レーサーミニ四駆ジャパンカップ(ゲーム)

ページ名:レーサーミニ四駆ジャパンカップ_ゲーム_

登録日:2018/01/30 Tue 21:14:23
更新日:2024/02/16 Fri 14:27:41NEW!
所要時間:約 7 分で読めます



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「レーサーミニ四駆ジャパンカップ」とは1989年8月にコナミより発売されたファミリーコンピュータソフトの事。ジャンルはパーティーゲーム。
当時爆発的人気を誇ったミニ四駆をテーマとし、その広告塔的な存在だったコロコロコミックとのタイアップも行っている。
「プレイヤーはマップをグルグル回りながら資金を貯め、ミニ四駆やパーツを購入し、レースをこなしながらジャパンカップの出場及び優勝を目指す。」
というのがゲームの大まかな流れ。
この手の「マーケティングの一環でゲーム化してみました」な代物、ましてやパーティーゲームなんかは、大抵出来が非常に悪いというのが世の常ではあるが、
蓋を開けてみればそんな心配はどこ吹く風、本作はなかなかどうしてかなりユニークで、かなり遊べるゲームとして世に生まれたのである。



プレイアブルキャラクター紹介

ゲームに参加できる人数は2-4人。
プレイヤーは4人いるキャラクターから一人を選んでプレイする。同キャラは選べない。

  • フランコ

「フランケンシュタインの怪物」をそのまま子供にした感じの男の子。デベソ。
不細工で頭も悪いのでそれで割を食う事も多いが大柄で力持ちなので、体がモノをいうイベントでは概ねオイシイ思いをする。
因みに彼の母親は彼がいないとすぐ「フランコ死んじゃったのかしら?」と口にする。やはり人造人間なのか?


  • ハカセ

グルグル眼鏡をかけた少年。
「眼鏡=ハカセ」の黄金律は、少年時代を体験した諸兄なら説明は不要だろう。
ゲーム的にもそれ以外の特徴がほぼない。でも歌は上手いらしい。
因みに彼の母親は彼と瓜二つ。やはり眼鏡が本体なのか?


  • ミナコ

頭に付けた大きなリボンがチャームポイントの少女。
本作は男性(性別とは言ってない)オコトワリのイベントも幾つかあるので、女性である事はそれ自体がアドバンテージ。
ただ、本人はジェットコースターに動じなかったり、大人に対して啖呵切ったりと、かなり勝気な性格をしている。
それが災いしてか、紅一点のくせして「女性として頂点に立てない」という悲しい業を背負っている。


  • カマコ

「男装の麗人っぽい恰好をしているけどやっぱり男でした」みたいなグラフィックの、所謂一つのオトコの娘。
フィジカル、メンタル共にからっきしだが、女らしさはだけは他の三人の追随を許さない。
ミスコンイベントでは、なんと女性のミナコを差し置いて堂々と優勝する。コナミ未来に生きてんな。




色々ルーズな日常パート

本作のマップは
様々なイベントが起こる外側の方形「田舎」
ミニ四駆関係のお店が並ぶ内側の方形「シティ」
という所謂「回」の文字の様な大小二つの方形で構成されている。
プレーヤーはゲーム前に設定したターン(日数)分、ココでルーレットを回して資金やアイテムを集めながら、来たるミニ四駆大会への準備を進めていく。



さて、プレイヤー達は田舎では
人んちの畑を荒らしてイモを盗ったり(犯罪です)
飲み物が出ない自販機にキレて自販機ごと持って帰ったり(犯罪です)
アイドルのスキャンダラスな写真を本人に買ってもらったり(絶対にやめましょう)
して懐を温めるのだが、これらイベントマスは「踏むキャラクター毎に内容が違ってくる」という面白い特徴を持っている。
たとえば「アルバイト」というイベントマスを例にとると…


「フランコは じぶんのとくぎをいかし おばけやしきで アルバイトをした。」
「ハカセは じぶんのとくぎをいかし ベビーシッターの アルバイトをした。」
「ミナコは じぶんのとくぎをいかし おばあちゃんの かたたたきをした。」
「カマコは じぶんのとくぎをいかし ロリータクラブで アルバイトをした。」


