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ワンセグ(1seg)は、日本において、主に携帯電話などの携帯機器を受信対象とする地上デジタルテレビジョン放送(地デジ)。正式名称は「携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス」。
2006年4月1日の午前11時(日本時間)より、東京都・名古屋市・大阪市などの大都市を含む29都府県で開始し、同年12月1日にはハイビジョン放送と同時に全43県の県庁所在地でも放送を開始しており、2007年現在はほぼ全ての放送局で行われている。
2008年2月現在、一つの放送局から同一番組を流すサイマル放送が義務付けられており、ワンセグで見られる番組は12のセグメントを使用する地上デジタル放送の主番組と同じである。
なお、正式名称は前述の通りだが、本項では「ワンセグ」と呼称して解説する。
ファイル:W33sa 2.JPG日本で初めてのワンセグ対応携帯電話三洋電機(現・京セラ)W33SA。
日本の地上デジタルテレビジョン放送(ISDB-T)では、UHF帯470MHz-770MHzをch.13-ch.62と呼ぶ50のチャンネルに分け、その1つのチャンネルの周波数帯域幅6MHz(実効5.57MHz帯域幅とチャンネル間約430KHz幅のガードバンド)が13のセグメントに分かれた構造となっており、そのうち、ハイビジョン放送(HDTV)には12セグメント、標準画質放送には4セグメント割り当てられている。モバイル端末(主に携帯電話)は画面を小さく、性能を低くして携帯性や移動性を重視し、1セグメントを割り当てて低解像度(320×240/320×180)の放送を行うこととなった。この「1セグメント」を略して「ワンセグ」と呼ばれている。持ち運びできる新しい媒体として期待されている。音声は2chステレオであり5.1chサラウンドステレオには対応していない。詳細はISDB#ISDB-T(地上波)を参照。
携帯電話などで視聴する場合においてもNHK放送契約が必要である。データ放送から更に詳しい情報を受信するために放送局とインターネットを通したパケット通信をする場合には、携帯電話の場合別途パケット通信料がかかる。この場合、携帯電話の設定を変更していない限り、画面にサーバー受信可否を問う画面が表示される。このときの通信料はアクセスポイントによって異なり、場所によっては無料で通信できる。
ワンセグは既存の地上デジタルテレビ放送と同じアンテナから送出されるので、放送局側の準備が整い次第、地上デジタルテレビ放送が受信できる地域ではワンセグも受信できる事になる。ただし、一部ハイビジョン放送の放送開始から遅れる地域もある。また、県庁所在地から離れた市・町・村および離島など、地上デジタルテレビジョン放送そのものが開始されておらず受信できない地域もある。
現在のワンセグ放送は12セグメント放送とのサイマル放送が義務付けられているが、実験として12セグメント放送とは別編成を組んでの放送も行われており、日本テレビではプロ野球中継の放送を午後9時からハイライト形式で放送を行っている(その場合、アナログ・デジタル放送で放送されている通常番組は視聴できない)。
放送開始当初、受信可能な機器は携帯電話3機種(P901iTV、W33SA、W41H)のみだった。
地上デジタル放送では通常のテレビ放送でのマルチ編成が一部の局で行われているが、ワンセグによるマルチ編成も事実上可能である。2007年11月16日、東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)はワンセグによるマルチ編成の実験に成功したと発表し、翌2008年6月23日にワンセグによるマルチ編成「ワンセグ2」を開始した。
本放送開始前の2006年2月に都営地下鉄で地下鉄構内での再送信による受信の実験が行われた。
翌2006年4月1日に、同日までに地上デジタルテレビジョン放送が始まっている地域の放送区域で本放送が開始された。ただし、移動体端末での受信のため、路上・屋内など地上10m未満の高さで受信する場合、放送区域内でも電界強度が弱い場合は受信できない。
12月1日には各都道府県のNHK・民放全局で地上デジタルテレビジョン放送が開始されたことに伴い、ワンセグ放送を行う放送局も全国に拡大した。但し、放送大学と、独立UHF局である奈良テレビ放送はワンセグ放送を行っていない。また、遊園地・博物館・大学などで地区を限定して構内案内や買い物の案内を行うコミュニティワンセグ構想があり、社会実験が数例行われている。
携帯電話で上部に映像、下部にデータ放送を表示, NHK携帯Gチャンネルの例
ワンセグでは、一般のテレビと同じ番組に加え、各テレビ局が番組を楽しむためにワンセグ専用に制作したデータ放送コンテンツも利用できるため、放送局がそれぞれの特色を活かした展開を図っている。
