登録日:2010/01/17(日) 17:30:44
更新日:2023/08/08 Tue 13:56:08NEW!
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※主人公です hellsing 主人公 アーカード ヒロイン 人間賛歌 人間をやめた男 数の暴力 ラスボス 中田譲治 吸血鬼 王様 デイウォーカー 旦那 非処女 二丁拳銃 コメント欄ログ化項目 串刺し公 ガラスのハート 出番がだんだんヘルシング holy_brownie 主人公兼ヒロイン兼ラスボス
素敵だ やはり人間は 素晴らしい
化物を倒すのは いつだって人間だ
人間でなくてはいけないのだ!!
アーカードは、マンガHELLSINGの主人公。ファンからの愛称は「旦那」。
CV.中田譲治
【概要】
数百年の時を生きる吸血鬼で、イギリスの対吸血鬼特務機関「王立国教騎士団」、通称「ヘルシング機関」に所属している。
役職は「ゴミ処理係」で、ウォルター・C・ドルネーズの後任。
吸血鬼でありながら人間に味方(臣従)し吸血鬼を狩る腕利きのハンターで、「不死者」「死なずの君」等様々なあだ名を持つ。
(基本的な)容姿は長い黒髪を常にざわめかせる長身の美青年で、普段は赤いコートにつばが広い帽子を被り、サングラスをかけている。
これらの格好は本来は対紫外線用の装備だが、本人は日光を克服しているのであまり意味はない。たぶん本人の趣味。
【人物】
傲岸不遜な人柄で、敵と見做したもの全てに容赦しない。
容姿は人間そのものだが、その精神性はまさしく化物であり、例え力に格段の差がある常人であろうと、つい一瞬前まで尊敬していた人物だろうと、命令一つで一寸のためらいもなく殺し尽くす。
作中での悪鬼羅刹のごとき活躍っぷりから、ファンの間では「ラスボスはどう考えても旦那」という共通認識が広まっている。
敵の攻撃を避けずにそのまま受ける事が多く、どうやって敵を倒すかよりも、どうやって倒されるかが注目されていた珍しい主人公。極度のM疑惑までかかっている
全身を法儀式を施した剣で針山にされても、心臓を銃で吹っ飛ばされても、楽しそうに笑いながら立ち上がる。
まるで「お前強いんだろ?私を倒せるなら倒してみろ」と挑戦者を迎え撃つ魔王のような調子である。
本来は凶悪無比な化物であるが、人間を蔑むどころか敬意や羨望を感じており、「生・老・病・死」や理不尽と死の塊のようなアーカード自身に堂々と立ち向かって生きる人間は素直に認める。
そのため、老いと真っすぐ向き合う相手に密かな憧憬を抱いたり、「すっかりお婆ちゃんになってしまった」と嘆く女王陛下を「今のほうが美しい」と賛美し、ある人物が外法で若返った時は「今のお前よりも、以前の老いたお前のほうがずっと美しかった」と吐き捨てている。
「化物を倒すのはいつだって人間である」という信条を持ち、諦めずに全力を尽くす素晴らしい人間達を見ると歓喜とともに最大限の敬意を示す。
これは当人が「己の人生に負けたという事実に耐えきれず、化物というチートに逃げてしまった」という敗北感に起因している。
その反面、人間を辞めた(辞めてしまった)化物どもには一切の容赦がない。
一応敵対者が化物を自称した場合、「ならば化物らしさを示してみろ!」と言わんばかりに色々素直に喰らったり何だったりしてくれたりマゾ疑惑の最大の原因、部分的には褒めることもある。
しかし、いかんせん彼の思うところの化物らしい化物の水準は大体自分以上の圧倒的な身体能力か多岐に渡る特殊能力のため、基本的に落胆したり、あるいは何の気無しにそのまま圧倒して抹殺してしまう。
