イタリア・バチカンパビリオン(2025年 大阪・関西万博)

ページ名:イタリア_バチカンパビリオン_大阪_関西万博_

登録日:2025/11/25 Tue 12:50:00
更新日:2026/06/26 Fri 15:16:59NEW!
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イタリア・バチカンパビリオンとは、2025年4月13日から同年10月13日まで日本大阪府の夢洲にて開催された大阪・関西万国博覧会(以下「万博」と称する)のパビリオンのひとつである。



概要

テーマは「L’Arte Rigenera la Vita(芸術が生命を再生する)」。


所在地は西ゲートから徒歩約5分の地点。イタリアだけではなくバチカン市国*1のパビリオンも併設されている。
設計は建築家のマリオ・クチネッラ氏によるもので、劇場、アーケード、イタリア庭園など、かの国の都市社会的アイデンティティの典型的な場所を備えた「ルネッサンスの理想都市」を現代的に解釈したものとなっている*2
特筆に値する点としては、イタリアの最先端技術だけではなく、古代やルネサンス期の謂わば国宝級とも言える美術品の展示がメインとなっていたこと。


なお一部の展示品は、万博閉幕後に大阪府の天王寺にある大阪市立美術館に移送され、期間限定で「天空のアトラス イタリア館の至宝」において展示されることが決定した*3
2025年10月25日から2026年1月12日まで開催されていた。



内容

映像

パビリオン内に入るとまずシアターに案内され、イタリアや展示品にまつわる約2分のOP映像を鑑賞。
そして映像が投影されていたスクリーンは実は扉で、これが開いてメインの展示の部屋へと通される。


展示品

上述にもある様に、イタリアの最先端技術や美術品が目白押しに展示しており、ここからはその中でも目玉といえる展示品を紹介する。


【ファルネーゼのアトラス】


出典:項目作成者1204keihiyo撮影


元々はイタリアのナポリ国立考古学博物館に展示されている展示品の一つ。
西暦2世紀(150年ごろ)*4に作られた石像で、世界に複製が存在しない唯一無二の作品
ギリシャ神話にて神々との戦いに敗れ、天空を支える罰を与えられた巨神・アトラスを表現した古代ローマ時代のギリシャ彫刻である。


日本を含むアジア圏での展示は初で、メディア等で話題を呼んだ。
閉幕後は大阪市立美術館にて期間限定で展示される。


【キリストの埋葬】

出典:項目作成者1204keihiyo撮影


バチカン美術館に展示されている作品の一つで、イタリアバロック期の巨匠・カラヴァッジョによる絵画。
イエス・キリストの遺体がニコデモとヨハネによって十字架から降ろされ、聖母マリア、そしてマグダラのマリア、クロパの妻マリアの御前で石板の上に置かれる瞬間を描いた作品。


なお日本ではかつて、2020年に国立新美術館にて開催予定だった「カラヴァッジョ《キリストの埋葬》展」にて展示が決定していたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を受けて展示が中止になったため、5年の時を経ての来日がここに実現した。


【復活のキリスト】

出典:項目作成者1204keihiyo撮影


1514年メテッロ・ヴァリがミケランジェロに依頼し製作された最初のキリスト像として特定されている作品。
だが、制作途中にキリストの顔に黒い筋が見られた事で、ミケランジェロはこの作品の制作を途中放棄。その後、ヴィンチェンツォ・ジュスティニアーニが購入し、彼が信頼する彫刻家のジャン・ロレンツォ・ベルニーニによって完成した、とされるエピソードがある。


当初はこの作品の展示は無かったが、万博開幕から1ヶ月が過ぎた5月18日から追加の展示が決定され、ローマ北西部のバッサーノ・ロマーノの教会から日本へ輸送された*5


【アトランティコ手稿】


出典:項目作成者1204keihiyo撮影
1枚目は「光と影の研究」、2枚目は「ミラノの教会」を描いたスケッチ


万能の天才”と称された芸術家・レオナルド・ダ・ヴィンチが書いた文書コレクションで、ダ・ヴィンチが約40年に渡って書き綴ったノートのページ。
ミラノのヴェネランダ・ビブリオテカ・アンブロジアーナ(図書館)にて所蔵されている。


