エンシェント・リーフ(遊戯王OCG)

ページ名:エンシェント_リーフ_遊戯王OCG_

登録日:2022/05/04 Wed 00:02:00
更新日:2024/06/18 Tue 13:45:03NEW!
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もしかして:アストラル・リーフ



エンシェント・リーフ


通常魔法
(1):自分のLPが9000以上の場合、2000LPを払って発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。


《エンシェント・リーフ》とは遊戯王OCGに登場するカードの一枚。


概要

効果は「デッキ不問の禁止カード」と名高い《強欲な壺》と同等であり、得られる利益は大きい。
その分「LP9000以上」という条件と「2000のライフコスト」が要求されている。


この内ライフコストについては特に問題にならない。
それどころか「たった2000のライフコストで2枚ドローしていいの!?」という位に一粒万倍の取引になる。
理由は2000ライフを失うこと以上に、2枚ドローして得たアドバンテージを駆使して
勝利が揺るがない盤面を築くメリットが大きいため。
最終的に自分のLPを1でも残して相手のLPを0にすれば勝ち、の原則に則れば「コストは」緩いカードになる。


問題になるのは「LP9000以上」という条件。
遊戯王のルールとして、初期ライフは8000。
つまり何らかの方法でライフを回復させないと《エンシェント・リーフ》はそもそも発動できない。


ここで《ご隠居の猛毒薬》等で回復する場合、カード2枚を消費して2枚ドローなので2:2交換となり利益にならない。
それだけならまだマシで、回復カードと一緒に引けなければ腐ってしまう。
他にも相手からダメージを受けても死に札になってしまう等、活用できない危険がつきまとう。


ライフ回復手段をEXデッキのモンスターで賄おうものなら、新たな問題を招く。
そのモンスターを召喚するためのリソース消費次第では、2:2交換を超過するアド損になりかねない。
しかも限られたEXデッキの枠を《エンシェント・リーフ》のために割いたことになるので、
総合的なデッキパワーは下がっている危険すらある。


ライフコストの部分でも触れたが、遊戯王ではLPは軽視されており、それ即ちライフ回復手段の低需要も表している。
LPの回復は生存確率向上の狙いがあるが、敵の優位を許した時点で1000程度のライフは誤差でしかない。
そもそもLPを回復する行為は「相手のLPを0にする」という勝利条件を満たせていないので、メリットの低い動作と見なされる。


本当に生存確率を上げるなら、LP回復ではなく敵の行動をとことん邪魔して布陣を作らせない「妨害行為」が必要になってくる。
そのため、妨害に貢献しない回復カードという時点で立場が厳しいものになってしまう。
そしてそんなカードを要求している《エンシェント・リーフ》の価値も言わずもがな、という結論になる。



ここまでこのカードの欠点(正確にはLP回復の欠点)を書いたものの、無理なく使用できるデッキも存在する。
「回復のためだけにリソースを消費する」筋書きは苦しいので
「何らかの行動のついでに回復するので、回復のためだけにリソースを消費しないで済む」デッキが該当する。


例えば行動に付随してライフの回復を行う【アロマ】がそれに当たる。
展開ついでに1000LPを回復する《プランキッズ・ドロップ》を擁する【プランキッズ】でも、自然と発動条件を満たせる。
「回復をトリガーとした効果ダメージ」を乱発させる【キュアバーン】も採用しやすい。
汎用カードとしては《レッド・リゾネーター》も該当し、1000以上の回復を十分に狙える。
これらは回復が「余計な手間をかける行為」にならないので相性が良い。


ただしこれらのデッキでも、大活躍間違いなしとはいかない。
そもそもLP回復ギミックを採用するデッキも、《デビル・フランケン》等のライフコストカードの乱発や、
《エンシェント・ホーリー・ワイバーン》等の「自分と相手のLPの差」を活かしたカードの採用などの狙いがある。
ここに《エンシェント・リーフ》を採用しても、これらのカードと足並みがそろわず事故を招く可能性も高い。
つまり「他のカードのコストで9000を下回り《エンシェント・リーフ》が発動できない」「2000支払うことでライフ差が縮まる」等の問題が発生する。
そして「相手の攻撃や効果でライフを減らされたら腐る」リスクも克服できていない。


