Chapter 23 - MIDI Recording
このチャプターではコントローラからのMIDIパフォーマンスをレコーディングする方法について説明します。使用するキーボードもしくはほかの種類の楽器であれMIDIノートデータを生成するものです。MIDIコントローラをどのようにセットアップするかは前のチャプターですでに説明しています。
このチャプターではどうやってあなたのMIDIパフォーマンスを録音するかの詳細といくつかの話題について触れます。いくつかあるMIDIレコーディングのモードについても説明します。WaveformにおけるMIDIの実装は包括的で簡単に使えるようになっています。では始めましょう。
トラックをセットアップする
WaveformではMIDIトラックは特に特別なトラックタイプではありません。どのトラックでもオーディオ、MIDI、もしくはステップクリップとして使用できるので、どれか使用していないトラックを新しいトラックを作成するために選びましょう。トラックであなたの使用しているMIDIコントローラを選択し、入力としてセットします。MIDIコントローラでいくつかの音を演奏してみてMIDIアクティビティに反応があることを確認します。
サウンドを聞くためにはバーチャルインストゥルメントを設定する必要があります。ミキサーセクションにプラグインオブジェクトをドラッグしたり、ブラウザの検索タブでシンセサイザープラグインを探してみましょう。見つけたら、それをそのままトラックのミキサーセクションまでドラッグします。通常「ボリュームとパン」プラグインより左側にドロップするのがおすすめです。ドロップするとすぐにそのインストゥルメントのプラグインの画面が開くので、そこでそのパートに合うように設定値を調整します。
この辺りは前のチャプターでもカバーしています。もし何かMIDIコントローラで引いてみても音が聞こえない場合、チャプター22に戻ってMIDIインプットを設定を正しく見直してください。
MIDIパフォーマンスを録音する
MIDIトラックのレコーディングはオーディオトラックのレコーディング(録音)とほぼ同じです。
- トラック入力の赤いR(訳注:Waveform9では赤丸)をクリックしてトラックをレコーディング可能状態にします。
- トランスポート(訳注:スクリーンショットから画面下部のコントロールパネルと思われる)で赤い録音ボタンをクリックしてレコーディングを開始します。キーボードショートカットのRでも同様のことができます。
- MIDIパフォーマンスを記録します。
- 止めるためには再度R(訳注:コントロールパネルの赤いボタンでは?)をクリックするか、スペースバーを押します。
Tips:メトロノームのクリック音が必要な場合にはチャプター15に書かれている手順でクリック音を有効にします。
録音したMIDIパフォーマンスの再生
すべて予定通りに進んでいるなら、ここまででMIDIクリップを作成できたはずです。注意深くクリップをみると、MIDIのノーツが表示されているのがわかるはずです。トラックを盾にズームしていくと、あるポイントを超えるとインラインMIDIエディターモードに切り替わります。このモードではチャプター25「MIDI編集」で説明しているのと同様に直接MIDIノートを編集できます。もっと細かな操作や編集をしたければ大きなMIDIエディタを開くこともできます。詳細はより後のチャプターで説明します。
新しくレコーディングしたMIDIクリップより前にカーソルをもっていって、スペースバーを再度押すと再生できます。あなたのMIDIパフォーマンスを聞くことができるはずです。
Tip:レコーディングしたものが気に入らな勝った場合、単にMIDIクリップを選択してバックスペースキーを押せば消えます。もう一度やってみましょう!
