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璃月を守る「三眼五顕仙人」の一人。
またの名を「護法夜叉大将」。
見た目は少年であるが、彼にまつわる伝説は古書に記され、実に千年以上も前から伝わっている。
また、彼は望舒旅館の「杏仁豆腐」を好んで食す。その理由は「杏仁豆腐」の食感が、かつて彼を呑み込んだ「夢」とよく似ているからだそうだ。
魈は魔神戦争を戦った夜叉で、仙人の中でも高い地位にある。控えめな性格で、人間と親しくなる気はあまりない。彼は自分の過去に対する同情は望んでおらず、仲間の夜叉もまたそれを侮辱と感じるだろうと考えている[2]。
彼は自分を救ってくれたモラクスに非常に感謝しており、その恩返しとして璃月を守るために自分の人生を捧げている。彼は岩神の悪口を言う者が誰であろうと容赦しない[3]。常に「業障」に苦しんでいるにもかかわらず、彼の仲間の夜叉がそれに屈するか死んでいるので、魈はその「業障」に対して高い回復力を持っている。この業のため、彼は一人でいることを好み、滅多に人間の問題には関わらない。数回関わることがあっても、彼は自分自身のために要点だけを話すように求める。
魈は人間の習慣や社会的常識をよく知らず、不可解、幼稚、無意味なものと感じる。他の人からは、よそよそしく、威圧的な印象を持たれることもある。旅人と出会った後はややリラックスし、人間の生活に抵抗があるにもかかわらず、彼らのために習慣を学び、一緒に璃月港を訪れることを望んでいる[4][5]。また、甘雨の師匠的存在として、厳しくも有効な教師であることが明らかにされているが、魂を殺す夜叉として、彼女の教師には適さないと思っている[6]。
魈は他の仙人とは違い、人間の食べ物があまり好きではないが、杏仁豆腐とチ虎魚焼きは例外で、前者はかつて食べた夢を思い出し、後者は銅雀の思い出に敬意を表している。
魈はティールカラーのダークミディアムヘアで、耳の前で後ろに流している。長めの髪が2本あり、顔を縁取っている。色白の肌に鳥の瞳のような金色の虹彩を持ち、鍾離や留雲借風真君と同じように赤いアイシャドーをつけている。額に紫色の菱形のマークがあり、右腕に緑色の刺青がある。
魈は微妙な雲模様のある白いノースリーブのシャツを着ている。金色のアクセントがついた黒い高い襟があり、左側がさらに伸びて肩を覆っている。濃い紫のバギーパンツを履いて、その上に濃い紫のブーツを履いている。魈は黒とダークターコイズの手袋に金色の装飾が施されたネックレスをつけている。左腕には白と金の袖と赤の裏地をつけている。左の手袋には風元素の「神の目」、右の腰には夜叉マスクを持っている。
魈の鳥類仙獣の姿は、彼のキャラクターデザイン、命ノ星座、夜叉の別名であるである降魔大聖(Alatus)にからんでいる。ヒンズー教の半神ガルダや、中国と仏教の神話に登場するPeng(Alatusの中国語訳「金鹏」Jīnpéngに見られる)の姿をしていることが示唆されているのだそうだ。魈は「金翼王」と呼ばれているが、これも大乗仏教の守護神である「Golden-Winged Great Peng」を指しているのだろう。
Genshin Impactのグッズの中には、魈の鳥の姿が定型文で描かれているものがある。その鳥の姿はフィンチに似ているように見えるが、様式化されているため、これは決定的なものではない。 その鳥の羽は複数の色合いを持ち、目は赤っぽく、額には魈の紫色のダイヤモンドのマークがある。
魈は2千年以上生きている仙獣である。彼は若い頃、自分の弱点を知った古代の神の奴隷となり、神のために犠牲者の夢を食い尽くすなど、残酷で暴力的な行為を強要された。魔神戦争でモラクスの手によって神の血に飢えた道は終わり、魈は解放され、モラクスは彼を守るために「魈」という名前を授けた。魈は岩神に深く忠誠を誓うようになり、それは今日まで続いている。
