登録日:2016/10/18 (火) 07:53:36
更新日:2023/12/04 Mon 13:36:57NEW!
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モジャ公 藤子・f・不二雄 漫画 週刊ぼくらマガジン 講談社 テレビ東京 olm sf 宇宙 ブラックユーモア 風刺 家出 90年代テレビアニメ
いざ、さっそうと、宇宙へ『家出』!!
藤子・F・不二雄によるSF冒険漫画。
『週刊ぼくらマガジン』に、1969年(創刊号)から1970年まで連載された。
1969年まで連載され、藤子氏も「面白がって書いた」と語りながらも打ちきられてしまった「21エモン」の続きとしての面を持つ作品。
藤子氏もわざわざ「二番煎じ」と断りを入れており、「少年・宇宙生物・ロボットが宇宙を冒険する」という設定を継承している。
藤子氏の作品としては珍しく、一つのエピソードを連載しているのが特徴。
また、掲載誌が小学生向けであるにも関わらず、異色短編のような極めてシュールかつブラックなストーリーが展開される。
最も、この時『ぼくらマガジン』に掲載されていた他の作品は、まだ怪奇色全開だった『仮面ライダー』、「少年二人が合体してオッサンになる」という『バロム・1』、「ハレンチ学園」と「バイオレンスジャック」を足したような『ガクエン退屈男』など濃い作品ばかりだったので、ある意味絵柄も手伝ってまだ読みやすかったのかもしれない。
この『ぼくらマガジン』は「小学生向けと言う触れ込みだが、トラウマになりそうな漫画ばかりでとても小学生向けではなかった」と言われるほど。ちなみに、藤子氏にきた依頼も「低学年向けのギャグ漫画」であった。
しかし、藤子氏が「毎週次の回が待ち遠しくてワクワクしながら書いた」と言うほど力を入れながら、またしても短命に終わってしまった。
とはいえ、いわゆる少年向け漫画とは一風違った展開やギャグ、SFとしての完成度等から現在でも支持されている作品である。
単行本では藤子氏の意向により、第2話の未収録やエピソード中の扉絵のカットなどが施されたが、藤子・F・不二雄大全集では連載時のカラーページや同時連載されていた「たのしい幼稚園」版も含めて完全復刻されている。
連載終了から25年後の1995年には小学館プロダクション・OLM制作によるテレビアニメがテレビ東京系にて全74話が放送。
製作協力にはXEBECやスタジオディーンなどが加わっており、第1話・2話の脚本には藤子・F・不二雄先生がえんどうてつや氏と協筆している。
宇宙に家出して惑星を旅する、という設定が過激すぎたからか基本は地球の空夫の町に滞在し偶に宇宙冒険に行く、という筋書きに変更され原作に登場しないモジャ公の妹・モジャリ、弟・モジャル、そして『21エモン』からゴンスケがレギュラーとして登場するなど、内容も大幅にアレンジされている。
現在では作品名としての他に、頭髪や髭がなんかモジャモジャしてるキャラを指して表現する言葉で「モジャ公」と使われることがある。
もちろん本作とは一切関係ない。
登場人物
●天野空夫
アニメCV:折笠愛
地球人。学校の成績は悪く、喧嘩も弱い普通の少年というのは他の藤子F作品の主人公と共通するが、性格面がかなり独特で、危険で物騒なことに自ら突っ込むスリルシーカーとなっている。弱いくせに喧嘩を吹っ掛けてボコボコにされて満足するでたらめさや、0点のテストを「すぎたことは忘れよう」と捨てるずぼらな態度を見込まれて宇宙への家出の仲間に誘われた。
