鎌倉時元

鎌倉時元（隆元）像

鎌倉 時元・隆元[1]（かまくら ときもと/たかもと、1182年（治承６年）？ - 1219年２月27日（建保７年２月11日））は、鎌倉時代初期の武将。陽成源氏流河内源氏の嫡流の源姓鎌倉氏（相模源氏/源家）一門の阿野鎌倉家（駿河源氏）の第２代目当主である。

源有朝（全成）の５男で嫡子、朝家（隆成/隆盛）・頼保・頼高・頼元（全暁/全超/全起）の弟、道暁（僧侶）・頼成の兄、義継の父、鎌倉幕府の初代将軍の源頼朝（鎌倉頼朝）の甥でもある。 　

概要[]

時元は、有朝（全成）の５男でありながら、生母が北条政子の妹の阿波局のために、嫡子として定められた。

1203年（建仁３年）に、父の有朝（全成）は、時元の従兄である第２代将軍の頼家と対立して、頼家の家臣の八田知家[2]によって、常陸国で誅殺された。連座は時元兄弟にも及んだが、頼家の外祖父の北条時政や伯母の政子の尽力もあって赦免され、時元は父の領地である駿河国駿東郡阿野荘[3]に戻って、家督を継いだ。

1219年（建保７年）正月に、従弟の第３代将軍の実朝（頼家の同母弟）が鎌倉の鶴岡八幡宮で、甥で養子でもある公暁（頼家の次子）に暗殺された。北条氏と対立した相模国の御家人である三浦義村・泰村[4]父子は時元を唆して、時元は自らが征夷大将軍の座を狙う気持ちになり、翌２月に挙兵した。しかし、時元は思うように兵を集めることができないうちに、母方の叔父＆従弟でもある執権の北条義時・泰時父子が派遣した金窪行親の軍勢に襲撃されて、あっけなく討ち取られた。享年39という[5][6]。

なお、時元の子の義継は、母方系の大叔父＆従父である執権の義時・泰時父子からの咎めはなく、許されて亡父の後を継いで、阿野鎌倉家の当主となった。しかし、阿野鎌倉家は、上記の事件の影響もあって振るわず、地方の武家貴族（軍事貴族）・御家人と成り果てた。この系統は数代を経て、南北朝時代になると頼直の代に嗣子がなく、阿野鎌倉家はついに断絶した。

時元の墓は、静岡県沼津市の大泉寺に父・有朝（全成）の墓と並んで現存して、沼津市の史跡に指定されている。

脚注[]

1. ↑ 『尊卑分脈』による。
2. ↑ 時元の祖父である義朝（義頼）の落胤とされ、「源朝家」と呼ばれた説がある。奇しくも、時元の庶長兄の朝家と同じ名である
3. ↑ 現在の静岡県沼津市周辺
4. ↑碓井貞光の後裔。
5. ↑ この時期に義時・泰時父子の陰謀によって、陽成源氏の嫡流が次々と粛清されていることから、時元の事件もその一環として起こったという側面もある。実際にどの程度として、時元が自ら望んで行動したのか、詳しいことは現在も真偽の程は不詳である。
6. ↑ その際に生母の阿波局は、わが子の時元を弁護するといった記録などはなく、その後の阿波局の動向は明らかではない。

関連項目[]

• 源氏
• 源姓鎌倉氏（源家/相模源氏） ： 源頼義を祖とする河内源氏の嫡流。
• 阿野家 ： 時元の姉妹の婿である阿野公佐（藤原北家）が、阿野荘の一部を相続し、公家の阿野家の祖となっている。

先代:鎌倉有朝（全成）

阿野鎌倉家第２代当主1203年 - 1219年

次代:鎌倉義継

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