モラクスが堕ちた神々に残る憎しみや恨みを抑えるために夜叉を集めたとき、魈もそれに応えた[Note 1]。魈は金鵬と名乗り、伐難、浮舎、応達、弥怒と並んで仙衆夜叉の一人であり[7]、銅雀など多くの夜叉と共に戦った。
しかし、時代とともに夜叉の役割はその数を減らしていった。魔神の力が残る中で戦うだけでなく、憎しみを抑えることで自らの魂を汚し、「業障」を抱え、肉体的、精神的に大きな苦痛を受けるようになったのだ。戦死者や狂気、脱走などが相次ぎ、夜叉の数は最終的に浮舎と魈に絞られた[7]。浮舎もやがて姿を消し、千岩軍に遺品を残し[8]、シャオが最後のヤクシャの守護者として残された。魈は一時は「業障」に負けそうになったが、璃月を訪れた際に風神ウェンティが奏でた音楽によって救われた[9]。
魈は冷酷な外見から威圧的に見えるが、外見的な性格の多くは、自分が行った殺戮行為[10][11]や、長い年月の間に仲間を失ったことへの後悔に由来する[12]。 心の底では人間に対する好奇心が強い優しい性格だが、過去の経験や業の多い体質からそういった面を見せるのを躊躇している[13]。
仕事の性質上、魈は通常、人間を避けている。彼は血塗られた過去が自分に馴染めないと思っているだけでなく[10]、人間の魂は仙人よりも強くないため、彼の「業障」が彼の周囲を汚しているのである[2]。そのため、璃月でも彼のことや璃月を守る役割について詳しく知る人はほとんどいない。知る人や他の仙人は、彼を降魔大聖 (中国語: 降魔大圣 Xiángmó Dàshèng, "Great Sage who Subdues Demons")と呼んで敬意を表している。
璃月七星は荻花洲に望舒旅館を建て、諜報員のヴェル・ゴレットと淮安が経営し、魈が任務を遂行するための宿泊場所と休息所を提供している。二人の諜報員とは比較的仲が良いようだ。冥ちゃんを彼らに託し[14]、彼らは彼の意図しない破壊的な傾向を庇い[15]、海灯祭では彼のことを心配している様子である[16]。
旅人の存在により、魈は人間に対する好奇心を持つようになり、旅人と共に璃月港を訪れ、絆を深め、学ぶことを提案する[4][5]。璃月の人々が自治を始め、他の仙人の存在が薄れ、魈は璃月を守り続け、人々を理解しようとする試みも多くなっている。
千年も続く恩讐、『夜叉』の姿で契約を果たしてきたあの仙人は、今になってようやく解放されたのじゃろうか?
璃月港の民にとって、「絶雲の間」に住む「三眼五顕仙人」は、その誰もが名望高き存在だ。
祭祀の日には人々は皆こぞって線香をあげ、仙人の加護を得るために祈る。
しかし、民が魈に祈ることはない。
魈という仙人は幸福や富をもたらす存在ではなく、妖魔と死闘を繰り広げる「夜叉」だからだ。
璃月港の家々に明かりが灯った後、果てのない戦いが始まる。その戦いに勝者などはいない、誰もその戦いを見届けることはなく、誰も彼に感謝することはない。
しかし、魈はそれを微塵も意に介さない。なぜなら、彼は璃月の護法夜叉であり、璃月を守ることが彼の結んだ「契約」だからだ。
彼が戦う理由は、ただそれだけなのである。
見た目は少年ではあるが、魈の実年齢はすでに2000歳を超えている。
だが、見た目で彼を見下す者はいない。彼が只者ではないと、誰もが肌で感じ取れるからである。
──危険、無口、刃のような鋭い眼差し。
世代も声望も仙人の中では上位であるが、人間の間での名声はあまり高くないようだ。
なにせ、彼は幸福や金運をもたらすような仙人ではない上に、絶雲の間で暮らす仙道の秘密を象徴する衆仙でもない。
仙力を使う魈を見た人物がいるというのなら、おそらくその人は生と死の瀬戸際に立たされ、極めて危険な状態だったのだろう。
それは決して、魈が人に危害を加えているわけではなく──魈がいつも璃月の灯りを呑み込まんとする闇と戦っているからだ。一般人がその戦闘を目撃したのなら多少の影響を受けるのは避けられないだろう。
もちろん、それは口封じを理由に殺されるような秘密ではない。
Item_Companionship_EXP.svg 好感度Lv. 2
魈は一体何と戦っているか?
