都市シリーズ

ページ名:都市シリーズ

登録日:2011/03/08(火) 18:37:11
更新日:2023/08/08 Tue 17:15:07NEW!
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川上稔 都市シリーズ 電撃文庫 ライトノベル シリーズ項目 厚さ 厚さ←普通 絵師 絵師←さとやす以外もある セッション セッション←無い作品もある 竜を従えた女 隻腕の男 歌に導かれる物語



「世界ってぇのが滅びすぎでイライラするべ!!」



「じゃあちょっくら滅びない世界作るべか!!」



「おーッ!」



電撃文庫から発売されているライトノベルのシリーズ。著者は川上稔。また、同著者のデビュー作でもある。
現在までに9シリーズ17巻発行されている他、ゲームやドラマCDなどの関連商品が存在する。
同著者の他の作品と同じく「都市世界」と呼ばれる世界上での出来事である。ちなみに作者のデビュー作だが時系列的には一番最後の世界となる*1
同著者の作品のイメージと言えば、厚い、セッション、絵師さとやすが一般的であろうが、このシリーズは、終わりのクロニクル境界線上のホライゾンのように、狂ったような厚さを持っている訳でもなく、
またパンツァーポリス・エアリアル・OSAKA・S.F・TOKYOにはセッションシーンもなく、初期2作に至っては絵師さとやすですらない。他の作品に比べ、全体的にシリアスで主人公が学生でない場合もある。
が、同著者らしい疾走感や膨大な設定、伏線などは健在であり、他のシリーズを読んだ人は一読してみることをオススメする。


ストーリーは説明が難しいため、各作品の項目に一任するが、取り合えず全作品通して、何組かの男女が恋愛しながら世界を変えたり変えるのを防いだり滅びるのを防いだりする話、と行った感じ。
都市ごとに時代や人物が変わる長編連作形式で、一部、実際の歴史上の出来事をベースにしている。
終わクロや境ホラ程名無しモブは登場しないが、それでも主人公含め皆熱く、キャラが濃い。



●用語一覧
流体
この世界で使われているエネルギー資源にして、世界を形作るマテリアル。


◆紋章技術
流体に「火」や「雷」等形を与え動力や攻撃力に変化させる技術。


遺伝詞
流体に形を与える「全ての素」・「設計図」にあたる概念。『風水街都香港』から登場している。


◆騎(英:バレル/仏:アパレイユ)
人が遺伝詞的に一体化して動かすロボットで、最上位は「重騎」。


◆大天蓋
第2次世界大戦末期、追い詰められた独逸が最終兵器「言詞爆弾(ヴォルト・ボンベ)」を世界中で爆発させたせいで発生した「空を覆う障壁」。他に都市単位で「小天蓋」も生成されている。
このせいで人類は『パンツァーポリス1935』時点で実現していた宇宙飛行や衛星打ち上げを封じられ、衛星を使えないため電波による全世界情報網を広げにくくなった(代わりに海底ケーブルで大陸間通信に対応)。
ちなみにこれの発生時各地の都市遺伝詞にも崩壊と乱れが起きており、都市の個性化を促進している。


◆都市理力
一部の「都市」に存在する「独自の物理法則」。
基本都市に入った者全てに適用されるため、これを使いこなせるかが戦いでも鍵になる。


◆戦種(スタイル)
いわゆるファンタジー的な「戦い時のクラス」を表す用語。前々時代の『境界線上のホライゾン』にも登場している。
近接(フォーサー)・全方位(マスター)・遠隔(ガンナー)と格闘(クリティカル)・武術(ストライク)・神術(エナジー)・義体(スティール)の戦闘形態組み合わせからなる職業とその他職業からなり、作中に名前が出て来たのは以下のもの。

  • 近接格闘師(クリティカルフォーサー):素手一本で勝負する格闘家。
  • 近接武術師(ストライクフォーサー):近接での武器戦闘を扱う戦士。
  • 全方位義体師(スティールマスター):義体を用いた遠近両方の戦闘を得意とする戦士。
  • 遠隔神術師(エナジーガンナー):「神術」と呼ばれる属性操作力による遠隔攻撃を得意とする術師。
  • 遠隔武術師(ストライクガンナー):銃等遠距離の物理攻撃を得意とする戦士。
  • 風水師(英:チューナー/仏:コレクター/独:シュテイマー):遺伝詞の変化・治癒を行う術師。
  • 五行師(バスター):遺伝詞操作による破壊とそれに伴う物質の強化錬成を行う術師。
  • 言霊師(ワードマスター):遺伝詞操作による物質変化を得意とする術師。
  • 速読歴(ファストリーダー):遺伝詞の中身を観測し、過去や未来を予測する能力者。
  • 全行師(独:グリーンホーナー):遺伝詞にあった符を扱うことで防御等を行う術師。
  • 重騎師(英:ナイトストライカー/仏:ルール・デ・エクリヴァン/独:パンツァー・カバリエ):重騎で戦う戦士。五行師等と兼業するケースもある。
  • 全方位理術師(プログラムマスター):電詞都市DT独自の職業で、DTを形作るプログラムの生成・干渉を得意とする。
  • 全方位結界師:詳細は説明がないため不明だが、結界を自在に扱う職業と思われる。
  • 符術師(カードマスター):これも詳細説明がないが、符を扱う事を得意とする術師。

