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テンプレート:Pathnav
テンプレート:コンピュータゲーム『スーパーマリオブラザーズ』 (Super Mario Bros.) は、任天堂が発売したファミリーコンピュータ用ゲームソフトである。日本での発売日は1985年9月13日。略称は「スーパーマリオ」「スーマリ」など。
ゲームウォッチでも同名のゲームが存在する(1988年発売。日本版は非売品として作られた[1])。
キノコ王国がクッパ率いるカメ一族に侵略され、キノコ王国のお姫様ピーチはクッパにさらわれてしまった。配管工(大工)の兄弟マリオとルイージはピーチを助け出すため、クッパが率いる敵たちを倒して陸海空を突き進み、いざクッパがいる城へ向かう。
社会現象とも言える空前の大ブームを巻き起こし、ファミコンゲーム、ひいては家庭用ゲームの認知度を高めるのに最も貢献したソフトであると言われている。シリーズ化され数多くの続編が出ており、またシリーズ以外にも多くの追随するゲームを生んだ(マリオシリーズを参照)。また、2007年には米国IGNで「史上最も影響力があったゲーム100選」において1位に選出されている(2位は『テトリス』)。
本作がゲームクリエイターに与えた影響力も大きく、小島プロダクションの小島秀夫は本作に出会い「ゲーム」というメディアの可能性を感じたと述べており、25周年時には「ゲーム業界のビッグバン」に喩えて賞賛している他、本作と出会った事が自身がゲーム業界へ進む原動となった事を明かしている[2][3][4]。
スクウェア所属(当時。2010年現在はミストウォーカー代表)の坂口博信はデータ構造と、グラフィックが密接に結びついているゲームの奥深さを認識させられたと語った[5]。また、セガ所属時代の中裕司(2010年現在はプロペ代表)はこのゲームを徹底的に研究し、改めてその完成度の高さに驚愕した事を明かしており、本作の対抗作として『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』を生み出した事を語った。
他にも稲船敬二や名越稔洋、三上真司や日野晃博などがその影響力や、完成度を賞賛している[4]。
日本国内で681万本以上、全世界では4,024万本を売り上げ、「世界一売れたゲーム」としてギネスブックに登録されている[6]。日本国内のゲームソフト売上歴代1位[7]の記録を持っており、シリーズ2番目の売り上げである『New スーパーマリオブラザーズ』とも約70万本差、世界売上では約1400万本の差がある。また、Wiiのバーチャルコンソールでも、2007年6月時点で最もダウンロードされたゲームとなっている[8]。
前述のバーチャルコンソールやファミコンミニ版、後述する各機種への移植版、またスーパーファミコンの『スーパーマリオコレクション』などのリメイク版も大きな売上を記録しているものが少なくない。特に年齢的にファミコンを経験していない世代は、後年の移植作で本作をプレイしたという例も多く、その影響を今なお大きくしている。
開発者である宮本茂がNHK『新・電子立国』のインタビューで語ったところでは、宮本自身は本作の売り上げを150万本程度と予想しており、世界で数千万本も売れたのは「完全に運だった」と回顧している。
4,024万本という数字は同梱販売を含んでのものだが(備考として、『スーパーマリオブラザーズ』は欧米でNESとの同梱販売が一部存在している)、同梱販売を含まない数字でも本作は相当な本数を売り上げており、同梱販売での本数を除外しての集計の場合は現在も最大である。
同梱販売を含んでの集計の場合は、本作同じく任天堂から発売された『Wii Sports』の世界売上合計6619万本(2010年7月決算時点)が抜いている事が発表されており、この記録更新には実に23年かかっている。しかしこれは、北米と欧州、豪州地域での『Wii Sports』はWii本体と必ず同梱されての販売のため「Wiiの売り上げ=『Wii Sports』の売り上げ」であるという点が影響しており、かつ欧米では『Wii Sports』のソフト単体での販売はないので、単独販売のみで集計した本数は日本や韓国などアジアを中心とした少数の国のみのデータとなるため単純な比較は出来ず、注意が必要である。また、任天堂側も『Wii Sports』が同梱含めて販売本数が上回った際も特別なアピールは行わなかった。
なお、日本のゲーム雑誌『ファミ通』や欧米の大手ゲーム雑誌や第3者機関が共同で行なった、世界全体のゲーム売上集計では同梱販売分を本数に含めておらず、現在も『スーパーマリオブラザーズ』が一番としている。
