登録日:2017/04/14 Fri 08:30:22
更新日:2024/02/06 Tue 10:52:48NEW!
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お次の番だよ酔八拳
当たれば怖い天中殺
マムシ酒ならなお怖い!
■蛇形刁手
『スネーキーモンキー 蛇拳(広東語:蛇形刁手 英語:Snake in the Eagle's Shadow)』は、1978年3月に公開された香港のアクション(カンフー)映画。
日本では続編である『ドランクモンキー 酔拳』のヒットを受けて、1979年12月に公開された。
この他、ソフト化に際し『蛇拳』『ジャッキー・チェンの蛇拳』……と云った表記も用いられている。
主演はジャッキー・チェン(成龍)
監督はユエン・ウーピン(呉 思遠)
思遠影業公司製作、配給。
1978年香港映画興行収入8位。
日本での配給は東映。
劇場公開時は松田優作の『処刑遊戯』との同時上映だった。
【概要】
香港映画最大のスターであり、世界的にも名を知られるジャッキー・チェンの最初のヒット作。
ブルース・リー(李 小龍)の死後、各映画会社ではその後釜を狙って多くのアクション映画が製作されており、リー映画でスタントマンをしていた経験もある当時のジャッキーもまた、そうしたスター候補の一人ではあったものの、アクションはともかく、ジャッキーを含めて誰一人としてリーの後継者となれる様なスター性を獲得出来る人材は居なかった。
遂には厄介者として雇い主のロー・ウェイから新興の思遠影業に出向させられたジャッキーが自らアイディアを出し、紋切り型のカンフー仇討ち物から逸脱させると共に、自身の好むコメディ的な要素を加えて製作したのが本作であった。
結果的に映画はヒット作となり、リーのコピーではない、ジャッキー独自のユーモラスな個性が世間にも認められることになった。
本作のヒットを受けて、ほぼ同一のスタッフ、キャストで更に独自色を強めて製作されたのが『酔拳』であり、本作以上のヒットを記録すると共にジャッキー・チェンの名を知らしめることになったのである。
【物語】
清朝の時代。
長らく対立を続けてきた暗殺拳の二大流派である蛇形拳と鷹爪拳。
そんな中、近年になって鷹爪拳の首脳格であるシャンカンイーユン(上官逸雲)らは蛇形拳の消滅を目論見、自分達の手で蛇形拳の指導者や、その教えを受けた弟子達を抹殺していく。
シャンカンらの最終目標は老師パイ・チャンティエン(白長天)。
しかし、彼は乞食に身を窶して各地を放浪している為、その行方を探すのは簡単ではなかった。
……あるカンフー道場に、天涯孤独の青年チエンフー(簡副)が居た。
彼は道場主のハン先生の厚意で下働き兼弟子として置いてもらっていたのだが、底意地の悪い師範代達は、チエンフーにカンフーを教えずに下働きだけを させた挙げ句、金持ちの息子達を留め、また新たに集める為のエサとして、自分達やドラ息子達の殴られ役にしていたのだった。
お使いを頼まれたチエンフーが町に出ると、ライバル道場の人間に袋叩きにされている(ように見えた)乞食の老人…パイが居た。
腕もないのに助けに入ったチエンフーは何故か(パイの手助けによって)ライバル道場の連中を撃退。
パイを自分の塒にまで連れ帰る。
チエンフーのことを気にいったパイは、彼が道場で辛い立場に居ることに同情すると、自分の茶碗を取ってみせろと云うゲームを名目に、拳法の足捌きを見せる。
翌日、姿を消したパイの書き残した足捌きの絵と、パイの見せた動きから言わんとしていることを悟ったチエンフーは練習に励み、見事に足捌きの基礎を(大幅にアレンジしつつ)マスターする。
少し後のこと……蛇形拳の有力な生き残りであるチュー・チャイチーに会いに来たパイは、チューからの伝言を発見するも鷹爪拳の刺客に襲われ手傷を負ってしまう。
同じ頃、マスターした足捌きにより役人のデブ息子に恥をかかせてしまい責められ、やり場のない怒りのままで道場を飛び出したチエンフーはパイと再会。
親身になって看病してくれたチエンフーの姿に、パイは遂に秘伝の殺人拳である蛇形拳の伝授をするのだった。
みるみる腕前を上達させたチエンフーは、恩師であるハン先生をも倒した拳法大会優勝者の蟷螂拳の使い手をも一蹴するが、偶然にもその戦いを見ていたシャンカンはチエンフーの業がパイ・チャンティエン直伝の技であることを見抜くのだった。
そして、身分を偽りチエンフーに接触したシャンカン……果たして、師弟の運命と鷹を狩る為に生み出されたチエンフーの新技、猫爪拳の威力とは!?
