登録日:2014/06/20 (金) 20:28:37
更新日:2023/12/18 Mon 13:43:03NEW!
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gunslinger_girl イタリア 弟 復讐者 ガンスリ 優しい人 担当官 木内秀信 三戸耕三 復讐鬼 ジョゼ ジョゼッフォ・クローチェ
「後悔しないように、やるだけのことはやるさ」
漫画「GUNSLINGER GIRL」の登場人物の1人。愛称はジョゼ。
CV:木内秀信(アニメ1期)
三戸耕三(アニメ2期)
社会福祉公社作戦二課に勤める義体担当官の1人。フラテッロはヘンリエッタ。黒髪ショートのガタイの良い男性で基本的に人柄は穏やか。
しかし兄のジャンと同じくクローチェ事件によって家族を失っているので、時折見せる五共和国派に対する復讐心に満ちた顔は他者を恐怖させる。
11巻における鐘楼での戦闘でミサイルの爆発で飛来した破片ないし瓦礫によって右目を負傷。生命に別状こそ無かったが失明してしまい、以降アイパッチを着用している。
基本的に人当たりも良くパートナーのヘンリエッタや義体医師のビアンキも含めて周りとは、公社職員とはそれなりの関係を保っているが
時折見せる復讐者としての顔や愁いを帯びた表情から「辛気な顔して子供とじゃれついて気味悪い」などと言われていたりもする。
実際、2巻の時点でヘンリエッタは五共和国派に憎しみを募らせるジョゼの顔を見て戸惑う場面があったり
4巻で護衛の任務に就いた際に、その対象となったダンジェロ婦人から「憎しみが透けて見えるよう」と評されたりしている。
ヘンリエッタは義体候補を決めかねていたジョゼが目に止めた連続殺人事件の生き残りの少女が素体であり
善行か同情かはわからなかったがとにかく彼女を救いたいという気持ちの下で自身のパートナーとして選出した。
ジャンと違って義体は消耗品であると割り切れずに、条件付けは軽めに設定しているらしいが
それが逆に災いして、ジョゼを思うヘンリエッタが度々暴走してしまいその度に苦言を呈されることとなる。
加えて、ヘンリエッタのことを嘗て失った自分の妹のエンリカと重ねて見てしまっている節もあり
彼女のことを大切にしてやりたいと思いながらも、その距離感に頭を悩ませている描写も多々ある。
その点に関してはもっと近づきたいけど、自分は他の子より大切にされているからこれ以上を求めるのはワガママかもしれないと思っているヘンリエッタも同様だったり。
一応ヘンリエッタの暴走は彼女の義体としての優秀さで相殺されてはいる模様。
実際のところ、ヘンリエッタに対しては任務の失敗で落ち込んでいる時に、一緒に屋上で天体観測をしてやったり
クリスマスにはプレゼントにカメラと日記帳を送ったり、一緒にオペラを見に行ったり。
その他にも細かいところで色々と気配りをしてやったりと、正に仲睦まじい兄と妹として接している。
しかし一方で前述したように彼女との距離感を掴みかねているのも事実で
1巻で「いつも彼女の尊敬に値する人物でいるくらいことはしてやらなくちゃいけない」と語り
4巻でもビアンキに妹ごっこを演じているに過ぎない現状を愚痴ったりもしている。
6巻では亡き妹の服をヘンリエッタに着せたりして、そのことをジャンは「いくらなんでもやりすぎだ」と言っている。
そして10巻で記憶障害が進行したヘンリエッタに優しく「ずっと側にいる」と答えていたのだが……
任務の際の使用武器はFN P90タクティカル FNファイブセブンなど。
戦闘は基本的に義体が行うのでジョゼ自身が参戦することはそれほど多くはない。
話術や交渉などの事務的な事項はジャンが片付けることが殆どなので
序盤~中盤にかけては荒事で目立った活躍はしていないと言える。
社会福祉公社に来る前は軍警察の憲兵隊所属の中尉。大戦の英雄であった祖父から軍人としての生き様を教え込まれていてそれが憧れだったという理由もあってのこと。
他の誰もが仕事優先ということもあって妹のエンリカを特に大事にしており、仕事で多忙な中でも少ない時間を見つけて会いに行く程。
エンリカの方もそんなジョゼのことを家族の中でも一番大切に思っていた。
しかし同時にそんな妹の存在を疎ましく思っていた一面もあり、家族のことを忘れられる戦場と言う場所を好んでもいた。
だが、両親が政治方面での有名人ということでその家族に万一のことがあったらという国防省の判断により
中東・アジア方面への転属を望んでいたジョゼの願いとは裏腹に本国への帰国を命じられることになる。
その現実にやけっぱちになって自棄酒を煽り、エンリカの傍にいる為にと軍を辞めることまで口にするも、その直後にクローチェ事件が発生。
家族の遺体を前にしてその存在を疎ましく思っていた自分のことを強く恥じ、事件発生時に更に退役の事でジャンと共に上官に相談をしに行っていた事からテロへの関与を疑われた事もあり、そのまま自暴自棄になってしまう。