万博では、1119枚以上の中から厳選された4枚のページが、定期的な入れ替えを行いながら展示された。
開幕当初からの前半の期間には、「金箔職人の道具」と「手回し糸車」が描かれた発明スケッチが展示され、7月14日からは、「光と影の研究」と「ミラノの教会」を描かれたスケッチが展示した*6
鑑賞の際は、上記の美術品とは違って並んでから見る事となっており、鑑賞できる時間も僅か数十秒程であった。とはいえ撮影自体は可能であるため、SNS等でも写真が広がりより話題を呼ぶ事となった。
また、大阪市立美術館での展示では上記4つとは違う新たな手稿が2つ展示された。


なおこの他にも、戦国時代末期の天正遣欧少年使節の一員の「伊東マンショの肖像画」、ペルジーノの「正義の旗」(後に大阪市立美術館にて展示)など多くの美術品や、大正時代にローマから東京へ飛んだ木製飛行機「アンサルドS.V.A.」の実物大模型、2026年に開催されるミラノ・コルティナ冬季オリンピック・パラリンピックの聖火トーチなども展示された。



レストラン・グルメ

パビリオンの屋上庭園で経営されていたレストランは、イタリア料理専門店『EATALYイータリー』が手がけ、毎週週替わりでイタリアの18州の地域の郷土料理が開幕から閉幕まで提供された。


またパビリオン階下では、公式カフェ&ジェラート店『Caffe’ & Gelato Italia by IIACJ』が併設。
こちらはテイクアウト専門店だがコーヒーや本格的なジェラートが提供されており、パビリオン同様に行列ができた。
閉幕後も大阪駅・大阪ステーションシティ5階にあるイタリアン・バール『バール・デルソーレ』で万博会場で提供された同じエスプレッソや、大阪駅前にあるKITTE大阪内の『@JP Cafe』で同じ製造方法で作られているジェラートが提供されているので、会場で飲食してもう一度飲食したいと思う人や、興味がある人は機会があれば是非行ってみよう。



マスコットキャラクター・イタリアちゃん

出典:項目作成者1204keihiyo撮影


tokidoki共同創設者兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーのシモーネ・レーニョ氏によるデザインのイタリア館のマスコットキャラクター。
日本の桜やイタリアのオリーブといった両国のシンボルを取り入れ、城壁の様な冠を被りイタリア国旗を帯にした着物を着ているのが特徴的。イタリアで芸術やおいしい食べ物に囲まれて育ち、日本が大好きで日本の文化を学んでいるとの事。
発表された当初は、ミャクミャクやチェコ共和国のレネーとは違って正統派なデザインであったため、ギャップも含めて却って浮いてるように見られたとも。



余談

  • 待ち時間

イタリアの本気とでもいうべき展示品やグルメはSNSやメディア等で話題が広がり、好立地もあって万博開幕当初から人気に火が付き、連日トップクラスと言っても過言ではない程の行列ができた。
初期はイタリア館専用アプリ「Italy Expo 2025」経由であれば簡単に予約が取れるシステムを取っていたが、この情報がXなどで知れ渡るとともにこのアプリの予約枠も一瞬で枯渇。展示品の追加に連れて行列も長くなっていき、それに合わせて待ち時間はドンドン伸びていった。
また、完全予約制を取ることはなく運営時間ギリギリまで待ち時間を取る事もあり、閉幕前の9〜10月頃は何と最大8時間にも上る程だった*7


ちなみに、「イタリア館の至宝展」は万博閉幕の熱が冷めやらぬ中であったため、事前予約チケットは発売から僅か2日程で完売する事態となった。


  • 教皇の帰天

会期中の4月21日に、バチカン市国の元首である教皇フランシスコが帰天。同日夜に開催される予定だったコンサートが中止になったほか、追悼のため半旗の掲揚・記帳所の設置などが行われた。


  • なぜこれだけの展示品が貸し出されたのか?

