板垣信安

曖昧さ回避

この項目では、源姓板垣氏一門について記述しています。その他の同族については「武田信安」をご覧ください。

板垣信安（酒依昌光）の画像

板垣 信安（いたがき のぶやす、？ - 天正７年（1579年））とは、戦国時代の武将。通称は清左衛門/長兵衛、官職は左京亮。はじめは酒依昌光と呼ばれた。

甲斐源氏流の於曾昌安（源八郎）[1]の子、三枝守勝（土佐守）[2]室と板垣修理亮[3]室・板垣隼人[4]室の父。生母は於曾氏一門の酒依昌信の娘。

はじめは、外伯父の酒依昌元の婿養子となるが、後に従父の板垣信方（信形）[5]の婿養子となり、源姓板垣氏の名跡を継いだ。

概要[]

父の於曾昌安（源八郎）は、天文22年４月23日（1553年６月２日）に、ある戦いで戦死を遂げた[6]。

成長した昌光は、又従兄弟でもある義兄の信憲（弥次郎）が、父の信方の後を継ぐが、弘治３年８月（1557年10月）以降に、惣領家の武田氏（甲斐源氏）の当主の武田晴信（信玄）の不興を買って、甲斐長禅寺で自刃を命じられて、源姓板垣氏はいったん断絶した。

翌永禄元年（1558年）に晴信の命で、上記のように源姓板垣氏の名跡を継いで、「板垣信安」と改称した。

永禄12年（1569年）の駿河侵攻では駿河国久能城主を、翌永禄13年（1570年）には駿河国田中城主をつとめた。信安は周囲から「田中の板垣どの」と呼称された。

数年後に、信玄が54歳で病没し、子の勝頼がその後を継ぐが、天正3年（1575年）の『長篠の戦い』で、織田信長と遠縁筋の徳川家康の連合軍に大敗すると、久能城・駿河田中城を相次いで、失った。

そこで、勝頼は信安に上野国の箕輪城の城代を、白井城代・真田昌幸ととともに上野国西部の総支配を委ねた。天正７年（1579年）に、信安は没したという。彼は男子がなかったために、源姓板垣氏の嫡流はついに断絶した。

天正10年（1582年）に、武田御親類衆の筆頭である穴山梅雪の裏切りで、勝頼が天目山で壮絶な最期を遂げると、信安の婿養子の三枝守勝は、徳川家康に仕えた。おなじく婿養子の板垣修理亮・板垣隼人兄弟は真田昌幸に仕え、修理亮の子・半右衛門は加賀国の前田氏の家老となった。

脚注[]

1. ↑ 板垣信方の従弟（信方の叔母の子）。
2. ↑ 三枝虎吉（栄富斎）の子、昌貞（守友とも、守吉の父）・山県昌次・守能の弟、守光の兄、守昌・守秋・酒依昌吉・守盛・守真の父。
3. ↑ 何某の子、板垣隼人の兄。加賀板垣氏の祖。
4. ↑ 何某の子、板垣修理亮の弟。伊豆板垣氏の祖。
5. ↑ 信方の叔母が信安の父方の祖母にあたる。
6. ↑ 武田氏一門の駒井政武（高白斎/昌頼）著作の『高白斎記』（『甲陽日記』）より。

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