みいちゃんと山田さん

ページ名:みいちゃんと山田さん

登録日:2025/12/24 Wed 23:31:23
更新日:2026/06/07 Sun 12:56:47NEW!
所要時間:約 10 分で読めます



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ねえみいちゃん。


こうして私達は出会って、


いろんな事があったよね。


私達の日々は確かにあったよね。



これは、みいちゃんが殺されるまでの12ヶ月のお話






『みいちゃんと山田さん』は2024年9月よりマガジンポケットにて連載されている漫画作品。作者は亜月ねね。


目次



概要


亜月がSNSアカウント「ダイアナ」*1で発表した「幸福のために最低限必要なもの」の長編化であり、パイロットにあたるXでの連載版はKindleインディーズマンガ部門でランキング1位を得るなど人気を博していた。
その後SNS版の連載は止まり、作者は自身のXアカウントで漫画を投稿し続けていたが、その後マガジンポケットにて本作の商業連載が発表され、第1話からリブートする形で連載が開始した。
X版のあらすじはマガポケ版とほぼ同じだが、キャラの人物像が若干違っている。


デフォルメされた可愛い絵柄に反し、「水商売や夜職のダークな裏側」や「知的障害(と思わしき)登場人物達が犯罪の被害者/加害者になる」など生々しい描写が多い。
しかし、主人公の「みいちゃん」に関しては作者自身が(知人をモデルにし、障害福祉の関係者らに取材をした上で)「障害福祉を描く目的の作品ではない」「彼女が知的障害者かどうかは明確にはしない(大意)」「みいちゃんは実話の存在ではない」と明言した通りフィクションとして割り切った表現をしているとのこと。
全くのでたらめではないだろうが、障害者について語る際にこの漫画をソースとして用いるのは基本的にお勧めしない
そもそも本作に限った話ではないが、ただ漫画を読んだだけで何かを勉強した気になって知ったかぶったことを言うのは絶対にやめよう。ましてヘイトの棍棒に使うなど言語道断である。


本作の時代設定は2012年であり、スマートフォンなどは普及しているが、発達障害や軽度知的障害への知見が世間一般に広まったり、対応可能な精神科医の数が増えるのはまだ数年前後かかる(把握されたうえで差別を受けているのではなく、そもそも大多数の一般人には把握されていない)といった状況の時期である。
水商売や風俗業など所謂「夜職」のコンプライアンスも今より低く、2020年代の摘発ラッシュや規制強化*2からすればこちらもまた「夜明け前」という段階である。


作者は父子家庭という説があるが、そのためか母親像の欠片も感じられないような愚母描写に長けている。ただし男も搾取者だったりと屑揃い。


また、時折(事態が深刻にも関わらず)シュールなギャグになっている場面もあり、それに基づくインターネットミームが本作から時々誕生する。


本作は障害者福祉をテーマにしたものではなく、亜月が得意とする夜職系・アングラに傾倒した、「理論上の最悪の可能性」を描く露悪系エンタメというのが正しいところである。
そんな作品がなんで講談社漫画賞の最終候補に…


2025年にボイスコミックが制作され、YouTube上にて公開された。
主人公2人のCVは潘めぐみ、モモとココロのCVは瀬戸桃子による掛け持ちである。



あらすじ



──ご挨拶させてください。みいちゃんです!


2012年、新宿。夜の街でキャバクラ嬢として働く山田さんは、何をやってもダメダメな新人・みいちゃんと出会う。
ヤル気と元気はあるものの、漢字も空気も読めないみいちゃんは、周りから馬鹿にされ「可哀想」のレッテルを貼られてしまう。
それでも、健気に働くみいちゃんの姿に、山田さんは徐々に心を惹かれていきーーー。
(公式サイトから抜粋)



主な登場人物


本作の真の主人公。山田が働く「Ephemere」の新人で、容姿は童顔で可愛らしいが、学力&常識なし、プライド高くて癇癪癖持ち貞操観念壊れているの三重苦で、最初は全く使えなかった。
……が、世間知らずと表裏一体の不思議な魅力と枕営業で徐々にキモオタから人気が出るようになる。
なお、ストーリーが進むうちにデフォルメされて描かれるようになり、ついに作中人物から「チビデブ」呼ばわりされた。