そしてジャンに連れられるままに社会福祉公社へと転職し本編に至る。
以下、終盤でのネタバレ含む。
11巻でクローチェ事件の首謀者であるジャコモ・ダンテが現れたことにより元から内包していた復讐心をより一層強めていき、同時にヘンリエッタの扱いが加速度的にぞんざいになり、公社の誰よりも復讐心に呑まれていく。
鐘楼に籠城した五共和国派との戦いに於いても、他の課員の多くが復讐心で頭に血が上り始めていた状態とはいえ、「正面から突入する2人(死期の迫った一期生)は戦死しても構わない=一期生と共に正面から突入する軍警察の被害は知ったことではない」という作戦を採用するなど兄弟共々復讐心による暴走を始めてしまう。
その影響で精神的にも追い込まれていくことになり、12巻では仮初の兄妹ごっこに興じる自分を責めるエンリカの幻影を見て怯え竦んでしまう。
そんな最中、ヘンリエッタが記憶のフラッシュバックを引き起こしてしまい、投薬による薬物中毒の末期症状であると発覚。
ジャコモ率いる五共和国派との決戦が迫り、戦力確保に奔走していた公社はジョゼに対し「嘗てのアンジェリカ同様病棟に入れて療養させる」か「一度条件付けをリセットした上で大量の条件付けを再度行い、感情の喪失と寿命の大幅減少を引き換えに精神安定を図る」かという二択を迫る。
ジョゼは公社側に「1日だけ考えさせてくれ」と言い、かつてのヘンリエッタの素体との出会いを思い出しながらも、
「このままではヘンリエッタは入院して死を待つだけ、ならば手段を選ばず戦列に加えるのが道理だ」
と考えるも、本当にそれが正しいのかと迷い始めた矢先の夜、エンリカの幻影を垣間見る。
「私より私の代わりのヘンリエッタが大事?」と問いかける彼女に対して「あの時あの子を救ってやろうと決めたんだ!」と返すものの、
「嘘」
と一蹴され、結局ヘンリエッタを救ったのは自分勝手な都合であり、ヘンリエッタは公社で復讐の機会を得る為の贖罪の道具でしかないと断言される。
その先にヘンリエッタが自分と天体観測をした思い出を覚えていないという現実も重なって、彼女の条件付けのリセットを決行。
結果、13巻でヘンリエッタは安定の代償として寿命の大幅減少と感情の大半を失ってしなうも、お前は間違っていないと諭すジャンに対し、僕は元々こういう人間だったと静かに答えている。
また、彼女と2度目の天体観測を行った際、彼女が最初の天体観測を覚えていないという事実を知ると同時にヘンリエッタの為に行っていた禁煙を止めている。妹の亡霊と共に、2度目の天体観測が決定打となったのだろう。
続く原発内でのテロ事件ではヘンリエッタと共に五共和国派と激戦を繰り広げる。
エンリカの幻影が付き纏う中で必死に戦うも、ヘンリエッタが敵に組伏せられた際に記憶のフラッシュバックを起こし暴走。
それを止めようとした際にヘンリエッタの放った弾丸が腹部を直撃してしまう。
しかしジョゼはこれをヘンリエッタを見捨てた報いとし「ヘンリエッタの手にかかって死ぬなら悪くは無い」とする。
そしてお互いに笑みを向けたまま眼球に向けて発砲。ヘンリエッタと寄り添うようにして死亡した。
15巻で全てが終わった後、公社作戦一課のフェルミとガブリエリによって遺体が回収される。
同じ家族を失った復讐者でありながら、妹として接しようと無理な演技を重ねるもそれが上手く行かず、結局は復讐心に呑まれてしまい
妹代わりの存在を見捨ててまで戦いに興じた結果、その妹共々散っていったジョゼに対し
当初から義体を復讐の道具と見なしておきながらも自身の復讐も含めて自然な態度で接していく中で情が芽生えていき
最後には心の底から生きてほしいと願われ、リコと共に生き残ったのが兄のジャンであるという対比は
ある意味で本作における最も重要なポイントなのかもしれない。
皮肉にも、軍属時代に同僚のマルカントーニに零した「兄さんはいつだって自分勝手」という言葉が、最期の最後で自分に返ってきてしまったのかもしれない…
◆作中での主なセリフ
「彼女は僕の為に作った死体を数えています……」
「ここにいるのは年越し休暇に来たただの新聞記者とその姪なんだよ。普通の女の子はそんなもの抱えてちゃいけない」
「とにかく最低な連中さ、思い切りこらしめてやりなさい」
「2人でする話題なんて星や神話の話ばかりで空しくなる…プレゼントは儀礼的で…どれも実がない」
「安心して、ずっと側にいるから」
「自爆されたら生死の確認をどうする!? ジャコモを伝説の存在にするのか!!」
「今日は夜更かししよう、たくさん星の話をしよう」
「今となって思うのは…利己的な生き方、愛情、モラル、偽善! 全てが自分ってことだ!! 俺は誰にも恥じないぞ!!」
「これが…これが報いか…」
「そうか…君にも…これしか…」
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