また後述の通り、セールスには含まれないものの新興国を中心とした同ソフトの違法コピーはおびただしく、発売当時から2011年現在に至るまで、実際に世界に出回っている本数はこれ以上である。
第2作以降のシリーズ作品はマリオシリーズを参照のこと。
『スーパーマリオコレクション』 (スーパーファミコン)にもリメイクされて収録されている。こちらは『スーパーマリオブラザーズ2』、『スーパーマリオブラザーズ3』、『スーパーマリオUSA』のリメイクも一緒に収録されている。『スーパーマリオコレクション』は2010年10月21日にWii版が発売された。
なお、『マリオブラザーズ』はアクションや敵キャラ等の要素が似ており、基礎となったゲームといえるが、基本システムやストーリーにおいての関連性、類似性は薄い。
ディスクシステム版の内容は基本的にロムカセット版をベースとしているが、ゲーム起動時にロゴが表示されるなどの相違点もある。
オールナイトニッポンバージョン(ディスクシステム版)[]ラジオ番組「オールナイトニッポン」(ニッポン放送)が放送20周年を記念して1986年に発売した限定生産のソフト。基本的には『スーパーマリオブラザーズ』と変わりないが、一部グラフィックの差し替えや、続編『2』からの要素の追加など、いくつかの点で変更が加えられている。
本作は、2010年現在、『グラディウス アルキメンデスバージョン』(コナミ)とともに中古ソフト市場で高値で取引されている。
パソコン版[]パソコン版として、ハドソンからNECのPC-8800シリーズとシャープのX1シリーズ向けに発売された『スーパーマリオブラザーズスペシャル』というものも存在する。マップの変更やキャラクター、アイテムの追加などが行われているが、ハードの制約などから、ゲーム内容に変更(画面内の右端にタッチする事により次の画面へ切り替わる)が加えられており、操作性も悪いため、難易度は相当厳しいものになっている。
ゲーム&ウオッチ版[]日本国外ではゲーム&ウオッチ版も存在するが、内容が異なる(日本ではディスクシステムの大会の景品としてのみ存在している)。また、画面が透明なクリスタルスクリーン版と、ニューワイド版(及びキーチェーンサイズのMini Classics版)ではキャラクターグラフィックが異なる。
任天堂VS.システム (アーケードゲーム)版[]1986年にリリースされた任天堂VS.システム版の『VS. スーパーマリオブラザーズ』はステージは1-1から8-4までの32面構成であるが、本作と『スーパーマリオブラザーズ2』のステージが組み合わさっている。また、ステージ内やゲーム内容においても以下のような違いがある。
本作は任天堂のアーケード撤退後にリリースされたため、国内未発売となっているが、近年になって並行輸入版が大量に出回っており、現在ではメーカー直営店などを含めた多くの店舗でプレイすることが可能である。地域によっては、下手な新作ビデオゲームよりも多くの店で稼働している。また、店舗側でもファミコン用のコントローラーを改造して接続するなど、通常よりも優遇された設置状況であることが多い。
その他・海賊版など[]当時任天堂の影響力が及ばず、ファミコン以外のゲーム機やパソコンが普及していた東アジアや中央ヨーロッパなどで、発売当時から海賊版および非公式なコピー版も多く出回った。各国の大手ゲームメーカーが製造した有名なパクリゲームの例をいくつか挙げると、
現在、ネット上には違法にアップロードされたスーパーマリオブラザーズのゲームデータが多数存在し、改造できるソフトまで出回っている。
また動画共有サイトには、個人がファミコン版をMicrosoft Excelへ移植してプレイする動画がアップロードされていたり、あるいは日本未発売のゲーム&ウォッチ版をiアプリに移植されたものをプレイしている動画があったりする。
テンプレート:ネタバレ
2人でプレイする場合はマリオが1プレイヤーキャラクター、ルイージが2プレイヤーキャラクターとなり、一方がミスした場合にプレイヤーを交代する。なお、それぞれのステージの進行度は独立している。
このゲームは、地上、地下、海中、アスレチック、クッパ城といった多彩なステージで敵を倒し或いは避け、また穴に落ちないように気をつけながら制限時間内にゴールにたどり着くことが目的となる。それまで1画面表示で固定されているのが普通だったテレビゲームに「横スクロールアクション」という概念とジャンルを普及、定着させ、以降同様の形式のゲームが続々と現れることになった。スムーズスクロールとも言える表示処理は、多くの類似したゲームと比較しても優れた箇所が多い。