三人の中では常識があり、シャングリラで行方不明になったモジャ公を助けに行く役を買ってでる等、友情に厚く行動力がある。
アニメではsfクラブに所属しており、性格は穏やかな形に改変された。
●モジャ公
アニメCV:田中真弓
毛玉のような丸っこい形の宇宙生物で、モジャラン星系の第二惑星出身。故郷に母親がおり、年齢は不明だが少なくとも学校は卒業している。
手が短い代わりに舌を伸ばして手のように使う事ができ、口の中にはドラえもんのポケットのように色々な物をしまっておける。
非常に惚れやすい性格で、女性に会う度に一目惚れしては回りが見えなくなる悪い癖を持つ。
また、時々予知能力が働く事があり、これで見た「未来の場面」は必ず実現し、逃れる事はできない。ただし、その場面に至るまでの過程やその後の状況がどうなるかは分からない。(自分達が自殺する場面が見えたが、本人ではなくそっくりなロボットだった、等)
●ドンモ
アニメCV:中村大樹
ロボット。ロボットだが、表情豊かで怖がりな性格をしており非常に人間臭い。自分を組み立てた作業用ロボットを「オッカサン」と呼んで慕い、写真を持ち歩いている。
恐竜狩りゲームセンターで恐竜に食われたショックで電子頭脳に異常を起こしてしまったが、頭に再びショックを与える事で頭が冴えるようになり、ピンチを切り抜ける切り札的存在になった。(ただし、頭を打ち過ぎると尚更悪くなってしまう)
●モナ・モナシス
宇宙で一、二と言われる金持ちの娘で、父親に買ってもらったロケットで気ままな宇宙旅行を楽しんでいる。
レーサーとしての顔も持ち、強豪として知られている。
出番は「さよなら411ボル」、「恐竜の星」、「アステロイド・ラリー」までだが、加筆修正された最終回にも登場した。
モデルは海運王オナシス。
●ムエ
クエ星出身の宇宙人。
空夫を父親の仇だと言って命を狙っている。クエ政府が正式に発行した「かたきうち免許証」を持っており、警察でも止める事ができない。
念力や透視、テレポーテーションといった様々な超能力を持ち、三人がかりでも敵わないほど強い。
クエ星人は長生きで有名で、平均寿命は2500歳。父親の名前はヌエ。
●オットー
オットセイのような姿の宇宙人で、狡猾な詐欺師。関西弁で喋る。
自殺を装って食料などを得る「自殺屋」に始まり、三人を自殺フェスティバルに追い込んで大金を騙し取ったり、さらにはポンコン・シンジケートと通じて地球全体を詐欺にかける等、様々な悪事を行う。
●タコペッティ
タコのような姿の宇宙人で、世界的記録映画作家。危険が迫ると口がとんがるという危険察知能力を持つ。
映画の鬼と言われ、「宇宙残酷物語」や「宇宙の皮をはぐ」といった作品で知られている。
これまでの数々の決死的撮影で脳以外の部分は残っておらず、他は部品で補っている。
宇宙を渡り歩いた色々な経験から、自分の目より科学者の認めたデータを信じる現実的な考えの持ち主で、冷静に物事に対応できるが命より大事というカメラの事となると冷静さを失ってしまう。
モデルはドキュメンタリー映画監督のヤコペッティ。
●モクベエ
ゴゴロンゴ星にいるという、ダンボコを狩りに来た成り上がり者の金持ち宇宙人。
いばりくさっているが、別荘ブームで持っていた小惑星を売ったら大金が入っただけの田舎者である。
わがままな性格で、気に入らない事があるとキセルでひっぱたいたり、銃を乱射する。
各エピソード
◆宇宙へ家出
ごく普通の少年、天野空夫。成績は悪く、喧嘩も弱い空夫の元に突然変な二人組が現れて…!?