最初に自分を庇ってくれた山田さんと徐々に交流していくが、その中でその数奇な人生……そして常識を持たず子供っぽいゆえの「悪性」とも言える負の面が明らかになる。
詳細は項目を参照。



  • 山田マミ

本作の元主人公、現狂言回し。大学3年でキャバ嬢。キャバクラ「Ephemere」に所属する。
元々は「マミ」という源氏名だったが、みいちゃんの前で「山田」を自称したことから他のキャバ嬢からも「山田さん」と呼ばれるようになる。なので本名は不詳。
学歴コンプレックスの母親に教育虐待を受けて育っており、そのせいか学業にもあまり関心がなく母親に何も言わずにキャバクラで働くようになったぶっちゃけ反抗期の不良少女
中学時代は暗い雰囲気のコミュ障であったため周囲に馴染めず、クラスメイトとは壊滅的な関係ではなかったが周囲は気まずくなって自身から距離を置いていた。


イラストが得意で漫画家になるのが夢。自由奔放なみいちゃんと関わっていくうちに閉塞した日常が良くも悪くも変わっていき、彼女との距離が徐々に近づいていく。
…だがみいちゃんと関わるようになったきっかけは、「Ephemere」の体入の際に見込みなしの無能扱いされたみいちゃんに過去の自身の姿を重ねた自己投影と、みいちゃんと関わると面白いものを見たり聞いたりできるという野次馬根性が根源で、5巻でみいちゃんと同居し始めたのもマンションに押し掛けた母親を追い返すことが主な目的であるため、山田視点でも最初から純粋な友情で結ばれたものではない。
それゆえか彼女自身も最初は普通の注意や叱責だったものが変容していき、教育虐待によって育まれた独善と依存体質をみいちゃんに向けるようになり、彼女の意志や人格を縛る言動が目立つようになる。そしてみいちゃんのパン屋でのアルバイトが立ち行かなくなったことも重なり、二人の同居生活と利害関係は破綻。親との同居を選択し、しばしの別れを約した。
話が進む度にみいちゃんに狂わされていく被害者の一人。
みいちゃんの死から十数年が経った2025年の山田は酷くやつれきっており、風営法改正のニュースを見て「失敗した」と連呼しているが…?



  • 桃花

「Ephemere」で働くキャバ嬢。主に「モモさん」と呼ばれる。サディストで嫌な女だが頼れる先輩。25歳。
使えないみいちゃんのことを最初はいびっていたが、曲がりなりにも彼女が売れたことは多少なりとも認めている。
一方でみいちゃんが破滅の道を歩むことを薄々察していたため、もういびっても仕方がないと距離を置いたとも取れる。
キャバ嬢になる前は京都の舞妓(当時の芸名は「市桃」)であり、当時から生来のサディストであった。*3
舞妓時代当時知り合ったとある落ちこぼれの見習いであった後輩*4のことを友達だと思っているが、同時に救い難いと見限って既に距離を置いている。
舞妓仕込みのペルソナを被っているが、みいちゃんの常識外れさには流石の彼女も思わずペルソナが外れてしまっていた。
しかしそんな彼女も、店の治安維持に一役買っている場面もあり、みいちゃんが茂雄から貰ったぬいぐるみの中に盗聴器や小型カメラが仕込まれてるのを即座に見抜いたりしている。
作中から数年前に通信制の高校を卒業した事を仄めかす描写があり、本人曰く「結構頑張った」らしい。



  • ココロ(泉美)

「Ephemere」で働くキャバ嬢。山田と同い年で名門大学の学生。
若干人を見下す意識高い系で「就職できたら二度と(夜の世界に)関わらない」と考えている。
小学生レベルの漢字すらまともに読み書きの出来ないみいちゃんを「可哀想な人」として憐れんで勉強を教えようとするが……。
みいちゃんへの扱いは概ね「優しくはないが実はひどくもない(むしろ助けてすらいる)」というもので、みいちゃんのSNSに無許可で顔を掲載され、運の悪い事にその投稿が親に見つかってしまう等仕事の利害ありきとはいえみいちゃんを表立って完全に見捨てることはできないでいる。
作中中盤から就職活動のためキャバ嬢を休業しており、そのままフェードアウトする予定。
またこの時期と前後して、しれっとみいちゃんと山田の連絡先をブロックしたようである。



