異世界サムライ

ページ名:異世界サムライ

登録日:2023/06/13 Tue 21:38:26
更新日:2024/07/05 Fri 13:57:34NEW!
所要時間:約 4 分で読めます



タグ一覧
異世界召喚 ファンタジー 戦闘狂 サムライ 漫画 web漫画 kadokawa 異世界モノ 異世界転移 おねショタ 異世界サムライ 齋藤勁吾



死にざまを
美しく飾りたいと願うのは
ヒトの性である


彼らにとってそれはもはや美徳であり
「生きざま」だった


異世界サムライとは、KADOKAWAの漫画配信サイト「コミックウォーカー」にて連載されている漫画作品である。*1
作者は齋藤勁吾氏。




あらすじ

武士の生き方に憧れる女性剣士「月鍔つきつばギンコ」。
念願叶って関ヶ原の合戦に参加するが、彼女は生き残ってしまう。
周囲に広がる亡骸は、すべて武士の死にざまを体現した美しいものばかりに映り、死に場所を失ったギンコは慟哭の声を上げる。


その後平和な世の中となってもギンコは武士を相手に死合いを挑む日々を送り、剣鬼と呼ばれるほどとなる。
やがて百の剣客を切り殺し、その墓を作り終えたギンコはいよいよ絶望する。
そして、仏門に帰依するために「転生寺」という寺を訪れ、仏に頭を下げる。
だが、ギンコが思った事は許しではなく、さらなる敵のいる地獄を求める願いだった。


「赦しはいらぬ。敵が欲しい。」


「私が鬼なら、悪鬼羅刹のはびこる地獄の世へ、いっそ……」


「いいよ。」


突然の仏の声に驚き顔を上げたギンコの前には、逃げ惑う人々と異形の怪物があった。


「は!?」


こうして、ギンコの異世界での生活が始まったのである。



異世界

文字通り、仏によってギンコが転移させられた異世界。
9話時点で世界自体の名称などは不明だが、「キケン森」「ミツクビ山」など、読者とギンコに優しいネーミングセンスをしているようである。
いわゆる中世ファンタジー風の時代設定だが、ガムやダンボールなど現代的なアイテム*2も存在している不思議な世界。
人類を脅かす災厄である「魔物」と、それと戦う力を持った「勇者」が存在している。
魔物が人類(エルフ、ドワーフなどを含む)の共通の敵である為か、人類同士での争いとは無縁であり、人が人を殺す事は最大の禁忌であるとされている。



主な登場人物

月鍔ギンコ

本作の主人公。一人称は「それがし」。
赤い着物と大きなリボン、顔に入った横一線の傷が特徴。また、単行本カバー下では肩や足にもいくつかの傷が残っている様子。この化け物に傷を入れられる奴がいたのか。
顔の傷は「お前は器量が良い娘なのだから女として生きてもいいのではないか」と問いかけた父親への返答として自らつけた傷であり、「女を捨て、サムライとして生きて死にたい」という彼女なりの意思表示。
なお、彼女の言う「侍として生きる」というのは死力を尽くした戦の中で殺されることであり、強くなること・勝ち続けること・生き残ることではない。
身も蓋もない言い方をしてしまえば、一種の自殺願望である。
ただ、死に場所こそ求めているが死にたがりではなく、高所から落とされて生き延びた際には人並みに安堵するような場面もある。
自分の価値観は他人も共通と思っている危険な傾向があり、魔物に人質に取られた勇者がいても「戦士なら討ち死にを望むはずなので殺して結構」と人質を無視して動いたり、魔物が最後まで反撃せず逃げようとした時には失望したような表情を浮かべることもある。
ドラクロからは「傲慢」と指摘された。


念願叶って関ヶ原の合戦にて西軍として戦うが、鉢金に銃弾を受けて意識を失い、気付いた時には戦が終わっていた。
ちなみに、死体だと思われたのか、それ以外に外傷もなく、敵も味方も撤収してしまっていた。
その後は落武者として斬り合いの日々を過ごしていたが、ある時訪れた寺で仏の粋な計らいにより、中世ファンタジー風の異世界に飛ばされてしまう。
異世界に着いたギンコは当初こそ驚きはしたが、魔物と戦う人々を見て「混ざりたい!」と目を輝かせ、存分に剣を振るうことで異世界生活をエンジョイしている。