と、いう具合となる。
また、同じキャラクターでもその時のバイオリズム*1によって、例えば


「フランコは手が大きいから現金つかみ取りで大量の金をゲット!!」
「フランコの手が大きすぎてそもそも穴に入らない。


という風に結果も変わり、一つのイベントで何度も楽しめる様になっている。
さらにさらにイベント自体も豊富で、
魔法使いにパーツが欲しいと懇願 → 「なんと持ち物欄にパンツが!」
占い士に占いをお願いする → 「結果が出ました!ついでにウ〇コも出ました!」
念を込める → 「親方!空からプレイヤーが!」
てな感じのヘンテコで笑えるモノが盛りだくさん。ぶっちゃけミニ四駆という存在を忘れて漫然と過ごすだけでもかなり楽しい。
プレイ中はほとんどの時間をレースの準備期間であるこの日常パートに費やす事になるのだが、その作業が退屈しないのはこのゲームの大きな美点と言えよう。




ガチでタイトなレースパート

大会の期日になったり、プレイヤー同士が同じマスに止まったりするとレースパートの開始となる。
レースに勝利するとその成績に準じたポイントを獲得する。それが一定以上ある事が最終決戦であるジャパンカップの挑戦権となる。
プレイヤーが出来るのはマシンパーツ取り替えのみで、直接的な操作はできない。種類は以下の通り。


  • 草レース

プレイヤー同士が重なると発生する賭けレース。
レーンという枠組みがなく、氷上やグラベルなんてコースもあるので速ければ勝てる、というわけではないのがミソ。


  • ドラゴンウェーブ

第一回大会。緩やかなS字カーブが連続したほぼ真っすぐ(矛盾)なコース。
単純なスピード勝負となるため、セッティングはまだそれほど難しくない。


  • クラッシュレスリング

第二回大会。一言でいうならミニ四駆でやるベイブレード。円形のリングでぶつかり合い、場外にはじき出されたら負け。
重量重視という第一回、第三回とは真逆なセッティングが必要となり、バイオリズムも重要となるので前後の調整が非常に難しい。


  • スピードフラッパー

第三回大会。名前とは裏腹に、スロープあり、ヘアピンありといったテクニカルなコース。
常にコースアウトの危険性があるため、ドラゴンウェーブより難易度は高め。


  • グレートコンバット

第四回大会。いうなればグレートな草レース。
障害物あり、クラッシュ不可避の地雷(!?)ありと、通常の草レースより更に運の要素が強いのが特徴。


  • ジャパンカップ

第四回大会終了時点で挑戦権を得ているプレイヤーがいた場合開催される。
直線、S字、スロープ、立体交差がある複合的なコース。
これまでの大会とは違って周回制であり、ラップごとに走るレーンが異なる為、一周走れたからと言って安心はできない。
「最終ラップの最後の立体交差でコースアウト!」なんて悲劇もよくある話。



社会秩序がゆるゆるな日常パートとはうって変わって、本題であるミニ四駆レースは実はかなりタイトな難易度設定となっている。
当たり前の話だが、どノーマルなマシンでは大会レースはおろか、草レースにすら満足に勝てない。
当然マシンを替えたりパーツを買ったりして強化するわけだが、攻略に必要な要素を上げていくと…


  • 先ず当然大量の資金が必要となる。
  • ミニ四駆の部位毎にパーツを買い揃えなくてはいけない。*2というかまずは所持アイテム枠を増やすアイテムを買う所から始めないと碌に物も持てない。
  • 大会ごとに適切なセッティングを施す必要がある。ちなみにパーツ類のパラメーターは全てマスクデータ。少々のリアルミニ四駆知識も必要。
  • パーツは使うごとに劣化する為、一度買えれば安泰というわけにもいかない。しかも一定期間を過ぎると販売中止になるパーツもある、という妙にリアルな仕様も存在する。
  • バイオリズムの調整も重要。上昇下降のタイミングは一定なので、実は初期設定から闘いは始まっている。
  • これらの事を各大会毎に規定日数以内でこなさなくてはいけない。

