ヘベ(ギリシャ神話)

ページ名:ヘベ_ギリシャ神話_

登録日:2020/12/27 Sun 14:57:00
更新日:2024/05/24 Fri 12:54:14NEW!
所要時間:約 2 分で読めます



タグ一覧
ギリシャ神話 アニヲタ神様シリーズ ヘラ ゼウス 天然 ヘラの愛娘 乙女のヘラ ヘベ 母親似←性格は正反対





■ヘベ

「ヘベ」ギリシャ神話に登場する女神。
オリュンポスに住む主神ゼウスと正妻ヘラの子。アレスヘパイストスは彼女の兄
名前(青春)が示す様に、若々しい可憐な乙女の神として表現される。
青春、若さを司る神で、老人を若返らせたり子供を成長させるなど人を全盛期に変える力を持っておりゼウスらオリュンポスの神々が若さを保つ為に口にする神酒ネクタルや、神饌アムブロシアーを運ぶ給仕の役割を担っている。神メイドである。また、ヘラが春に若返りの泉に入る時に同行しその若返りを助ける役割も持っている。
ヘラクレスがヒュドラの毒に冒され人間の部分を焼いて神へと変わる時に戦車で迎えにくるのがヘベだと考えられその様子が絵にもなっている
ローマ神話ではユウェンタース(こちらも若さの女神、ただしヘベが青春の美を司るのに対してこちらは青年男子の守護神)と習合した。
ヘラの若い頃にそっくりらしく乙女のヘラヘーラー・パイスという名前もある。ヘラが若返るとゼウスも浮気を忘れるほどの美人なのでこの女神も滅茶苦茶な美人なのだろう。実際に美の神を差し置いて神々の中で最も美しいと称える歌もあったりする



シンボルは水差し、または杯。



【神話】

ぶっちゃけ地味(両親や他の兄弟姉妹みたいに悪目立ちするよりは遥かにマシだが。)
主神と正妻の娘という出自こそ凄いものの活躍や出番は数えるほどしかない。
ヘラからはかなり愛されていたようでヘラクレスの出産を遅らせた*1ヘラへの制裁としてゼウスが(全然関係ないのに)彼女の髪を天井にくくりつけて吊るしたことがある。ヘラはこの時うろたえた*2ようだがヘベはそこまで気にしておらず笑っていた。天然かな?
音楽の神やアポロンの演奏を聞きながら宴会でアフロディーテらと共に舞踊を踊っているという話があり宴会を運行する立場だったのだろう。
仕事の給仕もヘマをしてクビにされた、ゼウスがお気に入りの少年を見つけてきたから辞めさせられた、後述の結婚によって寿退社したなどの逸話がありずっとやっていたわけではない。ちなみにヘマをしてクビにされた話の場合ヘラが怒って抗議しているが取り合われなかった。どの逸話にしても後任は水瓶座のモデルであるガニュメデスが就いている
ヘラの愛娘という立場から死後神となったヘラクレスにヘラが和解の印としてヘベを嫁にやるという措置を下している。どんだけ娘を愛していたのだろうか、それともヘラクレスを嫌っていたのか


そんな彼女にも神らしい活躍は少ないがある。
トロイヤ戦争においてはヘラの馬車を用意してヘラがアテナと共にアカイアを助ける準備をし、その後アテナの加護を受けたディオメデスにボコられて帰って来たアレス*3の傷を泉の水で洗い治療している。
ヘラクレスの甥イオラオス*4。ヘラクレスをよく助けヘラクレスの死後イオラオスはヘラクレスの子供達ヘラクレーダイの保護者としてエウリュステウスの迫害から守りながら過ごしていた。
そんな彼も年老い迫害を防ぎきれなくなると彼はゼウスに一日だけ若変えることを祈った。その願いは叶いゼウスはヘベを連れてイオラオスの所に赴き彼を若返らせた。若返ったイオラオスはヘラクレーダイを率いてエウリュステウスを討った。*5この時ヘラクレスとヘベは星に姿を変えてイオラオスを祝福したという。つくづくヘラクレスと縁がある女神である


