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養子縁組と相続の関係について、初心者向けに主にQ&A形式でまとめています。
更に詳しい情報は各リンク先を参照ください。
Q:養子縁組すると相続権はあるの?
A:実子と同じ相続権があります。
法律上で血族と同じ扱いとなりますので実子と同じ法定相続分があります。
関係 | 実子A | 実子B | 養子X |
---|---|---|---|
法定相続分 | 1/3 | 1/3 | 1/3 |
Q:法定相続分って何?
A:相続時の財産分割の目安。
法定相続分とは、民法で「このように財産を分けるのが一番よい」と決めている分け方。
必ず法定相続分で遺産の分割をしなければならないわけではありません。
裁判でも参考にされるが、必ず法定相続分が確保できる「権利」ではない。
Q:普通養子縁組の場合、実の親と養親の両方から相続できるの?
A:実親、養親の両方から相続できます。
Q:孫を養子縁組すると、相続税は減るの?
A:減ります。
[法定相続分で分割した場合に一人当たりが支払う相続税額の早見表]
(尚、孫養子の場合は相続税2割加算される)
遺産総額 |
子供2人 |
子供3人 |
---|---|---|
6,000万円 | 180 万円 | 120 万円 |
7,000万円 | 320 万円 | 220 万円 |
8,000万円 | 470 万円 | 330 万円 |
9,000万円 | 620 万円 | 480 万円 |
1億 | 770 万円 | 630 万円 |
1.5億 | 1,840 万円 | 1,440 万円 |
2億 | 3,340 万円 | 2,460 万円 |
[参考] 相続税を劇的に節税する知ってるだけで得する11の特例と7つの控除ほか知識
[参考] 孫を養子縁組すると相続税は減るけど2割加算とかデメリットもあるよ
Q:養子縁組すると、実子の遺留分はどうなるの?
A:遺留分が減ります。
養子縁組前
関係 | 実子A | 実子B |
---|---|---|
遺留分 | 1/4 | 1/4 |
養子縁組後
関係 | 実子A | 実子B | 養子X |
---|---|---|---|
遺留分 | 1/6 | 1/6 | 1/6 |
養子縁組は、相続人によって遺留分が主張された結果、本家の財産が大きく減少することを防止する手段として利用できる。
Q:遺留分て何?法定相続分と何が違うの?
A:法定相続人に認められる、最低限の遺産取得分
(遺言により)法定相続人にあたる人が相続財産を全くもらえず、生活が困難になってしまう場合を防ぐため、相続人に最低限の財産の相続を確保する「権利」
「遺留分減殺請求」によって、遺留分を侵害されている相続人が、遺留分を侵害している受遺者や受贈者に対してその侵害額を請求することができる権利。
Q:養子が財産を相続しない場合も、実子の遺留分は減額されるの?
A:減額されます。
遺留分を主張する者に渡す財産を減らすことが目的の場合、養子となった者に財産を相続させる必要はない。
何も相続しなくても、相続放棄の手続きをしなければ「相続放棄」にはならない。
養子縁組前(極端な例)
関係 | 実子A | 実子B |
---|---|---|
遺留分 | 1/4 | 1/4 |
「Aに全財産相続させる」と |
2,250万 | 750万 |
養子縁組後(極端な例)
関係 | 実子A | 実子B | 養子X |
---|---|---|---|
遺留分 | 1/6 | 1/6 | 1/6 |
「Aに全財産相続させる」と 遺言があり、 Xは何も相続せず、 Bが遺留分減殺請求した場合 |
2,500万 (+250万) |
500万 (-250万) |
なし |
※但し、遺産分割協議で合意があれば法定相続分、遺留分に関わらず相続可能なため、
”遺言”があって更に実子A&養子X vs 実子B が法廷で争うような極端な相続以外では、
養子の追加による遺留分の減額に意味はないと思われる。
→”遺留分の減額のみ”を目的とした養子縁組は、現実的ではない。
Q:養子になると困ることもあるの?
A:扶養義務が発生します
成人した養子と養親との関係では、通常は生活扶助義務を負うと考えられます。
生活扶助義務とは、扶養が必要な場合に、自己の生計を維持する限りで扶助を行う必要がある義務です。
普通養子は養親の財産も、実の親の財産も、どちらも相続する権利がある一方、養親に対しても実の親に対しても、扶養義務が生じます。たんに財産をもらえるだけでなく、たとえば寝たきりで働けずに収入がなくなった、といった場合でも知らん顔はできないのです。そうした実子と同等の義務をきちんと果たせるかどうかも忘れずに考える必要があります。
[参考] 相続税対策の安易な養子縁組は思わぬトラブルの元に!
Q: 養子先の兄弟姉妹の扶養義務はあるの?
A:扶養義務が発生します
民法877条
「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」
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