さらざんまい

ページ名:さらざんまい

登録日:2019/04/23 Tue 01:55:45
更新日:2024/04/04 Thu 13:25:01NEW!
所要時間:約 10 分で読めます



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つながっても、見失っても。



手放すな、欲望は君の命だ。








■概要


幾原邦彦監督が手掛けるアニメ作品。
フジテレビのノイタミナ枠で、2019年4月から放送。
原作はイクニラッパー。アニメーション制作はMAPPA/ラパントラック。


幾原監督はこれまでもOP制作などでノイタミナ作品には関わっていたが
監督としてアニメ作品に関わるのはこれが初となる。



東京の浅草を舞台に、カッパに変身してしまった中学生三人の群像劇を描く、という相変わらずの幾原監督のぶっ飛んだ設定が特徴の作品。
そのため「ペンギン」「クマ」ときて、今作のマスコットは「カッパ」
自分の願いを叶えるという報酬を得るために、敵から尻子玉を抜くというのが今作の主人公たちの目的であり、大まかな話の流れになっている。


敵と戦い尻子玉を抜く流れは、ニチアサの戦闘シーンのようにバンクが入り毎話のお約束のように進むため、『少女革命ウテナ』の決闘シーンに近い。
恒例の異様に気合の入ったバンクシーンも健在。
また今作で流れる劇中歌はほとんどそれぞれの役の声優が務めており、まるでミュージカルアニメの様相を呈している。
幾原監督特有のシュールなギャグや、突拍子もないネジが外れたような演出もそのままで、歌いながら戦う主人公3人や、突然ソイヤッ!とばかりに踊りだす玲央と真武の二人などはその一例。
まさしく幾原ワールド全開な作風となっている。



しかし話の本筋そのものは、それぞれが抱えた「欲望」を叶えるために戦いに臨む、というやはりシリアスなもので
物語に出てくる「欲望」は、どれも大っぴらにはできない、周りにはとても明かせない「秘密」にしなければならないものばかり。
それらの満たされない「欲望」を抱えてしまったが故の、ジレンマや苦しみ・足掻きなども色濃く描写されている。
一話ラストの、仲間に秘密がバレて腫れ物に触るような扱いを受けたり、白い目で見られた主人公・一稀が
「好き勝手言うな! 誰かに分かってほしいなんてこれっぽっちも思ってない!」と周囲に背を向ける流れは、ある意味この作品の「欲望」の性質をとてもよく表現している。
さらに主人公たちは、それらの「秘密」を共有しなければならないという枷が与えられており、
他人に受け入れられないことを自覚していても、それらを他者にさらけ出さなければ前に進めないという試練が与えられている。


今回よく登場する単語は、「欲望」「繋がり」
また前作・ユリ熊嵐では登場人物はほぼ女性だったが、今作では逆に主要人物のほとんどは男性で固められている。
そのため前作では百合感が強かったが、今作ではBL感が強い。



スピンオフとして「レオとマブ~ふたりはさらざんまい~」がRuTiLuにて連載。
現在は完結し、全1巻で単行本が発売されている。
なおRuTiLuはいわゆるボーイズラブ系の雑誌であり、これも普通にBLものとして扱われている。





■あらすじ


舞台は浅草。
矢逆一稀、久慈悠、陣内燕太の3人はある日、謎のカッパ型生命体“ケッピ”に出会い、
無理やり尻子玉を奪われカッパに変身させられてしまう。
『元の姿に戻りたければ“ある方法”でつながり、ゾンビの尻子玉を持ってこい』
ケッピにそう告げられる3人。少年たちはつながりあい、ゾンビの尻子玉を奪うことができるのか?!


同じ頃、新星玲央と阿久津真武が勤務する交番でも
何かが起ころうとしていたー。
(公式サイトより抜粋)





■歌


  • OP「まっさら」

作詞・作曲 - 谷口鮪 
編曲・歌 - KANA-BOON


  • ED「スタンドバイミー」

作詞・作曲 - 北澤ゆきほ 編曲- the peggies シライシ紗トリ 
歌 - the peggies



  • 「さらざんまいのうた」

取り戻さなきゃいけないものがある 好きなアイツに知られちゃう前に


作詞 - 幾原邦彦 内海照子 作曲 - 橋本由香利
歌 - 矢逆一稀(CV:村瀬歩) 久慈悠(CV:内山昂輝) 陣内燕太(CV:堀江瞬) ケッピ(CV:諏訪部順一)


今回の「絶対運命黙示録」or「Rock Over Japan」枠。
ちなみに最初の合いの手の部分は、毎回相手の欲望によって変わる。
(1話→「ハコ ハコ」 2話→「ネコ ネコ」)



  • 「カワウソイヤァ」

欲望を搾り取れ! 欲望を搾り取れ!