もしこれらのデッキで《エンシェント・リーフ》を使用する場合も、これらの問題点には留意されたし。



イラストに描かれているのは、茎のような胴体と葉のような羽根を持った神秘的な物体。
この羽根は《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》と類似しているが、「エンシェント」繋がりからか?
なお「行動のついでに回復ができる」ため、《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》も《エンシェント・リーフ》と相性はよい。
あちらがエラッタされて禁止カードから復帰したため、併用可能となっている。


追記修正、お願いします。



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以上の通り、このカードは「一般的なデッキではあまり美味しくない」もので、今までも影の薄いカードであった。
上述した【アロマ】の登場で話題にはなったものの、結局【アロマ】では使われずに終わり話題も潰えた。


しかしかつて、【アロマ】の一件以外にもこのカードが多くのデュエリストの耳目を集めたことがある。
注目だけでなく、元々無名のカードだったにも拘らず高値で取引されていた事もあった。




注目の理由

遡ること2017年1月。
アニメ遊戯王ARC-Vももうすぐ終了し、そろそろ次のルール改定が発布されるというとき。
新モンスターの登場、ルールの追加/撤廃に対して、多くのデュエリストは関心を寄せていた。


そんな折に、ゆくりなく一つの噂話が駆け巡る。
そこには「自称」フラゲの筋から、次期のルールについて様々な記載があった。
その中にこのような項があった。


「ゲーム開始時のライフポイントは12000に変更になる」と。


当然、この噂に懐疑的な見方をする者は多かった*1
だが、モンスターの一斉攻撃が決まれば、たかが8000のライフは簡単に消えるくらいにはLPが形骸化している。
度を越したゲーム高速化の対策として、「ありえない話ではない」と考える者も若干ながら存在した。



それと同時に、このような意見も出た。
「もしこの噂が本当なら、《エンシェント・リーフ》が恐ろしいカードになる」と。


何せ初期ライフが12000に増加するので、最大のネックだった「LP9000以上」という条件を勝手にクリアできる。
それだけでなく、ライフ回復ギミック不要で《エンシェント・リーフ》を2枚まで発動可能になる。
これにより、どんなデッキでも使用できる万能ドローソースへと変貌する事になる。


これが耳目を集めた理由である。


公式の発表ではなく、単なるSNS上の噂でしかなかったが、この話によって《エンシェント・リーフ》の売買が活発化。
追い打ちをかけるように某カードショップも《エンシェント・リーフ》の価格高騰を発表している。
ネットフリマや実店舗を問わず、それまでの価格の10倍以上にあたる1枚700円以上の価格設定も散見するようになった。



そして皆様ご存じの通り、次のマスタールールに移行しても初期LPは8000のまま据え置き。
先述の噂がガセと知るや否や、高騰していた《エンシェント・リーフ》もすっかり鎮火してしまう。
淡そかなデュエリストに振り回された、哀れなカードとなってしまった。
なお実際の新しいルールの方がよっぽど大きな混乱を招くことになるが、それは別の話。



余談

ルール改定の憶測/虚偽情報に伴う、カードの栄枯盛衰は今に始まったことではない。


例えばモンスターカード《幻銃士》。
このカードは、エクシーズ召喚についての公式発表の後に価格高騰が発生していた。
と言うのも公式のルール説明が不十分であり「トークンをエクシーズ素材に使えるのでは」という勘違いが勃発。
それによってカード1枚から同じレベルのモンスターを並べられる《幻銃士》に注目が集まったことがある。
その後、トークンをエクシーズ素材に使えないことが発覚し価格が低落したのは言うまでもない*2


《幻銃士》の場合は曲がりなりにも公式の発表に基づいて価格が変動した。
それに対して《エンシェント・リーフ》の場合は、公式ではない1アカウントの根拠のない呟きによって高騰している。
渦中の人々には失礼だが、傍から見ればあまりにも滑稽な事態であった。



《エンシェント・リーフ》の仕儀は
「裏付けの取れていない話に騙されないよう、真偽を確かめる癖をつけましょう」という教訓を示す一例となった。
アニヲタwikiらしからぬ砂を嚙むような結びではあるが、この教訓を忘れないようにネットやSNSを使うようにしよう。






