密回路を破損する恐れがあった。誤動作を抑えるために、Shiftキーを押しながらカートリッジを差し込む方法や、PAUSEボタンでシステムを強制停止させている間に挿し、PAUSEを解除する方法が知られている。PAUSEボタンを用いる方法の方が安全性は高いといわれているが、PAUSEボタン搭載機種はFS-A1シリーズ以降の松下製MSX数機種と同時期以降のソニー製MSX数機種のみであり、turbo-RではPAUSEのハードウェア的な実装が変更されているので、回路のタイミングが停止しない。また、いずれにしても電源オン状態でスロットに無理やり挿入していることには変わりはなく、故障の原因となる可能性が高かった。

なお、現在はMSXエミュレータやSCC互換音源を搭載した1チップMSXなど、SCC相当の音源を利用できる環境は多く存在する。

当時の標準的なMSXの環境ではPSG3音+FM音源(YM2413(OPLL))9音+SCC5音で最大17音が出せ、音を重ね合わせることで深みのある音楽を奏でることが出来た。FM音源搭載MSXとコナミのSCC搭載ゲームの組み合わせで、必ずしも本格的とは言えないながらもPC9801やX68000等に比べ非常に安価かつ手軽にDTM環境を構築する事が可能で、これらMSXとSCCの組み合わせがその入り口となり、テンプレート:要出典範囲

チップチューンにおけるSCC[]

近年のチップチューンブームにより初期のビデオゲーム音源が見直されて来ているが、SCCも当時を代表する音源の1つとして人気がある。波形メモリ音源としてコナミのゲーム音のみならず、ナムコの業務用ゲーム音やPCエンジンの音を再現することも可能である。

しかしファミコンに比べ音源の認知度、発音環境、音源を制御し作曲できる人口の少なさにより、SCCを扱うミュージシャン・楽曲ともに数が少ない。

参考[]

脚注[]

  1. MSXマガジン 1990年9月号 P.67掲載写真 コナミ提供のSCCの技術資料。表紙に「MSX」の表記がある。

テンプレート:Computer-stubko:코나미 SCCnl:Konami SCCru:Konami SCC



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