術者の分身とも言える、小さな妖精を呼び出し、使役する術。
操精術は魔術の基本とも言える術で、魔導師を目指すものならばいくつかの例外を除いて、自身の妖精を連れていないことなど考えられない。
特別な魔術的才能を持たない平民であっても三割程度が扱える術である。
平民が呼び出す妖精は多くの場合、身の回りのことを少し手伝うことができる程度の存在であるが、通常妖精には術者にさえない特別な力が備わっており、その能力は魔導術同様、才覚や血統などによって決定されることが多いようだ。
その能力は、妖精を呼び出した術者が「可能である」あると強く理解していることほど強力な能力として発現することが多いようで、これも魔導術と同じ法則があるようだ。
そして、それぞれの妖精には個別に意思や知識の蓄積があり、術者の意思や知識とは別個である。
また、それぞれの感覚も術者のそれとは別個に存在し、基本的には共有することはできない(青の魔術の感覚共有の術などを用いる場合は別)。
この術で呼び出せる妖精は術者一人につき一体で、先天的に決定され、後天的な訓練などで別個体を呼び出すことはできず、他者の妖精を別の術者が呼び出すこともできない。
妖精は多くの場合は人型を取るが、これは術者の想起しやすい形を取るようで、南域の術者は鳥や獣の形を取った妖精を使役している例もある。
妖精が活動できる距離は術者を中心に20米~50米程度と個体差が大きいが、術者から離れて活動するのが得意な個体でも100米程で、限界を超えてしまうと存在が「解けて」しまう。
一度存在が解けてしまうと、再度姿を取り戻すのには二~三日かかる。
これは妖精や術者が大きな損傷を負った場合も同様で、術者が死亡した場合には他の術者が同一の妖精を復元できた例はない。
基本的には直接的な戦闘に不向きな術であるが、例外が二つある。
精霊は魔術的能力に長けた 妖精であり、時に術者よりも強力な魔術を行使し、大規模な魔術的現象や自然現象を起こすことができる。
引き換えに魔術的な燃費は悪く、常時召喚し続けることは難しい。
戦闘妖精は物理的能力に長けた妖精であり、矢よりも素早く飛び、剣をも断つことができる。
至近距離での戦闘では最も脅威となる存在だと言えるだろう。
魔術的な燃費も通常の妖精と変わらず、常に召喚していられる上、外見的な差異は他の妖精と変わらないというのも恐ろしい点で、王族に連なる者やその護衛が使役する妖精はそのほとんどが戦闘妖精だと言われている。
精霊や戦闘妖精を使役する兵は、歩兵であれば一千にも二千にも相当する兵力であると言われ、戦場でその姿を見るものは幸運であると言われている。
即ち、味方であれば勝利を約束してくれる英雄であり、敵であれば死んだことに気付く間もなく殺してくれるからなのだとか。
→妖精
→精霊
→戦闘妖精
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