作詞 - 幾原邦彦 内海照子 作曲 - 橋本由香利
歌 - 新星玲央(CV:宮野真守) 阿久津真武(CV:細谷佳正)


今作の告白昇降室&暁生カー枠の曲。
ちなみにイントロの合いの手の部分は、毎回相手の欲望によって変わる。
(原曲→「タマ タマ」 2話→「ネコ ネコ」)


なお「かわうそいや」をgoogle翻訳で日本語英語に変換すると…



  • 「放課後カッパー」

作詞 - ロジィ大宮(少女式エリス) 作曲 - ロジィ大宮(少女式エリス)
歌 - 吾妻サラ(CV:帝子)





■キーワード


  • カッパ

日本でポピュラーな妖怪。
川辺に住んでおり、子供のような緑色の体に頭に皿を乗っけている。
キュウリと相撲が好き。
人間の尻から尻子玉というものを抜くとされている。


主人公である一稀たちは、ケッピによってカッパに変身。
これにより相手から尻子玉を抜けるようになる。



  • 欲望フィールド

人間の世の裏側。
普通の人間はここを見ることもできないが、カッパになったりケッピから変なマークを貼られるとここに行けるようになる。


ここでは「カパゾンビ」なるものが時たま現れては欲望を満たそうと暴れており、
普通の世界でも箱やがどこかへ持ち去られるなどの被害が出ている。



  • カパゾンビ

生前執着していた欲望を満たそうとしているゾンビ
欲望フィールドにおり、配下のシタッパーズを使って欲を満たすために様々なものを集めている。
そのため欲望が蓄積している尻子玉を抜かれると、消滅してしまう。


ちなみに名前は集めているもので変わる。
(例 箱→ハコゾンビ 猫→ネコゾンビ)



  • 尻子玉

人間の尻の中にあるといわれる臓器。
その人間の欲望エネルギーが蓄積している。



  • 希望の皿

ケッピにカパゾンビから抜き取った尻子玉を、さらざんまいで転送すると貰える報酬。
集めると、どんな願いも一つだけ叶えられる。


金の皿は一枚、銀の皿は五枚で一回分の願いを叶えることができる。



  • さらざんまい

ケッピ曰く「身も心も繋がるということ」


尻子玉をケッピに送るには仲間とこれを行うことが必要だが、
「身も心もつながる」ため、本人が知られたくない秘密や隠し事が漏洩し、共有されてしまう



皆が持ち、他人には中を秘密にしている箱。
中にはそれぞれの見られたくない欲望が入っている。



  • カワウソ

獺、川獺。水辺や海上に生息している動物。
かつて日本の川辺に生息しており馴染み深かったニホンカワウソは、現在絶滅宣言されていることでも有名。
妖怪である河童の正体はこのカワウソであるという説があり、カワウソを見なくなった時期からカッパの目撃談も消えているという話もある。
またカワウソ自体が河童の一種として妖怪視される伝承もあり、室町時代の国語辞典『下学集』には、「獺老いて河童に成る」と述べられている。


作中にこのカワウソのシンボルが様々な場面で登場し、特に登場人物の玲央と真武の周囲にはよく散りばめられているが…。





■登場人物


CV:村瀬歩
中学二年生。昔はサッカーが好きな明るい少年だったが、現在は「あること」に夢中になっている。
弟である春河のことを溺愛しているが、家族とは妙な距離感がある。


昔何かあったらしく、今現在の「あの子」との繋がりに執着している。
ひょんなことから悠と共にケッピを目覚めさせてしまい、その後は願いを叶えるために悠・燕太と一緒にカッパになって皿集めを始めるが…。



  • 久慈悠(くじ とおい)

CV:内山昂輝
一稀のクラスに転校してきた少年。悪い噂があり、クラスでも孤立している。
実際人知れず様々な悪事に手を染めており、車上荒らしやマンションの一室で「やさい」の生産などを行っている。
これらには兄・誓への感情が関係しているようだが…。
武器として、金属製の物差しを持ち歩いている。
脅し文句は「ブスっといくぞ」


ケッピを目覚めさせたため、強引にカッパにされてカッパゾンビの尻子玉を抜く羽目になるが
願いを叶える皿がもらえることを知ってからは、兄のため強引と言えるほど積極的に皿を集め始める。



  • 陣内燕太(じんない えんた)

CV:堀江瞬
一稀の幼馴染。一稀がサッカー部にいたころ、二人は”ゴールデンコンビ”だった。
一稀との繋がりを絶対のものと信じているが、現在一稀が一人で勝手にサッカーから離れてしまったため、ちょっとショックを受けている。


ケッピを目覚めさせた2人に巻き込まれる形でカッパにされ、
そのまま一稀を放っておけず、皿集めに参加する。




  • ケッピ

CV:諏訪部順一
カッパ王国第一王位継承者を自称する謎のカッパ型生命体。
人間の尻子玉を抜いてカッパにしてしまう。
普段はマスコットの姿だが、このときカエルと呼ばれるととても怒る
一稀たちの尻子玉を抜くときは八頭身になり、とてもキモイ。


浅草にある河童像に眠っていたが、一稀と悠のいざこざのとばっちりで破壊されたため復活。
その後、願いを叶える希望の皿を報酬として、カッパゾンビを倒すことを依頼する。



  • 矢逆春河(やさか はるか)

