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アトリエシリーズは、ガストが発売しているコンピュータRPGのシリーズ名。シリーズ作品のほとんどに「アトリエ」という言葉が入っていることから、このように呼ばれる。
1997年の『マリーのアトリエ』のヒットに始まり、続編『エリーのアトリエ』が好評だったことから「アトリエシリーズ」として確立する。3作目『リリーのアトリエ』以降の作品には「A3」「A4」のような通し番号も設定されている。通し番号をもたない外伝的な作品も多いが、ここではそれらもすべてアトリエシリーズとして扱う。
アトリエシリーズでは原則として主人公自身、あるいは主人公の1人が錬金術士である。主人公らが錬金術の力で自身の目的を達成するという基本路線はほとんどの作品で一貫している。しかし通し番号をもつ主要作品群に限っても、2~3作単位で作風やシステムに大きな変化がつけられているため、アトリエシリーズ内部でもさらにいくつかのシリーズに細分して語られることが多い。
アトリエシリーズとして発売されているソフトを以下に示す。シリーズのキャラクターを利用したパズルゲーム等の携帯端末用アプリケーションも発表されているが、ここでは省略する。
※PS=プレイステーション、PS2=プレイステーション2、PS3=プレイステーション3、PSP=プレイステーション・ポータブル、SS=セガサターン、DC=ドリームキャスト、GBC=ゲームボーイカラー、GBA=ゲームボーイアドバンス、WSC=ワンダースワンカラー、DS=ニンテンドーDS、PC=パーソナルコンピュータ、i=iアプリ、S!=S!アプリ、EZ=EZアプリ。
作品名 | 発売日 | 対応機種 | 備考 |
---|---|---|---|
マリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士〜 | 1997年5月23日 | PS | |
マリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士〜 | 1997年12月11日 | SS | |
マリーのアトリエPLUS 〜ザールブルグの錬金術士〜 | 1998年6月4日 | PS | |
エリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士2〜 | 1998年12月17日 | PS | |
マリーのアトリエPLUS 〜ザールブルグの錬金術士〜 PlayStation the Best | 1999年12月16日 | PS | 廉価版 |
エリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士2〜 PlayStation the Best | 1999年12月16日 | PS | 廉価版 |
マリーのアトリエGB | 2000年1月8日 | GBC | |
マリーのアトリエGB デラックスパッケージ | 2000年1月8日 | GBC | 限定版 |
エリーのアトリエGB | 2000年1月8日 | GBC | |
エリーのアトリエGB デラックスパッケージ | 2000年1月8日 | GBC | 限定版 |
マリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士〜 | 2000年4月28日 | PC | |
エリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士2〜 | 2000年4月28日 | PC | |
リリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士3〜 | 2001年6月21日 | PS2 | |
リリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士3〜 プレミアムボックス | 2001年6月21日 | PS2 | 限定版 |
マリー&エリー 〜ふたりのアトリエ〜 | 2001年10月25日 | WSC | |
マリー&エリーのアトリエ 〜ザールブルグの錬金術士1・2〜 | 2001年11月15日 | DC | |
ヘルミーナとクルス 〜リリーのアトリエ もう一つの物語〜 | 2001年12月20日 | PS2 | アドベンチャーゲーム |
リリーのアトリエPLUS 〜ザールブルグの錬金術士3〜 | 2002年4月4日 | PS2 | |
ユーディーのアトリエ 〜グラムナートの錬金術士〜 | 2002年6月27日 | PS2 | |
ユーディーのアトリエ 〜グラムナートの錬金術士〜 プレミアムボックス | 2002年6月27日 | PS2 | 限定版 |
マリー、エリー&アニスのアトリエ 〜そよ風からの伝言〜 | 2003年1月24日 | GBA | |
ヴィオラートのアトリエ 〜グラムナートの錬金術士2〜 | 2003年6月26日 | PS2 | |
ヴィオラートのアトリエ 〜グラムナートの錬金術士2〜 プレミアムボックス | 2003年6月26日 | PS2 | 限定版 |