を持たず剣一本で合戦を生き延びる程の剣の達人であり、大の男を縦に一刀両断できるほどの使い手。
魔物相手でも一瞬でオークやトレントを輪切りにしたり*3、三つ首のバジリスクを戦闘描写なしであっさり倒すなど、ずば抜けた戦闘能力を持っている。
また、あくまでメインウエポンが刀であるだけで、ギンコ自身は武芸百般を自負しており、大の男でもまともに引けないような大弓を正確に扱う事もできた。
持っている刀は「銀横綱」「銀大関」と名付けているが、関ヶ原の戦いで拾っただけの無銘の刀である。
戦闘に関する勘も冴えており、遠く離れた洞窟に封じられた魔物もあっさり見つける事ができるが、その反面平穏な場所は苦手。


ミコ

森でトレントに襲われているところをギンコが救った子ども。一人称はぼく。
可愛らしい風貌だが「お姉ちゃん」と言われてショックを受けているあたり、男の子だと思われる。ついててお得。
文字通り花やその種を用いる「花魔法」の使い手で、花畑へワープしたり魔力で植物を品種改良したり、一粒で拳大のひまわりの種を射出する魔法を扱う。
勇者になる事を夢見ており、戦闘用の魔法も勉強中。
上記の種発射魔法は爆発する品種を用いるなど研究・改良を進めているが、手負いのグレムリンには傷一つ与えられなかった。
頭が良く洞察力も優れており、店主の身なりから密かに取引をしていた魔法本の存在を見抜いたほど。


ギブリール=ルー

孤児院を営むシスターであり、ミコの育ての親。愛称は「ルゥ」で一人称は私。
シスター服で隠しきれないでっかいものが特徴。下着もやたら大胆な本作のセクシー担当。
また、60年以上生きているが実はエルフであるためまだまだ美貌は衰えていない。
普段は明るい姉御肌な性格だが、ミコに対しては少々過保護気味。
初対面のギンコを「ドブ川みたいに血の匂いのするヤロー」がミコの側にいたという理由で殺しかけ、ミコの知り合いと分かった途端明るく接する豹変ぶりは、ギンコからさえ「狂人」とまで言われたほど。


かつては腕の立つ「槍の勇者」だったが、魔物に襲われ親を亡くした子供達を放って置けず、親代わりとなるためシスターとして孤児院「愛の家」を建てた。
なお、多くの子どもたちの面倒を見てきたが、現在孤児院にいるのはミコ一人。
現在も槍の使い手として魔物退治をしているようだが、三ツ首のバジリスク*4相手に呪いを受け、体が石化しつつあった。
バジリスクも洞窟に封じていたため緩やかに石化が進行するという状態で、どちらが先に死ぬかの根比べをしていたのだが、ギンコによってバジリスクが倒されて呪いが解け、ギンコとも打ち解けるようになる。
しかし、ギンコに染み付いた血の匂い=大量殺人者であることに警戒は解いておらず、勇者ギルドの「法の勇者」に裁定を委ねる。
シスターをやってるおかげか回復の魔法も操れるが、使えても2回が限界で、1回使うだけでも死にそうなほど疲弊してぶっ倒れる(そして吐く)など、魔法を使う事には向いていない。


グルニカ

「火の勇者」と呼ばれる勇者の一人。
金にうるさい性格で、人々の無事より獲物と報酬を横取りされた事に苛立ちを隠そうともしないで兵士に当たり散らす困った人物。
大きな三角帽子に杖を持った分かりやすい魔法使いであり、指パッチン一つで巨大な火柱を発生させる事ができる。
ワープ直後にギンコの放った流れ矢*5によって頭を射抜かれ落下、頭が原型を留めないほどの無惨な落下死体となるも、直後に何事もなかったかのように復活。
「死者の蘇生は不可能」「肉体の欠損は治せない」というこの世界の魔法の原則すら超えるほどの魔法使いであると言える。