  • ニナ(新名)

「Ephemere」で働き始めた新米キャバ嬢。
みいちゃんの後輩にあたるが、大学卒業後一般企業に勤めていた経験もあるためみいちゃんや山田よりも年上。
山田とも小説の話で盛り上がるなど一見しっかりとした印象だが、ミスや忘れ物、失言や先送り、無断退職の常習犯である上に、注意力が無いため体のあちこちをどこかにぶつけることが多い。
さらに苛立ちや焦りがあからさまに表情に出やすく、みいちゃんに同類扱いされて露骨にムッとしていた。
本編ナレーションでは「ニナちゃんの特性を語る言葉が世間に広まるのはまだ少し先の話」*5とあった。
後に彼女は紆余曲折を経て自身で正解を導き出している。



  • ミュウ

山田が辞めたあとに「Ephemere」に入ったキャバ嬢。
名前は本名。曰く「ママが好きなブランドからとった」とのこと。アニメや漫画が大好きで、同じ趣味の彼氏がいる。
みいちゃんに似ているが彼女よりやや大人びており、身なりも整っている。
しかし場の空気や人の心理が読めず、相手に話すべきではない話題をあっさり話すという、キャバ嬢としては致命的な面を持つ(しかも内容の大部分は彼氏の受け売り)。
茂雄に一瞬は気に入られるも発言が原因で怒らせてしまった。
一応高校は卒業しており、頭をバカにされるとキレる。
初日早々桃花にいじめの照準にされたが果たして……。
メタ的な話をすると、『幸福のために最低限必要なもの』のプロトタイプ版→X公開のパイロット版→マガポケ連載版の順に誇張が進んだみいちゃんの作り直しのような存在である。



  • ムウちゃん(榎本睦)

みいちゃんと一緒に上京した、唯一無二の親友にして保育園時代からの幼馴染。黒髪に前髪パッツンのお団子ヘアが幼少期からのトレードマーク。
作中でみいちゃんと再会した時には、なんと元風俗嬢で窃盗の前科者となっていた。


前述の窃盗行為で刑務所に服役した際の知能検査により正式に知的障害の認定を受け、東京都の療育手帳を発行。出所後はB型作業所と思しき場所でホチキスの針を箱に詰める作業に従事していた*6が、現在は親元の宮城県に帰郷し、障がい者福祉に積極的な農家に受け入れてもらう形で畑仕事の手伝いをしている。


性格は良くも悪くも素直で明るく、親からの寵愛も受けていた彼女が安易に売春や犯罪に手を染めてしまったのは…

+ 無知と間違った「学習」-

上京後万引きやそれを誤魔化すための男性への性的な交渉で糊口を凌いでしまっていたみいちゃんに、そのやり方を教わってしまったから。


それらを指南された事が後々発覚して以後も執行猶予からの実刑判決を受けるまでにこれを多くの大人達から何度も注意を受ける機会があったにも関わらず執拗かつ幾度も店頭での万引きを繰り返してしまっていた。


そのような犯罪指南行為が実行されてしまったのは、過保護な母親の子育てによって育まれた当人の生活力全般の欠落や他人の悪意への鈍感さ・無防備さと、健常者レベルの知能を有して居なかった事からムウちゃんを無意識に下に見ていたみいちゃんのマウント意識によって引き起こされていた。


事実、不登校のみいちゃんと違って義務教育を完了していたにも関わらず漢字で自分のフルネームはおろかひらがなですらまともに書けない点や、成人を過ぎて人前で幼児の如く平気で服を脱ぎ散らかす行動に自力ではっと汁を作れるみいちゃんに対して包丁すら握れない自炊能力の無さから障害の程度はみいちゃんよりも相対的に重いと推測される。


