神聖ヴァルート覇帝国_10

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32.連邦にとっては平和な日々

銀河神聖同盟の結成を受けてか、連邦外部でも変化があった。

ワケゴがティラシアンと防衛協定を締結したのだ。
これで以前と同じようにダギルフォンが宣戦すれば、逆にダギルフォンが挟まれる形になる。

逆にラクサナクスはワケゴとの防衛協定を破棄。エマリス組合と防衛協定を締結した。

 

そのエマリスはイフェリクスと共にこちらに宿敵宣言。
このため我々が「同盟国の宿敵」となったラクサナクスはこれ以降、次第に距離を置くようになる。対ジブルでは一度は共闘した仲だが、ジブルという共通の敵が懸念するに値しなくなれば本質的にはあまり仲よくしようとは思えないのだろう。

 

2313年にはウリィ帝国もめでたく銀河神聖同盟の新たな加盟国となった。これで「三国同盟」という一つの目標は達成された事になる。

 

って、んん!?

抜けるんかい! 何がしたかったんだろうか...

 

また、ワケゴの反乱独立国家ワケギ星域だが

2317年にウリィ帝国からの独立保障が切れており、これを機にワケゴ連邦が宣戦。

3年後には完全に制圧され消滅。

 

ラクサナクスに至っては、驚くべきことに首都星系が反乱独立。
政治体制どうなってんだ。

こちらは特に独立保障する国がいなかったのですぐに宣戦されることに。
なお、反乱独立した首都星を見てみると「ドラッグ中心の取引」の補正がついていた...つまりこれ、麻薬カルテルが惑星一つ乗っ取ってしまった感じだろうか。なかなかに恐ろしい出来事である。

 

しかしこの間起こった出来事は全て連邦国家の艦隊が出撃するような出来事ではなく、連邦内は至って平和な年月が流れていった。
ヴァルート含め、銀河神聖同盟各国は内政と艦隊拡張、技術革新に努める事となった。

 

33.英雄の休息

2311年、ついに戦艦の基礎設計研究が完了し、戦艦の建造が可能となった。

早速ヴァルート艦隊司令部は長距離砲戦型のアポロン級戦艦と、航空戦艦であるコンコルド級戦艦を設計。
11年の年月をかけて二隻ずつ建造し、第1艦隊に配備する事に決定した。

この時、艦隊創設初期にカルト教団から異星人の技術と共に奪取し、以降長らく第1艦隊旗艦を務めてきた艦隊の英雄「戦艦ライテウス」をどうするかが議論となった。


 ↑手前が戦艦ライテウス、中央がアポロン級戦艦アルテミス、奥がコンコルド級航空戦艦ナポレオン。

既にライテウスの兵装は動力炉から兵装、装甲に至るまですべてが旧式化しており、また特殊な設計であるライテウスは装備の更新を行う事が出来ないため、単独での戦闘力においても新鋭のアポロン級戦艦と比べて数段劣ってしまっていた。
加えて戦闘コンピューターを搭載する余裕もなく安定した長距離砲撃が不可能なため、戦闘の際にはコルベットと共に突撃するという危険な戦い方をするしかなかった。

数日間にわたる協議の結果、亡きアマンダ提督の後を継いだ第1艦隊司令官リュドミラ・ドゥドニク提督は、ライテウスを第1艦隊から第3艦隊に転属すると決定した。

第3艦隊は有事の際に帝国のために戦う最前線の艦隊ではなく、帝国領内の交易路を哨戒する艦隊である。
つまり、事実上ライテウスを戦闘艦隊からは退役させ、国内で哨戒艦隊の旗艦として運用する事にしたのだ。

カルト教団から解放され、帝国艦隊の最前線で戦い続ける事90年。
英雄はようやく休息についたのだ。


 ↑交易路上のザーリム星系を哨戒する第3艦隊。

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