登録日:2012/06/30(土) 10:28:05
更新日:2023/08/18 Fri 10:34:20NEW!
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gunslinger_girl ガンスリ 暗殺者 義体 サイボーグ 不憫 南里侑香 阿久津加菜 ヘンリエッタ
「ジョゼさんって何でも知っているんですね」
ヘンリエッタとは漫画「GUNSLINGER GIRL」の登場人物の一人。
CV:南里侑香 (アニメ1期)
阿久津加菜(アニメ2期)
社会福祉公社作戦二課の主要戦力である義体1期生の一人。担当官はジョゼ。
茶髪のショートヘアーの小柄な少女。いつもは清楚そうなスカート衣装を纏っているが、13巻での新トリノ原発戦では周囲の目を気にする必要もないテロリスト相手のためか、ミリタリー系戦闘服と防弾ベストを装備している。
また基本都市での暗殺等が仕事のため、いつも武器を隠すためのバイオリンケースを持ち歩いている。
タイトルロゴに彼女のシルエットが描かれてるように、実質的な物語の主役格ではあるのだが
中盤からはトリエラやペトルーシュカといった他の義体の活躍が主になっていった為に物語の本筋からは外れていった。
担当官のジョゼの方針で条件付けは軽く抑えられている為、義体の中ではまだそれなりに感情が存在している。
しかし、条件付けから来るジョゼへの妄信的な情愛によりふとした弾みで暴走してしまうこともしばしば。
アニメ1期では2人でレストランに食事に行った際、ウェイターが食事用のナイフを取り出しただけで、
ジョゼを狙っていると勘違いし、即座にウェイターの腕を締め上げた程である。
条件付けの影響が大半であるとはいえ担当官のジョゼに対する信頼は高く、常に彼の役に立ちたいと考えている。
が、ジョゼからの愛情を強く求める一方で彼女自身が控えめで大人しい性格ということもあり、ジョゼに対して今一歩踏み込めないでいる。
また、トリエラと違って自身の人間らしい感情と義体であるという現実を上手く割り切ることが出来ずにそのことに苦悩する場面もあった。
ジョゼの方はヘンリエッタのことを、嘗ての事件で死別し自身の復讐の最大の動機でもある妹のエンリカと重ねている部分がある。
そのことは本人も自覚していて、ヘンリエッタに多くの時間を割き優しくしてやる一方で、彼女と同様に微妙な距離を置いている。
とはいえ全ての義体の中でも担当官との関係は良好であり、
ヘンリエッタとジョゼは正に仲睦まじい兄妹(フラテッロ)そのものであった。
前述の暴走の面を考慮しても1期生の中では「優秀」という評価を下されている。
また、義体の中でも特に聴力に優れているようで遠くから五共和国派の会話を盗み聞きする場面がある。
作戦ではトリエラと同様に先陣を切っての突入を演じることが多い。
第1話での大立ち回りは読者に対し「この漫画が単なる幼女が銃を振り回すだけの萌え漫画ではない」ということをまじまじと実感させた。
メインアームはサブマシンガン(PDW)のFN P90を使用。一時は空薬莢で足を滑らせてしまっていたため、空薬莢受けが装着されていた。
市街地での暗殺任務が多いからか、前述したバイオリンケースの中に収納して持ち歩いている。
余談だが、P90自体もその特異な形状から「バイオリン」と呼ばれている。
サイドアームには主にSIG系統の自動拳銃を使用している。
P90のサイドアームとして一般的なのはFN Five-seveN(ジョゼの使用銃)だが、ヘンリエッタは手が小さいため使うことができないとのこと。
義体としての訓練の一環でバイオリンを弾いている他、
ジョゼからプレゼントされたカメラでたくさんの写真を撮ってアルバムに収めたり、
同じくプレゼントの日記帳に彼との出来事を記録したりとなかなかに多趣味である。
義体化以前はローマに暮らす裕福な家庭の娘であったが、ある日一家に連続殺人犯が押し入り、
殺された家族の側で暴行を受け続け右手、左足、左目を失い、暴行の最中に強姦行為も行われたのか子宮も摘出されるという瀕死の重傷を負う。
病院に収容され一命を留めたもののそのあまりにも壮絶な事件の記憶から自殺を望んでいた時ジョゼの目に留まり、
彼女を救いたいという彼の希望(そしてそれを「救い」と彼を後押しした兄ジャン)によって素体として選ばれ、義体のヘンリエッタとして生まれ変わった。
1巻でのエルザの事件の真相を見抜き、
その上でジョゼに対する情愛を打ち明けたことからも、彼に強い思い入れがあることが伺える。
そしてこの時、読者の誰もがこの一連の描写を見て「ジョゼはいつかヘンリエッタに撃たれて死ぬ」というフラグであると思ったことであろう。
条件付けが軽いとは言ったが、その弊害で暴走を鎮める度に追加の薬物を投与したり、
彼女自身が悩みを抱えやすい性質であることからストレスを溜めこみやすく、酷な話かもしれないがジョゼの気遣いはあまり意味を成していないと言える。
原作序盤から条件付けの副作用が見られ、1巻時点で紅茶に大量の砂糖を入れるといった味覚障害、