CV:釘宮理恵
小学生の一稀の弟。
ふわふわした性格をしており、ネットでのアカウント名は「春かっぱ」。


現在、アイドルである吾妻サラに夢中。



  • 久慈誓(くじ ちかい)

CV:津田健次郎
悠の兄。悪いことを生業としており、常に危険な状態に身をさらしている。
今は悠とは離れて暮らしている。


悪いことをしているが弟には優しく、ヘマをしたら助けに入り本当に危険なことからは遠ざけている。
武器は悠と同じく、金属製の物差し。
口癖は「この世界は悪い奴が生き残る」



  • 吾妻サラ(あずま - )

CV:帝子
浅草のローカル番組「アサクササラテレビ」のMCを務めるご当地アイドル。
毎朝『ラッキー自撮り占い』で今日のラッキーアイテムを発信している。


スピンオフ「レオとマブ~ふたりはさらざんまい~」では、彼女によく似た赤ん坊が登場。
道端の皿の上に捨てられていたところをレオとマブの二人に拾われ、『サラ』と名付けられて二人の父親の元で育てられるが…







「始まらず、終わらず、繋がれない者たちよ」


「今、一つの扉を開こう」


  • 新星玲央(にいぼし れお)

CV:宮野真守
交番に勤務する警官で真武の相棒。
浅黒い肌と、野性的な雰囲気が特徴のイケメン。


彼と真武の2人による「カワウソイヤァ」を踊るシーンは、いろんな意味でインパクト絶大


また「にいぼしれお」をgoogle翻訳で日本語→英語で変換すると…



  • 阿久津真武(あくつ まぶ)

CV:細谷佳正
交番に勤務する警官で玲央の相棒。
青白い肌と、眼鏡と合わせた知的な雰囲気が特徴のイケメン。


玲央と一緒に交番で逮捕した人物の欲望を搾取し、カパゾンビを生み出している。
二人で何かの計画を進めているが、同時にカパゾンビを消している邪魔者の存在も察知している。




■余談


  • 本放送の半年前から、番組プロモーションの一環として、登場人物の玲央と真武の公式Twitterが開設された。
    内容は勤務日誌のようなもので、2人のツイートや写真などが公開されている。
+ -

が第10皿の放送後、そこで起こった怒涛の展開により、放送直後の真武の最後のツイート投下から
それまでのツイートが次々と消えていき、最終的には全ツイートが消滅。
さらにはアイコンすら消えて真っ黒になり、第10皿放送からおよそ十数分後、玲央と真武のアカウントそのものが消えてしまった


現在彼らのアカウントが存在していた痕跡はIDのみで、IDは 「@keeponly1luv」keep only one love




追記・修正は、欲望を手放さずにお願いします。



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  • ホモ河童嵐 -- 名無しさん (2019-04-23 02:10:56)
  • 他の二人は兄弟に感情が向いているのに、燕太は姉ではなく一稀ってのがまた。漏洩したらどうなるんだ -- 名無しさん (2019-04-23 02:18:24)
  • 「理解されようなんて思っちゃいない」で開き直ってアクセル全開になっている一稀と悠に比べて、燕太はまだ闇がなさそう。というかあの二人の闇がほんと深そうでなぁ -- 名無しさん (2019-04-23 07:22:55)
  • なんか高熱出してる時に見る夢みたいだなって思いながら第一話見たよ -- 名無しさん (2019-04-23 12:16:23)
  • ネットでは汚いプリキュアとか汚いシンフォギアとか言われてて草 -- 名無しさん (2019-04-23 19:02:50)
  • アサクササラテレビ、アクサラみたいなネーミングだな -- 名無しさん (2019-04-24 10:23:02)
  • カワウソイヤァは今作の暁生カーなんだなあれはw -- 名無しさん (2019-04-26 01:34:22)
  • 悠の秘密が重すぎる件 -- 名無しさん (2019-05-03 01:27:17)
  • 今回主人公が誰か救って世界から消えちゃう展開を阻止したけど、今までイクニ作品に共通してた世界と戦って外側にはじき出されちゃうラストとはだいぶ違った展開になるんだろうか -- 名無しさん (2019-05-17 10:11:33)
  • かわうそいや と にいぼしれお、これ翻訳どうなってるんだ…… -- 名無しさん (2019-05-29 11:14:42)
  • 「かわうそこうばん」が“そこに行くよ”だったり「さらざんまい」が“たまらない”だったり、google翻訳と絡めた何かがある? -- 名無しさん (2019-05-29 15:17:27)
  • にいぼしれおの翻訳はどこまで狙ってたんだろうか。意図的にしろ偶然にしろ結末がマッチしすぎている… -- 名無しさん (2019-06-14 01:29:48)
  • 幾原作品で主人公勢誰も消えずまさかこんなに綺麗に終わるとは。ラストは久慈を主軸によくここまで「つながり」描いたもんだわ -- 名無しさん (2019-06-21 01:41:48)
  • ピンドラのオマージュかつアンチテーゼみたいな作品。でもその後に監督が発表した作品がピンドラの映画なのは興味深いな。 -- 名無しさん (2023-01-04 21:53:33)

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