連載時には第2話で宇宙へ行くことを決心するまでが描かれたが、単行本では第1話ラストを変更したうえでカットされている。大全集では特別収録として読むことが可能。
◆地球人はこわいよ
宇宙旅行の事が何も分からず、モジャ公とドンモに馬鹿にされた空夫。やって来たメルル星でもあまりの文明の違いに驚いてしまう。しかし、手違いで送られた留置場で聞いた地球人の印象にまた驚く事に。
◆うまそうな三人
三人がやって来たのは、危険地帯のカミカミ星。どんな危険があるかと身構えるが、意外にもカミカミ星人は優しく、歓迎される。ただし、絶対に夜になる前に帰って欲しいと言う。危険を顧みず残った三人の前に現れたものは…?
◆さよなら411ボル
ロケットが燃料ぎれになり、手近の星へ向かう三人。ところが、その星は悪どい商売で有名なコスカラ星だった。なんとか騙されないようにお金を三人で分けるのだが…?
アニメ版で唯一原作からアニメ化されたエピソード。
◆恐竜の星
ロケットが動かなくなり、漂流しているととある星に引き寄せられて墜落してしまう。その星には何と恐竜がいて、しかもモジャ公が「三人が恐竜に食べられる」という予知を見てしまう。
◆アステロイド・ラリー
成り行きで超高級ホテルに泊まった三人は、支払いができず大弱り。そんな時、アステロイド・ラリーが開催される事を知った三人はレースを利用してホテル代を踏み倒そうとする。
◆ナイナイ星のかたきうち
アステロイド・ラリーで優勝し、一躍時の人になった三人。ひっきりなしにやって来る客人の中に、空夫が親の仇だという宇宙人、ムエが現れる。ムエから逃げる三人は、立入禁止だというナイナイ星に逃げ込むが…?
◆自殺集団
これまで、死ぬ思いばかりしてきた三人は一万年もの間誰も死んだ事がないというフェニックス星へ向かう事に。ところが、その途中で出合ったオットーによって、話はとんでもない方向へ向かう事に…
◆天国よいとこ
タコペッティと共にシャングリラ星へ向かう事になった三人。シャングリラ星は、数億年も昔に滅んだが調査隊が誰も生きて帰ってこないいわく付きの星だった。一人調査に出たモジャ公が行方不明になり、空夫が捜しに行くがそこで待つシャングリラの秘密とは…?
◆地球最後の日
星際都市ポンコンにやって来た三人はオットーと再会する。しかし、取り逃がした上に反対にロケットで地球に送られてしまう。久しぶりの地球を満喫する空夫だったが、巨大などくろ星が地球に衝突するという知らせが入る。
中央公論社から発売された愛蔵版以降はこのエピソードが最終回となっており、この時ラストシーンが描き替えられている。
◆不死身のダンボコ
金持ちの宇宙人、モクベエに雇われて怪獣「ダンボコ」を捜しにゴゴロンゴ星にやって来た三人。ダンボコを捜す内にドンモの様子がおかしくなり、姿を消してしまう。さらに空夫とモクベエまでもおかしくなり残されたモジャ公は…
雑誌掲載時の最終回…というか打ち切り回。愛蔵版と藤子・F・不二雄大全集版では『地球最後の日』の前に収録されているが、小学館文庫版では未収録。
ちなみに『アステロイド・ラリー』と『ナイナイ星のかたきうち』はアニメ版『21エモン』で登場人物・設定を変更してアニメ化された。
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- ムエは、仇うちをするなら見分け方がつかないの前に せめて、様々なデータをそろえろよと思う。 -- 名無しさん (2018-10-14 02:09:07)
- F作品の中でもかなり好き。F氏がノリノリで描いてるのがよく分かる。 -- 名無しさん (2020-06-28 20:40:13)
- アニメ放送当時にコロコロでも読んだ事があったけどオリジナル版はもっと昔の話だったのか。 -- 名無しさん (2021-04-24 06:02:38)
- アニメ版も好きだが、原作とはあまりにも違いすぎるよな -- 名無しさん (2021-12-15 16:16:31)
- アナーキーでアウトローな感じが好き -- 名無しさん (2022-05-20 18:40:25)
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