このようにギリシャ神話らしからぬ(現代日本の常識からの判断であるが)まともで穏やかな性格。活躍も前妻の子を助けるなどかなり好感度が上がるものだったりする。…描写が少なすぎるだけとも言う
だが、本来の美の神より美しいだけに留まらず性格も良くて精神力も強いなんて、あの両親からは考えられないほどのできた娘と断言して良いだろう。


彼女の属性を神話からざっくりまとめると天然ドジっ娘箱入りお姫様メイド嫁。ギリシャ人未来に生き過ぎである


日本での知名度は「へべれけという言葉は『女神ヘベのお酌』に由来する」という民間語源で多少知られる程度。






追記修正は親に吊るされてからお願いします。





[#include(name=テンプレ2)]

この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,3)

[#include(name=テンプレ3)]


  • ある説によるとヘラクレスは元はギリシャの先住民の主神でヘラの夫だったらしい。またヘラとヘベは元は同一の女神でギリシャ神話に統合された際にヘラとヘベの二人の女神に分けられたらしい。 -- 名無しさん (2020-12-27 17:59:53)
  • ヘラクレスの名前の意味が「ヘラの栄光」なのも其が理由。ちなみにギリシャの先住民は女系相続で女性優位社会だったらしい。主神の妻の割にギリシャ神話でヘラの扱いが悪いのは元は征服された側のギリシャ人にとっては外来の女神だったからっていうのもあるかも -- 名無しさん (2020-12-27 18:08:53)
  • ↑女性だけの戦闘民族として有名なアマゾネスが出てくるのってまさか… -- 名無しさん (2020-12-27 18:11:10)
  • ↑さすがに女性だけの民族ってのは無いと思うけど戦争の際に女性も戦闘に参加していた位はあるかもな。ケルトかどこか忘れたけど古代では戦争の際に女性の巫女が戦場に同行する風習があったらしいし -- 名無しさん (2020-12-27 18:23:17)
  • ↑単に「長髪の男性を誤認した」説というのもあったりするのぜ(男が髪を伸ばす文化が無いせい、という話。ケンタウロスと同じような起源) -- 名無しさん (2020-12-27 23:47:57)
  • ↑アマゾネスの元になったのは女系相続だったその先住民というのもあるだろうけどその長髪の男性説も捨てきれないのか… -- 名無しさん (2020-12-27 23:51:44)
  • ヘラクレスの父親もゼウスだから弟と結婚した事になるんだよな。まあ、古代では異母姉弟での結婚は普通だったけど -- 名無しさん (2022-05-14 17:37:13)
  • ゼウス神と女神ヘラの子供にしてはまともすぎるくらいまともな女神さま。悪い面は兄二人に遺伝したのだろうか -- 名無しさん (2022-05-14 17:51:29)
  • ゼウスなんか同母同父兄妹のデメテルに手を出してなかったっけか -- 名無しさん (2022-07-08 14:42:41)
  • ↑昔は近親婚とかが当たり前の価値観だったので神話にもそういう話が多いのでしょう。デメテル様なんかポセイドン様にもレ○プされてるしとことん男運がない。 -- 名無しさん (2022-07-08 18:20:49)

#comment(striction)

*1 ヘラクレスが生まれてくる時の祝福として、次に生まれたペルセウスの末裔が王になるという予言をゼウスがしていたのを妨害するため。これのせいで同じくペルセウスの末裔のエウリュステウスが王となりヘラクレスに試練を与える
*2 ヘラはポセイドンと組んでゼウスに反逆しようとしたが失敗し、罰として雲に括り付けられて吊るされたことがある
*3 トロイヤ側についていた
*4 種違いの兄弟のイピクレスの子。
*5 一説にはエウリュステウスは捕らえられヘラクレスの母に引き渡された。この時に命乞いをしたがヘラクレスの苦労を想った母は許すことができず殺された

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