8つのワールドで構成され、それぞれのワールドには4つのエリア(ステージ、コースともいう)がある。基本的には、エリア1が地上ステージ、エリア3がアスレチックステージ(ワールド2・7は吊り橋ステージ)、エリア4がクッパ城という構成になっている。エリア2については、ワールド3・5・6・8が地上ステージ、ワールド1・4が地下ステージ、ワールド2・7が海中ステージと3種類のバリエーションがある。また、エリア3についてはワールド8のみ地上ステージという例外がある。
地上ステージは最も基本となるステージ構成であり、障害物はあまり多くなく、敵キャラクターをあしらいつつ先に進むことがメインとなる。地下ステージは地上に比べて障害物が多く、狭い空間をくぐり抜けたり、またその中で敵キャラクターと対峙する必要がある。また、見た目やBGMが一転しておどろおどろしくなる。アスレチックステージは他のステージに比べて敵キャラクターが少ないかわりに足場が少なく、穴に落ちないようにジャンプをコントロールして進むことがメインとなる。吊り橋ステージは空中を絶えず飛び交うプクプクをダッシュで避けつつ進むことがメインとなる。水中ステージは特殊であり、走り&ジャンプではなく泳いで進むことになる。そのため他のステージと全く異なった操作感覚となる。BGMも浮遊感のある雰囲気に変化する。クッパ城ステージは各ワールドの最後ということで全体にかなり難易度が高く設定されており、ファイヤーバーなどに阻まれた狭く穴の多い通路をくぐり抜ける高度なアクションが要求される。さらに、一部の城には無限ループ(正解のルートを通らなければ、また同じ場所に戻ってしまう)も存在し、以降の作品でもこれと似たような仕掛けが登場する場合がある。BGMは最も緊張感のある雰囲気となる。『スーパーマリオコレクション』、『スーパーマリオブラザーズデラックス』では無限ループの城面(4-4と7-4と8-4)でマリオが正しい道を通ったかどうかを判定する為『スーパーマリオワールド』同様チャイムが鳴るようになった。
エリア1~3はゴール地点にあるポールにつかまり、旗を掲げればクリア。このとき、ポールにしがみついた位置が高いほど高得点が入る。エリア4はステージ奥で待ちかまえるクッパを倒すとクリアとなり、次のワールドに進める。このようにして8-4(ワールド8のエリア4)に到達しこれをクリアするとエンディングを迎えることができる。
一度エンディングを迎えた後はタイトル画面でワールドの選択ができるようになるほか、ゲーム中にはクリボーがメットになり敵キャラクターの移動速度が速くなる、踏んだノコノコやメットの復活が早くなる、敵の数が増える、リフトが短くなる、ファイアバーが追加されるなどで難易度が高くなる。これを通称「裏面」「2周目」などと呼ぶことがある。(※SFC版では、一度エンディングを迎えた後のワールドは「★1-1」等と表示される。)
各面にはTIMEが設定されており、ゲームが始まるとこの数値がカウントダウンし始める。設定TIMEは400または300で、カウントダウンのペースは秒よりもかなり速い(1カウントはおよそ0.4秒)。この数値が0になるまでに、エリアをクリアしなければならない。TIMEが100未満になるとそのことを示す警告音が流れ、BGMのテンポが速くなる(『スーパーマリオコレクション』ではTIMEが100未満になった時の効果音が『スーパーマリオワールド』と同じ警告音が使われた)。エリア1~3をクリアしたときは、残りのTIMEの数値が得点に精算される。(※アーケード版とSFC版はエリア4の城をクリアしたときは、『2』と同様に残りのTIME数値が得点に精算されるようになる。)
ミスをした場合、ミスした地点からではなく、スタート地点、あるいはステージによっては中間地点から再スタートするようになっている。各ワールドのクッパ城ステージと8ワールドの全ステージはスタート地点からの再スタートとなっていて、一度ミスした後の難易度を高めている要因となっている。
マリオが取るアクションは通常は水平方向への移動とジャンプのみであり、敵を倒す場合は踏みつけるか足場越しに突き上げるしかない。また、Bボタンを押しながら移動すると早く移動する(走る)ことができる(Bダッシュ)。
Aボタンを押すとジャンプできる。ボタンを押した長さによって高度が変わったり、ジャンプ中に左右に十字キーを押すことで飛ぶ軌道や着地点を操作できる、Bダッシュによって加速度をつけて遠くに跳べるなど、自由度の高い制御が可能である。また、ジャンプ中の左右への制御はマリオの後ろ側に利き易いという特徴がある。このジャンプシステムは後の多くの作品にも模倣され、システムについて「マリオジャンプ」なる呼称も生まれたが、この制御の利き易いジャンプシステムの初出は本作ではなく、『パックランド』と言われている。
