登録日:2010/04/10(土) 16:22:48
更新日:2023/12/04 Mon 13:39:37NEW!
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伊賀の影丸 漫画 横山光輝 忍者 週刊少年サンデー 小学館 服部半蔵 よく死ぬ 戦死 伊賀 忍法 忍法木の葉隠れ 影丸
○概要
『伊賀の影丸』とは、1961年から1966年まで週刊少年サンデーに連載されていた、巨匠・横山光輝の漫画作品である。
現在の忍者漫画といえば、「NARUTO」などが挙げられるが、今から半世紀以上も前に描かれた本作は、忍者漫画の先駆けと言えるだろう。
(ただし、漫画に限定しなければ、山田風太郎の忍法帖シリーズの方が現代のイメージの忍者モノとしては先である。また、当作品を参考にしている部分も結構多い。)
幕府隠密として首領・五代目服部半蔵に仕える忍者・影丸が、忍法木の葉隠れなどを駆使して幕府に仇なす敵忍者群と戦う姿を描く。
忍者アクションや忍法合戦が単純明快にして痛快な魅力と言える漫画である。
これまでの作品にはあまり見られなかった「権力者のエゴや巻き添えで死んでいく一般人」、「主人公と共に行動し、主人公を超える一芸を持った仲間」、「突飛してはいるものの絶対的な能力を持たない主人公」、「力と力ではなく仕掛けや罠、心理戦といったトリックの入り混じった戦闘」と言ったトリッキーな要素も入り混ぜられている。
○作品内容
基本的な展開は毎回同じであり、
将軍や半蔵が幕府に対する不穏な動きを察知
↓
影丸(規模によっては他にも数名の精鋭)に事件解決の命令
↓
敵忍者との戦いにより、敵味方問わず次々と戦死
↓
敵のボスを影丸が倒す
という流れが基本。
シリーズは全部で、
- 若葉城
- 由比正雪
- 闇一族
- 半蔵暗殺帖
- 七人の影法師
- 地獄谷金山
- 邪鬼秘帖
- 土蜘蛛五人衆
- 影丸旅日記
の九編からなる。
とにかく味方がよく死ぬ漫画であり、味方も幕府隠密の精鋭なのだが敵もかなりの精鋭揃いで、最終的には影丸一人が生き残ることも珍しくない。
現実は非情である。
また、本来は後方で隠密任務をこなす役割の忍者が、敵忍者と1対1で忍法や剣術、火薬や罠などを駆使して戦うという姿はそれまでの忍者像からは大きく異なるものであり、当時のインパクトは大きかったらしい(今でこそNARUTOなどを知っている現代の漫画ファンから見れば当たり前すぎる描写なのだろうが)。
○登場人物
- 影丸
主人公。幕府隠密の中でも特に優秀な忍者として名を知られている。
顔立ちはまだ少年らしさを残しており、仲間を失った時に人一倍悲しむ描写を見せるなどの若さも見られる。
剣術や火術、手裏剣など様々な技能が高く、また彼自身のオリジナル術としては木の葉を使った「忍法木の葉隠れ」や「忍法木の葉火輪」がある。
一瞬の判断力や分析力にも長け、咄嗟に感じた違和感から即座に行動に移る素早さが幾度となく彼の命を救っている。
- 服部半蔵
幕府隠密首領。影丸の上司。毎回、半蔵から影丸への密命により話が始まる。
高齢だが、腕に衰えはない。
- 阿魔野邪鬼
「若葉城」「由比正雪」「邪鬼秘帖」に登場。影丸の最大のライバルであり、死んでも生き返る不死身の体の持ち主。
作品によっては共闘に近い関係になることもあり、主人公を助けた際に「お前を好きで助けたわけではない。お前を倒すのはこの私だからだ(要約)」と、某サイヤ人の王子を思わせる発言をしている(もっとも、描かれたのはこっちの方が先である)。
- その他幕府隠密たち
影丸と共に密命を受け、登場する忍者。
多くが個性的な技や術を持っている。
