Chapter 34 - サブミックストラック
プロのミキシング作業において、ドラムスをほかのトラックとミックスする前にコンプレッサーやEQ、リミッターを掛けるためにステレオバスサブミックスするのは共通した作業です。ボーカルやギター、その他の楽器のようなものでサブミックスを作成するのは実際に一般的です。サブミックストラックはプラグインを使用できるという点を除いてはフォルダトラックに似ています。またどのトラックについてもサブミックスとして使用することができます。これはTracktionの早期のバージョンから実装されてそのまま受け継いだものです。このチャプターの中でどのようにトラックをサブミックスとして設定するのかを説明します。
サブミックストラックの作成
Waveformでサブミックスを作成するのはとても簡単です。
- 最初に、サブミックスに含めたいトラックをすべて選択します。
- 選択したトラックのどこかを右クリックして、「サブミックストラックを含む...」を選択します。プロパティパネルでも「サブミックスの作成」で同じことができます。
操作の結果、フォルダトラックにとても似た表示になります。異なるのはサブミックストラックには実際にオーディオデータがパススルーされる点です。プラグイン「ボリュームとパン」やそのほかの追加のプラグインも使用できます。
サブミックストラックでの作業
- トラックの追加
- サブミックスにトラックを追加するには単にトラックをサブミックスフォルダにドラッグアンドドロップするだけです。またサブミックス内のトラックをドラッグして並び替えることもできます。これはまさにフォルダトラックと同様に操作できます。
- トラックの削除
- サブミックスからトラックを削除するにはトラック名の部分をつかんでサブミックスの外へドラッグするだけです。
Tip:トラックをドラッグで移動させる場合には、トラック名の部分をつかんでください。
- サブミックスの開閉
- サブミックストラックはフォルダトラックと同様にヘッダの左側にある三角形のアイコンをクリックすることで開いたり閉じたりすることができます。
- ミュート
- 当然ですがサブトラックのミュートはサブトラック内のトラックすべてをミュートします。
- ソロ演奏
- ソロ演奏で注意すべき点としては、個別トラックのソロをONにした場合、そのトラックが含まれるサブトラックのほかのトラックを福部すべてのトラックがミュートされます
古典的なサブミックストラックを作る
以前のバージョンのTracktionで使われていたサブミックストラックを作成する伝統的な方法はトラックをサブミックスとして設定するものでした。この手法を使用した古いファイルを編集する必要が出てきた時のために、どのようにしてこの古い手法のトラックを作成するかをここで確認しておきましょう。
- 普通の方法でトラックを作成します。
- トラックに適当に名前を付けます。ここでは例として Drums Submixと名付けました。
- サブミックスに流したいトラックをすべて選択します。
- プロパティパネルで「トラックの出力先」をクリックしてDrums Submixのトラックを選択します。これによって選択されたトラックそれぞれの出力がDrum Submixトラックへ接続(ルーティング)されます。
上記のようにするとDrum Submixにルーティングしたすべてのトラックのボリュームを、Drum Submixの「ボリュームとパン」コントロールで制御できるようになります。新しいサブミックスには好きなプラグインを追加できます。例えば、サードパーティのバスコンプレッサーであるTape Simulatorといったようなものを追加して使ったことがあります。
もちろんあなたの好きな処理を使えます。トラックの種類と音楽のスタイルによって使いたいものは大きく変わるでしょう。
次のステップへ
フォルダトラックのように、サブミックストラックはトラックの数が大きくなりはじめると特に楽曲の編集を楽にしてくれます。サブミックストラックもそのサブミックス内に含まれるトラックのミックスを処理するプラグインを適用することができます。ヒット曲を生むスタジオでもよく使われる強力なテクニックです。サブミックスはドラムパートのミックスに便利なだけでなくバックグラウンドボーカルやギター、管楽器、キーボードといったほかの種類のトラックにも応用できます。Waveformはこのパワフルな作曲テクニックを簡単にセットアップして使えるようにしています。
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