魔導師が使う魔導書は、主に呪文の詠唱時間や手順の短縮を目的に使われる。
一般的に魔導師は補助用の魔導具の力を借りずに魔術を行使できて初めて魔術を使えるようになったと認められるが、戦場では一刻も早く呪文の詠唱を完成させ、魔術を発動することが求められる。
最高とされるのは、呪文無詠唱で、儀式を用いず、魔導書や魔導具の助けを借りずに、瞬時に魔術を発動させることとされているが、実際にそのすべてを省略して魔術を行使できる魔導師など、世界中でも一握りにも満たないだろう。
そのため魔導騎士や魔導師は自分専用の杖の他、魔導書と呼ばれる札束を常日頃から用意する。
魔導書はアニマを蓄えた素材でできた紙片に、呪文の中で自分が省略できない部分を補うため、儀式として簡易魔法陣を描いたり、魔術文様を描いたりして、魔術の発動を助ける目的で作られる。
これはあくまで自分の補助のために作られる物なので、他人の魔導書を使っても思い通りの効果が出るとは限らない。
こうして作られる魔導書は、本というよりも札束であり、一度使うとその札は効果を失ってしまうことが多い。
そのため、通常魔導師はよく使う魔術の札ほど多く準備しておく必要がある。
しかし、アニマが込められた紙片は通常の紙よりよほど高価であり、過去には大きな戦争があると魔導書に使う紙代で身代を傾けた家があると言われるほどである。
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