追記修正お願いします。



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  • リンクリボー再録事件とかショップが操作しようとしたようなガセネタもあるからな… -- 名無しさん (2022-05-04 00:43:50)
  • 仮にライフ一万ニ千が実現しても地盤沈下みたくエラッタされそう… -- 名無しさん (2022-05-04 01:21:29)
  • それで転売ヤーが爆死したのかな? -- 名無しさん (2022-05-04 08:42:50)
  • ↑3そんなのあったのか。ラヴァルバルチェインといい、ショップが煽動するのは悪質だな -- 名無しさん (2022-05-04 11:13:05)
  • 「懐疑的な見方をするものは多くなかった」って言ってるけどいやそりゃねえだろと。まず、遊戯王のガセネタはあまりにも日常茶飯事だったので、出処が公式じゃない情報を信用しないのは決闘者には常識だった。この件に引っかかったのも純粋な決闘者ではなく色々手を出していて情報の精査が甘い転売厨がメインだったのではという印象はある、実際当時からいい加減な情報に踊らされる転売厨は嘲笑の対象になっていた -- 名無しさん (2022-05-04 11:30:13)
  • もう少し調べていて気付いたがこれ売る側も本気にしていなかった可能性高いな、情弱を騙してやれってノリだったのだろう。まずN-Rareのガチカードが700円というのは全然高くない。一時期の強謙は2000~3000円程度で取引されるのもザラだったという話なのだから、本気で強欲な壺相当の価値になると見込んでいたならその程度の値段では済まない。 -- 名無しさん (2022-05-04 11:36:57)
  • 仮にガセ通りルール改正されてたらルール改正と同時に禁止確定って性能だし、結局資産価値そんな変わんないよね。 -- 名無しさん (2022-05-04 11:47:47)
  • そもそも9期時点でライフ12000ルールになったところでゲームバランスへの影響ほぼないやんという…… -- 名無しさん (2022-05-04 13:35:34)
  • 当時の遊戯王は既に先行制圧ゲーになってた時期だしな。DDBでワンキルとかやってた時期ならまだ意味があったかもしれんけどねぇ -- 名無しさん (2022-05-04 14:00:53)
  • エンシェントリーフだけに着眼しているがこれ以外にもデビフラや自爆スイッチ(ライフ半減してから成金やチキンレースで1000削るだけで条件満たすから発動が格段に容易になる)が大変なことになるので、明らかに調整としておかしいんだよな。詳しい人ならすぐに変だと分かったはずの案件 -- 名無しさん (2022-05-04 14:03:38)
  • まあデマはよくあったからね。フォレストマンがエアーマンより遥かにやばいぶっ壊れカードという情報が出たなんてこともあった -- 名無しさん (2022-05-04 14:53:21)
  • アロマ使ってるけど候補に挙がったこともないなあ -- 名無しさん (2022-05-04 20:07:21)
  • リンクスに実装されてるけど使われたことあるんだろうか -- 名無しさん (2022-05-04 20:21:05)
  • 使いたいなら大胆無敵やご隠居の大釜辺りも使いこなさないと -- 名無しさん (2022-05-05 10:19:53)
  • リンクスでめんどくさいミッションこなす時に使ったわ。厄介なカード持ってる相手に長期戦になった時、安定して受けられるアロマデッキを使うついでにミッションに必要なカードを引きやすくするために。ゲーム初期でカードプールが限られている+単なるデュエルじゃなくて特定のミッション目的という条件下なら重宝することもある。 -- 名無しさん (2023-07-31 10:08:11)
  • 「懐疑的な見方をする者はあまり多くなかった」は流石に違くね、制限改定の偽コラと同じ程度の扱いで本気にしてた人は少なくともプレイヤーではほぼいなかった気がする -- 名無しさん (2023-07-31 10:54:39)
  • 12期でライフ回復するアロマまた強化されて結構経つけどこのカード使われてるのだろうか… -- 名無しさん (2023-12-09 07:35:29)

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*1 当初この記事に「あまり多くなかった」と書かれていたが、無論、そんな事はない。
*2 ただし、後のリンク召喚実装により今度は本当にカード評価が大きく上がり、TCGでは2022年でも制限カードに指定されている。エンシェント・リーフも頑張れ!!

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