ヴォルス

「斧の勇者」と呼ばれる勇者の一人。
バイキング風のカブトに小柄な体、豊かなヒゲの、分かりやすいドワーフ。
爆破の魔法と大斧の一撃を組み合わせた爆斧の破壊アクスボカンが必殺技で、竜さえ砕く事ができると豪語する。
ただし、一撃の破壊力こそあるものの大勢を相手にするには向いていない。


ドラクロ

「法の勇者」と呼ばれる勇者の一人にして、裁判官。
一見上品そうな老人男性だが、出会い頭に「魔物の中でもひときわ根性の腐ったカス野郎と決めつけて宜しいか」と煽るなど、敵には容赦がない。
魔力で動く魔力人形マナニア『ジャッジ』を呼び出し、相手の記憶を読み取って即座に判決、有罪と見れば裁きを下す
巨大な木槌ガベルや細身のテミスを操る。


シレーヌ

王都アヴァロンの王族の少女。
フルネームは「アーサー・シレーヌ・アルトリウス・フォン・アヴァロン」。
体力こそ無いが、戦闘用の魔法人形を操る魔法を持っており、王都の外にまで配備している。
当然それだけの魔法人形を操っているため魔力の消耗も激しく、魔力の超過で吐血をしてしまうこともある。
自国の民を愛し、民を守るためなら限界を超えて魔法を使うことも厭わない献身的な少女。
ただし、その慈愛の精神は自国の民に対してのみのもの。
余所者に対しては一切の情もなく、知らずに守ってしまった際には「守って損した」と本人の前で言い放つほど。
「我が民以外はクソどうでもいい」「よそ者はアヴァロンから出ていけ」など、王族としてアウトな発言をバンバン垂れ流す、多分公的な場に出しちゃいけない危険人物。
数多の勇者が魔物の犠牲になる事に心を痛めており、その元凶である魔王の討伐をギンコに依頼する。


ギンコの父

文字通りギンコの親。
既に故人であり、ギンコの回想でのみ登場する。
彼もまた侍であり、ギンコを侍として育てる。
そして、最後の稽古としてギンコと真剣勝負の末、その命を落とした。
つまりはギンコを修羅として育てた張本人であり、この物語の元凶とも言える。
ただし、強要・洗脳のようなことはしておらず、せっかく器量がいいのだから女として生きてはどうかと問うてもいる。
また、「未熟な者が戦場に出るのは敵にも味方にも無礼」「命の覚悟がない者には傷一つつけない、もしやってしまったら速やかに自害する」など、高潔な精神の持ち主でもある。
侍狂いとでもいうべき彼女の気質は本人のものであり、強いていうなら関ヶ原で戦死できる程度の強さに止めておかなかったという意味では確かに元凶である。


ギンコの母

文字通りギンコの母で、ギンコの父の妻。
ギンコを心優しいサイコ才女に育てようと考えており、武士道は頭がおかしいものと考えてる真人間。
ただ、腕っぷしは強いのか無神経な発言をする旦那の頭を軽率に引っ叩いたり、耳を引っ張ったらうっかり千切ってしまったりと、やはりギンコの母であると認識できる(物理的に)強い女性。




「赦しはいらぬ。追記修正が欲しい。」


「私が鬼なら、wiki篭りのはびこる地獄の世へ、いっそ……」


「いいよ。」


[#include(name=テンプレ2)]

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,5)

[#include(name=テンプレ3)]