ユーディーのアトリエ 〜グラムナートの錬金術士〜 Gust Best Price | 2003年8月7日 | PS2 | |
マリーのアトリエ | 2003年12月15日 | i | |
イリスのアトリエ エターナルマナ | 2004年5月27日 | PS2 | |
イリスのアトリエ エターナルマナ プレミアムボックス | 2004年5月27日 | PS2 | 限定版 |
マリーのアトリエ | 2004年6月3日 | EZ | |
ヴィオラートのアトリエ 〜グラムナートの錬金術士2〜 Gust Best Price | 2004年7月8日 | PS2 | 廉価版 |
リリーのアトリエPLUS 〜ザールブルグの錬金術士3〜 リミテッドエディション | 2005年5月6日 | PS2 | 限定版 |
イリスのアトリエ エターナルマナ2 | 2005年5月26日 | PS2 | |
イリスのアトリエ エターナルマナ2 プレミアムボックス | 2005年5月26日 | PS2 | 限定版 |
イリスのアトリエ エターナルマナ Gust Best Price | 2005年8月4日 | PS2 | 廉価版 |
アトリエ マリー+エリー 〜ザールブルグの錬金術士1・2〜 | 2005年10月27日 | PS2 | |
アトリエ マリー+エリー 〜ザールブルグの錬金術士1・2〜 プレミアムボックス | 2005年10月27日 | PS2 | 限定版 |
マリー、エリー&アニスのアトリエ 〜そよ風からの伝言〜 BANPREST BEST | 2006年3月23日 | GBA | 廉価版 |
マリーのアトリエ | 2006年6月3日 | S! | |
イリスのアトリエ グランファンタズム | 2006年6月29日 | PS2 | |
イリスのアトリエ グランファンタズム 初回限定版 | 2006年6月29日 | PS2 | ガストショップ限定 |
イリスのアトリエ エターナルマナ2 Gust Best Price | 2006年9月21日 | PS2 | 廉価版 |
イリスのアトリエ エターナルマナ2 After Episode | 2006年12月1日 | i,S! | |
リーズのアトリエ 〜オルドールの錬金術士〜 | 2007年4月19日 | DS | 限定版 |
マナケミア 〜学園の錬金術士たち〜 | 2007年6月21日 | PS2 | |
マナケミア 〜学園の錬金術士たち〜 プレミアムボックス | 2007年6月21日 | PS2 | 限定版 |
ゲームアーカイブスとは過去のアトリエシリーズなどをプレイできるサービス[1]。
アトリエシリーズは「アイテム合成・調合RPG」とも呼ばれる。手に入れたアイテムを合成し、新たなアイテムを生み出していくという、単純ではあるが中毒性の高いシステムが本シリーズの大きな特徴である。また、やり込み要素が強いことでも知られる。
シリーズ第1作『マリーのアトリエ』のキャッチコピーは「世界を救うのはもうやめた」「世界を救うより大切なこと」であり、多くのRPGにありがちなヒーロー物、ヒロイン物との区別を明確にし、架空の街で架空の毎日を過ごすことを楽しむゲームとして作られた。『マリーのアトリエ』をはじめとするザールブルグシリーズと、それに続くグラムナートシリーズにおいては、他の多くのRPGで目にする「魔王(もしくはそれに類する存在)の討伐」や「世界の破滅の回避」といったことは目的とされていない。しかしイリスシリーズでは(結果的にとはいえ)世界を破滅から守るなど、「一般的なRPG」を多分に意識した構成となっている。
どの作品でもいわゆるファンタジー世界を舞台としている。シリーズ第1作の『マリーのアトリエ』の世界は中世の南部ドイツやスイス、オーストリアなどをモデルにデザインされており、登場する人名や地名、アイテム名などにもドイツ風あるいはドイツ語風のものが多く見られた(ただしSalburgを「ザールブルグ」と読むなど、最終的には語感が優先されている)。この「ドイツ風」の傾向は舞台が変わった後のシリーズでも受け継がれており、アトリエシリーズの独特の雰囲気を伝える要素のひとつとなっている。
ゲーマガ2007年7月号付録冊子のスタッフインタビューによると、以下の4つの世界が並行に存在しているとされる(ただし惑星スケールの広範囲ならば繋がりがある可能性も示唆されている)。
主人公たちが学んでいる魔術がこう呼ばれる。元素を組み合わせて新しい物質を生み出す術だとされる。少なくとも初期シリーズでは「召喚魔術」や「付与魔術」なども並立して存在する設定になっているが、ゲーム中でそれらが区別されることはなく、いずれも錬金術として扱われている。また『エターナルマナ』『エターナルマナ2』ではマナと呼ばれる精霊の力を借りて行使する術となっており、他のシリーズとは微妙に扱いが異なる。
通常、錬金術の使い手は「錬金術師」とされるが、アトリエシリーズにおいては「錬金術士」という表記を採用している。しかし一般的な用法ではないため「ザールブルグの錬金術師」などと誤表記されることが多い。