【登場人物】
※1982年4月テレビ朝日『ゴールデン洋画劇場』初放送。
■チエンフー(ジャッキー・チェン)
声:石丸博也
カンフー道場で住み込みさせてもらっている孤児あがりの青年。
※ジャッキーによれば、この当時の映画出演で見せていた蛇拳等の型は、中国戯劇学院で習い覚えた基本の動きであったという。
■シャンカンイーユン(ウォン・チェンリー)
声:津嘉山正種
鷹爪拳(吹替版では『鷹牙流』となっている)の首魁。
圧倒的な殺人技の使い手で、パイ老師の使う蛇形拳すら捉える鷹の爪を持つ。
その姿とキャラクターから直ぐに理解出来るが『ドラゴンボール』の桃白白は彼が元ネタである。
この他にも、当時のカンフーブームが後の日本のオタク、サブカル文化に与えた影響は大きいので、知らない人間は見てみることをオススメする。
※“スーパーキッカー”とすら讃えられたガチの格闘家で、軍隊も指導したテコンドー系の達人。
ラストの殺陣で誤ってジャッキーに蹴りが当たってジャッキーの前歯が吹き飛んでしまっており、ラスト近くの場面で確認が出来る。
■パイ・チャンティエン(ユエン・シャオティエン)
声:小松方正
蛇形拳派の長老にして、流派最高の使い手。
一箇所に留まらない乞食のような生活をしているが、チエンフーを気に入り拳の修行を施す。
※1948年から数々のカンフー映画で武芸監修を務めた程の人物で、ジャッキー等のアクション指導の教官でもあった。
本作では監督であるユエン・ウーピン、出演の他、自身の激しいアクションシーンで代役をしているユエン・シュンイーの二人の息子も関わっている。
一線を退いていた頃の、この『蛇拳』と『酔拳』での成功を受けて老師役が当たり役となり、以降も幾つかの映画に引っ張り凧となったシャオティエンだが末期ガンを患っており、最後まで映画の仕事に関わりつつも80年12月に逝去している。
■師範代(ディーン・セキ)
声:及川ヒロオ
ハンのカンフー道場の師範代で、チエンフーをいじめていた。
偉ぶってばかりでカンフーの腕前は心許なく、拳法大会優勝者には教官との二人掛かりでも歯が立たなかった。
※初期ジャッキーの、日本で云う『拳』シリーズでの共演で知られるコミカルな演技を持ち味にする性格俳優。
よくみるとハンサムなのが小憎らしい。
※この他の出演者としてワン・チアン、シュウ・シア、チウ・チーリン、フォン・ハクオン……etc.
【余談】
※本作のアクションシーンで、ジャッキーは前述のラストシーンで前歯を蹴り折られている他、ロシアの宣教師との戦いでは本物の刀を使ってのアクションであった為に僅かなれど本当に切られている……との事。
撮影が終わったと時には余りの痛さに悲鳴を挙げたとの事。後の俳優人生で負う怪我を考えると本当にかすり傷としか思えないのが凄いが。
※東映配給の『拳』シリーズでは、日本オリジナルの主題歌やそれを利用したBGMが付加されるのがお馴染みになっていたが本作ではされていない。
※ラストシーンではかなりの部分がカットされているらしく、ダメージによる服装の変化等の繋がりが不自然になっている。
本来の香港公開版には存在したとされるが、現在ではどのメディアでも見ることが出来ず、当時のスチルで確認出来るのみであるとの事。
追記修正は猫形蛇拳を極めてからお願い致します。
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