出所後は立ちんぼや風俗に対して反省しており、「風俗の仕事に関してはもうしない」と施設の人と約束している一方で、前科持ちの直接の原因となった窃盗行為に対する反省の薄さやみいちゃんと山田の三人で食事をした際も無銭飲食*7を行ってしまい、そこから後々のエピソードで収監前に保険証を持たないみいちゃんに対して自分の保険証を貸し出すといった詐欺まがいな行動も発覚しており、今も再犯リスクの危うさが見え隠れしている。



  • 中村芽衣子

みいちゃんの母親。名目上はシングルマザーであり、実家(みいちゃんの祖母)の援助を受けている。
だらけているせいかやや太り気味で、身だしなみも成人女性にしてはズレておりまともに自力で出来ないことも多い。
山田さんの母親が教育虐待ではあってもそれ故に「子供の素行や友人関係への不安」を疑問に思っての詰問・行動の否定をもしているのに対し、一応娘への愛情はなくもなかったが子育てでも自己中な振る舞いを繰り返しまともに育児をせず、周囲にそれを指摘されると度々逆ギレするヒス女。
このような有様と後述する事情で、顔立ちのベースが美人なのにご近所からは遠巻きにされている。


みいちゃんの知識の乏しさ*8や気性、「自分は普通の女の子」と認識するバイアスは母親譲りであり、また彼女も何かしらの特性を抱えていると思わしき描写がある。
作中でもみいちゃんの担任だった須崎先生は学校での面談の際に癇癪を起した彼女を見て「これ、母親も……」と瞬時に察している。
みいちゃんを狂わせた元凶その2。


…ちなみに、彼女と番った最愛の男であり、みいちゃんが5歳の時に音信不通となった「みいちゃんの父親」の素性は母の兄。つまり、みいちゃんは特性持ち兄妹の近親相姦で生まれた子であるヤバ過ぎるとしか言えない代物なので反転注意。
当初は回想シーンにしか登場しておらず長らく登場していなかったが、32話時点で存命こそしているが何かしらの理由で現在は精神的におかしくなってしまい、祖母曰く「何度片付けても芽衣子が散らかすの」と言っており、かなり悪い意味で重度化していた*9



  • みいちゃんの祖母

みいちゃんの祖母であり、芽衣子とその兄の母。みいちゃんを狂わせた元凶その3。
何らかの特性持ちである2人の子供を育ててから、その2人の最悪の結晶である孫のみいちゃんをも育てることとなった。
もはや妄執と言えるほどに世間体に執着しており、芽衣子の兄を強面の男に押し付けて切り捨て、やはり要支援な特性を持つと推察される芽衣子を自己流で養育。
…そしてみいちゃんの素性故に彼女はみいちゃんを生来嫌悪し続け、必要だったかも知れない支援は世間体を理由に拒絶し受けさせず、一方では世間体に執着しているくせにみいちゃんには関わりたくないと投げ出して躾も監視もロクにせず、結果みいちゃんは中学校入学時点でどうしようもなく素行不良な不登校児として近所と学校に知られる事に
中学校卒業後にみいちゃんを体良く勘当したものの、その数年後には帰郷したみいちゃんを受け入れる。
自身の加齢により家事がまともに出来なくなった事と芽衣子が「お世話」が必要な状況になっていたのが理由で、みいちゃんには家事、芽衣子の世話、仕事をして家に金を入れる事全てを要求してくるのだが…


みいちゃんを狂わせた元凶の一人ではあるが同情できる所もあるため、読者からの評価は賛否分かれている。



  • マオ

みいちゃんの一応彼氏。自称IQ130のギフテッド*10。みいちゃんを狂わせた元凶その4もしくはみいちゃんに狂わされた存在
しかし、みいちゃんに日頃から暴力を振るい、さらには金をせびっている、典型的なDVヒモ男。みいちゃんとは共依存的な関係性で、まともな愛情は皆無に等しい。
みいちゃんがキャバクラや風俗で勤務する事さえも金のため程度にしか思っておらず、みいちゃんの貞操観念が崩壊していることを何とも思わない。
その癖本当にギフテッドなのかも怪しい程に頭も悪く小心者なため、結構親しい相手でも気に障る事を耳にするとブチキレやすいみいちゃんと、金づる兼サンドバッグ程度の扱いで交際を続けていた事を考えると……。
失踪後に山田が被った被害を考えると「実際みいちゃんの世話係としてはその暴力的な面がプラスに働いたのかもしれない」、「世話係として頑張った」*11と再評価する読者の声もある。
そんな中でみいちゃんを海外旅行と称して海外に連れ出そうとするのだが……。


