貸しの精算_2

ページ名:貸しの精算_2

「……馴れ初め」

「は?」

「お前がキャロルとくっつくまでの話、聞かせろ」

その意図をアレスは掴みかねた。
鳩が豆鉄砲を食らうとはこういう心地か、とも。

「どういう風の吹き回しか、全く分からねえ」

「いいから」

「…………いいけどよ。
 本当にいいんだな?お前への対価だってわかってるか?」


最大限の困惑を抱えたまま、言葉を切り出す。

平行世界で通信を介して出会った話から始まり、エリンディルで再会を果たしたこと、冒険を重ねたこと。
魔族との戦争に、クラダーリング。
そして、彼女の声を取り戻したオルゴール。

思い出話という名の惚気話を、酒の肴に奢ってやった。

「…………ふぅ」

聞くウェインは、ここに至るまでに何杯飲んだやら。
ああ、なんとも運命的な話だと、すっかり赤ら顔になって腹の中で独りごちる。
同じ量を飲んでいるのに顔色ひとつ変わらない目の前の男に、この点はあちらのアレスと同じだなと感想を抱く。

 

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