  • ギンコちゃん狂人カワイイ。 -- 名無しさん (2023-06-14 11:41:19)
  • どこぞの妖怪首おいてけと大差ないメンタルしてるよねギンコちゃん・・・ -- 名無しさん (2023-06-14 18:41:43)
  • 闘争の中で名誉ある死に方を求めてるんだから、墜落死免れたなら安堵するよ -- 名無しさん (2023-06-14 19:26:46)
  • 生きてほしいな、ギンコちゃん -- 名無しさん (2023-06-14 22:54:55)
  • 罰としてまだ甘い噛んでるガムをくれる美少女ヤンキーウィザードが出てるらしいぞ! -- 名無しさん (2023-06-15 06:48:29)
  • ↑ むしろご褒美言われてて笑った -- 名無しさん (2023-06-15 09:03:02)
  • モンスターが跋扈する修羅場だから、ギンコみたいなメンタルの戦士が沢山いてもよさそうなのに、ギンコだけがドワーフに異常者扱いされるのか納得がいかん -- 名無しさん (2023-06-15 09:46:55)
  • ↑長期間に及ぶ人類種への隷属的支配に加えて勇者による解放後も魔物という悪意ある異種族との争いが絶えないから、悪党等討伐は有れど同じ人類種同士での利害関係による政治的な戦争という概念が存在しないのではないだろうか?故にギンコのような善悪抜きの殺し合いの中に美学を見出す価値観を理解できないものかと -- 名無しさん (2023-06-15 12:59:40)
  • 関ヶ原の戦いは黒田官兵衛でもあの短さは予想できなかったし -- 名無しさん (2023-06-17 19:38:43)
  • ↑気絶しなくても誉れある死を迎えられてたか? -- 名無しさん (2023-06-17 19:39:09)
  • ツイに上がってる弓ギンちゃん勇ましすぎて好き。扉絵で薙刀も持ってたし武芸百班なのかね -- 名無しさん (2023-06-17 23:08:14)
  • 望みどおりヴァルハラとか修羅道みたいな全員戦って全員死ねそれが誉じゃ的な世界に送ったり記憶だけ過去に送って関ケ原リベンジとかにせず、悪意や暴力もあるけど同時に優しさや笑顔や普遍的な人の営みが存在するニュートラルな世界に転送したのは「剣は捨てなくていいから捨て鉢にならず他人と関わってまともに生きろ」って仏の慈悲なんかな -- 名無しさん (2023-06-25 13:26:28)
  • まあ望みを叶える万能神じゃないから「転生寺に来た悩み人を着の身着のままであの異世界に送る」しかできないってだけなんだろうけど -- 名無しさん (2023-06-25 14:34:54)
  • この手の異世界トリップの主人公って戦いを拒否するのが多いから、逆に戦闘狂って無茶苦茶珍しい気がする -- 名無しさん (2023-07-08 23:00:51)
  • 仏様、転移の際にスキルとか加護とかこっそり乗せまくってそうでこわい -- 名無しさん (2023-07-18 09:23:23)
  • 「転移前からかなりチート気味」「日々の生活に鬱憤やストレスを溜め込んでいた」「自分の欲にはちょっと(?)忠実」と言う点で、ライドンキングの大統領にちょっと似て……るか? -- 名無しさん (2023-07-18 12:06:46)
  • 一人の仏は三千大千世界(三千の世界ではなく千の三乗の世界)を教化すると言われているので、仏様を縁にした異世界転移は別におかしくもないのよね。 -- 名無しさん (2023-08-10 00:42:16)
  • ネタバレ:ギャーーーーーーーーーーーッ! -- 名無しさん (2023-08-16 19:31:39)
  • 最新話で判明したが、↑11の予想通り異世界は異世界で実に一万年(!)は人間同士の戦が無いという極端な世界であるようで、ギンコとは根本的に常識が噛み合わない。どうやらこの辺がこの漫画の肝になりそうだなあ。 -- 名無しさん (2023-08-24 19:24:17)
  • 今のるろ剣のOP見てると抜刀斎の目つきと髪形、ミニマム感からギンコがチラつく -- 名無しさん (2023-09-20 22:32:41)
  • ○ンコちゃんかわいい -- 名無しさん (2023-09-21 00:15:08)

#comment(striction)

*1 アプリ「ニコニコ漫画」でも、コミックウォーカーの公式配信枠「異世界コミック」にて同時に連載中。
*2 ガム自体の起源は西暦300年ごろ、ダンボールの素材も1800年代には生み出されたようなので、あり得ないとも言い切れない。
*3 漫画版では、直立状態の居合=腕の振りだけでオークを輪切りにしている。
*4 通常のバジリスクの首は一本だけで、こいつは突然変異と思われる。なお、漫画版で最初にその姿を見せた時は首が一本だけに見えるが、影にもう2本あることが分かる。
*5 外れ矢と言う訳でもなくグレムリンを撃ち抜いた後に威力を残したまま飛んでった先に偶然ワープした形。よってギンコ込みでその場にいた全員が一切予測しておらずぶち抜いた直後は全員ドン引きしている

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