マリオはアイテムを取ることによりスーパーマリオ、ファイアマリオへとパワーアップすることができる。スーパーマリオは身長が普通のマリオ(チビマリオ)の2倍になり、レンガブロックを下からパンチして破壊することができるようになる。また、ファイアマリオはBボタンでファイアボールを投げることができ、ファイアボールを敵にぶつけると、踏めない敵や水中の敵でも倒すことができる。ただし、ファイアボールが効かない敵も存在する。
また、ノコノコやメットなど甲羅を持つ敵を踏みつけるとその敵は気絶し、その間は触れると甲羅を前方に蹴飛ばすことができる。その甲羅が他の敵に当たれば、その敵を倒すこともできる。甲羅で連続して敵を倒すか、あるいは連続で敵や甲羅を踏みつけると得られる得点が増加していく。そして8000点が出るとその次以降は1UP(残機が1つ増える)となる。ただし甲羅は障害物に当たると跳ね返って反対方向に進む。このシステムを応用して、階段状の地形で甲羅を踏み続けて1UPを続ける技術がアーケード版の項で述べた「無限1UP(無限増殖)」である。
敵キャラクターや自分の蹴った甲羅などに正面または下からぶつかるとダメージを受ける。水中面の敵や「踏めない敵」、ファイアバー、敵が放つ武器はどの方向からぶつかってもダメージとなる。ダメージを受けた場合、スーパーマリオかファイアマリオの場合はチビマリオに戻り、チビマリオの場合は1ミスとなり残機数が1つ減る。また、穴に落ちた場合やTIMEが0になった場合はマリオの状態に関係なく1ミスとなる。
ゲームスタート時の残機数は3から始まり、残機数が0になるとゲームオーバー。ゲームオーバーになるとワールド1からの再スタートとなるが、Aボタンを押しながらスタートボタンを押すことで、ゲームオーバーとなったワールドの最初からやり直すことができる。
テンプレート:See
空中に浮いていて、足場に出来る。これはキノコ王国の住人がクッパの魔法によって姿を変えられたものである[10]。
ハテナブロック「?」と書かれた黄色いブロック。叩くとコイン1枚、またはパワーアップアイテムが出現する。中の物が無くなると茶色のブロックに変化する。レンガブロック大きい状態(スーパーマリオ、ファイアマリオ)で叩くと壊れる。アイテムが入っているブロックもある。このブロックの上に敵が乗っていて、その時に下から叩く(マリオの状態は関係なし)と、その敵にダメージを与えることもできる。コインが乗っていれば、下から叩いて取ることができる。階段ブロックゴール前の階段などのブロック。大きい状態で叩いても壊れない。見た目以外の性質は茶色のブロックと同じ。隠しブロック場所によってはジャンプして下から当てることにより、何も無い空間に突然これが現れることがある。出現する前なら、横や上からすり抜けることができる。コイン1枚か1UPキノコが出てくる。コイン1枚のブロックは必ず出現するが、1UPキノコのブロックはプレイ内容に応じて出現するかしないかが変わってくる。出現させると茶色のブロックになる。このブロックを出現させないとクリアできないステージもある。茶色のブロック(仮名)既にコインまたはアイテムが出た後のブロック。足場にできるが大きい状態で叩いても壊れない。コイン以外は画面内に1つまでしか出すことができず、2つ目を出すと前に出したアイテムは画面から消えてしまう。例えば、スーパーキノコが画面内にあるときにスーパースターを出すと、スーパーキノコは消えてしまう。
コイン100枚(アーケード版では店舗側の設定により100,150,200,または300枚から選ばれた枚数)集めるごとにマリオの残機数が増える。空中に浮かんでいるものの他、ハテナブロックや隠しブロックを叩いて出現するものもある。ボーナスステージではコインが大量に置かれている。また、コインを取ったときの「チャリーン(「コイーン」と表現されることもある)」という効果音は任天堂のCMでサウンドロゴ(CMエンディングのNintendoのロゴが光った時に鳴る)として使われた他、ゲームボーイの起動音や一部の任天堂のスーパーファミコンソフトの社名ロゴ時SEにも使われているため、知名度が高い。スーパーキノコマリオが小さい時に出てくる、赤色と黄色の模様のキノコ。所定のブロックを叩くと出てきて地面を右側に移動していく。取ると前述のスーパーマリオになる。ファイアフラワースーパーマリオの状態でスーパーキノコの入ったブロックを叩くと出てくる。取ると前述のファイアマリオになる。なお、出してからダメージを受けてチビマリオになった後に取った場合は、スーパーマリオになるだけである。1UPキノコ緑色と黄色の模様のキノコ。ブロックを叩くと出てきて地面を右側に移動していく。