インラインのピアノロールビュー
すでに述べた通り、トラックを上下に拡大していくと、あるポイントでMIDIクリップが編集モードに切り替わることに気づくはずです。このインラインMIDIエディタは一般的にはピアノロールビューと呼ばれているものです。このビューでは左側に縦のピアノの表示に合わせてMIDIノートを見ることができます。
Note:Waveformのピアノロールではノートのタイミングを時間軸方向で、ノートのピッチをピアノキーボードの方向で確認することができます。ノートの左右の長さはどれだけの時間鳴り続けるかを表しています。
MIDIエディタ/ピアノロールビューは編集する必要のあるMIDIデータのすべてを表示しています。ノートを足したり消したりコピーしたり、まとめて複製したりできます。またベロシティーやほかの制御値も併せて操作できます。
後ほどチャプター25「MIDI編集」でより深く解説します。
MIDI録音モード - 動作プロパティ
MIDI入力を選択してプロパティパネルを見ると、「動作」という欄があります。ドロップダウンメニューになっていて、録音モードを選択することができるようになっています。
マージモード
デフォルトでは「動作」は 「新しいMIDI入力を、既存のクリップに統合する」に設定されています。巻き戻してさらに音をレコーディングしたとき、最初の演奏時に記録されたMIDIクリップに統合(マージ)されます。これは最初にレコーディングしたノートを置き換えてしまうわけではありません。新しくレコーディングしたノートをもとあったMIDIクリップに統合するだけです。
Tip:マージモードはパートを何度も繰り返し演奏して構築していく場合、特にドラムパートにほかのドラムヒットを重ねていく場合などにとても便利です。
置換モード
前回演奏したものを置き換えてしまいたい場合、MIDI入力のプロパティパネルで「動作」を「新しく記録されたMIDIクリップで既存のクリップを置き換える」に変更します。この状態でレコーディングを開始すると、全く新しくMIDIクリップが作成され、既存のクリップを徐々に上書きしていきます。
これは元のクリップを完全に削除してしまうわけではありません。クリップの一部がまだ見えているなら、その端をトリムしてもとのデータを表示できます。もちろんうまくいかない場合にはUndoで元に戻すことができます。
Note:置換モードの動作についてテープレコーディングと似たものと考えるとよいでしょう。テープに新しく何か録音したなら、録音した部分は消えてしまいます。
オーバーレイモード
(訳注:「新しいMIDI入力を、新しいクリップを作って重ねる」)
オーバーレイモードでレコーディングした場合、元のクリップの上に重ねる形でもとのクリップの上に新しいMIDIクリップが作成されます。この方法で録音すると、出力には両方のクリップがミックスされて出力されます。
このトラックを再生すると、重なったMIDIクリップが統合されて聞こえます。
MIDI入力 クォンタイズ
MIDI入力のクォンタイズはMIDI入力を選択してプロパティパネルを表示するとそこに設定があります。クォンタイズのドロップダウンメニューには多くの拍の長さについての選択肢があります。
この機能の動作について注意してください。選択肢に並んでいるのはバーの長さではなく、拍の長さです。たとえば、入力されたノートを最も近い8分音符にクォンタイズしたい場合、選択肢にある「1/8拍」を選択してはいけません。「1/2拍」を選択してください。なぜなら、8分音符は4分音符の半分だからです。(4分の4拍子で動作している場合の話です)
レコーディングの際、演奏したノートはそのまま聞こえますが、その後再生すると各ノートは「クォンタイズ」に設定した値にスナップされたものになります。
入力をクォンタイズした結果なにか不自然に聞こえる場合がある点に注意しましょう。なぜならこの方法ではノートの開始と終了の両方をクォンタイズしているからです。ノートが引き延ばされて機械的に聞こえる傾向があります。一般的に、入力のクォンタイズはピアノパートのようなものより、ドラムプログラミングのほうが向いています。
Note:入力のクォンタイズはリアルタイムには実行されません。レコーディングされたノートを再生したときにクォンタイズの結果を聞くことができます。レコーディング中にかかるわけではありません。
レコーディング後にクォンタイズやグルーヴを適用する方法は他にもあります。チャプター26「MIDノートをクォンタイズする」で詳細な内容を解説します。
次のステップへ
以上がMIDIレコーディングの紹介です。ここではMIDI入力のセットアップのための基本的なオプションについて学びました。MIDI録音モードについても学びました。クォンタイズについても簡単に紹介しました。次は、MIDIを使用したループレコーディングです!
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