つまり化物を気取るなら俺とタメを張るくらいはやってみせろ、という事である。旦那は自分を含めて化物を卑下する事が多いが、ここまでくると厄介とかそういう次元ではない。
こうして期待外れに終わった敵はアーカード的には人間どころか化物ですらなくなり、良くて「狗」、生意気なくせに実力が伴っていないと「クソみたいなヤツ」「犬のエサ」だとかの扱いになる。
【経歴】
本編開始より数十年前、ヘルシング家先代当主アーサーはアーカードの危険性を警戒し、ヘルシング邸の地下に彼を封印。
渇ききって身動きできなくなっていたが、10年前にヘルシング家の当主となったインテグラに封印を解かれたのを機に彼女の従僕となり、少佐率いる「最後の大隊」やヴァチカン特務局第13課「イスカリオテ」と戦う。
以下ネタバレ注意
その正体は、かの有名な吸血鬼「ドラキュラ」その人。
ルーマニアの救国の英雄であり、知略と武勇で自国を善く治めた「串刺し公」ヴラド・ツェぺシュ。
アーカードと言う名前も、「ドラキュラ」の逆さ読み。ちなみに英語吹き替えでは「アルカード」と発音されている。
(Alucard→Dracula)*1
500年前、戦いの末に捉えられ処刑されようとしたその瞬間に「何物か」に誘われて血を吸い、人間をあきらめて吸血鬼となった。
吸血鬼に血を吸われて吸血鬼化した眷属ではなく、いわゆる「真祖」に属する。
- 余談だが、この「吸血鬼に血を吸われて変異した眷属ではなく、自分から吸血鬼になった魔物の中の魔物」
を意味する「真祖」という言葉は実は結構最近出来た言葉。最初に使われたのはマンガ「BASTARD!!-暗黒の破壊神-」のダイ・アモン編だと見られている。
日本における吸血鬼フィクション中興の祖「吸血鬼ハンターD」で「神祖」という言葉が使われており、それを翻案したものだと思われる。
その後本編の100年前、恐らくはブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」の物語同様にミナ・ハーカーを巡る闘争の末にヘルシング教授とその仲間に倒された後、改造されて「色々混み入った事情」によりヘルシング家に使役されている。
そしてなんの因果か、自身の「終わり」に差し掛かるとその度に処刑の際に見た夕暮れの光景を目にし、幾度それを目にしても「日の光とは美しい」と感じている。
【能力】
『最後の大隊』所属の連中とは違い純粋な吸血鬼であり、吸血鬼としての身体能力、特殊能力は最高峰に位置する。
規格外の怪力を始めとした様々な特殊能力を持っており、流水や十字架といった吸血鬼の弱点も克服している。お日さまも平気(嫌いなだけ)。
そして最大の脅威は他を圧倒する不老不死。斬っても刺しても爆破してもすぐさま再生して反撃できる。むしろ相手に殺させてから反撃にかかる事がしょっちゅう。
拘束制御術式
拘束制御術式第3号 第2号 第1号 解放
状況A「クロムウェル」発動による承認認識
目前敵の完全沈黙までの間 能力仕様限定解除開始
では教育してやろう 本当の吸血鬼の闘争というものを
普段アーカードに掛けられているセルフリミッター。
これにより力をセーブしているが、ひとたび解放すれば敵に反撃の機会を与えず圧倒する。
拘束制御術式の3~1号が開放されるとまず人間としての外郭が溶け崩れ、ムカデやバスカヴィルといった使い魔が溢れ、腕が何本も生えた不定形のアメーバ状態になる。この状態で最後の大隊の人狼部隊(ヴェアヴォルフ)構成員を一方的に鏖殺してみせた。
拘束制御術式零号
拘束制御術式零号 開放!!
帰還を果たせ!!幾千幾万となって帰還を果たせ
謳え!!
