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『サイヴァリア』(Psyvariar)は2000年にサクセス製作、タイトーが発売したアーケードゲーム。ゲームのジャンルは縦スクロールのシューティングゲームで『怒首領蜂』に代表される弾幕系シューティングの一つ。危険行為推奨シューティングの代表格と言われるほどゲーム性が極端である。使用基板はプレイステーション上位互換基板、タイトー・G-NET。
3月に初作、9月にマイナーチェンジした『サイヴァリア リビジョン』が発売されている。初代はサブタイトル「Medium Unit」より「μ」(Medium Unit→MU→ミュー)、リビジョンは「R」と略され、この文字は各タイトル画面の背景にも大きく表示されている。ここでは両作品を並列的に紹介する。
『サイバリオン』と間違われることが多いが、本作とは全く関係ない。
自機の操作は縦スクロールシューティングゲームとしてはオーソドックスで、8方向レバーと2ボタン(ショット、ボム)。敵の攻撃を反撃のチャンスとするBUZZシステムが特徴。
ステージの進行には『ダライアス』のように分岐選択肢が設けられている。プレイヤーの腕前に対応して選べるステージが変わる。
このゲームの最大の特徴は、敵弾もしくは敵キャラクターに自機をかすらせることによりパワーアップができるというものである。この行為を「BUZZ(バズ)」と呼び、しばしば動詞形の「BUZZる(バズる-ラ行五段活用)」と言う表現も用いられる。ちなみに「BUZZ」の本来の意味は曲技飛行用語で、「地面スレスレを飛ぶ」という意味である。
「R」では最大の変更点として、敵の弾1つに対して複数回のBUZZが可能(コンマ数秒毎)というものがあり、数発の敵弾だけで派手なBUZZエフェクトが発生する。このため敵弾幕を通過するのではなく、弾幕の中に滞在するプレイスタイルが誘発される。
BUZZシステムは本来回避すべきである敵や敵弾にあえて近づくことでパワーアップができるという発想の転換である。しかし、旧来の感覚では「危ないから逃げよう」と反射的に回避行動を取るべき場面で「危ないから突撃してみよう」という、言うなれば異常な判断を下す事を推奨し、それがゲームの根幹となっている事に対して拒絶を起こすプレイヤーが多いのも事実である。それ故に本作は弾幕系シューティングの中でも極めてアクの強い作品という位置づけに留まっており、似たシステムを持つ作品などは生まれていない。
なお、他に「敵弾を利用する」システムを持ったシューティングゲームとしては1999年の『ギガウィング』(カプコン)、2001年の『斑鳩』(トレジャー)などがある。
敵機を倒す、もしくはBUZZを行うことで、自機は経験値を獲得できる。獲得した経験値の量によって「経験値ゲージ」と呼ばれる棒グラフが上昇し、最大値になると自機がレベルアップする。数十レベルごとに自機の形状が変化する。これはいわゆるパワーアップであり、通常ショットの形状が変わり攻撃力が上がる。当り判定やBUZZ性能には変化は無い。
レベルアップの際には自機が雷のような光に包まれ一定時間無敵になる(約1.5秒。「R」では形態変更時にはより長い無敵時間が与えられる)。そして無敵の間は自機を敵機に体当たりさせることにより大きなダメージを与えられる(ただし「R」では若干攻撃力が落ちた)。
このレベルアップ時の無敵こそが、BUZZシステムの要である。無敵中にもBUZZは可能であるため、「BUZZ→レベルアップ無敵→無敵時間にさらにBUZZ→レベルアップ無敵」というように連続して無敵時間を保つことも可能である。後半に出現する高難易度のステージでは、任意のタイミングでレベルアップ無敵を発動させないと突破が難しいような場面も多くなる。「R」ではそのゲーム性が更にピーキーとなっており、ステージX-Dでは連続13回レベルアップを成功させるか、ボムを使う以外に回避不能という弾幕も出現する。