マリオ・ヴァッターニ氏はインタビューで、「日本は大切な国だからだ。ビジネスや外交上のつながりだけでなく、互いがひかれ合う深い関係がある。日本が万博を開くなら、イタリアは成功させるために貢献しなくてはならない。(2015年の)イタリア・ミラノ万博では、日本がとても美しいパビリオンを建ててくれた*8。その恩返しでもある」と答えている*9



追記・修正は芸術に感化され生命を生み出す方がお願いします。


イタリア・バチカンパビリオンの至高の展示の実現に尽力くださった方々に、心から感謝します。


Vorremmo esprimere la nostra sincera gratitudine a tutti coloro che hanno lavorato duramente per rendere realtà questa splendida mostra presso il Padiglione Vaticano in Italia.



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  • 周りがクリーチャーだらけなせいで人間に擬態してるだけで本来はミャクミャクたちと同じバケモノ説が囁かれてるイタリアちゃん -- 名無しさん (2025-11-25 18:21:54)
  • イタリアとバチカンってやはり不可分なのね -- 名無しさん (2025-11-25 20:54:44)
  • 日本にここまでの展示品を輸送してくれたうえに入場打ち止め制限も取っ払ってくれたイタリアのサービス精神の旺盛さにビビるわ。 -- 名無しさん (2025-11-25 22:06:50)
  • 絵画だけじゃなくて国宝クラスかつ一点ものの彫刻品まで持ってくる情熱には脱帽するわ -- 名無しさん (2025-11-26 10:40:52)
  • ↑イタリア館のニュース見た時は日本が地震大国だなんて言われてるのによくアトラス像とか持ってきてくれたなって凄く驚いた -- 名無しさん (2025-11-26 11:10:33)
  • メローニ政権、当時は大嫌いな石破内閣なのに良くやってくれたよ -- 名無しさん (2025-11-26 12:24:34)
  • ミラノ万博の日本館が8時間待ちだったらしいからちょうど同レベルの気合いを入れた形になったのか  -- 名無しさん (2025-11-26 12:51:48)
  • ↑2 ヴァッターニ代表がイタリア館代表に就任してすぐに文化大臣に「アトラス増を展示させて欲しい」って頼んだから代表の影響も大きいと思う -- 名無しさん (2025-11-26 14:57:02)
  • イタリアもだけどバチカンが基本的に親日路線堅持なの戦前からなのよね -- 名無しさん (2025-11-26 16:57:19)
  • ↑4 誰がトップだからなんてそんなちゃっちぃ発想ないよ 岸田曰く自身のyoutubeでサンリオの大ファンだからお土産にハローキティ持参したら滅茶苦茶受けたってくらい全方位フランクな人 -- 名無しさん (2025-11-26 23:44:54)
  • ↑伊達にイタリア初の女性首相にのしあがった訳ではないのね -- 名無しさん (2025-11-26 23:55:57)
  • 花博にもイタリア参加するけどなんか出展してくれるかな? -- 名無しさん (2026-01-17 14:04:30)

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*1 周囲がイタリア・ローマ市内郊外の西北西位置にある、世界最小面積の都市国家。
*2 イタリア館公式サイトより。
*3 来年で日本とイタリアの国交樹立160周年を記念する行事として開催が決定したのも理由の一つ。
*4 日本だと弥生時代ごろ。
*5 ちなみに、かつて日本では2017年に三菱一号館美術館で開催された「レオナルドXミケランジェロ展」以来8年ぶりの展示。
*6 中でも後半の2枚はイタリア館の政府代表のマリオ・ヴァッターニ氏によると、「スケッチは脆いもので、できるだけ展示時間を短くしなければならない。」「この絵はイタリアでは見られない。」と言われる程貴重な代物で、展示日の開幕直前には輸送時に傷がつかなかったのかどうかを1時間以上かけてチェックを行っていた。
*7 ちなみに他の多くの海外パビリオンと同様、イタリア館にも(車いす利用者や障がい者手帳の保有者などを対象とした)優先入場レーンが設置されていたものの、一般待機列同様の人気ぶりから頻繁にレーン規制がなされていたため、こちらを利用するとしても並ぶのは困難という状況であった。
*8 ミラノ万博で日本館は最大約10時間にも上る待ち時間となる人気を博したパビリオンとなっていた。
*9 参照:読売新聞オンライン(https://www.yomiuri.co.jp/expo2025/feature/20250709-OYO1T50057/

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