◆異族(英:グラソラリアン/独:ハイデンガイスト)
いわゆる「異種族」「亜人種」を示す用語で、この世界に住む「人間」以外の知的生命体。『エアリアルシティ』における「魔物」の正式名称でもある。
一部種族は「獣詞変(オルタード)」で獣化可能。
人との混血も可能だが、人間と猫人の子が猫人になる一方、人と天使の子がどちらでもない匪天になる等遺伝の基準は不明。


  • 長寿族:長耳と老化スピードの遅さが特徴的なエルフ的種族。作中では人間の父を持ちかつ老化が遅い「混血型長寿族」が登場している。
  • 匪天(ナイン・アンゲル):香港である事情から生まれた天使と人間の混血種。歪な翼やその出自から差別に遭うことが多い。派生種として「匪堕天(ディスデモン)」もいるが違いは不明。
  • 猫人:猫目の人間形態と普通サイズの猫形態2種類の姿を持つ種族。但し慌てると勝手に獣詞変で猫になってしまい、着替えがその場にないと人に戻っても裸だったり。
  • 悪魔:英国の魔界に住んでいた種族。詳細は不明だが作中では黒い翼をもつ「魔族」と巨体や甲殻を持つ「魔神族」が確認されている。

◆自動人形(ザイン・フラウ/仏:ルール・デ・マリオネッタ)
広義では異族の一種だが、他とは違い人間によって生み出された種族。ぶっちゃけ人型ロボット。
殆どの個体は感情を持たないが、『エアリアルシティ』で感情を持ち成長進化することで「人間になる」『アイレボーク式自動人形』が登場。
だがそれ以降も人からは基本道具として扱われることが多いため、進化を諦める機体が多いという。




●作品一覧


電撃文庫

  • パンツァーポリス1935:作者の処女作。夢溢れる研究者2人と金髪少女が出会い、軍と戦いながら人類初の月面観測に挑む。
  • エアリアルシティ:魔物の国英国を舞台に、傷を抱えた青年や金髪少女が異国から来た人間の狩人達に立ち向かう。
  • 風水街都香港:英国支配の影響で人や人と天使の混血「匪天」が入り混じる街となった香港で、ひょんなことから出会った匪天の風水師と義腕の五行師が立ち向かう争乱は…。
  • 奏(騒)楽都市OSAKA:かつての事件で東西分断が発生した日本。そこで大阪に「詞を持たない少年」が帰還し、東京から「奏音の領主」が来襲する時、後に「和解動乱」と呼ばれる戦いが始まる。
  • 閉鎖都市巴里:WW2末期時間的に閉鎖されてしまった巴里。埋もれた歴史を探るため未来から巴里に来た新人重騎師と、言葉もうまく使えなかったメイド自動人形。2人の未熟な金髪少女の出会いは、未来を変えていく。
  • 機甲都市伯林:独逸で異族迫害が進む中、なぜか「救世者」の眼を埋め込まれてしまった猫人の少女は黒髪の逃がし屋に助けられ、2人は「救世者」を巡る戦いへと足を踏み入れていく。
  • 電詞都市DT:師匠を殺し余命僅かな師匠の養女を攫った(実質的には駆け落ち)兄弟子を追って電詞都市を訪れた若き拳士。かつて切ない別れ方をした電詞都市の少女と再会した彼は、兄弟子が知り彼が目覚めさせた彼女達を巡る物語へと巻き込まれる。

電撃イラストノベル

  • 創雅都市S.F:全てが絵で描かれる街S.Fでのほほんと暮らす匪堕天の金髪女性。彼女の日常と街に迫る災害とは。
  • 矛盾都市TOKYO:ある事情から同級生に自らの記憶消去を依頼した少年。彼が記憶封印時に見た夢から映し出される過去と青春は…。

web公開小説

  • SATIE日誌

ゲーム

  • 奏(騒)楽都市OSAKA:「和解動乱」からしばらくたったある日、世界初の全世界対応広告塔が大阪に建築。その初使用権を巡る学生間報道競争に、TOKYOから来た少年が参加していく。


●作品間の時系列

  • エアリアルシティ(1933年)→パンツァーポリス1935→機甲都市伯林(1937~1943、エピローグは1944)→閉鎖都市巴里(1943~1944)

  • 小説版奏(騒)楽都市OSAKA(1996)→風水街都香港(1997)→矛盾都市TOKYO(1997~1999)・ゲーム版奏(騒)楽都市OSAKA(1998~99)→創雅都市S.F(1999~2002)→電詞都市DT(2002)



電詞都市DTの下巻において、次の作品は倫敦を舞台にすると言っているため、以下続刊ではあるようだが、現在に至っても今だ出ていない。
また、イラストノベル矛盾都市TOKYOは前日譚である様で、その後の話である長編版TOKYOがあるらしく、『電詞都市DT』内のコラムにてそれらしき事件が語られている。


そして2022年、「都市シリーズの先の世界」(『矛盾都市TOKYO』後の事変のさらに先の時代)を描く新世界観「LINKS」始動が決定した。





追記、修正よろしくお願いします


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  • しれっと書かれてるけど、逆に言えば二巻目以降からは既にセッションがあったわけよね? -- 名無しさん (2014-10-02 14:11:25)
  • 都市シリーズの登場人物たちの子どもが登場するぐらいの月日が流れた新時代『LINKS』を描いた新シリーズが発表された模様 -- 名無しさん (2022-08-13 18:45:22)

#comment

*1 時代順だと『連射王』→『終わりのクロニクル』→『神々のいない星で』→『境界線上のホライゾン』→『激突のヘクセンナハト』→都市シリーズとなる。

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