アトリエシリーズでは、賢者の石、エリクサー(エリキシル剤、エリクシール)、ホムンクルス、エメラルド・タブレット(新緑のタブレット)、アゾット、ウロボロスなどの実在する錬金術のモチーフも多く使われている。
アトリエシリーズにおいては、錬金術を用いて複数(または単数)のアイテムから新たなアイテムを生み出す作業を「調合」と呼ぶ。シリーズの目玉ともいえるシステムであり、2作目以降はブレンド調合、オリジナル調合、ラフ調合、マナ調合など新しい形の調合が多く派生している。
シリーズを通して登場する妖精(ただし『グランファンタズム』では「フェアリ族」という名前。『エターナルマナ』『マナケミア』では「マナ」として登場する)。人間の子供のような姿をしていて、それぞれ同型の帽子と服を身につけている。コスチュームの色は緑が基本だが他の色も存在する。一部の例外を除いて全員が同じ顔をしているが、性格にはそれぞれ個性がある。後述の「ぷにぷに」と並ぶアトリエシリーズのマスコットキャラであり、「妖精さん人形」のような商品も販売されている。シリーズによっては、『ヴィオラートのアトリエ』のパウルや『エターナルマナ2』のポウのようにパーティーキャラとしても登場している。なお、妖精さんの名前はパ行で始まる名前に統一されているようである。
つぶれた球形をした青いゼリー状生物(いわばスライムか)で、アトリエシリーズのほぼ全作品に登場している。非常に弱いため、ゲーム内では弱小モンスターの代名詞的存在となっていることが多い。単なる色違いをはじめ、巨大なタイプ、兜をかぶったタイプ、腐ったタイプなど、非常に多くのバリエーションが存在する。体内にある『ぷにぷに玉』は調合に必要な素材の1つで、強力な水分蒸発作用がある。「妖精さん」と同じくシリーズのマスコットとして定着しており、「ぷにぷにクッション」などのグッズにもなっている。
『ユーディーのアトリエ』で初登場した幽霊の少女。以後『ヴィオラートのアトリエ』『エターナルマナ』『グランファンタズム』『マナケミア』にも登場している。幽霊とは思えない明るく楽観的な性格をしており、パーティーキャラとして登場した『ユーディー』『ヴィオラート』『マナケミア』では物理攻撃によるダメージを一切受けないという特徴を持つ(ただし『マナケミア』では「物攻無効」のスキル習得が必要)。前述の「妖精さん」や「ぷにぷに」は記号としてシリーズを通して登場しているがパメラの場合は理由が異なり、『ゲーマガ』2007年7月号の付録『アトリエメモリアルブック』内でのアトリエシリーズのディレクター吉池真一氏のインタビューによれば、毎回出すつもりではなかったが、周囲から「パメラ出してよ」という声があったためそれに応えて毎回出しているとのことである。ちなみに『エターナルマナ2』ではパメラは登場していないが、登場キャラの一人トレーネがパメラに似た容姿・性格となっている。
アトリエシリーズのうち「グラムナートシリーズ」とされるのは以下の作品である。
本シリーズでは双羽純がキャラクターデザインおよびイラストレーションを担当している。
本シリーズの舞台は、ザールブルグシリーズの舞台ストウ大陸北部から遠く離れたグラムナート地方である。ゲーム中にはフィンデン王国、カナーラント王国、マッセン王国(名前のみ)などが登場している。同じ世界に存在するため、ザールブルグシリーズの登場人物も一部がゲスト出演しており、共通の時間軸に位置づけることが可能である。
アトリエシリーズのうち「イリスシリーズ」とされるのは以下の作品である。
本シリーズではグラムナートシリーズに引き続き双羽純がイラストレーションを担当している。しかし各ゲームのキャラクターデザインはガストのスタッフによる。
なお「イリスのアトリエ」はあくまでサブタイトルであって、「エターナルマナ」や「グランファンタズム」などがメインタイトルである。これは各タイトルロゴからも確認できる。
イリスシリーズでは、グラムナートシリーズまでにあったカレンダーや時間経過の概念が撤廃されている。また調合(錬金術)よりも冒険と戦闘に比重が置かれるなど、アトリエシリーズの中では最も「普通のRPG」寄りの作風である。制作スタッフは「作品を重ねる毎にシステムが複雑になり、新規のプレイヤーがほとんどいなくなってしまった。その問題点を解消するため、これまでのアトリエシリーズらしさややりこみ要素を継承しつつ、RPG的な要素を増やした。」と語っている。
イリスシリーズのうち、『エターナルマナ』と『エターナルマナ2』は同一の世界を舞台としている。しかし500年以上の時間差があるため、イリスという登場人物が共通していることを除きストーリー的な繋がりはほとんどない。『グランファンタズム』では再び世界観が一新されており、前2作との繋がりはない。『エターナルマナ』シリーズのイリスに酷似する同名のキャラクターがヒロインであるが、週刊ファミ通2006年3月31日号のインタビューにおいて制作スタッフが別人だと言明している。
2007年になり、従来のシリーズに含まれない新たな作品が生み出されている。
関連書籍については、各作品の項目を参照
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