経験値ゲージの上昇の仕方はステージごとに違いがあり、ボスや後述のデンジャーステージではゲージが上昇しづらくなる。しかしこのような場面では多量の敵弾が登場し多くのBUZZが可能であるため、ゲームバランスが保たれている。多くの弾を発生するボスの懐に飛び込むチャンスさえ見つければ、敵弾のど真ん中で無敵状態を連続させ、そこにとどまることも可能である。一瞬の駆け引きと覚悟を決めた突撃が成功した時の征服感は他のゲームでは決して味わえない感覚であり本作の中毒性を増している。
サクセスの開発者によると、BUZZシステムの元となったのは『ライデンファイターズ』の、敵弾にかすることにより点数が入るというフィーチャーであった。「かすり」でパワーアップするという仕様にさせたところ、バグによってパワーアップの瞬間に無敵になるという現象が発生し、これを発展させてBUZZシステムが出来上がったとのことである。
上下もしくは左右交互にレバーを素早く入力する事で自機はY軸に高速回転(ロール)する。旧来のシューティングゲームから視覚的要素として取り入れられて来た挙動だが、本作はここに極めて重要な意味を持たせた。
ローリング状態になる事で目に見える3つの変化と、目に見えない2つの変化が起きる。
5がやや特殊な概念なので補足で説明する。
敵弾が自機付近に入り、「自機付近から出た時」にBUZZ成功となるのが通常時。敵弾が自機付近に「入った時」にBUZZ成功となるのがローリング時。
つまり、大量の弾が自機に接近した時、通常時はBUZZ成功とみなされるより前に自機が被弾する恐れがあるが、ローリング時は被弾するより前にBUZZ判定が起きる。よって被弾する前に上記のレベルアップによる1.5秒の無敵時間を獲得できる可能性が強くなる。
ショットボタンを押すことで自機前方に通常弾が発射される。自機の形状により発射される弾の内容、方向、威力が異なる。
ローリング時は前方集中の強力なショットとなる。幅が広く命中しやすい(厳密に言えば通常ショットを全弾命中させた方が威力は大きい)。
本作のボムは初作では従来のシューティングゲームに準じ、「敵に対して広範囲で大きなダメージを与え、敵弾を消し去る、一定時間無敵」という性能を持つ。「R」ではこの通常のボムの他に、ボタンを長く押す(1秒程度)事により「ショートボム」と呼ばれる防御手段を発動できるようになった。
ショートボムは敵への攻撃力はおろか、敵弾を消す事も無い。主にBUZZを拡張する事を目的とした武器となっており「一定時間無敵」「極めて広い範囲にBUZZを成功させる」という性能を持っている。上述のBUZZシステムをより重視した「R」の戦略的な要素の一つで、たとえば敵弾幕の多い場面でショートボムを使用し弾幕の真っ只中に突入すれば、容易に連続レベルアップを引き起こすことができる。
ステージ終了後には次のステージを大雑把な難易度を参考に選択することができる。レベルアップの度合いによって「イージー」「ノーマル」成績が良い場合は「ハード」が選択できる。
ステージクリア時に規定のレベルを超えている場合と最終ステージでは、デンジャーステージが始まる。それぞれの出現条件は「X-A」レベル56以上、「X-B」レベル118以上、「X-C」レベル173以上、「X-D」レベル218以上。X-AやX-Bと名づけられたこのステージは格段に難しい内容なのはもちろん、BUZZによるゲージ上昇が少なく(ボス戦中の上昇倍率に等しい)レベルアップの無敵時間中に敵弾塊へ突入しても、通常ステージのように次のレベルアップまで経験値を上昇させることは困難である。連続的な無敵循環など望むべくも無い。その代わりにBUZZによって獲得できる点数が大きく、ハイスコアを目指すのであればデンジャーステージの適確な攻略が不可欠である。
意図的に過度のレベルアップを行なわない限り不本意にデンジャーステージが現れることは無く、イージーステージのみを選択していくことで最終面がX-A(最も簡単なデンジャーステージ)になり、思いのほか容易にエンディングを迎えることができる。逆に言えば常に良い成績でハードばかり選択、全てのXステージを潜り抜ける事によりベテランプレイヤーにとっても非常に歯応えのある内容になる。