10巻では1年前のクリスマスをジョゼと共に過ごしたことを日記を見ても思い出せないといった記憶障害の描写が見られる。
特に記憶障害に関してはヘンリエッタ自身もジョゼとの思い出を忘れていくことを酷く恐れ、
10巻ではトリエラの胸に抱かれながら、いずれは役立たずになってしまい何もかもを忘れて死んでいくことへの恐怖に涙を流している。
10巻終盤ではヘンリエッタがジョゼに対し「役立たずになっても見捨てないでほしい」と懇願。
それに対してジョゼは優しく「ずっと側にいる」と答えた。
どう見ても悪い方向へのフラグである。
以下、終盤のネタバレ含む。
ジョゼの最大の敵であるジャコモ・ダンテの登場以降、
復讐心が肥大化していったジョゼはヘンリエッタに対する扱いが段々とぞんざいになっていく。
またこの頃脳への負荷が比較的少な目な新型メンテナンスを受けたが、その時メンテからの覚醒時こそ覚えていなかったものの義体化前の悲劇を夢に見ており、
11巻での鐘楼での戦闘ではメンテナンス直後だった事から決して本調子とは言えない状態で投入される事になり、さらに戦闘に参加した殺人犯と似た姿の目出し帽の人員を見て動揺。
不調を織り込んで後方から支援射撃を行っていたが、鐘楼から墜落した人間を見て再度発生したフラッシュバック等も合わさり度重なるミスと至近弾でP90を取り落してしまった事に対しジョゼからは罵声を浴びせられ、
更にジョゼから貰ったP90が見つからない事を伝えても、鐘楼の爆発で傷ついた彼から「公社の回収班に任せればいい」と、直後彼女が公社で検査を受ける方を優先すべきとも膠も無く無表情に告げられて倒れてしまう。
そしてその影響からヘンリエッタは更なるストレスを溜めこみ、一旦は事件後よりは落ち着いたジョゼ(鐘楼戦で隻眼に)に慰められるも、明確に死期の近づいた義体の末期症状である「過去の記憶のフラッシュバック」が発生。
12巻では精神の不安定化から、日常でも手にしたティーグラスを落としてしまうといった症状が見られた。
その後、ヘンリエッタに「寿命」が近付いている事が判明するが、ジャコモとの戦いが本格化し公社側も戦力の確保に躍起になっており、
ヘンリエッタをこのまま戦線から遠ざけアンジェリカのように療養させるか、
大量の条件付けの追加を行い感情の欠如と寿命の大幅減少を伴う精神の安定化を図るかの選択をジョゼに突きつける。
既に復讐心に染まりきっていたジョゼは死んだエンリカの幻影を見たり、
ヘンリエッタを再び天体観測に誘い1年前にも同じように星を見たことを全く覚えていなかった彼女の姿に落胆。その末に後者を選択する。
そしてヘンリエッタの過去のトラウマに最大圧力を掛けた結果、
条件付けのリセットが終わったヘンリエッタは義体の中で最も機械的で感情の無い、ある意味で本来の「義体」らしい存在となってしまう。
…だがそこまでしたにも関わらず、新トリノ原発での共和国派との戦い時、「ジョゼを守る」ために傷つきながら戦っていた最中、目出し帽の敵が馬乗りになった事で、
再び義体化前の記憶―自分の家族が殺害され、自らも暴行を受けたトラウマが蘇り錯乱。五共和国派のテロリストを一方的な暴行で倒しその死体をも痛めつけ、それを制止しようとしたジョゼを誤って撃ってしまう。
その果てに条件付けのリセットが行われる以前の感情を呼び覚ましたのか、瀕死のジョゼの姿を見て涙する。
しかしジョゼはこのことをヘンリエッタを見捨てた報いであるとし、しかしその泣き顔を見て「彼女の気持ち」を察し銃を向け、ヘンリエッタも自分の感情か、あるいは命令ゆえか「ジョゼさんが死ぬのなら……」とお互いに眼球に向けて発砲。
2人は安らかな笑顔を浮かべたまま死亡した。
15巻において五共和国派との激闘が終わった後、作戦一課のフェルミとガブリエリによって2人の遺体が回収された。
- 作中での主なセリフ
「私は……ジョゼさんのお役にたちたかったんです……」
「でも公社の命令は「やらなきゃ」って感じ。ジョゼさんの為にすることは「したい」って感じなんです」
「体が機械の女の子って普通ですか? すごい力持ちで素手で……人を殺せるんです……赤い血は出るけれどすぐに痛みなんか消えちゃうんです……」
「義体の私がジョゼさんの役に立つには……普通の女の子じゃだめなんですよ……」
「あなたに……こんなに良くしてもらってる私が自殺するわけないじゃないですか」
「私はあの人に近づきたいのだけど、その勇気が出ないのだ。何か越えられない壁があるみたいで――」
「私分からないんです。ジョゼさんを好きになった時の事、ジョゼさんを好きな理由。これって変でしょうか!?」
「私がもし役立たずになっても……見捨てないでください。私を1人にしないで……」
「こんにちはジョゼッフォさん。何か……ご命令を」
「星についての教育は受けていません。それは任務に必要な知識でしょうか?」
「ジョゼさんが死ぬなら私……私は……」
「はい」
「あなたに……こんなに追記・修正してもらってる私が全消しするわけないじゃないですか」
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