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『アンリミテッド:サガ』 (Unlimited: SaGa) はスクウェア(現スクウェア・エニックス)から2002年12月19日に発売されたプレイステーション2用コンピュータRPG。限定版と通常版の二種類があり、限定版では割高な分イラスト集などのオプションがつく。販売本数約56万本。
サガシリーズの9作目に当たるが、ゲームボーイ時代の『サ・ガ』、『ロマンシング サ・ガ』、『サガ フロンティア』シリーズとは異なったゲームシステムが確立されている。
7人の主人公から1人を選ぶ従来通りのシステムを採用している。選択した主人公によって難易度は大きく異なる。冒険シナリオを選択し、設定された目的を達成、これを繰り返すことでゲーム進行させていく。主人公によって選択できる冒険シナリオは異なる。
冒険画面に際して既存のRPGのようなマップは存在せず、フィールドをボードゲームのように駒(主人公)を移動させていく形となっている。冒険画面はターン制となっており、移動や待機など何らかのアクションを取るたびに、敵シンボルの移動・罠の発動・残り制限時間の減少など周囲の環境も変化していく。
戦闘では従来どおりの閃きシステムが採用されているが、一方でターンの始めに5回分の行動を入力し敵と戦う新しい形式をとっている。1ターンにひとりが5回行動させることも可能となっている。戦闘終了後の経験値取得やパラメータ上昇は一切無く、キャラクターの成長はシナリオ終了後の、パネルと呼ばれる技能の交換によってのみ行われる。但し、パネルとそのときの主人公のステータスによっては逆に弱くなってしまうこともある。そのため技能はこのゲームをクリアする上で非常に重要な要素となっている。
本作の最大の特徴としてリールシステムがあり、フィールド上での行動の成否判定や戦闘中の技レベル選択など、ゲーム中のあらゆる行動の判定がスロットのようなリールによって決定される。戦闘中のリールは滑りが存在しないため、狙って止めることも可能なのだが、フィールド上でのリールは乱数処理を表現するためか50%の確率で滑るため、狙って止めることは難しい仕様になっている。
上記の通り、本作は従来のコンピュータRPGとは全く異なるシステムを有している。しかし付属の取扱説明書にはゲームシステムに関する詳細な説明がなく、ゲーム初心者が攻略本無しにゲームを始めてそのままクリアするのは極めて困難である。発売後公式サイト上にFAQページが設けられ、冒険画面上の移動方法やHPの回復方法などのゲームを進行するための基本操作が解説されていたが、公式サイトが閉鎖されたため現在は見ることが出来ない。
テンプレート:ネタバレ
フィールド上での行動は、対象と行動の選択を行わなくてはならない。例えば宝箱を開けたいなら、十字キーの左右で宝箱を対象として、スキルからアクションを選択する必要がある。また、味方に回復術や強化術をかける場合、△ボタンを押して、対象を味方に切り替え、術の触媒となるアイテムを選択してから使用術を選択する必要がある。
また、成功するか否かの判定は全てリールで行われる。戦闘中のリールとは違い、50%の確率で滑りが発生するため、どんなに習熟しても意のままに止めることはできない。フィールド上でのリールは○(成功)、×(失敗)、爆弾(大失敗)の三つの目で構成される。
移動フィールドはボードゲーム風のマップに移動ポイントが幾つか設定される構成となっており、従来のRPGのように一定の範囲ならば舐めるように移動することが可能なわけではない。直感的な把握を促すための表現をすると、飛び石の上をぴょんぴょんと移動するようなものである。左スティックをわずかな時間倒すと移動先のポイントの敵の有無とその大まかな強さが判り、左スティックを長く倒すとそのポイントに移動する。罠の回避移動ポイントには罠が設置されていることがあり、一定の確率で作動する。作動した場合、仲間の一人が罠にかかったことになり、回避判定のためリールを止めることになる。特定のスキル所持によって成功率が上がる(=リールに成功の目が多くなる)。作動しなかった場合、罠外しのスキル使用により、解除することもできる。また、アクションで意図的に罠を作動させることも可能。敵との駆け引きモンスターも移動ポイント上を移動しており、遭遇すると低くない確率で戦闘となる。敵の種類にもよるが、スキルで戦闘になる率を下げたり、戦闘にならなかった場合、スキルで交渉して追い払うこともできる。戦闘にならなかった場合、こちらから襲ったり術でモンスターを追い払ったりすることもできる。宝箱の獲得宝箱に対して様々な行動を行う。中身を占ったり(連続成功で中身が良くなる)、罠を見破ったり、罠を解除したり、鍵を開けたり、である。