結局彼が本当にギフテッドだったかどうかは定かではない。
身も蓋もない事を言うと、高IQのギフテッドであることは必ずしも本人の優秀さの担保にはならず、むしろギフテッドと診断されながらも生き辛さを抱え社会で孤立する者も少なくない。そもそもネット上に転がっている怪し気なものを除いた正式なIQテストを受験するのは高いハードルがあり、実際にIQテストを受けることになった時点で何らかの特性持ちを疑われているパターンも多い。
みいちゃんには案外「お似合い」の男だったのかもしれない。



  • 鈴木茂雄

みいちゃんを贔屓にしている客の1人で、天パーに眼鏡をかけたいかにもキモオタな容姿。介護が必要な母親*12と2人暮らし。
みいちゃんにガチ恋しており、身体の関係もあることから彼氏だと思い込んでいた。
但し学生時代にいじめられたことや女性から嫌われた経験から、女性への差別意識が極めて強い上、キャバクラに通い詰めているくせに夜職の女性を見下している。
また女性の思考力や人格を邪魔だと否定している節があり、みいちゃんへの好意も1人の人間として認めた上でのものではない*13
だが彼の一方的なみいちゃんへの想いと女性に対する独善は、思いもよらぬ形で決着が付いた。
上記のマオとは違い仕事はきちんとしているし*14、一応同居する母親のことも大切にはしており、この作品のなかではこれでもまともな人物ではある。
転機となった第27話以降は読者からの再評価の声も挙がり、その影響もあってかマガポケメンズ総選挙2026にて2位にランクインした。*15



  • 店長

「Ephemere」の経営者(どうやらオーナーは別にいるらしい)。55歳。みいちゃんを狂わせた元凶その5。
どう考えても使えないみいちゃんを「面白そう」という理由で雇う。
みいちゃんに対しては通常のキャバ嬢なら有り得ないぐらいに配慮している、パッと見は温和なオジサンに見える。


しかし元々この店はノルマを満たせないキャバ嬢に罰金を課すくらいにはキツめの職場であり、その正体は……。



  • 郷田

みいちゃんの小学1年生の時の担任教師。
児童を弄って笑いを取るという、1990年代後半当時実際よくいたタイプの無神経な教師。
みいちゃんの特性や生育歴・家庭環境には目を向けず、みいちゃんが不登校に陥る原因を作る。



  • 須崎奈々

小学校編の人物。この作品は数少ない良心と言っていい人物。
2000年代初頭の地方の公立小学校に赴任した新卒教員としては、ぶっちゃけ時代考証ミスに近いレベルで療育において先進的な考えの持ち主。
みいちゃんの家族への提案とみいちゃんに屈託なく笑いかけ続けた彼女の立ち回りが、みいちゃんにとって最初にして最大の分岐点である。



  • 佐藤

中学編の人物。
ピアノと読書を好む物静かな美少年でみいちゃんにとっては初恋の相手。
騒がしいことが苦手な彼に嫌われまいと意識したことでみいちゃんの奇行は薄まり、そのおかげでクラスメイト達のみいちゃんを見る奇異の視線も幾分改善された。
佐藤の方も(良く言えば)純粋なみいちゃんを気に入ったようで友人として優しく接してくれていたのだが……。



  • 皐月

中学編の人物。
奇行の収まったみいちゃんと友達になり、みいちゃんの恋路を見守った。
だがとある事情からみいちゃんの巻き添えを恐れて止む無くみいちゃんと縁を切った。