「R」では特定ステージのみでスコアアタックを行なう(もしくは練習目的で使用する)リプレイモードが盛り込まれた。ゲーム開始前に通常のゲーム内容とリプレイモードのどちらかを選択。リプレイモードの場合は選択したステージのみを複数回プレイ可能。
リプレイモードでのプレイ前にはゲーム基板に記憶されたトップスコア時のリプレイ再生が行なわれ、その後にプレイヤーが試技を行なう。ゲームセンターに訪れたスーパープレイヤーの最も優れたプレイ内容を参考にできる画期的なものになるはずだったが模倣は行なわれていない様子(通常の1面から最後までの通しプレイと異なり、特定ステージのみに特化したプレイ内容の方が限定的なハイスコアを作れてしまうという事情、つまり実際の通しプレイでは参考にならないからという不可避な問題を抱えている)。
このリプレイ機能はアマチュアゲームの作品では頻繁に見られる仕様がアーケードゲームの世界に逆輸入されたものと見ることができる。
なお、リプレイモードのみX-Dをクリアすることにより、更にデンジャーなXX-ステージにトライする事が可能になる。
弾幕系シューティングの中でもひときわシャープな印象でまとめられた弾幕で知られる。弾は直線的な移動しかせず、その移動方向を明確にするために棒状の形の弾が多用されている。これにより大量の弾が発射される場面では弾によって独特の幾何学模様が画面に描かれるように見え、本作の弾幕の傾向を特徴付けている。弾には極彩色が用いられ、黒を基調としたトーンの低い背景色に極めて映え視認性が良い。
BGMはWASi303を含む4名による作曲。ピアノアンビエントを主軸にトランスブレイクビーツ等を変拍子で扱い、ゲームミュージックの範疇においては極めてモダン指向がある。独特の曲調で極めて高い評価を持つが、サウンドトラックとしては同人盤としての発売と、PS2版の限定版の同梱盤しかなく、現在では入手困難である。
ゲーム中に多く挿入される短い英語音声は上記のテクノミュージックで使用されるヴォコーダーのそれとは違い抑揚の極めて薄い、冷たく鮮明な機械然としたもので、BGMやグラフィックとあいまって無機質な世界観を作り出している。
サイヴァリアと同リビジョンを同梱。サントラやDVD付き限定版もあった。
廉価版はミディアムユニット、リビジョンに分けて発売された。
リビジョンの移植。全国のプレイヤーとスコアを競うことができる。他人のスコア、リプレイを閲覧可能。
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テンプレート:節stub2003年11月に、サイヴァリア2がアーケードで発売された。使用基板が前作までのG-NETからNAOMI GD-ROMシステムに変更された。設定に関しても変更が加えられ、特に自機が人型兵器である点は珍しい。ストーリーが付き、人間のキャラクターが設定された。開発はスコーネックが担当。
本作では、BUZZゲージはストーリー設定にあわせて「ニュートリノゲージ」と呼び、得られる経験値の量をニュートリノ量と呼ぶ。得られるニュートリノ量はニュートリノゲージの色によって変わり、通常は緑、青のときが最高で逆に赤のときは最低となる。ローリングについては始動した後、移動し続けていれば持続するようになっている。レベルアップのよる機体の変形はリザルト画面で行われる。プレイヤー機体は2つ用意されている。ステージに関しては一本道になり、1面序盤の最初のグルーオン戦までのレベルアップ量に応じて難易度が変わる。なお、本作ではSTGでは珍しくリング状の弾を打つものもいる。弾幕の美しさにも磨きがかかり、音楽は前作のアレンジもある。敵弾についてはリング弾が追加されている。
作中用語や一部の機体名には素粒子や霊科学などが用いられている。前作で使われた素粒子名はそのままボスの名称として使われている。
執筆の途中です | この「サイヴァリア」はコンピュータゲームに関連した書きかけ項目です。この記事を加筆・訂正などして下さる協力者を求めています。 |
sv:Psyvariar 2
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