ワンセグ専用データ放送には「放送と通信の連携機能」が数多く用意されていることから、データ放送に対しては、携帯電話事業者各社からも、また次世代のモバイル関連ビジネス活性化の観点からも各所から期待されており、今後テレビ各局による更なる活性化が予測される。
データ放送を含めたコンテンツ製作で、日本テレビはモバイルコンテンツフォーラムが主催するモバイルプロジェクトアワード2006や、2006年グッドデザイン賞も受賞している。リクルートやNTTドコモとの連携も行っている。
ワンセグ用データ放送には、BML Cプロファイルが用いられている。このプロファイルは、BSデジタル放送や地上デジタル放送のAプロファイルとは異なる機能が追加されており、上記の「放送と通信の連携機能」が実現されている。
番組タイトルと詳細情報が送られており、対応機器で見ることができる。ただし、送られているのはそのテレビ局の分だけであり、他局の番組表はそのテレビ局を受信しないと見ることができない。なお、機器によっては情報を蓄積して複数局分見られるものもある。また、見ることができるのは現在の所放送中番組を含め最大10番組で、テレビ局によっては2番組分しか放送していないところもある。
日本以外の地域でも移動体向けの地上デジタルテレビ放送が始まりつつあり、大きく分けて日本方式(ワンセグ: ISDB-Tの部分受信)、欧州方式(DVB-H)、韓国方式(T-DMB)の3方式がある。このうち、セグメントの部分受信という方式を採っているのは日本方式だけである。
なお、ワンセグはテレビ放送の部分受信というその方式上、少ない基地局で欧州方式や韓国方式に比べて圧倒的に広い地域に放送することができる。ただし、比較的低い周波数帯域において、かつ狭い帯域を利用しなければならないために、他方式に比べて画質が劣る。
地上デジタル以上に強力なデジタル圧縮と伸張が行われ、4秒程(札幌地区以外の北海道地方は5秒程)の遅延が生ずる。そのため、NHK総合テレビジョンほか一部の放送局では時刻出しを行っていない。また、多くの放送局ではワンセグ用に時刻を特製して送り出している。
開発に至るまでは、MPEG-4のライセンス問題や、MPEG4の代わりにH.264を採用するとCPUやLSIの性能を高くしなければならないなどの問題も生じた。さらに移動体の中でハイビジョン放送(12セグメント)の受信実験をしたところ、専用アンテナを付ければ十分に受信できるという結果が出た。この事から必要性を疑われる事もあった。実際に、カーナビに関しては、12セグのハイビジョン放送とワンセグの両方に対応した機器も登場している。
移動体での受信では、固定で受信する通常の放送やハイビジョンに比べて受信環境が厳しくなる。そのため、変調にはノイズに強いものが採用された。なお、日本の地上デジタル放送(ISDB-T)では13セグメントを最大3つの階層に分割し、階層ごとに使用セグメント数、変調方式、畳み込み符号の符号化率などを変える事ができる。
映像圧縮技術には、MPEG-4の2倍、MPEG-2に対しては4倍以上という圧縮品質を実現したH.264が採用された。さらに音声にはAACが採用されている。なお、低ビットレートにおいて音質を改善する追加技術SBRの適用に関しては放送局による。
参考画像1
ファイル:Keitaiwansegu.jpg参考画像2
ファイル:Tvantena.jpg参考画像3
外部アンテナ専用端子が付いている場合[]カーナビや、USBチューナー、ゲーム機のチューナー等の場合、外部アンテナを接続するための端子がついている場合がある。多くの場合、端子は地上アナログ用ポータブルテレビなどのものと同じく3.5mmミニプラグなので、それらの機器用の外部アンテナや変換ケーブルが流用可能である。
外部アンテナ専用端子が無い場合[]注意:以下に書かれる方法は試行錯誤的な効果のものもあり必ずしも上手くいくとは限りません
2007年現在、ワンセグの放送自体にはデジタル著作権管理(DRM)は適用されていない。録画されたものにはその受信機のメーカーによって独自のデジタル著作権管理(DRM)を付け加え、著作権保護を施している。
ワンセグ携帯のみ保有している場合も、NHKと受信契約してNHK受信料を支払う必要があるとNHKはしている。NHK総合チャンネルのデータ放送を受信すると次の様に放送表示される。
『受信料について ワンセグ受信端末もNHKの受信契約の対象です。ただしすでに受信契約を頂いているご家庭では、ワンセグ受信端末を購入されても新たに受信契約をして頂く必要はありません。』(契約の案内文をそのまま引用したもの、2007年10月現在)Smallwikipedialogo.png | このページの内容は、ウィキペディアから取られています。オリジナルの記事は、ワンセグにあります。この記事の著作権者のリストは、ページの履歴を御覧ください。ケータイ wikiaと同じく、ウィキペディアのテキストは、GNU Free Documentation Licenseで提供されています。 |
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