天地を喰らう

ページ名:天地を喰らう

『天地を喰らう』(てんちをくらう)は、本宮ひろ志の漫画。『三国志演義』を元にしているが、天界や魔界などが登場するなどオリジナルストーリーに近い内容になっている。未完。


テンプレート:ネタバレ

特色[]

  • 天界・魔界・地獄界が存在する。この点では『水滸伝』、『西遊記』、『封神演義』に近い。
  • 天界を率いる竜王の娘が若返るための儀式として、地上の人間と定期的に交わっている。交わった男は何でも望みを叶える事ができる。それによって曹操は天下を、孔明は知識を、劉備は肝っ玉を得る。なお、曹操と劉備は同一の竜神…竜王の娘・嵐(らん)と交わったが、実は劉備は天女とは交わっていなかった。
  • 劉備が退治した黄巾賊首領張角の正体は「魔界の王」幻鐘(げんしょう)大王であり、その死体を108に分割したものが108の魔星となり、108人に降り戦乱の元凶となる。劉備・曹操にも落ち、劉備以外は魔性の虜になる。
  • 天界の竜王をも従える「全宇宙の支配者」王皇大帝が戦乱に怒り、物事の森羅万象を収めるための儀式「封禅の儀」を行う所で、話は終わる。
劉備一派について
  • 劉備と諸葛亮がほぼ同い年。
  • 初登場時の劉備はセコい小悪党の少年であり、呑邪鬼の肝臓を食う事で、「肝っ玉」を身につけ、三国志漫画でもおなじみの大人物の青年となる。
  • 関羽が(実年齢の設定は無いが作画上は)劉備より年上。張飛は隻眼。3人が義兄弟になった時に劉備が長兄となったのは、その貫禄(肝っ玉)によるものである。また肝っ玉を身に付けた劉備は、関羽・張飛に匹敵あるいは上回る武力を持っている。
  • 趙雲は、先に諸葛亮と知り合い、彼と共に劉備のもとへと馳せ参じる。
  • 劉備の部下としてオリジナルキャラクターが登場する。火薬を扱う火虎、山賊の宋兄弟、海賊の周超・王貴・揚謹など、個性的かつ勇猛な人物ぞろい。
  • 董卓に対する連合軍が解散したのち、劉備はすぐに荊州の劉表の元に身を寄せている。
他勢力について
  • 曹操は、当初は劉備と対を成す人物として描かれるが、物語が進むに連れて他の群雄と一緒くたに扱われていく。董卓軍との戦いでは存在感を保っていたが、終盤になると他の群雄と同様「人民の苦しみを省みない権力者」として描かれる。
  • 呂布と貂蝉は、丁原の妹と絹商人との間に産まれた実の兄妹。また、漢人と西洋人種の混血児でもあり、西洋人種風に描かれている。貂蝉の謀略は我欲によるものであり、呂布はその謀略を恐れながらもそれに従う立場となっている。丁原を裏切り、さらには董卓を裏切り、漢の宮廷を掌握する。以後は欲が出てきたのか、天子の位を欲し、逆に貂蝉を驚愕させる。
  • 劉協(献帝)は即位前に呂布と出会い、恩を受ける。それゆえ、呂布が董卓を抹殺した直後に「呂布こそ余の宝」と宣言し、宮廷掌握を手助けする。
  • 孫堅が虎牢関の戦いで戦死し、孫策が早い段階で後を継いでいる。また、連合軍解散後は袁術に従属せず、むしろ兵糧を差し止めた怨みで戦端を開く。
  • 周瑜が孫堅から「甥」と呼ばれているが、実際に血縁があるのか、親同士が義兄弟なのかは不明。
  • 虎牢関の戦い後、曹操軍が董卓軍に追撃をかけていない。

備考[]

連載は劉備が国を興す前に短期間で終了し、三国志らしい展開にはならなかった。これについて作者は、単行本7巻(最終巻)巻末のあとがきで「ジャンプのアンケートではかなり低かったので連載は終了してしまったが、愛着がある作品だった」と語っている。しかし、コミックGON!創刊号(ミリオン出版)で当時の週刊少年ジャンプ各号のアンケート結果が公開されており、それを見る限りでは本作はアンケート人気の上位を維持し続けていた事が判明している。このことから実際は本宮が自ら連載を終了させた可能性が高く、これを裏付けるように、自分には連載を途中で投げ出してしまう癖があると語っている(本宮の半ノンフィクション作品であるやぶれかぶれにおいての、作中の人物としての西村繁男の台詞より)。

後にカプコンから、これを元にしたファミリーコンピュータ用ロールプレイングゲームを発売したり、アーケードゲームが稼動してヒットした。もっとも本宮がキャラクターデザインをしている点を除けば、漫画版との関連性はほとんど無い。

上記のカプコンが発表したゲーム版がアジア圏ではかなり人気を博し、台湾ではファミコン版を基に勝手に作られた未認可のゲーム続編がいくつも存在している。しかし本宮ひろ志のキャラクターまでは引き継かず、三国志を題材にした同名の作品の印象が強くなり、その中でも『呑食天地』(現地向けの直訳タイトル)シリーズはオンラインゲーム化までされ未公認作品としての域を越えた存在になってしまった。なおアーケード版『天地を喰らう2・赤壁の戦い』のアジア向けタイトル名は『三国志2』である。

セガのオンライントレーディングカードアーケードゲーム三国志大戦において、同作品中の劉備・関羽・張飛が「レジェンドカード」として登場している。さらにVer2.1で諸葛亮・趙雲・呂布・馬超(原作未登場の馬超は新規に書き下ろされている)が追加された。

ゲーム[]

パソコン版はウィンキーソフト、PCエンジン版はNECアベニュー、パチスロはロデオ、それ以外の作品はカプコンが制作・販売。尚、カプコン製作のゲームは、原作に登場する天上界、魔界のキャラクターは登場しない。

パソコン(PC88/X1)

天地を喰らう 魔界三国志ロールプレイングゲーム。劉備たち武将を動かして、原作に登場する魔界の怪物を退治する。

ファミコン

天地を喰らう (ファミリーコンピュータ)ロールプレイングゲーム第1作。HPが兵士数になっており、減少に伴い相手に与えるダメージも減るのが特徴。天地を喰らうII 諸葛孔明伝ロールプレイングゲーム第2作。

スーパーファミコン

天地を喰らう 三国志群雄伝シミュレーションゲーム。

ゲームボーイ

天地を喰らう (ゲームボーイ)ロールプレイングゲーム

アーケード

天地を喰らう (アーケードゲーム)アクションゲーム第1作。2人同時プレイ可。プレイヤーは劉備、関羽、張飛、趙雲から選択。馬に乗って左右攻撃ボタン、計略ボタンを駆使して戦う。黄巾賊の乱から始まり、董卓打倒までのストーリー。天地を喰らう2・赤壁の戦いアクションゲーム第2作。ファイナルファイトタイプの横スクロールベルトアクション。プレイヤーは関羽、張飛、趙雲、黄忠、魏延から選択。

PCエンジン SUPER CD-ROM²

天地を喰らう (PCエンジン)アーケード版第1作の移植版。1人プレイ専用で、キャラが小さくなり、計略がなくなってメガクラッシュになっているなどスケールダウンしている。

パチスロ

天地を喰らう(パチスロ)ロデオが展開しているパチスロ「本宮ひろ志」シリーズで初の3DCGを駆使した演出が特徴的。また、天上界の天女などの原作のキャラも登場。
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