私は ヘルメスの鳥
私は自らの 羽根を喰らい
飼い慣らされる
主君(本編ではインテグラ)の承認を得てのみ開放可能な奥の手。
アーカード自身が詠唱を行うことで自身の寝床である棺桶が開き、それに呼応してアーカードが「中」に取り込んでいた命の全てが「外」に解き放たれ、溢れ出す。
…本作の設定における「真の吸血鬼」は、他者の血を吸う事で対象の命の全存在を吸収し所有する権能を持つ*2。
そして死ぬ度に命のストックを消費して復活する。このストック消費は「心臓を破壊された時」という場面に限定される。
つまり殺しきるには何百万回も心臓を潰さなければならないのだ。理不尽なまでの不死性はこの能力の恩恵である。
すなわちアーカードは数百万の命が人間大に圧縮された状態で跳ね回っているわけで、少佐はこれを「運動する領地」と例えた。
拘束制御術式零号解放とは、この今までに吸って内包した命を全員出現させて敵を蹂躙するという攻撃である。
その数は数百万、まさに数の暴力。「死の河」とも呼ばれる最終奥義。
発動自体を阻止する場合は、発動までに数百万という旦那の残機をそっくり潰さなければならず、事実上不可能。
零号解放の詠唱を開始した直後、その場で睨み合っていた最後の大隊とバチカンの軍勢が一斉に旦那のみを敵として認識し、
「恐ろしいことになる」と半ば恐慌状態に陥りつつ一斉に攻撃を開始するも阻止は間に合わなかった。
「何だ!?何が起きている!!??」
「死だ!死が起きている!」
しかし「死の河」はどうやら「小出し」が利かないらしい。解放する場合は全軍解放が固定であり、
本体たる旦那がただ1つの命のただ1人の吸血鬼になるため、それまでとは違い心臓を潰されれば本当に死んでしまう。
ただし、まず旦那(の主君)に死の河開放を決断させる状況を作る戦略を前提として、
- 旦那がただ一人の吸血鬼になった瞬間すぐに殴れる位置に潜んでおくとか、
- 最後の攻撃役が旦那とまともに打ち合える化物級になれるように何らかの武器(本物の奇跡の残骸とか)を用意するとか、
- ビームライフルや衛星レーザーのような数百万の肉壁をブチ抜ける遠距離火器で狙撃するとか、
- 数百万の亡者を力尽くで突破できる凄腕軍団を待機させるとか
…などの殺す手段を別途で用意する必要がある。
しかもこの「ただ一人の吸血鬼」状態は一時的なもので、死ぬ前に周辺から吸血を始めれば再び残機が増えまくって台無し。
実際、劇中では死の河を回収したついでに最後の大隊の攻撃やマクスウェルの死刑執行で巻き添えを食らい亡くなったロンドン市民の命、死の河の攻撃で倒れた最後の大隊・バチカンの軍勢をも吸収しているらしく、その時点で残機は更に増えている。
しかも少佐の見立てでは最低でも100万か200万かという増大ぶりで、彼自身も「これは食いきれるかわからんなぁ」と至極ご満悦という有様。
それでも確かに、短時間とはいえ旦那を物理的に撃破可能な状態には出来る。出来るのだ。
だが旦那とタイマン張って倒せるかどうかは別問題。
吸血鬼のカテゴリ内でもなお最恐クラスの戦闘能力を持つ旦那は、ただ1回倒すだけでも壊滅級の難易度。実際死ぬのは大抵マゾのため小手調べのいわば無抵抗裸体同然の状態。
500年戦い続けたこの化物は、残機なしでもやっぱりどうしようもない化物なのだ。
それを厳しい制限時間つきで殺らねばならない。無茶すぎる。
武器
- .454カスールカスタム
愛用武器である2丁の大型自動拳銃。
色は銀色で、ランチェスター大聖堂の銀十字を鋳溶かして作った13mm爆裂徹甲弾*3が採用されている。
ジャッカルにも言えるが対吸血鬼を想定した特殊な弾丸を使っており、拳銃とは思えない威力を発揮する。
「こいつ喰らって平気な化物なんかいないよ」とはアーカードの談。
長年愛用していたようだが、再生者であるアンデルセン神父の異常再生力の前には力不足となってしまうことになった。
- 対化物戦闘用13mm拳銃「ジャッカル」
全長39cm・重量16kgの黒い大型自動拳銃。
アンデルセン神父との交戦を経て、アンデルセン神父を殺しきるために更なる威力を求めたアーカードが注文した結果生み出された逸品。
専用の13mm炸裂徹甲弾*4を装填しており、異常な重量と反動故に人類では扱えない代物と断言された恐るべき武器。
なお某ウィリス似の「ジャッカルの精」が宿ってるとかなんとか。
ウォルター曰く装填数は6発だが、作中では明らかにそれ以上の回数を乱射している。
リロードの描写はときどき申し訳程度にあるくらい。ファンからはネタで「気分」や「ノリ」でリロードしてるとか言われるレベル。
しかしこの2つの拳銃は百万発入りのコスモガンなので全然問題ない(公式設定)。
【勝機、あるいは敗北】
