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『ハイパーオリンピック』(Hyper Olympic)は、1983年に当時のコナミ(2006年3月31日の持株会社化に伴い、版権はコナミデジタルエンタテインメントに移行)より発売されたアーケードゲーム、及びその続編シリーズの総称。日本国外版のタイトルは『Track & Field』。後のシリーズ作品では「ハイパースポーツ」や「コナミックスポーツ」などのタイトルで発売されたものもある(後述)。
本稿では、アーケード版の1作目を中心に記述する。
100メートル競走、走幅跳、やり投、110メートルハードル、ハンマー投、走高跳の6種目で記録を競う。アーケード版は翌年(1984年)開催のロサンゼルスオリンピックがテーマとなっており、店頭ポスターやポップなどに、公式キャラクターである「イーグルサム」が描かれていた。
操作パネルは、RUNボタン2つとJUMPボタン1つの3ボタン制で(RUNボタンが二つあるのは利き手がどちらでも対応できるようにするため)、RUNボタンを連打すればするほど、キャラクターの走る速度が上がるシステムとなっている。そのため、指の爪でボタンをこすりつけたり、爪が割れるのを防ぐためピンポン玉やコインでこすったり、手でボタンを叩くのではなく鉄製又はプラスチック製の定規(もしくは、より剛性が高く振動数が多い割り箸など)をボタンに押し付けはじいて振動させる等の、連打速度を上げるための方法が多々産み出されることとなった。また、日本全国のゲームセンターにおいて、このゲームのゲーム台のRUNボタンの破損やその周囲がすり減っていることが多かった。
本作において確立された「連打&タイミング」による操作方法は続編や他社発売の類似ゲームでも継承されており、「スポーツ大会ゲーム」というジャンルの雛形となった。ただし、連打については、本作のボタンの消耗が異常に激しかった教訓を元に「複数のボタンを交互に押す」「一定のテンポで押す」といった具合に、一つのボタンだけが高速連打されないよう配慮されたゲームが多い。
MSX及びファミリーコンピュータ等の家庭用ゲーム機にも移植された。ファミコン版はハンマー投と走高跳を除く4種目に減少(走高跳は続編「ハイパースポーツ」でプレイ可能)。MSX版はハイパーオリンピックIとIIに分かれていて、Iには100m、走幅跳、ハンマー投に加えて400mが、IIには110mハードル、やり投、走高跳に加えて1500mが入った。操作はRUNボタン1つとJUMPボタン1つの2ボタン制となっている。専用コントローラー「ハイパーショット」も発売された。また、MSX版はソニーから「HiTBiT」ブランドで発売されたこともあり、パッケージイラストがコナミ版と違っていただけで、内容は全く同一だった。
ファミコン版は当時の人気テレビ番組だった『8時だョ!全員集合』のコント「志村けんのバカ殿様」(この時期「バカ殿様」のコントは全員集合の1コーナーだった)のために選手キャラクターをバカ殿に変更してラウンドセレクト機能のついたバカ殿様バージョンが制作されたが、視聴者からの反響が大きかったため、限定品として一般市販もされている。
アーケード版の忠実な移植としては、2007年3月15日に発売されたニンテンドーDS用ソフト『コナミ アーケード コレクション』に収録されている。携帯機という点を考慮してか、連射機能を設定することも出来る。また、同年8月8日よりXbox 360のXbox Live Arcadeにて配信が始まった。この両機種版のタイトルは日本国外版で使用されていた『Track and Field』になっている(詳細は#別タイトルの作品を参照)。
ファミコン版では外部デバイスはハイパーショット以外使用不可とされており、実際にジョイカードマーク2(連射機能付きコントローラとしてよく知られているもの)などは使用できないが、一部連射機能付き周辺機器が非公式ながら使用可能となっていた。連射速度に依存する競技に限られるが、用いると簡単に高記録が出せた。
ひとつはホリ電機製の周辺機器(トラックボール)であるホリトラック。もちろんハイパーオリンピック自体はホリトラック対応ソフトとして作られたわけではないが、本来のホリトラック対応ソフトをもっていないのに、ハイパーオリンピックで使うために所有しているというユーザーが結構いた。そしてHAL研究所から発売されたジョイボールでは、連射モードと通常モードの中間の位置にスイッチを設定することによって連射機能が使用可能。通常の使用法でスイッチを中間に設定するという使い方は存在せず、いわば裏技的な機能として当時のプレイヤーに知られていた。また、プレイヤー間で話題となったのみならず、ついにはメーカー自身までもが「ハイパーオリンピックに使用可能」という売り文句でジョイボールの広告を出すに至った。
上記のほか、携帯電話アプリとしてもいくつか配信が行われている。
84年以降、「オリンピック」という名称およびマークを使用した商品はオリンピック協会に多額のスポンサー料金を支払い、許諾を得ないと発売できなくなったため、続編作品の中には「ハイパースポーツ」あるいは「コナミックスポーツ」と題された続編も発売されている。なお、シドニーオリンピックの際はオリンピックという名称は使用しているが、ハイパーオリンピックというタイトルではなく「がんばれニッポン」というタイトルになっている。
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