真相を婉曲的に表現するのであれば、過去の憎しみ、実現できなかった願望、敗者の嘆きと言えるだろう。
直接的な言い方をすれば、七神制度が確立される前の「魔神戦争」の中で敗れた魔神の残滓だ。
それらはモラクスに敗れ、様々な盤石の下に鎮圧された。
しかし、魔神というのは不滅の体を持っている。その意識は消えども、力と憎しみは沈泥化し、その穢れが民の暮らしを徐々に侵すのだ。
「靖妖儺舞」――真実を知る璃月の実権者は、魈が戦ってきた幾千の夜をそう呼ぶ。
それらの戦闘には勝者がいない、終わりもない。
魈の戦いに立ち会う人もいなければ、彼に感謝する人もいないのだ。
好感度Lv. 3
「魈」というのはこの夜叉の真名ではなく、安全のためにと、とある人が付けた偽りの名である。
かつて、若く何も知らなかった彼は魔神に弱点を突かれ、その支配下に置かれた後、あらゆる残虐な行為を強要させられてきた。
彼は数多の人を殺め、理想を踏みにじった――敗者の「夢」を無理やり飲み込むことさえあった。彼は苦しんでいた。しかし、体が思いどおりにならない彼は逃げる術がなかった。
やがて魔神戦争の戦場で、岩神モラクス[Note 2]が夜叉を支配する魔神と出会った。
歴史にはこの戦争の勝敗が記されている。
「岩王帝君」は夜叉を解放し、彼に「魈」という名を与えた。
「異邦の伝説で、魈というのは数多の苦難や試練を経験した鬼怪という意味だ。お前はまさにそのようである。今後、その名を使うと良い。」
Item_Companionship_EXP.svg 好感度Lv. 4
岩神に恩返しするため、魈は璃月を守ることにした。
邪悪な魔神に支配された長い年月の中で、かつて持っていた無邪気さと優しさは消え失せ、今の彼には殺戮の腕と殺業しか残っていない。
戦うことは、唯一彼が璃月の人々のためにできることだ。
では、彼のために人々ができることはあるのだろうか?
普通の人間なら、こういった発想にはまず至らないだろう。なぜなら彼が放つ空気に怯えて逃げてしまうからだ。
しかし…彼に感謝を伝えたい人がいるのなら、ひとついい話がある。
魈の降魔を支援する七星の部下は、表では「望舒」という名の旅館を経営している。
魈はたまにそこで杏仁豆腐を食べているのだ。彼が杏仁豆腐を食べる時に浮かべる表情を見ると、本当に好きなのだろうと分かる。
ただ魈はこの甘さにハマっているわけではない、この「食感」がかつての「夢」と似ているのだ。/p>
好感度Lv. 5
魈は一体何と戦っているのか?
彼は魔神の残滓が引き起こす現象と戦っていると、璃月の実権者はそう考えている。
しかし魈本人に聞くと、答えはそうでないかもしれない。
かつての魈は邪悪な魔神に使役され、嬲られていた。岩王帝君に出会い、救われ、ようやく自由を取り戻した。
魈の仙力は仙人の間でも上位であり、妖魔の退治は彼にとって難しいことではない。
ただ、魔神の執念は強力で、その残骸から生まれた不浄なるものを倒していくうちに、飛び散った穢れがどんどん魈の精神を侵していく。
それでも穢れを消すために、それらの「業障」を背負わなければならない。長年溜まり続けた業は心を焼き、骨を蝕むほど魈の肉体を苦しめた。
だが、魈は何かに憎しみを抱いてなどいない。2000年を超えた命にとって、全ては瞬く間に消えてしまうものなのである。
千年も晴れぬ憎しみはなく、千年かけて返しきれぬ恩もない。
長い命の旅で己と共にいるのは、己だけだ。
魈の戦いには意味がある。
彼はずっと、自分自身と戦っているのだ。
Item_Companionship_EXP.svg 好感度Lv. 6
魈は一体何と戦っているのか?
旅人はよく理解している、魈が璃月の人々を脅かす暗黒と戦い、璃月を守っている事を。
ならば、誰が魈を守ってあげるのだろうか?