村雨五兄弟や火術の月之助など影丸に匹敵する活躍を見せる者から、敵にあっさりやられる者まで色々いるが、多くが途中で戦死し、最終的に生き残るのはわずかのみ。
○関連作品
国際警察連合の最高戦力・九大天王の一人として影丸の名前が確認されている。
ただし、名前のみで本人は未登場。
また、敵側として、本作に登場した幽鬼が、十傑集が1人「暮れなずむ幽鬼」、また幻夜斎が物語のキーマンたる「幻夜」として登場している。
なお、過去の事件で原作にちなんだタイトルである「7つの影法師」編の設定もあるとのことだが詳細は不明。
- ジャイアントロボ−地球が燃え尽きる日−
アニメ同様、国際警察連合の最高戦力・九大天王の一人として影丸が登場。
こちらは第一話から姿を見せるが、作者が作者だけに原作より遥かにキャラが濃く、もはや別人。
また、「地球が静止する日」には出ないオリジナル勢力「村雨一家」として、村雨五兄弟が出演している。
- 伊賀野カバ丸
タイトルが似ている。また、主人公・カバ丸の本名は伊賀野影丸である。
しかしパロディ作品でも何でもなく(名前はさすがに本作品が元ネタだろうが)、別作者の少女漫画というだけで中身は別物。
因みに声はフリーザでお馴染み中尾隆聖。
- 仮面の忍者赤影
同作者の別の忍者漫画。伊賀の影丸では敵組織だった飛騨忍者が主役だが、作品間に繋がりはない。
- 風雲児たち
みなもと太郎の歴史大河ギャグ漫画。ちなみにあの『三国志』と同じ雑誌で連載していた。
由比正雪の乱にて本作由比正雪編を「よくまとまってる(自分にコレ以上は描けない)から」と、まるまるコピー(マジにガチなネタ無しの模写)して作者が編集に叱られる…というギャグがある。
古い作品ですが、影丸ファンの皆様、追記・修正は自由にお願いします。
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▷ コメント欄
- ジャイアントロボから興味持って読んでみたけど、絵柄こそ古いが(当たり前)、集団戦や無常観なんかが良く描けてて、凄く面白かった。特に、敵味方共死にまくりのストーリーなだけに、不死身の阿魔野邪鬼のインパクトが凄い。 -- 名無しさん (2014-11-26 19:01:53)
- 漫画とは言え、忍者の特性を良く描写してあって飽きない。ただ(当時の漫画の作劇法としては仕方ないが)主人公側が絶対的正義として語られ、敵方が行えば卑怯とされる戦法や作戦も主人公側が行えば見事な手と賞賛されてしまう等、我田引水的な描写も散見した。 -- 名無しさん (2014-11-26 21:23:14)
- 電子書籍で読んだんだけど、単行本では掲載順がバラバラになっちゃってるんだな…。 -- 名無しさん (2014-11-27 02:23:30)
- 面白いんだけど、作品初期の山田風太郎の忍法帖シリーズからの技流用率の高さはちょっと酷い。特に撃破方法どころか物語としての展開まで同じってのは・・・ -- 名無しさん (2014-11-27 18:11:29)
- もう何十年も前の作品なのに今読んでも面白いって凄いな。キャラは、邪鬼、犬丸、彦三、源心、加毛之助、小雪、如月、夢麿、金目あたりが特に好きだ。邪鬼以外ことごとく死んだけどw -- 名無しさん (2014-11-27 21:34:31)
- ie -- 名無しさん (2016-04-26 01:00:04)
- ↑5 一応、影丸自身も「お互いの任務だから」と言う様な贖罪を言ったりしている。 また主人公側はれっきとした「国の為に戦っている忍者」である以上、敵側が卑怯呼ばわりされるのはある意味当然とも言える。 -- 名無しさん (2016-04-26 01:04:49)
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