取ると残機数が1つ増える。このキノコが出現するブロックの右隣のブロックを予め壊しておくと、出現した1UPキノコが(落ちるのを避けるために)右側に1ブロック分ジャンプすることもある。また、何も無い空中の隠しブロックから出現することもあるが、確実に出てくる場所と、直前のステージの行動や同じステージでの失敗の有無などに因って出現しない場所とが混在する。なお、アーケード版では一度ミスをしたステージの1UPキノコはスーパーキノコ(またはファイアフラワー)に置き換えられる。スーパースター光る星の形をしたアイテム。ブロックを叩くと高く跳ねながら移動する。取ると一定時間無敵になり、触れるだけで敵を倒せるが、無敵状態であっても画面外に落ちたりタイムオーバーになった場合はミスとなる。このゲームにおけるアンダーカバーとは、ソフトのバグ・イレギュラーな操作・改造により出現する、通常出現し得ないステージのことである。
1985年、『スーパーマリオブラザーズ』はワールド9まであるという噂が当時の小学生を中心に飛び交った。ゲーム雑誌『ファミリーコンピュータMagazine』は一般人からの「雷のショックでワールド9が出現した」と称する投稿写真を掲載。他の雑誌もワールド9の情報を相次いで掲載した。このワールド9は「マリオが地上で泳ぐ、ブロックが珊瑚に変化している、土管の色が違う」など他のステージではありえない事だらけであった。最終的には正規の8ワールドを含む256種類のワールドが出現する可能性があることが分かり、これらは「アンダーカバー」「256ワールド」「256面」「マイナス面」などと呼ばれ、『USO!?ジャパン』では「スーパーマリオX」という造語で紹介した。また、イレギュラーな操作によってこれらを出現させる方法が明らかにされ、これを行ったユーザーから「ファミコンが壊れた」という問い合わせが雑誌社に寄せられる事態となった。そのような中、『ファミリーコンピュータMagazine』がプロデューサーである宮本茂にインタビューし、原因は「ノイズ」だという事が発表された。同時に、正常な動作ではなくファミコンを壊す危険もあるという警告がなされている。
なお、スーパーマリオコレクション版やファミコンミニ版にもアンダーカバーは存在する。また、GBC版「スーパーマリオブラザーズデラックス」にもアンダーカバーに類するものが存在するが、内容は大きく異なる。
意図して設計されたものでないこともあってクリア不能なステージ[11]が非常に多い。また正規ワールドと異なり、ワールド内のステージ数は4面でないワールドが多い。またクリアできるステージにおいてもボーナスステージには行けない。
1986年に発売された『スーパーマリオブラザーズ2』では、正式な仕様としてワールド1から8までワープゾーンを一切使用せずにクリアすると「ワールド9」が出現する。このワールドは、地上風の水中面や旗の直前に出現するクッパなど、アンダーカバーを意識したような特殊な構成となっている(リメイク版も同様)。
数々のゲーム雑誌などでも絶大な評価を得ており、『ファミ通』1000号記念に行われた「読者が選ぶ未来に伝えたいゲーム」なるアンケートではダントツの1位を獲得している。なお、『ファミ通』では800号記念に行われた同様の企画でこのゲームを「50年後に伝えるゲームのタイムカプセル」の1つに選定しており、編集部で保管されている。また、2007年9月22日に行われたTOKYO GAME SHOW 2007で、人気番組『ゲームセンターCX』と『日経エンタテインメント!』と共同でのイベントとして行われた「レトロゲーム・アワード2007」[12]で大賞を受賞した[13]。
本作はエンディングまで8ワールドの構成だが、開発段階では全5ワールドの予定とされていた。だが、ワールド数を増やしたい宮本茂は、A3サイズの用紙を2つ折りにしてA4サイズの企画書と見せかけ、5ワールドまでの概略が書かれた片面を見せて許可が下りた直後に、折られた裏側に書かれていた8ワールドまでの構想を見せ、強引に納得させて企画を通したという逸話がある。なお、本作のワールド5以降のステージで、以前のワールドに出たステージの構造を流用したコース(例:W2-2とW7-2、W2-4とW5-4、W1-4とW6-4)が登場するのは、スタッフにこの8ワールドの構成案を納得してもらうためであった[14]。
本作はポール越えは基本的にできない事となっているが、越える事ができた場合は裏技として認定された。ちなみにファミリーコンピュータMagazineでポール越えを果たした読者投稿による写真も掲載された。
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