  • 雪奈

中学編の人物。
見た目こそ可愛らしいが、本性は腹黒く嫉妬深い。
佐藤に対して好意を抱いており、彼に優しくされるみいちゃんを疎ましく思っている。



中学編の人物。みいちゃんを狂わせた元凶その6。
友人である雪奈が佐藤と仲良くなることを望んでいる。
ネタバレを回避した上で説明すれば、結果的にはみいちゃんをみいちゃんたらしめる「悪性」の最重要部分を(その問題に気付きつつも看過したとみられる教師ともども)育んだ元凶である。



  • 山田マミの母

山田に教育虐待を加えた毒親
山田のためを思って行動するも、独善的で過干渉気質なうえに社会常識に欠けるどこかズレた母親。
その歪んだ教育は後に滲み出る山田の悪性を育み、娘の山田からも疎まれている。
一方で人を見る目は確かで、後に明らかになるみいちゃんの悪性を見抜き、みいちゃんを山田から引き離す理由は正論である。
また「大学にロクに通わず留年寸前」「キャバクラでアルバイト」「学校にも行かずデリヘルで働いていることを初対面の自身に意気揚々と話す女の子が友達」という娘の現状を知れば、毒親でなくとも狼狽するのは当然である。
そこがまた反抗期とも言える山田からは疎まれるのだが。
皮肉にも娘は彼女がみいちゃんと邂逅した直後に、彼女の心配の斜め上を行く暴走に向かっていく。



  • ムウちゃんの母

ムウちゃんに愛情を注ぎ、彼女の善性を育んだ良母。
一方で小学1年生の頃から0点常連のムウちゃんに対して特殊学級への編入を薦められたにも関わらずあえて普通学級に入れたり、幼少期にしか効果のない「言葉のシャワー」を誤信して中学入学段階で持ち出したりと療育の知識がやや欠落している部分も見受けられる*16
また、地域で疎んじられていた中村家と幼少期から事実上唯一親子ぐるみで付き合っており、他害性の強い不登校児童として地元で有名人であったみいちゃんを信頼しているなど他人を見る目がかなり甘い。
そうした本人の人の見る目の甘さからか、彼女の知らない所で育まれてしまったみいちゃんの「悪性」によって娘は窃盗行為及び売春の世界に勧誘した事を第三者から知ってしまった事で、愛する娘はキズモノにされた挙句前科者の烙印と知的障碍者認定を背負ってしまって以降は、更に過保護になった上みいちゃんに対して強い嫌悪感を抱いている。*17



  • 金村

みいちゃんが4巻から勤務するようになった風俗店の責任者。
えびす顔&福耳で常に笑顔を絶やさないが、風俗店の責任者としての方針は悪質そのもの。デリヘル嬢を「商品」と呼び人間扱いしていない
みいちゃんに対しては大女優だとおだてて他の嬢ではNGになるような厄介客*18を押し付け、本来デリヘルでは禁止とされる本番行為を黙認し、
さらにはみいちゃんが簡単な計算すらできないのをいい事に給料をピンハネしている。
後にまさかの人物との繋がりが明らかとなる。



  • 真璃亞まりあ

みいちゃんの風俗店時代の同僚。白黒ツートンヘアのメンヘラゴスロリバンギャルで、推しバンドマンと私的に繋がって金を貢いでいる所謂「繋がり」「蜜」*19と呼ばれる系のファン*20
金村がみいちゃんに悪徳客をつけるおかげで自分の方の客筋も悪くなることに迷惑しているが、彼女には「男を金で繋ぎ止めている」者同士としての親近感はある。
みいちゃんにストレス解消という形でリストカットを教えたため、みいちゃんがその存在を山田に仄めかした際は、山田は彼女をろくでなし扱いしていた*21
その後は山田のアルバイト先となるレンタルビデオ店で働いており、そこでの先輩が目的達成のために奮闘する姿を知っているため、山田を空想だけは一人前の無能と見下している。
みいちゃんの惨状に触れて、その後の未来を切り開いた人物。



