ギルド評議会
概要
ギルド評議会は、テルカリス大陸の人間領において、冒険者、商人、技術者、薬師、斥候の5つの専門職ギルドが集まる組織群です。これらのギルドは独立性を保ちつつ、「ギルド評議会」という合議制の統治機構を通じて一つの大きな勢力として機能し、エステラード王国の経済と防衛を支える不可欠な存在となっています。ギルド郡の拠点は王都エステラードの「評議堂」で、王宮と聖堂に隣接し、三勢力の緊張関係を象徴します。表面的には協力体制を維持する一方、内部では権力と利権を巡る暗闘が絶えず、三角関係に複雑な影響を与えています。
歴史
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発生期(大崩壊後~約100年): 大崩壊後、教団と王国の統治が及ばない隙間を埋めるため、民衆や個人が自発的に集まり始めました。魔物に立ち向かう傭兵、交易を再開する行商人、技術を修復する職人、薬草で治療する者、情報を集める斥候が緩やかな協力関係を形成。
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組織化(約100~300年): 教団と王国の限界が明らかになる中、各集団が専門性を高め、正式なギルドとして組織化。エステラードに拠点を構えました。王国は「無法者」と見なしつつ、ギルドの戦力と経済力を利用し、自治を黙認。
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ギルド評議会の誕生(約300年~): 満月の魔物大襲撃でエステラードが壊滅寸前に。冒険者ギルドの開拓隊が魔族増援を事前に察知し、ギルドが協力して危機を乗り切ったことが契機となり、ギルド評議会が設立。評議堂で初会合が開かれ、王国と教団に自治権を認めさせました。
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現在: 三角関係の中で経済と防衛の要として機能。内部対立が均衡を揺らしつつ、未開拓地の開拓が勢力を拡大。
構成ギルド
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冒険者ギルド
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役割: 魔物討伐、ダンジョン探索、東西未開拓地調査。裂谷テルスカードの防衛やミラドダンジョンの探査を担う。
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特徴: 実力主義で、初心者から魔導士まで所属。開拓隊が東の荒野(魔族情報、鉱石)、西の湿地帯(薬草)を調査。報酬は教団への寄付と連動。
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勢力: 評議会内で武力と未開拓地情報で影響力が強い。
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内部事情: 名誉を求める若手、生存優先の古参、開拓隊の独立性で意見分裂。
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商人ギルド
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役割: 交易、物流、市場運営。ダンジョン資源、未開拓地の産物、教団の浄化品を扱う。
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特徴: 経済力と情報網が強み。闇市や正規市場を支配し、エルフとの裏取引も噂される。
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勢力: 資金力で評議会を支えるが、冒険者ギルドに依存。
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内部事情: 富裕商人と中小商人の利害対立。浄化品取引の独占を狙う。
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技術者ギルド
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役割: 武器・防具製作。古代技術を継承し、王国や冒険者に装備を供給。
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特徴: ドワーフに匹敵する知識を持ち、様々な装置、兵器を開発。秘匿性が高い。
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勢力: 中立を装い、王国と結託して軍事技術を提供。
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内部事情: 革新派(魔素利用推進)と保守派(技術純粋性重視)が分裂。
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薬師ギルド
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役割: 薬草調合、治療。魔素汚染への対処法を研究し、民衆や冒険者に薬品を提供。
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特徴: 教団の奇跡に頼らず、自然ベースの科学的治療を追求。「命の守り手」として民衆支持が厚い。
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勢力: 民衆支持を武器に発言力を持ち、教団の信仰依存を批判。
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内部事情: 治療優先派(即効性薬品)と研究優先派(魔素治療)が対立。
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斥候ギルド
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役割: 情報収集、偵察、暗殺。裂谷や未開拓地の動向を監視し、魔族の動きを探る。
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特徴: 秘密主義で、評議会内でも全貌が不明。闇市で情報取引が盛ん。
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勢力: 教団や王国に情報を売る二重スパイ的立場。
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内部事情: 個人主義が強く、商人ギルドと裏取引で結託する者も。
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ギルド評議会の構造と活動
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設立目的: 個々のギルドが単独では教団や王国に対抗しきれず、魔物や魔族の脅威に対処するため共同戦線を形成。
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運営: 各ギルドから選出された代表者による合議制。エステラードの評議堂で月1回会合を開き、満月の魔物襲撃に備えた防衛策を協議。
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権威: 王国から自治権を認められ、教団から「試練への協力者」と祝福される。決定権は多数決に依存。
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活動:
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裂谷防衛資金の拠出や資源分配を決定。
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開拓隊の成果を活用し、未開拓地の経済的・戦略的価値を拡大。
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内部対立
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権力争い: 冒険者ギルドが武力で主導権を握ろうとし、商人ギルドが資金力で対抗。薬師ギルドは民衆支持を武器に影響力を拡大。
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利権争い: ダンジョン資源や交易ルートの分配で衝突。技術者ギルドは技術独占、薬師ギルドは薬品市場の支配を狙う。
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裏切り: 斥候ギルドが情報を他勢力に流し、内部不信を煽る。商人ギルドとの裏取引も頻発。
王国との関係
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協力: ギルドが裂谷防衛や経済を支え、王国は自治権を認める。開拓隊が未開拓地の資源と情報を提供し、王国の成長に寄与。
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緊張: ギルドの経済力と戦力が王国を超えつつあり、貴族院と軍事院は開拓隊を「無法者」と批判。衛兵団がギルド内の変質者を監視し、正規軍による統制を模索。
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現状: 王国はギルドに依存しつつ、税収と軍事指揮で牽制。エステラード三世は内部対立を利用し、未開拓地の支配を長期目標に。
教団との関係
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協力: ギルドが防衛や経済を担う中、教団は浄化で貢献。冒険者ギルドの報酬が寄付と連動し、薬師ギルドが浄化農地を活用。
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緊張: ギルドの経済力と実践力が教団を上回りつつあり、薬師ギルドの変質治療志向が祈りの集いの排除方針と対立。禁忌派の魔素研究も競合。
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現状: 教団は浄化を頼られつつ、祈りの集いが変質者を密かに処理。斥候ギルドが活動を察知するが、対立を避け静観。
現状と課題
ギルド評議会は、人間領の経済と防衛の要として、三角関係の中で実践的な力を発揮しますが、以下の課題に直面:
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内部対立: 権力争いと利権争いが統一性を欠き、均衡を崩すリスク。斥候ギルドの裏切りが不信を助長。
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王国との軋轢: 自治拡大が王家の統制を脅かし、暗黙の対立が潜在的。
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教団との競合: 浄化依存の一方で、薬師ギルドの教団の清教派と衝突する恐れ。
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未開拓地の可能性: 開拓隊の成果が勢力を高めるが、王国との資源分配で緊張が増す。
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