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『すすめ!!パイレーツ』は江口寿史による日本の漫画作品。『ストップ!! ひばりくん!』と並ぶ江口の代表作である。
1977年-1980年、『週刊少年ジャンプ』(集英社)に連載された。単行本全11巻、集英社漫画文庫版全11巻、ワイド版全6巻、文庫版全6巻。ほか、完全版が全4巻刊行、廉価版が発売予定[1]。廉価版と完全版は、小学館から発行している。
プロ野球チーム「千葉パイレーツ」とその選手達を中心に描いた野球漫画。従来の野球漫画のほとんどがシリアスな熱血スポ根物だったのに対し、徹底した不条理ギャグを貫き、同時期に『週刊少年ジャンプ』に連載されていた『1・2のアッホ!!』と並んで「野球ギャグマンガ」というジャンルの先駆者となった。廉価版では、オリジナリティを尊重して、「キチガイ」等の差別用語は、そのまま刊行されている。
テンプレート:ネタバレ
千葉県松戸市をホームタウンとするプロ野球チーム千葉パイレーツは、千葉県出身の選手のみで構成されたチーム。富豪・九十九里の出資により創設されたが、九十九里オーナーの極端な浪費グセが祟って資金が底をつき、球団経営が悪化。有力選手も軒並み球団を去り、いつしか弱小お荷物球団となっていた。そんな惨状に対し、富士一平は自らの左腕で常勝チームに変えるべく、パイレーツに入団することになる。しかしそんな熱血少年である一平は、犬井犬太郎らパイレーツの選手にとってはいじり甲斐のある人物に過ぎなかった…。
弱小球団と言うよりは、もはや球団として成立しているのかすら怪しい千葉パイレーツだが、連載が進むにつれ選手層が充実、いわゆる群集劇となった。キャラクターが増加し続けることにより、いつしか出番が殆ど無くなるキャラクターも少なくなく、それを逆手に取ってネタに使用したこともある。
笑いどころとしては、野球ネタよりも際どいまでの他作品のパロディで、『巨人の星』、『ウルトラマン』シリーズ、『銀河鉄道999』をはじめ、トーマス・マンの「ヴェニスに死す」やフランツ・カフカの「変身」「断食芸人」などの文芸作品に至る様々な有名作品が、それこそ今行なえば著作権侵害になるレベルで、ネタとして用いられている。そのため文庫版以降は著作権表記が欄外に記載されることとなる。加えて内輪ネタも多く、作者本人やアシスタントはもちろん、担当編集者もたびたび登場していたほか、同時期にジャンプで連載していた先輩マンガ家たちを勝手に出した回もあった。こうしたネタが充実している事もあり、同時期に連載されていた他のギャグ漫画殆どに見られた一発ギャグは、当作ではかなり少ない。
また当時の世相風俗を反映したものも多く、登場キャラクターがキャンディーズやピンクレディ、石野真子といったアイドルの扮装をしたり、YMOやクラフトワークなどが、背景や、試合中継の場面で「実況のラルフです」などと出てきたりとかなり当時としてはコアなミュージシャンをモチーフに使うことも多い。この辺は作者である江口の趣味が色濃く反映されているものである。同時期に連載していた鴨川つばめの「マカロニほうれん荘」の扉絵デザインの影響も見られる。
不条理で破天荒なギャグが多い中、ごくまれに真面目な話の回も存在しており、全般を通したストーリーの構成も全く無かったわけではないことを伺わせている。
「ぶりっ子」という流行語は、本作の中で用いられた「かわいこぶりっこ」という言葉から生まれたとされる。
詳細は「千葉パイレーツ」を参照
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