  • ツバサ

風俗編での厄介客。
本人の体格や母親の年齢を考えると青年~中年と思われる。
鉄道が好きなようで、自室に線路のおもちゃがあったり、登場時には電車のおもちゃを持っていた。
清潔保持も意思疎通もままならず、デリヘルの注文の電話すらできず、食事の際はフォークすらまともに持てない。ここまで書けばどんな人物かはお察しだろう。
倫理観の薄さと横暴さ、最初こそみいちゃんを笑顔で迎えたもののプレイ中は「褒める」行為もなかったため、プレイ後のみいちゃんも虚無感を抱いた。
そのため彼と再会した際は、さすがのみいちゃんも眼前に強敵が現れたかのようにうろたえていた。なんなら読者も意外な再登場に驚いた
パン屋では先輩店員を明らかにヤバい目で見たり、棚に並んでいるパンをおもむろに貪り、喉に詰まらせて窒息しかけていた。



  • ツバサの母

ツバサに代わってデリヘルの予約を入れた張本人。何やらスピリチュアルに傾倒している不気味な雰囲気の老婆*22
息子を溺愛していると言えば聞こえは良いが、ツバサの性処理担当としてみいちゃんをツバサと付き合わせようとしたり*23
パン屋ではツバサの暴走を止めないどころか開き直った上に逆ギレするという危険人物。



  • パン屋の店長

みいちゃんが(山田による金村の風俗店のSNSブロックで)デリヘルを辞めたあと、バイトを始めたパン屋の店長。特性持ちと知らなかったとはいえ、まともな経歴を持たず識字もままならないみいちゃんを採用した、懐が深い人物。
ジャムおじさんではない。
バイト初日は食器洗いを任せた*24が、先輩店員を見たみいちゃんの「可愛い制服が着たい」というわがままを汲み、次の勤務日にレジの接客を任せた。
しかし来店したツバサ母がデリヘルでの勤務やツバサとの関係を明かしたこと、おつりの横領の発覚から彼女をクビにした。
みいちゃんに対して日払いで給料は払えない代わりに売れ残りのパンを分け与える、おつりの横領には悪いことは悪いと教える、「ぺろぺろ」を拒否するなど、本作の良心の一人。
だが、このクビ事件を機にみいちゃんと山田の間に修復不可能な溝ができてしまった。



  • パン屋の店員

みいちゃんの先輩店員。スタイル抜群で目の下の泣きぼくろがチャームポイントの妙齢の女性。
価値観やみいちゃんへの対応はいかにも標準的。
夜職とは縁が薄いらしく、みいちゃんのデリヘル勤務歴を知ったときは激しく動揺していた。
みいちゃんやツバサ親子の非常識な言動に振り回され、散々な目に遭うことに。



  • 高橋

中学編でみいちゃんをレイプした不良グループの一人。
その時点では名前は明かされていなかったが、32話で再登場した際に苗字が明かされた。
中学校卒業後地元で就職し、現在では結婚して二児の父親となっていた。彼なりに充実した生活を送っているように見えたが、みいちゃんや不良仲間*25が東京に行った事については思う所があった模様。
そんな時にみいちゃんの帰郷を知り、「みいちゃんはこの地の伝説」「俺たちの伝説がまた始まるぜ!」と地元に居残った仲間と共にテンションを上げていく。
見た目や言動で分かるガラの悪さ、「みいちゃんを拉致して『アレ』を試す」という仲間との物騒な会話やみいちゃんの遺体の状態から、読者からはみいちゃん殺害の黒幕最有力候補として注目されているが…?




追記・修正してください。みいちゃんです!




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  • 当コメント欄(2026-04-13 11:49:54)の提案に異論がなかったため、コメント欄をリセットしました。また、質問・意見交換所 (2026-04-15 17:08:34)の提案により、コメント欄をメンバー限定にしました。 -- 名無しさん (2026-04-22 21:39:04)
  • 展開自体はまごう事なき(現実ならこのレベルに至る前に破滅しそうも込みで)フィクションなのに、部分部分で「刺さる」モノがあるのがこわい作品。「誰もが『ミニみいちゃん』『ミニ山田さん』の欠片くらいは持ってるかも」と感じてしまうというか…。 -- 名無しさん (2026-05-13 09:22:20)
  • 昭和生まれの人だと『子どもの頃、「こういう人ら」に迷惑をこうむった経験がある』という人は珍しくない。その共感があるのかもな -- 名無しさん (2026-05-31 17:01:00)

