テレゴニーは存在するか

テレゴニーという言葉を知っているでしょうか。

私は初めてこの言葉を知り、調べたときはトンデモ理論だと思っていました。

しかしトンデモ理論だというにはまだ早すぎるということに気が付いたのです。

テレゴニーとはまず何でしょう。

Wikipediaによると

テレゴニー（telegony）は、ある雌が以前ある雄と交わり、その後その雌と別の雄との間に生んだ子に、前の雄の特徴が遺伝する、という説や理論のことであり、人においては未亡人や再婚した女性の子は先の夫の性質を帯びる、という説である

とある。にわかに信じがたい。

だってこれが本当だとすると元カレの遺伝子を持った子供が今の旦那との間に生まれることになるからだ。

正直言って気持ち悪い。

しかしながらハエを用いた研究ではテレゴニーが起きることが証明されたそうだ。

果たして人間でも同じようなことが起きるのだろうか。

そこでこんな記事を見つけた。

どうやら人間の精子には、体細胞へ侵入する能力があるだけでなく、RNAの逆転写酵素まで持っているようである。

これはどういうことかというと、ある女性の膣内に入った精子は普通分解されると思われるが、その母体の体細胞に取り込まれ、遺伝子の中に定着することができる可能性があるのだ。

内在性レトロウイルス

少し話はそれるが、内在性レトロウイルスというのを知っているだろうか。

我々哺乳類が持つ胎盤。これは原始の時代のウイルス感染によるものだとわかっている。

レトロウイルスの感染によってこのウイルスの遺伝子が定着し、それが胎盤の膜のたんぱく質の合成にかかわっているのである。

このように、ウイルスというのは遺伝子の水平伝播、すなわち異なる種の間での遺伝子の交雑に関与しているはずである。

この水平伝播のように人間の精子もウイルスの上位互換のような働きをし、遺伝子を水平伝播している可能性がある。

RNAの逆転写酵素は遺伝子の定着を担当する。

マイクロキメリズム

よく似た概念として、マイクロキメリズムがあげられる。

マイクロキメリズムとは、個体Ａと個体Ｂが接触した時、個体Ａの細胞が個体Ｂの中に入り定着することである。これは実際に起きることで、おじいちゃんの細胞が孫に入ったりすることもある。

このマイクロキメリズムは体細胞で起こるものである。

このマイクロキメリズムが起こることが生殖細胞でも起こっていると考えられるのがテレゴニーである。

 

トランスポゾン

トランスポゾンは動く遺伝子と呼ばれる。細胞内においてゲノム上を移動することのできるものである。

トランスポゾンはその名の通り「動く」のでトランスポゾンが何らかの過程で遊離してウイルスになり、別の生物に感染し、遺伝子の水平伝播をする可能性もある。

このような機構によってウイルスを媒介せずとも遺伝子の水平伝播を果たすことができるのでトランスポゾン進化説なるものまである。

レトロウイルスとトランスポゾンどっちが先に生まれたのかというとトランスポゾンの可能性が高いらしい。

 

テレゴニーを考えると我々生物とは何なのか。単なるウイルスやトランスポゾンの集積なのかではないかとも思われる。

こうやってみるとテレゴニーなど簡単に起きそうなものですね。

コメント

[名無し]

嘘やろ…