かつて、一夜の戦いのうちに力を使い果たした魈は敗走寸前に陥ったことがあった。
激戦により荻花の海のほとんどが吹き飛ばされた後、魈は地に刺さる槍を抜いて帰ろうとする。
帰ると言えども、それといって帰るような場所などはなく、ただ戦場から去るだけ。
疲れ果てた魈は、その身を蝕む魔神の怨念により発作を起こす寸前であった。
奥底から無限に湧き上がる憎しみが魈を絡めとり、それに抵抗するたびに、さらに激烈な苦痛が彼に襲い掛かるのだ。やがて、魈は苦痛のあまり荻花の茂みに倒れた。
しかし、なぜか魈を苦しめる痛みが突如消える。
魈自身が邪念を抑えたのではない、謎の笛の音が彼を苦痛から解放し、救ったのだ。
澄んだ音色は、蜒々たる大地を撫で、盤岩に守られながら、そよ風に乗りここへやって来た。
夜明けの光と鳥の羽ばたきと共に、笛の音は段々とはっきりと聞こえるようになった。
笛に乗せた力は、魈の心を落ち着かせ、彼を守護し、しばしの安寧をもたらした。
助けてくれたのは誰なのか?魈は気になったが、深く追及することをやめた。何故なら、彼の心には漠然とした心当たりがあったからだ。
かつて、彼を助けた力を持った者、それは俗世に君臨した七柱の神の一人だった。そして、今回もおそらく――
好感度Lv. 4
スメール教令院の学者が璃月の民俗に関する研究を行った。研究の結果は『琉璃岩間国土紀行』というスメールと璃月で2種の版が存在する本にまとめられている。
その内、璃月版は『匣中琉璃雲間月』へと書名を変え、巫術と神秘的な内容が大量に削除されている。
『空遊餓鬼布施法』に関する内容は、スメール教令院が蔵する完全版にだけ保留されている。
本によると、「仙衆夜叉」は凄まじい仙力と威厳を持つが、「業障」を背負うゆえに多大な苦しみと恐怖を経験しており、それは幾千万年も消えぬ空遊餓鬼の苦しみである。
また本には夜叉仙人をなだめる方法――例えば食の奉納、妙音による布施などが書かれている。これらの仕来りをなすと、夜叉は喜色を浮かべ、人々の平安を守ってくれる。
仙人の貴族たる夜叉は戦いが得意で、常に戦将が如き姿で自ら戦場を駆ける。しかし、この千年近くは戦乱が多く、夜叉一族も滅亡寸前の危機に陥っている。璃月地域には未だに降魔の夜叉の巨象*が残っているが、既にその顔は無残にも破壊されている。
ちなみに、スメールの学者が書いた内容はとても難解であったため、『匣中琉璃雲間月』の人気は、『テイワット観光ガイド』とエル・マスクの書いた各国の風土記ガイドには全く及ばなかった。
Item_Companionship_EXP.svg 好感度Lv. 6
仙人の全称は「三眼五顕仙人」である。
「三眼」とは、生まれつきある両目とは別の「神の目」のことを指す。
仙人が神の目を授かることは、人間がそれを授かる時と同じ感覚なのだろうか?
その時のことについて、魈は既に忘れている。人間にとっては一生忘れられない特別な瞬間かもしれないが、魈にとっては無尽の戦いの前奏に過ぎないのだ。
魈が本当に忘れられないのは、別の瞬間だった。
世の祭りには喜ばしい物が多いが、その背景にある物語を覚えている者はほとんどいない。
祭りの大半は、人を喰らう怪物が仙人によって退治された日だ。人々は仙人を模倣し、英雄を記念して妖魔を払う儀式を行う、それが徐々に祝祭へと発展したのだ。
モラクスに鎮圧された璃月各地の魔神は、時に異様な怒りと憎しみを爆発させる。その中でも、海灯祭の夜は常軌を逸していた。
命令を受けた魈は「靖妖儺舞」を行い、海灯祭の夜に魑魅魍魎と殺し合う。魈が海灯祭を嫌っているのは、それが原因なのだろう。
だが、魈は決して戦いを恐れない。何故なら、彼の努力によって、璃月は平和を保つことが出来ているから。人々は海灯を町中に掛け、祝福の光は夜空と海を明るく映した。
この瞬間、魈の心の中にも特別な感情が湧き上がる。
寂しさ?安心?それとも、未来への恐怖?
少年の姿をした仙人は自分に問い掛けたが、答えは見つからなかった。
金翼鵬王座 | ||
---|---|---|
Alatus_Nemeseos.png | 意味: 金色の翼を持つ鵬王 |
キャラクター | ボイス |
---|---|
| |
| |
|
魈に言及しているNPC。
言語 | 正式名称 | 直訳の意味 (英語) |
---|---|---|
日本語 | 護法夜叉 Gohou Yasha | Dharmapāla Yaksha[※] |
中国語 (簡体字) | 护法夜叉 Hùfǎ Yèchā | Dharmapāla Yaksha |
中国語 (繁体字) | 護法夜叉 Hùfǎ Yèchā | |
英語 | Vigilant Yaksha | — |
韓国語 | 호법야차 Hobeopyacha | Dharmapāla Yaksha[※] |
スペイン語 | El Guardián Yaksha | The Guardian Yaksha |
フランス語 | Gardien Yaksha | Guardian Yaksha |
ロシア語 | Защитник Якса Zashchitnik Yaksa | Guardian Yaksha |
タイ語 | ยักษาผู้พิทักษ์ | Guardian Yaksha |
ベトナム語 | Hộ Pháp Dạ Xoa | Dharmapāla Yaksha[※] |
ドイツ語 | Schützender Yaksha | Protecting Yaksha |
インドネシア語 | Vigilant Yaksha | — |
ポルトガル語 | Guardião Yaksha | Guardian Yaksha |
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