…文字に起こすだけで頭が痛くなってきそうである。
ガチでの攻略をするなら、
「どんなコンディションでも狙ったマスに止められる目押しの技術」(ルーレットは目押し可能)
「ゲーム内のキャラクター差異を含めたイベントの知識」
「ミニ四駆の本体とパーツの知識」
これらが揃って初めてスタートラインと言えるだろう。
あ、言い忘れていたがセーブ機能はないのでリセゲー作戦は当然使えない。…当時ジャパンカップまでたどり着けた小学生はいたのだろうか…。




じつはメインなオマケパート

しかしレースの難しさは、実はそれほど深刻な欠点とはならない。
なぜなら本作は「マシン、パーツ使いたい放題でレースだけを楽しむモード」が存在するからである。
コナミらしくそれは隠しコマンドという形で隠してあるのだが、割と緩い条件で紹介されるので何度か遊べばそのうち知ることが出来る。
「パーツのパラメーターが全てマスクデータ」である事が逆に功を奏し、プレイヤーはこのモードで心いくまで試行錯誤を繰り返すことが出来る。多人数プレイもかなり熱い。


日常パートでしこたま笑い転げ、
大会でミニ四駆の厳しさを痛感し、
納得いくまでマシンを弄り、
そしてまた通常プレイに戻っていく。


こう考えるとなかなか心憎いゲームデザインと言えるだろう。
これほどの良作であるにもかかわらず、現在本作を遊ぶ手段は皆無に等しい。
ヴァーチャルコンソール等のリストにも乗らず、リメイクのなどの話も上がらないのは何とも残念な話である。
え?理由?もう一度最初から読んできなさい。




追記、修正はコロコロコミックを買ってダッシュ!四駆郎を読みながらお願いします。



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  • 確かに面白かったわ、ジャパンカップまで行けたが優勝は無理だったが… -- 名無しさん (2018-01-30 21:37:21)
  • コナミすげぇ… -- 名無しさん (2018-01-31 09:23:48)
  • 店によっても物価が違うから残り期間と相談して止まる店も選ばないといかんのよね -- 名無しさん (2018-01-31 12:10:45)
  • 『コナミが悪い』とミスリードを誘ってるように見えるのが鼻につく。もうひとつ項目のあるミニ四駆ゲーではメーカーに言及されてないのが尚更。 -- 名無しさん (2018-01-31 14:36:32)
  • それはともかくとして面白そう。 -- 名無しさん (2018-01-31 14:37:31)
  • この文章のどこに「コナミが悪い」なんて含みがあるんだ?最後の一言の事をいっているなら「こんなモラル0のイベント満載のゲームなんて今の世に出せるわけないだろ」って意味だぞ。それにここではない項目の事を引き合いに出して「尚更」とか言われても困るわ。 -- 名無しさん (2018-01-31 20:55:54)
  • コナミって昔から対象年齢を彼方に投げ捨てたもの作るよね… -- 名無しさん (2018-01-31 21:09:35)
  • VCで出たらCERO Zなのかな -- 名無しさん (2023-02-14 18:41:37)

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*1 一定周期で上昇下降を繰り返すパラメーターの事。本来の意味は「身体」、「感情」、「知性」の心身の状態を表す3種類の波の事…らしい。これの多寡が「ルーレットの速度」「売買時の価格」「レースでのコースアウトのしやすさ」といったゲーム内の様々な要素に直接的に影響する。
*2 パーツの部位は「ホイール」「タイヤ」「ボディ」「シャフト」「モーター」「ギア」「電池」「吸気・排気口」「スタビライザー」「ウイング(三部位)」「ローラーバー(二部位)」「ローラー(三部位)」「ウエイト」とこれだけある。更にパーツを販売しているショップも部位ごとに複数あるので全部揃えるには大変な手間がかかる。

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