登録日:2018/09/24 (月) 10:23:46
更新日:2024/03/25 Mon 13:27:47NEW!
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正しい事をしたければ、偉くなれ
和久平八郎とは、テレビドラマ『踊る大捜査線』の登場人物である。
演:いかりや長介/大嵐浩太郎(ひとり踊る大捜査線)
プロフィール
生年月日:1936年(昭和11年)11月1日
血液型:A型
現住所:東京都練馬区
本籍地:長野県
特技:盆栽、書道
人物
警視庁湾岸警察署刑事課強行犯係に所属していた刑事。
階級は巡査長。TVシリーズ最終話で定年退職となったが、退職者再雇用制度によって指導員として湾岸署に呼び戻された。
ベテランの風格が漂う老刑事で、冬場は帽子とマフラー、グレーのコートを身につけている。
青島俊作からも出会った当初に「見るからにデカって感じ」と尊敬の目で見られ、映画『セブン』で老練刑事を演じた俳優の「モーガン・フリーマン」に例えられていた。
腰痛持ちであり、作中でも事ある毎に腰の不調を訴えている。
こうなってしまったのは、40歳の頃に本庁に栄転し、そこで朝から晩まで運転手をさせられたかららしい。
湾岸署で最も長く警察官をやっている大ベテランであり、人生経験も豊かなので署の刑事達からも「和久さん」と呼ばれ頼りにされている。
TVシリーズ開始時には定年まであと3ヶ月に迫っていたが、その短い期間の中で新米刑事の青島に刑事のイロハを叩き込んだ。
「罪を憎み人を憎まず」の精神を貫いているが、過去の事件で同僚の刑事が殺された事があるため、警官殺しだけは絶対に許さない。
妻と一人娘の3人暮らし。
娘は顔が和久そっくりとのことで、30代半ばにしてこれまでに男性と一度も付き合った事がないらしい。
実は兄弟が10人いる(和久は恐らく8男)。
弟の平十郎の息子(甥)の伸次郎は、後に湾岸署配属され青島の部下となった。
警視副総監の吉田敏明は古い友人。
捜査のために吉田が捜査一課管理官として所轄にやってきた事で知り合い、当初は対立する事もよくあったが、いつしか2人の間に強い絆が生まれる。
それは今の青島・室井慎次の関係とそっくりであり、青島と室井にかつての自分達を重ね合わせ、警察組織の未来を託すような事を言う場面もあった。
タレントの篠原ともえのファンで、「歌の心を知っている」と評している。
性格
定年が近い事もあって普段はやる気がなさそうにしており、よく「疲れるほど働くな」と口癖のように言っている。
だが熱い正義の心は今でも衰えておらず、その情熱を胸に秘めて日々捜査を行っている。
頭に血が上りやすいところがあり、爆弾が仕掛けられた椅子に座ってしまった時に、真下正義に冗談半分で「優秀な刑事だったと父に伝えておきます」と言われると「まだ俺を殺すな!!」と怒鳴っている。
また爆弾犯に「土下座して謝ってくれれば立てるようにします」とからかわれると(その犯人が警官を殺した事もあり)「この変態野郎!!」と激怒していた。
しかし女子高生に「バカジジイ」と言われた時には流石に凹み、「くそジジイはねえよな…」等とぼやいていた。
老練刑事らしく、暴走しがちな青島に力の抜けるような事を言って水を差したり、これまでの刑事人生で得たきたものから含蓄のある言葉を言って彼を諭したりする。
そのどれもが深く印象に残る言葉だが、その後は「…なんてな」と照れ隠しで言ったりする事も。
面倒見が良く、年末には寒さで辛い思いをしているホームレス達を留置所に拘留の名目で泊めたりしていた。
たまごっちの育成が趣味という可愛いところもある。
考え方がやや古いため、事件の捜査にプロファイリングが導入された時には自分のやり方を否定された事で「それはそんなに当たんのか?」と反発していた。
マニアに対して偏見を持っていた事もあったが、マニアの中には自分のように大会で入賞している者もいると知ると、自分も盆栽コンクールで入賞した事があったので「俺も仲間か」と呟いていた。
能力・特技
大ベテランだけあってかなり優秀な捜査官であり、これまでに警視総監賞を21回も貰っている。
独自の情報網を持っており、捜査ではその情報網を駆使して事件の情報を集めている。
時にはただの老人に扮して犯人に近づき油断させる事もある。
趣味の盆栽は警視庁盆栽コンクールに入賞するほどの腕前。『交渉人 真下正義』では交渉課新設のお祝いに力作の盆栽を贈っていた。
