神聖ヴァルート覇帝国_7

20.敵対する国、融和する国

対ジブル戦争が終結し、その結果を見てかティラシアンとロクスウンガから宿敵宣言をされた。
もちろん我々ヴァルートも両国に宿敵宣言を返す。敵対するならば容赦はしない。それが軍国主義である。

 

これを受けてか、ロクスウンガはティラシアン、そしてジブルとも防衛協定を締結した。
ジブルが加わったのは恐らく、逆襲とばかりに我らヴァルートとラクサナクスが宣戦してくる可能性を考えたのだろう。

 

一方、ダギルフォンはロクスウンガとの条約を破棄し始めた。
銀河の西側の国家が敵対し始めた一方で、どうやら彼らは我々の側につきたいようだ。

とりあえず、不可侵・移民条約を結ぶ事にした。
連邦の結成も視野に入れられはするのだが、ダギルフォンの宿敵であるイフェリクスはこちらからは遠すぎるため、平和主義のイフェリクスにイデオロギーで宣戦された場合、守りに行くのが大変すぎるため保留とした。

 

同時に、ラゲリアン保存国は再び我々に対し国境を閉鎖した。
もう国力差は十分に見せつけたという事なのだろう...。

 

21.長い戦争の終結

2276年、ウリィ・ダギルフォン-ワケゴ戦争がようやく終結した。

イデオロギー強要で始まったはずの戦争は、15年という長期戦の末、現状追認と領土の割譲という形に終わった。
ウリィ・ワケゴ国境には大きな変化はないが、ダギルフォンは終盤に大攻勢をかけたのかワケゴ国境を突破し、4つの星系を奪い取っていた。そのおかげでワケゴの飛び地が二か所も形成されている。

そして終戦を期に、ワケゴも我々に接近し始めた。手始めに不可侵条約を締結したのである。

さらに、ウリィとワケゴの宿敵関係が終了。

我々としては、これを機にヴァルート、ウリィ、ワケゴ、ダギルフォンの四か国連邦を形成したいと考えていたのだが...残念な事にワケゴとダギルフォンはまだ宿敵関係のままであるため、このまま連邦を形成しようとするとワケゴが再び孤立する事になる。どうしたものか。

 

22.首都

同じ頃、ヴァルートの考古学研究所から大きな連絡が寄せられた。

先駆文明「第一同盟」の首都星系を特定できたのである。位置はギンドール・ブラックホールのさらに先、銀河の東端だった。
すぐに調査船と建設船を向かわせ、迅速に調査と領土化を行った。

第一同盟が滅びた理由、それはなんと「飢餓」だった。
ラゲリアン保存国の首都「知識の泉」に匹敵する規模の星、そして恐らくは技術力も持っていながら飢餓で滅びるとは...運命とはわからないものである。

遺物惑星と化したフェン・ハバニスⅢは多くの先駆文明の遺物が遺されており、大量にある障害物の除去が進めば様々な恩恵が受けられるだろう。将来的にはかつての第一同盟に代わって我々、神聖ヴァルート覇帝国の新首都にするべきという声も多い。フェン・ハバニスへのルートは一本しかないため、仮に本土進攻されたとしても防衛しやすいためだ。

 

23.ワームホールの先に

さらに同時期、物理学者チボー・フォータンがついにワームホール航法を確立させた。
すぐに国内に存在する二つのワームホールの探査が行われた。

一つはダギルフォン領内に、

もう一つは間もなくワケゴの領土となる星系に繋がっていた。

ワケゴはともかく、ダギルフォン領内に繋がっているのは嬉しい結果だ。
これならイフェリクスと戦争になった場合でも想定より早い時間で艦隊を送り込めそうだ。

 

24.機会

2281年、ロクスウンガがマラッスに宣戦。銀河の戦火は絶えることがなさそうだ。

そして、これは一つのチャンスである。
ロクスウンガはジブルと防衛協定を結んでいる。我々はひそかに第二次対ジブル戦争を計画していたが、防衛協定を結んでいるロクスウンガがラクサナクスの背後にいる事が懸念事項だった。このまま宣戦すれば逆にラクサナクスが今度こそ挟み潰しにされかねない。
しかし、それはロクスウンガがこちらに艦隊を差し向けられたらの話だ。マラッスと戦っている今、ロクスウンガはこちら側の戦線に艦隊を差し向ける余力はあまりないはずである。

同年、神聖ヴァルート覇帝国は戦争準備を始めた。

大胆にも、ジブルキノコ共の首都星系ジブを含めた東半分を請求。
これがうまくいけば、ジブルは領土の大半を失って大きく弱体化する。それこそ、南東の辺境に閉じ込められたヘズクランガ並みに。

さらに、請求などを行っている間に新たに巡洋艦の建造も可能となり、第1艦隊の戦力がさらに増強される事となった。

ようやくジブルキノコ共に制裁を加える事ができそうだ。

　↑アルファルド星系に停泊する第1艦隊。
　 艦隊後方のライテウス級戦艦の横に並ぶ四隻の大型艦が、 新造のリュッツェン級ミサイル巡洋艦である。