これらの行動を取る際に敵が居ると必ず襲われる。以上の行動には全て対応するスキルが必要なため、序盤のうちは闇雲に宝箱を開けるしかないといった事態もままある。鍵が開かない場合、中身が壊れる恐れはあるが殴ったり叩いたりして壊して開ける事も可能。術を覚えるために必要な魔道板を獲得するため、あえてミミックの罠の仕掛けられた宝箱をそのまま開ける、といったこともしばしば行われる。HPの回復HPを回復する。左スティックを押し込んで、待機することで全員を一定値回復する。各人の回復力には差があるので、術を使用して一人のHPを大幅に回復する、といった手段も取られる。周囲の探索宝箱を探索する。屋外なら道案内スキル、洞窟なら洞窟探検スキル、といった具合に地形に応じたスキルを使用することで宝箱が発見できることがある。スキルは対応したファミリアでも良い。地形の踏破水たまりや障害物があって移動が制限されているとき、対応するスキルがあればその地形を踏破できる。ショートカットができたり、障害地形の先にアイテムが隠されていることがある。ただし、これは開発終盤になってから付け足されたものであるため、あまり意味の無いものもしばしば見受けられる。武器の修理武器の使用回数を回復する。簡易修理のスキルを所持するものが居れば、非装備品で、使用回数が0より多く20未満のものを修理することができる。修理したいアイテムを選択すれば簡易修理の項目がある。アイテムの整頓アイテムを整頓する。街では行えないため、何度も行き帰りできるフィールドで整頓を行い、すぐに帰るということが行われる。魔道板の研究設定魔道板をボードにはめ込んだだけでは術の修得はできないので、研究設定をする必要がある。この上で戦闘中に術を使用すると、術の修得が可能になる。術の使用術を使用する。仲間を回復したり、敵や宝箱の位置を探索したり、敵を追い払ったり、道に通行不可の魔法壁を立てたり、魔法鍵のかかった宝箱を開ける、といったことが可能。いずれも術の触媒となるアイテム(~行術のついたアイテム)から使いたい術を選んで使用する。その他その他、立て札を読んだり、魔法陣や仕掛けを作動させたり、階段やはしごの登り降りをしたりする。このときはアクションを選択して行う。キャラクターの成長はシナリオクリア時に行われる。HPは戦闘に参加した回数に依存し、能力値、五行値(術威力に影響)はボードにはめるスキルパネルの種類、レベル、位置に依存する。
スキルパネル本作の特徴のひとつで、これを持つことで鍵を開けたり、お店で値切ったりと様々な行動が可能になり、戦闘では技が出しやすくなったりする。レベルが高いほどその恩恵は大きくなる(鍵開けの成功率が高くなる、値切り幅が大きくなる)。ただし、永続的なものではなく、別のパネルで上書きすると前のパネルの効果は消滅する。また、獲得した魔道板はパーティ共有のスキルパネル扱いになる。パネルの獲得とはめ込みはシナリオクリア時に行われる。パネルは1人当たり4枚獲得できるが、はめ込めるのはそのうち1枚である。はめ込まずにやり過ごすことはできず、必ず1枚ははめなければならないため、低レベルパネルを獲得してしまうと能力値が下がることもある。様々な施設を利用して、旅の準備を整えたり、冒険に出発したりする。ちなみに街ではリールが回ることは無い。
物品の売買商店で物品の売買を行う。商品は物々交換で獲得することもできるが、物々交換しかできない店も存在する。スキルによって値切ったり、高く買ったり、掘り出し物を見つけることもできる。品揃えはシナリオクリアごとに一新される。冒険情報の収集宿屋で情報を集める。あまり役に立つ情報が揃っているとは言い難いが、シナリオ開始の鍵となることもあるので疎かにはできない。装備品の変更装備を変更する。装備したままでは売却したり、改造したりできないため注意が必要である。余談だが、ディフレクトやナイフガードなどの回避アビリティ付きの武器、ならびに盾は上から2番目の武器欄に装備しないとまるで意味がないので留意したい。武器・装飾品の改造改造屋で無料で武器や装飾品を改造してもらえる。ベースとなるアイテムに別のアイテムを加えて、アイテムを作り変えたり使用回数を回復する。作り変える場合のみ、別のアイテムがなくても可能。稀に引き出されたアビリティが増えたり減ったりする。組み合わせによって素材が変化したりすることがある。また、獣石を副素材とすることで、15%の割合で~行術というアビリティが付き、術の触媒として機能するようになる。一人クリアするごとに星印がキャラクター選択画面のキャラクターに付き、7人全員クリアすると7人目のエンディングの後に「天翔ける翼」という楽曲が流れる真のエンディングが見られる。
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