因みに、初代ヘルシング卿とその仲間達は正面から死の河を突破して旦那を倒したトンデモ野郎達だが、そんな彼らは
- アーサー・ホルムウッド ただの貴族
- ジャック・セワード 精神科医
- キンシー・モリス 金持ちのパンピー
- エイブラハム・ヴァン・ヘルシング 大学教授
である。
こいつらのような教授や医者はクトゥルフ神話くらいにしかいないだろ。
初代ヘルシング卿によって胸に杭を打ち込まれ、ようやく訪れた敗北の後、彼に「お前には領地も領民も何も残っていないのだ。何も」と憐憫にも似た言葉を投げかけられた。
ウォルター戦で死の河を回収した際には、少佐の策略により
「自己観測できる限り何処にでもいてどこにもいない」シュレディンガーも一緒に吸収してしまった事で、
数百万の魂の中で自らを見失ってしまい、「どこにもいない、生きてもいないし死んでもいない」状態にされ、消滅してしまう。
英語音声版のOVAではインテグラの「消えるな!!」が「Stay with Me!!」と訳されており、彼女にとって精神的支柱となっていた事も改めて補強された。
少佐的には500年くらいしないと帰ってこないと思っていたが、30年で自分の中で自分の命をシュレディンガー以外殺しきり、インテグラの元に帰還する。
シュレディンガーの特性までも吸収したため、弱体化するどころか以前にも増して不死性が向上し、「人間と戦って死ぬ」と言う本懐が遂げられるかは疑問視されている。
まぁ旦那のことだし今を楽しみながらいつかきっとくる「人間によって化け物が打倒される美しい光景」を気長に待つのだろう。
The bird of Hermes is my name,
私はヘルメスの鳥
eating my wings to make me tame.
私は自らの羽を食らい飼い慣らされる
――棺の蓋より
【偏愛】
なお、旦那は萌えキャラの一面も持つ。
普段の姿でもある種の色気があるが、彼はHELLSING外伝「the dawn」にて少女の姿を取って物語に現れた事があり、その姿は普段の恐ろしげな青年姿ではなく、赤いコートの変わりに全身真っ白のスーツを着こんだロリっ娘。通称・ロリカード、ロリ旦那。
そのあまりのギャップに三千世界のロリコンどもが萌やし尽くされた。OVAではショタとして扱われた。(声は青年時と同じくジョージ)
外国のファンも「Girlycard(ガーリーカード)」と呼んで熱を上げている。
ただ、とある執事はそんな彼女も容赦なく縦に真っ二つにした。全然効いてなかったけど。
また、某絶対神敵殺すマンに強烈なメンチを切られた際に見せた微笑みが、少女漫画のイケメンもかくやという程にふつくしい。
「腕が千切れそうだぞクリスチャン、どうするんだ?」
「それがどうした。早く掛かって来いよ化物。」
「…素敵だ。やはり人間は素晴らしい。」
あんな笑顔されたら女子どころか我らも墜ちる。
アーカード=ドラキュラ=ヴラド公である事を考えると、旦那の趣味は意外や意外、なんと刺繍。
幽閉されていた時に裁縫と共によくやっていたらしい。
ジョナサン・ハーカーを家に招き入れた時に自ら料理を作って振る舞い、ベッドメイクもした事から、家事も得意であると推測される。いつでも嫁or婿に出せるぞ。
ああ見えてガラスのハートの持ち主でもある。
常日頃超自信満々で一部マゾっぽいとはいえ基本サディストな態度を貫き、散々「私は化物だ」と言ってるわりに、面と向かって「化物」と言われるとショゲるし、宿敵の死に思わず涙したり、思い出し泣きをする泣き虫でもある。乙女か。
こんなパーフェクトな吸血鬼捕まえてあんなことやこんなことも命令できるアーサーは羨ましい限りである。
ヒラコー曰く、彼は性別やらなんやらを超越した存在であるという。
年齢性別を問わずかつて吸血した人間の意志を全て保有しており、それをアーカードという人格で無理矢理まとめることで旦那のパーソナリティが構成されている。
様々な一面を持っているのはそのためかもしれない。
旦那の事をより深く知りたい人はブラム・ストーカー著「吸血鬼ドラキュラ」を読むことをお勧めする。華麗な恋愛遍歴にギャップを感じること間違いなし。
「おかえり 伯爵」
ただいま 伯爵
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*2 この力を持つ「真の吸血鬼」は、本編の世界において最早絶滅同然の状態らしい。アーカードの直系眷属であるセラス・ヴィクトリアはちゃんと所有しているので、真祖限定の権能ではないようだ。
*3 .454カスール改造弾
*4 弾殻:純銀製マケドニウム加工、弾頭:法儀礼済み水銀、装薬:マーベルス化学薬筒NNA9
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