達筆であり、捜査本部入口に貼る事件の戒名を書くのを任される事がある。
経歴
1954年。
長野県立第二高等学校卒業後に警視庁巡査を拝命。
翌年の4月に巣鴨警察署の警ら課に配属される。
総務課看守係→刑事課強行犯係と異動し、巡査長に昇進。
1967年に機動捜査隊本部早稲田分駐所に転属となり、1972年に第二機動捜査隊本部に配属される。
1983年に八王子警察署刑事課に異動。
当時は刑事になったばかりの若手とコンビを組んでいたが、犯人逮捕の際にその若手刑事が殺されてしまう。
この事は定年間際になった現在でも悔やんでおり、仇を討つために職務と並行して単独で犯人を追っている。
1993年に湾岸警察署刑事課強行犯係に配属。
活躍
定年まであと3ヶ月に迫っていたので、6年前の警官殺しの犯人逮捕を諦め事件の事も忘れようとしていた。
だが湾岸署に配属された青島が下に就いた事で殺された警官の事を思い出し、定年までの3ヶ月の間に彼に所轄の現実や刑事のイロハを教え込む。
最初のほうはやる気に溢れている青島を「やる気なんか出すな!」とよく注意していたが、爆弾椅子に座らされ身動き出来なくなった際に青島が「悪党の思うがままになるのは嫌」と言って最後まで残ってくれた事で、彼に目をかけるようになった。
その際には「正義なんて言葉は死ぬまで口に出すな。心に秘めておけ」と青島に言っており、この教えは『THE FINAL』まで青島の中で生き続ける事となる。
定年まであと数日に迫っていた雨の日、長年追っていた警官殺しが港区に出没。
真下が撃たれてしまうが、青島と室井コンビの活躍によって犯人は逮捕された。
犯人を取り調べていた時に遂に定年を迎え、後の事を青島達に任せて定年退職する。
この際には「俺がやめてもコイツ(青島)がいる限り警察は死なねぇ」と青島に警察の未来を託すような発言をしていた。
定年退職後は警察学校の事務を経て、再雇用職員制度を利用して警官の指導員として湾岸署へ復帰。
指導員になるまで事件と無縁の悠々自適な生活が送れたので、長年悩まされていた腰痛も解消されていた。
『THE MOVIE』では友人の吉田が誘拐されてしまったので、いてもたってもいられなくなり単独で捜査を行う。
だが捜査本部に無断で捜査をしていたため、犯人グループに怪しまれ取引が失敗に終わる結果となった。
犯人の住居を突き止めた時に犯人一味に襲われ監禁される。だが持っていたある物をうまく使った事で青島達に居場所を教える事が出来、事件は無事解決した。
『THE MOVIE2』では、ダジャレ的発想で犯人グループが伝えようとしていたメッセージを解き、捜査に貢献している。
しかし沖田仁美のミスで恩田すみれが負傷し、それでも沖田が傲慢な態度を取り続けていた時には「もうお前の命令なんか聞けるか!」と激怒し、「これ以上若いもんを傷つけないでくれ…」と悲しそうに言った後、捜査本部を出ていった。
今回で吉田が近々勇退すると知り、自分もそろそろ引き際だと思い、事件解決後に完全に警察を引退する事を決意する。
そしてすみれを心配して病院にやってきた青島と室井に「頼んだぞ、警察を。…なんてな」と言い、青島に指導員の腕章を渡して去っていった。
『THE MOVIE3』では病気で他界している設定で、彼の代わりに甥の伸次郎が湾岸署に配属される。
彼の遺品「和久ノート」には彼の格言がびっちり書き込まれており、ノートを引き取った伸次郎がよくそれを声に出して読み上げている。
そのノートに書かれていた「死ぬ気になれ。その時だけ生きられる」という言葉は、余命が僅かしかないと宣告されネガティブになっていた青島を突き動かす事となった(後にその宣告は誤りだった事が判明するが)。
『THE FINAL』では、かつて青島に教えていた「現場に立ち、被疑者の気持ちになれば逃亡先が読める」という追跡方法を青島が実践しており、犯人の居場所を突き止めた事で事件は解決を迎えている。
その他
『THE MOVIE2』の公開後の2004年に和久を演じたいかりや長介は逝去。
同作のDVD版ではエンドロールの最後に「ありがとう、和久平八郎 さよなら、いかりや長介 湾岸署一同」というテロップが追加されている。
だが没後の2005年に公開された『容疑者 室井慎次』の時点では和久はまだ健在という設定であった。
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