#comment(striction)

*1 風俗系のエッセイ風の漫画を描いているアカウント。ただし声優系の枕営業の漫画を描き批判を受けたり、亜月ねね氏もちいかわの作風で差別的な漫画を描いて炎上したことがある。
*2 2025年に風営法が改正され、ホストクラブなどのランキングを煽り立てた広告や色恋営業が原則禁止された。
*3 ちなみに26話の内容から16歳で舞妓見習いとなっている描写があるが、19歳で歌舞伎町にやって来たと彼女の客から言われている事からも舞妓の中ではかなり短命だったと見られる
*4 痛みに鈍感な上に味覚異常で、四則演算ができない上に食事のマナーも悪いため、何らかの特性持ちが疑われる。
*5 現実でも2015年にモデルの栗原類が発達障害をカミングアウトをしたことで知的障害を伴わない、所謂大人の発達障害が認知されるようになった。
*6 実際のB型作業所(あくまでも「居場所の確保を前提としている福祉施設」であり、就労ではない作業所。そのため最低賃金は原則的に出ず、「工賃」の名前で時給100~200円程度で計算される)でも、このような商品作りの軽作業を主にしているところは珍しくない。
*7 この際は山田が全員分の食事代を支払った
*8 芽衣子も漢字の読み書きがほとんど出来ないほか、コンドームの存在そのものを知らないなど、その知見は小学生程度といえるだろう。
*9 また、33話の描写から、今の芽衣子は統合失調症になっており今は“祭り”状態になっていないだけなのでは?との考察もある。
*10 話が進むごとにIQの数値が上がっていき、最終的には180になった
*11 みいちゃんが飼っていたハムスターのハムカツも、ロクに面倒を見ておらず、マオが実質的に世話をしていた。また、識字もままならないみいちゃんのためにアルバイト用の履歴書も描いた。
*12 本作では珍しい、いわゆる毒親ではない、ムウママに次ぐ良母
*13 みいちゃん以外のキャバ嬢も、何かと理由をつけて徹底的に嫌っていた。
*14 実家住みとはいえ物価が高い東京在住&キャバクラ通いにもかかわらず貯金が500万円ほどあるらしい。それでも職場のパソコンで風俗サイトを見て同僚にドン引きされたりしているが。
*15 ちなみに1位は『WIND BREAKER』の主人公・桜遥。
*16 ただしそれらはムウちゃんの為を思い考えた末の決断であり、中村家のような薄っぺらいプライドや自己保身から来る拒絶とは一線を画している。また先述のように時代背景から「障碍児教育」の具体的な話がまだ家庭にまで浸透していない時期だったであろうことも留意するべきか(現代でもグレーゾーンに近いケースでは難しい判断となることも指摘されてはいる)。
*17 みいちゃんから離すためケースワーカーを雇わせムウちゃんを半ば地元に強制帰省させたり、みいちゃんの事を少しでも聞くと力強く包丁でさつまいもを切ったり、地元の芋煮会でみいちゃんに冷たい視線を浴びせたりする描写がある。
*18 嬢への態度が悪いと言うだけでなく、水責め、スカトロ、手加減無しの暴行や命に関わりかねないものなど、異常プレイを好む変態達。
*19 貢ぎの意味。
*20 繋がっているバンドマンも素行が良くない方であることは仄めかされている。
*21 みいちゃんは自分の都合のいいように話す癖があるためその印象だけで判断している。
*22 年金を貯めたというセリフから最低でも還暦過ぎと思われる。自宅の玄関には「悪霊退散」と書かれたお札とお守りが貼られ、すぐ横の棚には壺と水晶が置かれている。また詳しい間柄は不明だが、「光の結界を張れる先生」なる人物を信奉している模様。
*23 デリヘル嬢として呼ぶと金がかかるが、彼氏彼女の関係なら無料で性行為ができるという浅ましい考え。
*24 やはりと言うか、洗い方が不十分だったが、初日と言う事でこの辺は目を瞑った。
*25 みいちゃんレイプの現場に居合わせた目隠れで細身の少年。「佐々木」と呼ばれていた

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